何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

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お休みしますって言ってたんですが、用事をしながら思いついたので、書き書きしておりました。

いつも沢山の感想をありがとうございます!
にこにこしながら読ませていただいております!


第10話

 

BAWSっていうのはこの惑星ルビコンの地元企業でさ。

正式名称はえーと、「BELIUS APPLIED WEAPON SYSTEMS」だっけな。

 

今、自分が居るべリウス地方にもでっかい工場があるんだよ。

中部の北側には第1工廠、もっと北に向かっていくと、北部って言われる場所には第2工廠がある。

 

前に言ってた解放戦線の「壁」で困ってたアイツらに運んだ物資は、この第1工廠に取りに行って運んだものだったりする。

 

第1工廠ではACのパーツとか武器とか、MTとか販売用の諸々を作っててな。

それが色んな企業や場所に出荷されてるから、24時間、結構な頻度ででっかいゲートから大型輸送トラックが出入りしたり、輸送ヘリが飛んでったり飛んできたりしてる。

 

自分もちょくちょく、主に解放戦線に届けるものを受け取りに行くんだけど、コンテナ背負ったACが近付いていくと2回に1回くらいの確率で「なんだこのAC!?」って扱いを受ける。

しかも背負ってるコンテナ、もう大分擦れて消えちゃってるけどBAWSのロゴ入ってるし、マジで何!?って反応される。

 

事情を説明すると、今度は扱いが変人になったり、ACのデータ取らせてとか言われたりして……変人扱いはもう慣れたけど、ACのデータは有料で渡してる。

何に使うのか聞いたら、大荷物背負って長時間歩行したり、作業する戦闘用ACなんか他に見た事ないので、関節とか稼働部分への負荷とかのサンプルにするんだそうで。

 

ついでに、このコンテナにミサイルとかつけれないかな?って軽く聞いてみたら

 

 

「そういう他に受注の見込め無さそうなものは、ウチじゃちょっと……」

 

 

ってやんわり断られた。

コンテナ自体は既製品だし、解放戦線に運んでるっていうなら、今使ってるコンテナと交換したいだけなら、売っても良いけどって。

 

オールマインドに言われた通りの結果に、あ、はい、って言うしか無かったよ。

さすが、オールマインドの予想は的確だね、くそう。

 

あんまり大きな声では言えないが、ヘンテコな改造したいならRaDとか、ちょっと怪しげな業者とかのが良いんじゃないってさ。

 

 

そんなことは分かってるよチクショウ!

この前のカーラが怖過ぎたから、暫く近寄りたく無いから、聞いたんじゃないか!

 

 

なんてことは言えなかったので、目を逸らしながら考えておきますって話を打ち切りました。

 

Radに頼るのはね、最後の最後で最後にしたい手段なんだよ。

自分が信じられるのはオールマインドだけなのかもしれないなあ……

 

 

あ、ちなみに第2工廠には入ったことないです。

第2工廠は研究開発とか一般向けじゃない製品とか作ってるらしくて、関係者以外は立ち入り禁止なんだって。

 

解放戦線は一部、出入りしてるらしいが……あっちの荷物は頼まれたことがないので、何を作ってるのかは本当に知らない。

一回、オールマインドにも何か知らないか?って聞かれたことあるけど、マジで知らないんだよなあ。

 

BAWSって地元企業だし、同じく地元組織の解放戦線とは特別な繋がりが合っても不思議じゃないから。

嗅ぎ回ろうとは思わないけど、荷物運んでる時に噂でも聞いたら教えてあげようかな。

 

 

 

 

何でBAWS?っていうと。

 

知り合いの独立傭兵とグリッド135に忍び込んで、一暴れして逃げるという迷惑行為をした後なんだが。

 

その後、素知らぬ顔でベイラムからの依頼を受けてべリウス中部と南部の境界くらいの、でかい川にある基地に荷物を運んだ帰り道で、解放戦線から連絡がありまして。

 

今、まさにさっき言ってた第1工廠に居るからです。

 

背中のコンテナに積み込まれてるのはBAWS製のAC、BASHOシリーズの部品とかメンテ機材とか、そういうの色々。

例えば、AA-J-123……要するに腕パーツの、しかも左腕だけコンテナに入れられたりしてる。

 

