これもコーラルの導きに違いありません。
感想いつもありがとうございます!
誤字報告もありがとうございます、ぐは!
ルビコンにはウォッチポイントって呼ばれてる施設があってだな。
技術的な話は全く分からないが、昔のルビコンで地面の中のコーラルの流れを監視?管理を行ってた施設だったらしい。
実際に何をしてたのかは分からないけど、何か重要なものだったらしいっていうのだけは分かる。
らしいらしいばっかりなのに、何で分かるのかって言うと。
ベリウス北部には正式名称かどうかは知らないけど、海岸付近に「ウォッチポイント・デルタ」っていうのが残ってるんだが……
そこは惑星封鎖機構が陣取ってて、完全に出入り禁止になってるっていうのが判断基準だな。
普段はでかい密航船を衛星砲で撃ったり、ヘリ飛ばして、何か判断基準があるのか、パイロットの気分なのか、目につくACやMTとかを銃撃したりガトリングでバラバラに吹き飛ばすぐらいしかしない惑星封鎖機構が……
いや、ぐらいって言ったけど、良く考えなくても普通にヤバいことやってるわ、惑星封鎖機構もイカレてるわ、やっぱり。
まぁ、まぁ、そんなやべーヤツらが完全に外部とシャットアウトしてる場所だから、何か重要なものがあるんだろうなっていうのが、傭兵コミュでの結論。
実際にも企業どころか、脳がコーラルで半分溶けたようなドーザーでも度胸試しに近寄らないって辺りで、それがどれだけ危険だって言うのかが分かろうってもんだ。
自分もすっごい遠くから見て「へーあれがー」って思ったくらいで、近寄ろうと思ったことはない。
どこかに廃墟になって惑星封鎖機構が居ないとか、そういうのがあれば見に行ってみたいかもだけどもね。
というわけで、近寄ろうと思わないって言ってたところなんだけども。
自分は今、オールマインド経由で撃墜された機体の回収依頼っていうのを受けて、ウォッチポイント・デルタの近くに来ちゃってる。
近くにって言っても、もうすぐそこみたいな距離ではないし、ちょっと丘っぽいデコボコしてるような地形に遮られて、ウォッチポイント・デルタ自体はここからじゃ見えないんだけどさ。
これ以上近かったら、オールマインドの仲介でも断ってたかもしれない。
うっかり惑星封鎖機構の大型ヘリとかに遭遇したら自分だと多分、多分死んじゃう気がするし。
こんな場所で誰と何が戦ったのか分からないけども、自分は回収してくれって言われればそれをコンテナに入れて持って帰るだけだ。
オールマインド経由ってことは、依頼人は独立傭兵の誰かだろうっていうのは分かるけど……もしかすると、ケンカした傭兵同士で決闘でもやったのかもな。
たまーにあるんだ、あれだ、傭兵ってケンカっ早いの多いから。
舐められたらオシマイ、やろうぶっ殺してやらなきゃ!みたいな蛮族が稀に良く居る。
そういうのが、邪魔の入ら無さそうなここらで殴り合ったのかもしれない。
撃墜されたヤツが死んだか脱出したかは分からんが……ああ、自分の機体を回収して欲しい、でも撃墜されたのは言いたくないからこっそり自分に……はありそう。
とまあ、探ろうってわけじゃないけど、なんだろなーって益体も無いこと考えつつ、指定された座標の辺りをスキャンして歩いてるわけだ。
大体この辺って座標指定だったし、夜中に出てきたから視界も悪いしで、地道にスキャンして歩くしか方法が無い。
まぁ、最近は巻き込まれ気味に戦ったり、バカな放火魔を捕まえたりとか、そういうの多かったからね。
こういう静かで地味な仕事っていうのも良いなって。
