何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

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たくさんのご感想、ご心配ありがとうございます。
大分、熱が下がって楽にはなりました。

高熱に魘されている間に見た幻覚を忘れない間に出力してしまわねば……

誤字はその、減らしたいんですが……ね。


第18話

 

ルビコン解放戦線のリーダーっていうか、総司令官っていうのかな、そいつの名前はサム・ドルマヤンっていう人物らしい。

ドルマヤンの部分、言い間違えると大体の解放戦線の人間はキレるか、キレなくても途端に機嫌が悪くなるから注意だ。

 

このドルマヤンは解放戦線じゃあ、帥父って呼ばれてて……なんでも、アイビスの火の生き残りらしい。

つまり、灰かぶりってことだな。

 

コーラルを神聖視っていうか、アレだ、解放戦線の宗教みたいになってる「コーラルよ~」も、このドルマヤンが言い出したものらしい。

元はドーザーでゲリラ戦にも通じてたらしく、今の解放戦線の原型や下地はこの人が作ったものなんだそうな。

 

まぁ、言っちゃ悪いが今のルビコンには資源なんか期待できないし、売れそうなものはコーラルしかないから……

それを自分たちが管理して余剰を売るならともかく、あるだけ貰っていくし、現地民のことなんか知らんって感じの企業と共栄できるわけないからなあ。

 

ドルマヤンが居なくても、そのうち、こういう構図にはなってたんじゃないかと思う。

 

 

で、そんなドルマヤンだが、まだ存命らしい。

おそろしいことに、ACにも乗れるっていうんだから驚きだよ。

 

強化人間だったらアレだ、マイクロマシンのアンチエイジングで老化防止処置を受けてる可能性もあるが、見せてもらった写真だと普通に爺さんなんだよなあ。

普通の人間でそれだったらバケモンの類だと思う。

 

 

え、灰かぶりならRaDにも?カーラ?

その話はするんじゃない。

 

 

 

 

えっと、自分は今、珍しいことにベリウス北部のBAWSの第2工廠の近くに来ている。

 

近くといっても、目に見える距離とかではないけどね。

解放戦線から貰った広域マップで見ると、この辺って位置が分かる程度だ。

 

今回は荷物運びじゃなくて、大型輸送トラックの護衛っていう……まぁ、面倒な系統の依頼なんだけども。

 

アーキバスもベイラムも、今は自分の占領してる場所の防衛構築と戦力の再配分に忙しいだろうしな。

移動ルートを聞いても、やっぱりアーキバスもベイラムも手を出してくるようには思えなかったし、来てもドーザーだろうってことで、受けることにした。

自前でMTも何機か用意するって言ってたしさ。

 

依頼の詳細としては、BAWSの第2工廠から解放戦線の後方に運ぶ重要物資の護衛。

 

いつもの窓口の担当が結構ぶっちゃけてくれたが、重要といっても軍需物資じゃなくて、前にあったアレだ、焼き払われた食糧生産施設の復旧に使うものらしい。

言ってしまうと、ミールワームの培養容器とか、それ系に使う機材だの部品だのとかまあ、そういうのなんだって。

 

BAWSってそんなものまで作ってるのかーって結構驚いたよ。

 

あと、第2工廠は他にも医療品なんかも細かく作って解放戦線や、それに参加してないルビコニアンな人々に流してくれてるらしい。

当然のように赤字だけど、それは企業が消耗品かよってレベルで買い漁るMTやその装備とかで十二分に賄ってるそうな。

 

そういうのもあって、第2工廠で作ってるものは基本的には非開示なんだと。

担当者には「これは焼き払われた施設にいち早く救援物資を運んでくれた上、犯人を捕まえて引き渡してくれた貴方だから伝えたことだ」って笑ってたけど、ごめん、そういう重いのはちょっと……困る。

 