 

連絡してきた解放戦線の馴染みの担当者が言うには、共食い整備でだましだまし使ってたACの幾つかがマジで損耗がヤバイらしくて。

できれば修理に持ち込みたいが、しかし、一時的にでもその基地の戦力低下をさせたくない事情もあり。

 

その場凌ぎの延長にしかならないのは分かっているって、担当者も言ってたけども。

一旦、どうしても交換したいものだけ取り纏めたので、急ぎでBAWSの第1工廠、つまり、ここに取りに行ってそのまま運んでくれないか、とね。

 

余裕ができたら、本格的な修理を行う計画を立てるとも言ってたけど……

ぶっちゃけ、解放戦線のACってどこで見かけても、えーと、言い方悪いけど、動いてるのも、撃墜されて戦場に放置されてるのも、ニコイチみたいなの多いしなあ。

 

余裕できることなんて、あるのかなあ?って思っちゃった。

いや、解放戦線には言わないけどね。

 

 

そういえば解放戦線が食べてるミールワームも、餌のコーラルが企業に奪われるせいで養殖の生産が落ちてて、そういうのも困ってるって言ってたなあ。

 

コーラル食わせて養殖するワームってなんだよって思うけど、ルビコンではそれが普通らしい。

この星の文化にどうこう言うつもりはないけど、自分はちょっと遠慮したいなあと思ったから、食ってない。

 

一回だけ、すっごい遠い場所にあった解放戦線の基地の人に「荷物を運んでくれた礼だ!」ってミールワームの串焼き肉を渡されてさ。

断れる空気じゃなかったから、覚悟決めて齧ったことあるけども……

 

そのなんだ、決して美味しいもんじゃなかったよ。

 

柔らかいけど、なんかぬるっとしたような、肉汁なんだか粘液なんだか分からないものが口の中に広がってね。

緩い歯応えで酸味のある肉と、雑なスパイスの味が大変個性的に仕上がってて……

 

後から「他の星のヤツは口をつけもしないヤツが多いのに、オマエは良い奴だ!」って何故か好感度上がってたけども。

そんなので人を試さないで欲しいと思いました。

 

 

そんなんだから、普段はオールマインドの総合支援ショップで軍用のレーションとかレトルト、冷凍食品とかを食べてる。

 

ベイラム製のレーションはぶっちゃけ不味いっていうか味がしなくて、アーキバス製のは味のバリエーションがあるとか、こういうのも企業の色が出てるんだよな。

傭兵コミュで細かい食レポとか、こうやれば美味い!みたいな批評展開してるヤツもいたなあ、そういえば。

 

それで思い出したけど、アーキバス製のレーションが結構減ってたから、帰ったらまた、纏めて箱で注文しておくか。

 

あと、メリニットのマジェスティック・ハンバーガーの冷凍のやつ。

オリジナル炸薬の調合と同じくらい、栄養配分を考えました!って書かれてて、しかも結構美味しいんだ、あれ。

 

 

 

 

『あー、待たせてすまない、やっと積み込みが終わったぞ。

 納品書の一覧は解放戦線の担当者にも送っておくが、コピーを転送したから、そちらで現地についたら受け取り担当に渡してくれ。』

 

 

あ、思考があっちこっちしてたら、コンテナへの積み込みは終わったらしい。

後ろの作業用MTから通信が来た。

 

 

「おっと、ごめん、考え事してた。

 積み込みありがとう、転送は確認した。無事についたら担当者に渡しておくよ。」

『おう、頼んだぜ。大分困ってるみたいだからな。

 注文取消しになって浮いたやつも、オレ達の権限で処分できるやつはサービスで入れといた。』

「随分優しいなあ、お得意様への配慮ってやつ?」

『まぁ、そんなところだ。

 オレだってルビコンの人間だからな。』

 

 

BAWSって会社の意向は分からないけど、現場の人間はそりゃ、解放戦線を贔屓もするか。

同じ星の人間って共通点あるものなあ。

 

頼んだぞーって手を振られながら、第1工廠の正面ゲートに向かう。

 