さっき言ってた通り、この辺には企業もドーザーもまず居ないから、変なのに遭遇することもないだろうし。
「でも、ちょっと休憩するか。
COM、30分したら教えてくれ。」
《はい、了解しました。タイマーをセットします。》
戦闘中でもないのにスキャンした白い枠線の表示ばっかり見てると目が疲れるし、少し休もう。
シートに座ったまま伸びをしたリ、目の辺りを揉んだりして、休憩を取る。
ちょっとだけ傭兵コミュを覗いてみると、今年の企業展の「毎年恒例、ベイラム VS アーキバスのマスコットキャラ対決」はベイラムが勝ったらしいって記事が載ってた。
毎年恒例って言っても、別に公式なイベントじゃないんだけども。
毎回、それぞれのマスコットキャラが企業展のどっかでケンカになって、殴り合いが起きるっていうぶっちゃけ、事故に近い代物。
最初の何回かは、ベイラムもアーキバスも今後は気を付けるって言ってたんだけどさ。
最近じゃあもう、負けた方の広報が「今回は残念だった、次までにトレーニングをさせておく」とか、やる気満々のコメントしてたりで、公式じゃないけど風物詩みたいなネタになってる。
大豊のコンパニオンガールと並んで、あのマスコット達は企業、傭兵から人気の高いキャラなので、グッズとかも売れてるらしい。
ルビコンじゃ流通してないのが残念だって声もあるくらいで……オールマインドの通販サイトにも確か無かったよな。
殴り合いは動画も上がってるらしいから、帰ったら見てみよう。
あと、アーレア海の海岸付近の推定、コーラル採掘できそうな場所を巡った争奪戦は、長引いてたけどベイラムが守り切ったって話も上がってた。
前にレッドガンの誰かがアーキバスの基地にカチ込んで、がっつり暴れたのが大きかったらしい。
勢いに押されたアーキバスはヴェスパー部隊の投入タイミングを逸して、撤退したらしい。
どうやら、メーテルリンクは撃墜されてない模様……っく、残念だ。
アーキバス側で参加してたアイツがどうなったのか、そのうちメールでも出しておこう。
とかやってたら休憩も終わり、撃墜された機体っていうのを探してスキャンして歩くのを再開する。
ガッションガッション、枯れてるんだか、まだ生きてるんだか分からない、細い木々の続く森をACで歩く。
「見つからないなあ。
座標合ってるのかな?それか、通りすがりの業者にでも持って行かれたのかなあ。」
こうなるとせめて、破片の1つも拾わないと、仕事したっていう説明が難しいんだよなあ、うーん。
《北西110m地点に構造体を検出。表示します。》
《対象についてデータを検索します。》
お、あったかな?
良かった良かった、これで仕事が進むってことで、そちらにACを向けて回収することにした。
で、だ。
見つけたものを今、見下ろしてるんだけども……自分は今、変な顔をしてると思う。
なんだろうね、これ?
周りにね、戦闘の痕跡があるのは全然いいんだ。それは当然だからな。
それに、色々破損して転がってるのもいいんだ、撃墜されたんだからさ、逆に無傷で倒れてたらそっちのほうがおかしい。
問題はサイズと形というかね。
どう見てもACじゃないのは確実なんだが……
「なんだこれ?MTなのか?」
細い手足にちょっと尖った頭。
胴体の前面に……なんだろこの、円盤?でっかいフリスビー?みたいなのがくっついててさ。
こんな機体って、今まで一回も見たこと無いんだよなあ。
これでも結構、ルビコンの色んな場所を歩いてるはずなんだけど。
企業の新製品か何かかなあ?
いや、ヘンテコ具合からするとRaDのトンデモ機体……?トイボックスみたいな感じ……?