聞かなかったことにしとくよって愛想笑いで受け流しておいたが、ACのコクピットの中の自分の顔は引き攣ってたと思う。

余計なことを教えるんじゃない、ってな。

 

 

護衛とはいえ、直接、第2工廠に入れるわけにはいかないので、こうして少し離れたところで待ち合わせして、合流しろって指示だったので……

今は、大型輸送トラックの到着を待ちながら、時間を潰してるわけだ。

 

 

「うーん、カタログ眺めてるとアレだな、そっと注文しそうになるから怖いな。

 肩の4連ミサイル、もっと本数増えたの売ってくれないかなー。実績がもっと無いと駄目かなあ。」

 

 

こんなことを言いながらカタログを眺めていても、実際に買う予算はない。

 

最近の収入は大部分をリペアキット購入貯金に回しているからな。

それも、報酬が払い込まれた段階で必要経費を抜いた95%を積み立てていくよう、オールマインドに依頼済だ。

これで必要金額が溜まったらスムーズに購入が行われて、リペアキットが手に入るって寸法なのだ。

 

というわけで、今の自分には、自由になる金は殆ど無い。

精々、気になる冷凍食品の新作を買って満足するしかないのだ。

 

 

『―――あー、このチャンネルで聞こえているだろうか?』

 

 

おっと、待ち時間は終わりらしい。

スクリーンに映していたカタログだのを消して、通信に応じる。

 

 

「聞こえてるよ、こちら独立傭兵 tr-227 Transporter……運び屋でいい?

 指定ポイントで待機中だ。」

『了解した、こちらは解放戦線の戦闘MT部隊で今回の輸送トラック護衛の責任者だ。

 既に待機中なのはありがたい。

 

 もう少しでそちらに着く見込みだ。

 その辺りからはBAWSの目も行き届かなくなるからな、護衛を引き受けてくれて感謝する。』

「そりゃーもう、いつもの担当から事情も聞かされたしな、引き受けた以上は頑張らせてもらうよ。」

『ああ、彼は悪い奴ではないのだが……まぁ、良いとしよう。

 合流後は進みながら、打ち合わせをさせて欲しい。』

「了解だ、後任せるわって言われなくて安心してるよ。」

『ははは、それはこちらもだ。

 こちらの細かい指示や要望を汲んでくれる傭兵は余り居ないからな。

 

 それでは、また後ほど。』

「はいよ、後でな。」

 

 

……打ち合わせとか嫌いな傭兵って多いのかねえ?

ワガママっていうわけじゃないけど、自分のスタイルはこう!やり方はこう!みたいな感じの、それに拘り持ってるヤツは多い印象はあるけどなあ。

 

 

 

 

何事もなく、大型輸送トラック3台と護衛のMTが3機という、確かに若干、護衛のMTの数が心許ないかも?な一団と合流できた。

 

本当はもっと護衛をつけたかったらしいんだが、本当に戦力不足というか……幸い?解放戦線に入りたい人間は多いらしく。

後は、訓練とBAWSからMTその他が届けば数は揃うらしいんだけどさ、解放戦線に入りたいのって、その、アレだ。

志が云々よりも、もうそれ以外じゃ食っていけないからじゃ?と思ったけど、口には出さなかった。

 

護衛の配置としては、MT1機が前、1機が後ろ、残りが輸送トラックの2台目の横、つまり真ん中。

自分のACも真ん中に居て、前後や横からの襲撃の際に素早く対応できるようにして欲しいって言われたんで、頷いておいた。

 

というか、歩いてついて行く分には他に思いつかない。

 

時々、飛び上がって広めに周辺を見て索敵はしておくが……できるのはそれくらいかな。

廃墟の中とかに隠れられると、遠くから見ただけじゃ分からないんだが、その辺は、都度スキャンで対応ってことで。

 

 