 

ゲート出る時にすれ違ったでかい輸送トラックはベイラムのロゴが入ってたなあ。

ふと思ったけど、ここで企業や解放戦線がかち合ったらどうなるんだろな。

 

多分、この周辺じゃやり合わないっていうのが暗黙の了解とか、協定とかあるんだろうけど。

BAWSの流通が止まると相手だけじゃなく、自分らも困るだろうしなあ。

 

 

 

 

ガッションガッション、そんなわけで気持ち急いで、指定された解放戦線の基地へやってきました。

 

道って言える程、整備されたものもないし、ちょいちょい高低差もあったから、これは輸送トラックでは厳しいなってのはよく分かった。

後はヘリしかないけど、解放戦線の補給部隊って割とカツカツなイメージあるからなあ……だから自分に仕事が回ってくるんだけどもさ。

 

 

年季を感じさせる基地が見えてきた辺りで、指定されてるチャンネルで通信を入れる。

 

 

「毎度ー、こちら運び屋。

 ACのパーツとか色々お届けにきたぞー、BAWSがサービスだってオマケもあるらしいぞー。」

 

 

……あれ?

いつもなら割と即、応答があるんだけどな。

チャンネルは合ってるはずなんだけど。

 

 

「聞こえてないか?

 こちら運び屋、解放戦線の担当から頼まれて、BAWSから荷物を運んできた。

 基地へ入っていいか確認したいんだが?」

『――――聞こえている、すまない!

 今、ちょっと立て込んでいて……いや、その荷物は急いで受け取りたい!

 すぐに入ってきてくれ!』

 

 

なんだなんだ。

えらく慌てた声だったけど、まぁ、入っていいなら入らせて貰おう。

 

ガッションガッション、ACの足を進めて基地の中に入ったら、解放戦線の人らが飛び出してきて誘導してくれた。

広めのスペースに移動したら、背負ったコンテナのロックを外して地面に下ろす。

 

MTが1台、近付いてきたので、そちらに通信を入れる。

 

 

「よし。

 それじゃ、運び出し頼むわ。

 納品書のコピーも預かってるから、それも転送したいんだけど?」

『あ、ああ……

 すまない、折角急いで運んできてくれたんだが、今、ちょっとトラブルで……』

「こっちは届け物さえできれば、それで構わないからさ。

 運び出しに時間が掛かるなら待つから、ゆっくりやってくれ。」

『ありがとう。

 済まないが今、肝心のACが出ていてな……』

 

 

ああ、見掛けないのは出撃してるのか。

だから基地全体がバタバタしてると……納得した。

 

 

「COM、完全受動モードで周りのチャンネルの通信って拾える?」

《はい、確認します。》

 

 

何と戦ってるのか分からないけど、この基地までマズそうなら最悪、コンテナ捨てて逃げることも考えないといけないしな。

突っ立てる間に企業のACとかが突っ込んできて、巻き添え食らうとかになったら、笑えないし。

 

 

『――――荷物を運んできてくれた貴方に言うのは心苦しいのだが。

 少しお願いを聞いて貰えないだろうか?』

 

 

あ、これ間に合わなかった奴かもしれない。

 

 

 

 

「つまり、出撃していったACの様子を見てこいってこと?」

『その通りだ。

 通信に応答が無いのは戦闘が長引いてるのか、それとも撃破されてしまったのか……

 状況が知りたい。

 

 基地にあるMTは防衛も考えると……

 それでも1機、後追いで出したのだが、更に出すべきかを議論していたのだが……』

「ここにACが居るから、使っちゃおうってことか。

 

 それ、見に行って、戦ってましたよって帰ってていいのか?