《データ検索完了しました、該当無し。》
そりゃそうだろう。
むしろ、出てきたらびっくりするわ。
「まぁ、いいか。
コレが何であれ、回収しろっていうのが依頼だし。
好奇心だけで首突っ込むのは、良くないことだ、と。」
コンテナを下ろして開いて、地面に転がってる謎の機体をできるだけそーっと持ち上げる。
ゆっくりコンテナの中に回収して、ワイヤーを引っ掛けて固定していく。
手足の損傷はあんまり無くて、丸い円盤にでかい穴が開いてるなあ、これ。
穴の周りが結構溶けてるから、実弾じゃなくてレーザーとか高温の何かが当たったのかな。
機体が転がってた周りを何回かスキャンして、小さい部品とか破片とかも分かる範囲で拾って、コンテナの中に放り込んでおく。
仮に企業の新製品とか、何かの実験機とかだったら機体の素材だって大事なネタだからな。
余さずは無理でも、できるだけ回収して置くのが良いだろう、きっと。
……なんか、少し離れたところに腕が1本だけ落ちてたけど、これ、1機じゃなかったのかな。
色々と気になることは多いが、こういうの考え始めるとどんどん、変な話に行っちゃうからこの辺にしておこう。
ちなみに個人的に調べようとは全く思わない。
自分はただの木っ端傭兵だからな、いらんちょっかい出しても早死にするだけって弁えてる。
「よし、こんなもんかなあ。」
というわけで、分かる範囲で回収が終わったらコンテナを閉じて、背中に担ぎ直す。
探すのに時間が掛かったせいで、夜明けに近い時間になってしまった。
さっさと帰るに越したことはないし、少し急ぎ目にACを歩かせて、ドックに戻ることにした。
「COM、オールマインドに回収完了したから、これから帰還するって連絡しておいてくれ。
運び出しは先方で手配してくれるって話だったし、戻る時間が分かった方が良いだろうから。」
《はい、了解しました。完了連絡及び、ドックへの帰還について想定時間を連絡します。》
よしよし。
あとはドックでコンテナの中身を受け渡せば仕事は終わりだ。
やった内容の割りに報酬も高めだし、良い仕事だった気がするなあ。
『独立傭兵 tr-227 Transporter。
完了連絡を受領しました。それに伴い、依頼人からの確認事項がありましたので、伝達します。』
「ありゃ、なんだろう。」
オールマインドから連絡が来た。
相変わらずレスポンス早いなあ……いや、この場合は依頼人がそうなのか。
『回収作業の際、周辺で対象以外の機体や、それに類するものは居なかったかを確認したいとのことです。』
「えーと、自分以外に誰か居なかったかってこと?
スキャンしてる範囲では見なかったけども。レーダー範囲外から見られてたら、それはもう分からないなあ。
ああ、気になるなら行動ログとスキャン結果とか纏めて後で提出するから、チェックしてもらえれば。」
『承知しました。
帰還後に指定のアーカイブに提出をお願いします。』
「あ、依頼人に連絡ついてるなら、こっちからも1つ確認したい。
回収するのってこれで良かったのか、コンテナの中に入れたヤツの画像確認してもらいたい。」
映像データからあのヘンテコなMT?が地面に転がってる時のシーンを画像で切り取って、オールマインドに送る。
『画像を確認します。
はい、依頼人は間違いないとのことです。』
「確認はっや。
あってるなら良かった、間違ってたらコンテナの中身放り出して、もう一回探しにいかなきゃだったから。」
『間違いはありませんので、そのまま確実にドックに帰還するようにしてください。』
「了解した。時間はさっき送った通りだから、受け取り手配はお願いする。」
通信は終わったけど、あれだな。
依頼人の方も確認とかすごい早かったな。
あれかな、専属のオペレーターとか雇ってる上位ランクの傭兵とか、やっぱり企業だったのかもしれないな。
ともかく、懸念も無くなったし後は届けるだけだ。
急いで帰って渡してしまおう。
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一体、何を回収したんでしょうね。
しかし主人公は保身を大事にするため、詮索などは絶対にしないのでした。
続きはコーラルのお代わりが届いて幻覚が浮かんできたら……
月初、忙しい、です(ばた