「じゃあ、ドーザーが出たら、そういう感じで……」

『ああ、我らの同志なら専用のチャンネルで連絡があるはずだからな、そうでなければ、まずドーザーと見なして問題ない。』

「公開通信の時点で、もう黒ってことね。」

『それで構わないだろう、相手の戦力評価はお任せする形になるが……』

「判別ついた段階で、マーカーに色と番号をつけるからそれで狙ってくれ。」

『了解した、赤マーカーはお任せすることになるが……出ないことを願いたいものだ。』

「それはそうだ。

 言っちゃなんだけどさ、自分も何もなく終わってそっと護衛料貰って帰りたいよ。」

『ははは、正直なものだ。』

 

 

護衛MTの指揮官と雑談、いざって時のことを喋りながらガッションガッション、ACを歩かせてる。

輸送トラックも積んでるモノがモノなせいか、ちょっとゆっくり目な速度なんで……結構時間かかりそうだなあ。

 

 

まぁ、半日くらい進んだ位で休憩になった。

トラックの運転もMTの操縦も長時間はしんどいからなあ……休みは必要だ。

 

気持ちとしては急ぎたいが、もうとっくに深夜だし。

これから山間を抜けることになるので、ドーザーの待ち伏せ込みで色んな意味で危ないから、夜明けまで休憩になった。

 

トラックの運転手は全員、MTのパイロットは交代で寝て貰う。

自分はCOMにシステムを警戒モードにさせて、何かあればすぐ公開チャンネルで大音量で流すことにして、最初の2時間だけ寝る。

 

明け方前には起きておきたい。

ドーザーに夜討ち朝駆けの概念なんか、無い気がするけど、一応ね。

 

秒で意識が起きる覚醒パッチも手元に握って、意識を落とす。

 

 

「COM、2時間だけ頼むぞ。」

《はい、了解しました。》

《システムを警戒モードに切り替え、音響センサーと熱源探知へのリソース配分を増加し、周辺警戒を開始します。》

 

 

幸いなことに、襲撃とかは無く、朝になった。

 

 

トラックの運転手やMTのパイロットもしっかり休めたようで、携帯食食べて準備ができたら、またルートを進み始める。

 

ああ、前に焼き払われた施設まで行くのかと思ったら、あっちは完全な復旧させるのは難しいって判断になったそうで。

閉鎖はしないけど、他のポイントを拡張して食料の増産、安定化をしていく計画らしい。

 

なので、護衛は輸送トラックの荷物を分け直して、他のポイントに送る一時集積所までになる。

予定では今日の夜には目的地に着く感じだ。

 

 

 

 

という予定通りに行かないのは、何となく分かってたけど。

 

廃墟の中を通るには輸送トラックのサイズ的に不安だし、擦ったりするのも嫌だしって話になり。

じゃあちょっと時間食ってもいいから迂回しようぜってコースを若干変えたら……

 

わざわざドーザーが廃墟から飛び出してきたよ。

そのまま中で大人しくしとけば、こっちもまだ見つけてなかったのに。

 

2脚MTが5機くらいか、武装も目立って変なものは持って無さそうだけども、こっちには一応、自分のACが居るんだが……

その辺も考えてコレなんだろうか?特に奇襲って感じでもなく、どやどやガチャガチャ出てきたわ。

 

こうなると逆に怪しく思えてくるから困るな。

 

 

「COM、タグ付けを―――」

《ログハント・プログラム対象を検知しました。》

《MB-0202 TOYBOX RaD製 特殊可変型MTです。》

《スクリーンにマーカーを表示します。》

 

 

は?

 

反射的にスキャンすると、ドーザーのMTに隠れるように丸くなってる白い輪郭がある。

その上にログハント対象のマーカーが表示された。

 

なんでわざわざ姿晒して出てきたのかと思ったら、これかよ!