 様子を見てこいっていうか、戦闘してたら混ざってこいってことだよなあ?」

『……その通りだ。

 状況の確認と、ACやMTが健在なら、援護か救出を頼みたい。』

 

 

纏めるとこうだ。

 

 

・近くにドーザーらしきMTが2-3機確認された

・止せばいいのに、ACのパイロットはドーザーと昔なんか有ったらしくて、ここらで悪ささせるわけにはいかない!許せない!って飛び出していった

・それがついさっきの話で、追いかける形で出したMTと合わせて、間に合うかもしれないから助けに行って欲しい

 

 

うわー面倒くさい。

 

しかも、周りのMTも人間からの圧力がね……まさか見捨てないよね?って、この空気がね。

解放戦線ってこういうの凄いんだよなあ。

 

 

「あー、分かった分かった。

 コンテナは預かっておいてくれよ、すぐに出るから。

 

 この辺のマップデータをくれ、できるだけ細かいやつ。

 あと、ACやMTと連絡のつく通信チャンネルも。」

『感謝する!

 チャンネルはこれで……マップデータも直ぐに用意する!』

 

 

ここで嫌ですって言えない自分がちょっと憎い。

 

COMが通信チャンネルの設定とマップデータを受け取ったのを確認して、マーキングされた座標をスクリーンに出す。

見るとACで飛んでいけばそんなに遠くもないなあ。

 

 

「……確認した、じゃあ行ってくるわ。」

 

 

渋々って感じが隠せてない気がするけど、ACを動かして基地の外に出す。

そしたら、ブースタ吹かせてジャンプして、アサルトブーストで指定座標に向かって飛んでいく。

 

あーあー……肩にミサイルもシールドもないのに、行くの嫌だなあ。

 

 

 

 

そして到着しましたのは、なんだか知らんが崩れてぶっ壊れてる構造体の一部だか?破片だか?みたいなのが転がってる盆地みたいなところ。

なんだか知らんがっていうか、こんなのデカい破片、グリッドの一部くらいしか無いよね。

 

見上げても上には何も無いので、どっからか吹き飛んできたのかな。

昔ルビコンであった災害の名残か何かかもしれない。

 

 

まぁ、それはいいとして。

 

 

自分は今、ちょっと高い位置にある太い鉄骨の上に立ってます。

こんなのでもACの重さを支えられるんだから、グリッドの建材って頑丈さがとんでもよなあ。

 

そして、見下ろすとですね。

 

ちょっと離れたところの地面にね、右腕と右足が無くなって割と焦げ焦げになったACが転がってまして。

ACの近くに壊れたMTが2機くらい転がってて、煙吹いてるから、解放戦線のACも頑張ったのは分かるんだけど。

 

 

その横にさ、MTが1機と、変な虫みたいな形したのが1機居るんだよ。

あの虫みたいなのってどっかで見たことある気がするんだけどなあ……何処だっけ?

 

 

「COM、この距離でデータ照合ってできる?」

 

 

というわけで、ACより先に確認してみよう。

 

 

《はい、データ照合を実施します。》

《データ照合に成功しました、戦闘データに記録あり。

 MT-E-104 BAWS製 MT、マーカーセットしました。》

 

《データ照合に成功しました。

 本ACのカメラ記録に一致あり。

 ログハント・プログラム対象として合わせてスクリーンに表示、マーカーセットしました。》

 

 

「あれ……本当に記録にあるんだ?

 ていうか、ログハントの対象なのか……」

 

 

スクリーンには自分のACの映像記録の切り取りらしいのが表示されたので、見てみると……これ、グリッド086の外周部だよ。

確かに、ちょっと遠くに同じ形のが映ってるわ。

 

スキャンしながら飛んでる時に一瞬だけ見たのかもしれないなあ……

 

 

「ログハント方で名前は分かるか、えーとRaD製 TOYBOX……トイボックスって名前なの?

 MTなの?あれ。」

 

 

RaDがヘンテコなもの作るのは知ってるけど、アレは特にアレだなあ……

 

 

「あのAC、中身生きてんのかなあ?

 

 ああ、COM、あのドーザーがRaDかどうか確認したい。

 通信チャンネル広げて、声拾ってみてくれ。」

 

 

潰すならどうやるか?を頭の中で考えながらCOMに指示を出す。

 

 

《了解しました。通信チャンネルの受信領域を拡大します。》

 

 

『ほんとどーすんだよ、これさあ……まずいんじゃねえの?』

『うっせーなあ、やっちまったもんはしょうがねえだろ。

 転がって移動するとか頭おかしいだろが、酔っ払ってゲロ吐きそうなんだよ、こっちは!』

『だからってコヨーテスのヤツまで撃つこたあねえだろ!』

『武器が多過ぎんだよ、これ!