確かにコイツが起きてバカスカ撃たれたら、MTなんか速攻全滅するわ。

 

 

「COM、他のMTにも色分け!」

 

 

ホントはもっと解放戦線の護衛MT達に説明したいが、時間が無い。

 

 

『そのトラ――  ぉい!!?』

 

 

ドーザーがなんか前口上でも言いかけてたが、そんなもんは知らん。

いきなりアサルトブーストで飛び出して、喋り始めてたドーザーのMTを飛び越す。

 

何も言わずに突っ込んでいった自分には護衛MT達も驚いたようだが、申し訳ないけど今は本当に時間が惜しい。

 

トイボックスは自分が狙われてると気付いたのか、慌てて丸まってた体を起こして、胴体のロケットや盾にくっついてるガトリングを起動しようとしてるが、遅いわバカめ!

もう一回見てるんだからな、お前がどんなオモチャなのかはネタバレ済みだ!

 

中途半端に起き上がったトイボックスの頭を思い切り蹴り上げると、メキバキって音と共に横倒しになって地面を滑っていく。

自分も着地したら、ブースタ吹かせてそれを追いかけて、倒れてる間に踏んづけてパルスブレードで胴体を2回斬って完全に切断、ついでにもう一回頭を踏んでおく。

 

やり過ぎかもしれないが、RaD製品はこれぐらいしないと、じゃあ自爆しますってやりかねないと思うから、念入りに。

 

 

《指定された戦闘ログを取得しました。》

 

 

「よし、危ないモンは片付けた。

で、なんだって?トラがどうした、動物園に行きたいなら鏡でも見てろ、猿かゴリラしか居ないだろうけど。」

『ふざけるな!

 いきなり何しやがる、それが誰から渡されたもんか分かってんだろうなあ!』

「その言い方だとRaDから正規で買い取ったもんじゃないな?

 カーラがキレそうな盗品とかだろ、これ。」

『オレ達はコヨーテスの!!』

「あーーーそれ以上聞きたくない!ドーザーなのは確定だし現行犯だし、もういいだろ!」

 

 

ドーザーの、特にコヨーテスの話なんか聞きたくない!

 

『……ああ、そうだな。

 いきなりは驚いたが、では打ち合わせ通りに。』

 

 

少し困惑していた解放戦線の責任者がはっとした声で頷き、既にマーカーの色と番号で優先順位がつけられていたドーザーのMTに対して、護衛MTが一斉射撃を始めた。

 

MT同士だとすぐに勝負がつくってわけではないんだが、今はトイボックスを先に仕留めに飛び出したんで、自分のACと解放戦線のMT達で、ドーザーのMT5機を挟んでる状態だからさ。

MT同士で撃ち合ってるところを、自分のACが右手のバーストライフルで順番に撃っていけばすぐに終わる。

 

一瞬で残りはもう、さっきから騒いでた盾持ってるMTだけになった。

コイツがリーダーなんだろうと思うが……盾持っててもパルスブレードで斬れば問題にならないから、これで終わりだ。

 

 

『くそ、くそ!

 ノーザーーク!テメエ!!

 何ボケっと見てやがる、加勢しねえか!そういう話だろうが!!』

 

 

リーダーが何か喚き出したので、まだ何か居るのかと警戒する。

それだとちょっとまずいから、一旦、ジャンプして輸送トラックの前に戻る。

 

 

「……ノーザーク?

 もしかして借金を返さない、あの人間のクズの?」

『済まない運び屋、何の話だ、それは。』

「後で説明するが、当たってれば相手はAC乗りだ、周囲を警戒してくれ。」

『わ、わかった!』

 

 

戻ってきた自分の呟きが通信に乗って聞こえたのか、近くの護衛指揮官のMTが聞いてくるが、丁寧に説明してる暇はない。

こちらもスキャンをし直して周辺を探るが……それっぽい輪郭は見えないな。

 

 

『ノーーザーーーーク!』

『やれやれ、名前を連呼されるのは好きではないんだが。

 聞いていた段取りと違うようだから、どうしたものか考えていたところだったのに。』

『ふざけてんのか!?

 とっとと出てきてコイツら皆殺しにしろってんだよ!!』

『いやいや、雇い主とはいえ、それは話が違うじゃないか。

 最初にあの丸いMTで護衛のACにしっかりダメージを入れて、勢いを握ったところを更に私が急襲して一気に持っていく、そういう筋書きだっただろう?

 

 だが実際には、この状態だ。

 これではそうだな、話が違うということになるんじゃないか?

 

 悪いのは私ではなく、責任は筋書きを進められなかった雇い主側にある。そう思えていてね。』

 

 

いや、そうかなあ……?

少なくとも、自分がトイボックスを壊した辺りで襲ってきてたら、また違った展開になってたと思うんだけど。

 

 

『ふざけんなああ!!??

 テ、テメエ!高い金払ったの忘れたのか!?』

『いや勿論覚えているとも。

 お陰で私のACも更に新しいパーツが身につけられている。無論、感謝している。

 

 ああ、そうだ。

 そんな綺麗になったACは、今まで私が得てきた信用の集大成でもある。

 

 それを、このような依頼人の不備で傷がつくことは、これまで私を信用してくれた皆への裏切りではないだろうか?』

『何を言ってやがるんだテメエーーーー!!!

 早くオレを助けやがれ!!そう言ってんのが分かんねえのか!!!!』

 

 

いや、多分、ノーザークってヤツ以外は、ここに居る全員がそれは分かってると思うよ。

しかし、聞いてて頭痛くなるようなことを喋るなあ、このノーザークって奴。

 

そりゃー詐欺師だの人間のクズだの言われるわ。

 

どこでもこのノリでやってるなら、借金取り達もキレ散らかして賞金もかけたくなるだろうよ。

 

 

『意見が平行線なのは悲しいことだが、何、こういったすれ違いはよくある話だ。

 幸い、私はまだ何も失っていない。

 

 話が合わない依頼人からは、ここで手を引かせてもらおう。

 

 ああ、解放戦線がもし私を雇いたいというのであれば、いつでも声をかけてくれ。』

『テ、テメエエエエ!待ちやがれ!!

 ノーーザーーク!!

 

 ノォォオォーーーーザァアアアアーーーーーク!!!』

 

 

なんかもう、悲痛な声でドーザーのリーダーが叫んでるが、全く通信に応答が無くなった。

 

ちょっと手を出すのが躊躇われる空気だったんで、合間にスキャンしてるだけに留めてたんだけども。

何回やってもスキャン範囲のどこにもそれらしいのが居なかった。

 

つまり、520m以内には最初からノーザークは居なかったことになる。

 

…………元々、参戦する気が無かったのでは?

 

 

というか、この空気どうしよう。

 

改めて、トドメに撃つ感じの空気じゃないんだよなあ、もう……

 

 

 

 

あんまり過ぎる展開に茫然自失になったのか、動かなくなったドーザーのリーダーのMTを前に皆で相談したところ。

 

あの会話はドーザーといえども、あんまり過ぎる、とか。

聞いていて頭がおかしくなりそうだったが、詐欺師の危険性だけは良く分かった、とか。

 

結論としては、哀れ過ぎてどうにも殺す気になれなかったので……

MTの武装解除と、外部からの強制ロックで6時間動けなくして放置ってことに決まった。

 

ちなみに、これ話し合いってる間も、武装解除や強制ロックのための強引なアクセス干渉やってる時も、このMTは無反応だった。

 

通信のボリュームをすっごく小さい音まで拾うと、中で泣いてるんじゃないかって声が聞こえた気がするんだけど……

居た堪れなさ過ぎて、すぐに聞くのを止めた。

 

 

最後、こっちのMTには大した損害も無かったし、出発するかーって直前にさ。

MTの指揮官がドーザーのMTに「やってきたことは消せないが、生きているならやり直せることもある。解放戦線に来るなら私を頼ってくれ。」とかやってたよ。

 