 あんなに弾が出るなんて聞いてねえぞ!

 

 それに試しに乗って遊んでこいって言ったのはコヨーテスのヤツじゃねーか!』

『じゃあオマエ!そう言えるのかよ、コヨーテスのヤツらによお!』

『――――!』

『――!!』

 

 

なんだ、コヨーテスの一派じゃんアイツら。

 

それが何でRaDの製品乗ってるのか分からないけども……これ、カーラに聞こえたらまたブチギレるんじゃないのかな?

流石に黙っておこうかな……

 

それにめちゃくちゃ揉めてるけど、あのトイボックスってやつが何だ、解放戦線のACと周りのMTを纏めて撃っちゃったってこと?

 

何にしても前から戦うのは駄目そうだな。

騒いでる間に後ろから……いや、上から蹴とばして、ブレードで切って、すぐ離れてMTの方に行って……よし。

 

 

頭の中でどうやるかイメージできた。

 

 

ログハント・プログラムの対象ってことはトイボックスは強い。

でもきっと、メーテルリンクよりはマシ、メーテルリンクよりはマシ。

 

深呼吸ヨシ、メーテルリンクヨシ、いや良くないけどヨシ。

 

 

トイボックスを睨みながらアサルトブーストを全力にして斜め上から突っ込んでいく。

 

 

『大体、コヨーテスに取り入ろうって言ったのはテメェがぁ―――』

『それは関係ねえだろ!どっちみ    ぁ!』

 

 

突っ込んでくるこっちが見えたMTの方が間抜けた声上げてるが、もう遅い。

トイボックスが振り向く前に頭らしき場所に蹴りを入れる。

 

 

『ぎぁ!?なn』

 

 

必殺、不意打ちキックからのパルスブレード!

着地しながら左腕のブレードを振り回して斬る!

って、蹴っ飛ばしたトイボックスが思ったよりMTの方へ行っちまってる!2回目斬れねえ!

 

トイボックスを追いかけるように斜め前にブースタ吹かして飛び出し、横を抜けるとそのままMTの方へ。

バーストライフルを撃つと見せかけて、MTの横も通り抜けて、トイボックスとの間にMTを挟む。

 

 

『やろう!!』

『バカ止めろ!オレまで殺す気か!?』

 

 

ははは、なんだか盛大に弾を吐き出すらしいトイボックスは、間に身内のMTが居ると撃てないだろう。

でも自分は撃てるので、目の前のMTをバーストライフルで撃ちます。

 

 

『ぎゃぁああ!?』

『テメェエエエエアアアア!』

 

 

更にアサルトブーストでMTに近付いて、トイボックスの方へ蹴とばす。

これでヤケになったトイボックスが撃ってもMTが盾になって

 

 

バガン!!

 

 

って、ACに結構な衝撃が来た。

やばい、スクラップにしたMTじゃ全然、盾にならない、貫通してるわ。

 

と言っても、ここで後ろに引くのは無い。

もう一回撃たれる前に殺ってやる!

 

 

『ガアアアアアぁああ!』

「メーテルリンクよりマシぃいいい!」

 

 

叫びながらブースターをフルにして、トイボックスに突っ込む。

トイボックスの胴体に並んだ砲がこっちを照準して、両腕っぽいのがガトリングを撃ち始めたのと同時くらいに横薙ぎにしたパルスブレードがトイボックスを叩き斬った。

 

爆発するトイボックスの横をそのまま飛び抜けて、ACの足を地面に滑らせて急停止させて……大きく息を吐く。

 

 

「はぁー、はぁー……危なかったぁ。

 転がってるACみたいな目に合うかと思った……はぁ……はぁあああ。」

 

 

すっごい疲れた。

 

 

《指定された戦闘ログを取得しました。》

 

 

あ、そう……やばい嬉しいはずなのに、疲労感の方が強い。

 

 

「あ、そうだ。

 あのACは結局、まだ生きてんのかな?」

 

 

ふー、はーって息を整えながら、転がってる解放戦線のACに近付いていく。

貰っていた専用チャンネルに合わせて通信を飛ばす。

 

「そこのAC、パイロットがまだ生きてるなら返事してくれ。

 どっちにしろ回収はするけど、中身が無事かで扱い考えるから―――」

《接近してくるMTを検知、データ照合成功、解放戦線所属MTです。》

 

 

『うぉおおお灰かぶりて我らありぃぃぃ!!』

 

 

うるさ!?

そういえば先にMTが1機出たって言ってたっけ。

 

てっきり、撃破されて転がってるのかと思ったら、自分の方が追い越して先についてたのか。

そりゃあ、空ぶっ飛んでいくACの方が断然早く着くか、当たり前だったわ。

 

 

「近付いてくる解放戦線のMT、こちらは独立傭兵だ。

 敵対はしていない、良いか、敵対はしていない。

 

 頼まれていた荷物を運んできたついでに、様子を見に行くように頼まれて来たんだ。

 聞こえてるなら返事してくれ、このACの救助を手伝ってくれ。」

 

 

ささっと事情説明して、手伝って貰おう。

 

 

 

 

結局、このACのパイロットは生きてた。

 

遅れてきたMTと一緒になって、外から強引にハッチを開けて確認したら、中で気絶してた。

骨折したりとか結構な怪我してるけど、まぁ、元々ボロボロだったACでトイボックスにぶっ飛ばされたんだし、生きてるだけラッキーだろう。

 

自分のACも結構、正面がダメージ入ったしなあ。

 

これ、修理費は解放戦線が持って欲しいんだけど、ちゃんと払ってくれるかな。

 

 

パイロットはMTの中に入れて運ぶらしいから、こっちはこの……大破したACをどうにか持って帰って欲しいって言われた。

と言っても手足が1本ずつ無いとはいえ、ACはACだし、コンテナも無いから背負えないし。

 

しょうがないから、片手で足を掴んで引き摺って帰ることにしたよ。

 

基地に連絡入れたら、MTをどうにかもう1機出すって言ってたし、合流したらそこで渡して帰らせて貰おう。

MT2機で引き摺って行けばいいよ。

 

自分はコンテナ早く回収したいし、さっさと帰ってACの修理もしたい……

ダメージ入ってるACで外をウロウロしたくないんだよ。

 

 

 

 

基地に戻ったら盛大にお礼を言われたが、適当に挨拶してさっさと帰らせてもらった。

 

多分、持っていった部品だけだと、あのAC修理するのに足りないんじゃないか?とも思ったけど、そこまでは知らないもう。

 

 

ハンガーにACを置いて、リビングみたいな位置づけの部屋に入ってボロいソファに倒れ込む。

最近、疲れることが多いなあ。

 

 

その辺に転がってたPDAを引き寄せて、ストレス解消も兼ねて美味そうな冷凍食品とかを探して、購入ボタンを押していく

使うかは置いておいて、なんか新しい武器とか買っちゃおうかな?と思いつつ、忘れない間に今回の戦闘ログもオンラインストレージに上げておく。

 

 

『独立傭兵 tr-227 Transporter。

 ログハント・プログラムの対象となる戦闘ログを確認しました。

 

 今回は1点、これで貴方のポイントは3点となります。』

「うぉびっくりした!?」

『オールマインドは引き続き、貴方の健闘を期待しています。』

「ぇ、ぅ、はい…………き、機会があれば……

 あ、ACの修理の手配をして欲しいんだけど!」

 

 

できるだけ、そういうのには遭遇したくないんだけどなあ……と思いながら、丁度いいのでオールマインドに手配を頼もうと思う。

でもなあ、今回みたいなの、毎回やりたくないよ……

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

 

 





ログハント・プログラムの対象を見ながら、主人公ならどうするかなあ?と考えたりしてます。

少し考えて うん、逃げるかな、戦わない という結論になりますね、やっぱり。

どうしても戦わないと駄目か、不意打ちとかで有利を取れるとか、勝ち目を見出だせる状況なら、やるかもしれない?って感じです。


コーラルで色々な幻覚を見てはいるのですが、うまく文章にできるかは……できたら、また更新します。
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