こうやって解放戦線は人を増やしていってるのかもしれない。

 

いや、今回みたいのは特殊案件だろうけどさ……そうであってくれ。

 

 

 

 

その後は特に、それ以上の襲撃は無く。

 

指定された場所まで輸送トラックの護衛が完了した。

着いた頃には真夜中だったが、中継地点では全然、人が稼働しててライトがバンバンついて明るかった。

 

これからすぐに輸送トラックが運んできた物資を仕分けて、送り出すんだって。

食料の生産が早ければ早いほど、飢える人間が減るから頑張らないといけないって、言ってましたわ。

 

時間も遅いし、仮の宿舎で寝ていくならってお誘いは貰ったが、遠慮しておいた。

忙しく働いてる人らがガチャガチャやってる音があると寝づらいしな。

 

今回はコンテナも背負ってきてないから、飛んで帰れば良いからって。

帰り際に、なんかあった時用にってアーキバス製のエナジーバーをダンボール1箱分持ってきてたの思い出して、寄付しておいた。

 

少ないが適当に分けてくれって。

 

えらい喜ばれてたよ。

中継地点から離れて飛び上がる時に見送りのMTが2-3機居て、手を振ってくれてたよ。

 

 

 

 

ドックに帰ってきてからは、あれだ。

 

まずは戦闘データログを、オールマインド指定のアーカイブにアップロード。

今回はトイボックスが居たから、1点貰えるといいなと思って、いそいそアップロードした。

 

あとはいつものように、戦闘服を適当に脱ぎ捨てて、ラフな格好でPDA片手にソファに転がる。

 

メールを見ると拾ったMTのパーツとかに値段がついてて、纏まった引き取り額が提示されてきてたので、OKしておく。

決して大きな額じゃないが、こういうのは積み重ていくのが大事だ。

 

おっと。

 

 

『独立傭兵 tr-227 Transporter。

 ログハント・プログラムの対象となる戦闘ログを確認しました。

 

 今回は1点、これで貴方のポイントは6点となります。

 あと2点で8点となり、クラス1の報酬が獲得できます。

 

 引き続き、ログハント・プログラムをよろしくお願いいたします。』

「今回はトイボックス使う奴がアホだったから、良かったけど……

 毎回毎回、運良くとはいかないだろうし、難しいなあ……と思います、ええ。」

『また、前回提出いただいた 登録番号:Rb29 識別名:G7 ハークラー の戦闘が記録されていたデータは別途、買い取り評価を行いました。

 ご相談いただいていたとおり、リペアキット購入資金に合算しておきましたので、後ほど、明細をご確認ください。』

「あ、それすごい助かるよ。

 

 ログハントとは別に、またああいうの見つけたらオールマインドに送るよ。

 いつも色々、本当にありがとう。」

 

 

と、通話は終わったんでPDAでその明細を確認しつつ……ああ、ノーザークっていう人間のクズを、音声だけだけど確認したよって傭兵コミュの懸賞金の記事に書いておこう。

 

ドーザーとノーザークの音声データ切り取って添付しとけば、説得力あるだろう。

正確な位置はぼかすとして、この辺ってことにして……情報料とか貰えるといいなあ。

 

 

そういえば、情報料ってワードでふと、思ったんだけど。

 

レッドガンのデータなら、メーテルリンクに送ったら、今度こそ完璧に許されるのではないだろうか?

 

これ、かなり良いアイデアなのでは?

 

もうとっくに持ってるデータで、特に役に立たないにしても、悪いようには受け取られないんじゃないか?

 

全部はオールマインドに申し訳ないから、ちょっと一部だけ送ってみよう。

 

えーとえーと……

 

[突然のメールをまずはお詫びする。]

[偶然だが、ベイラムのレッドガン部隊、G7 ハークラーが映っている戦闘の映像データを手に入れた。]

[アーキバス側では既に、情報を収集済みかもしれないが、送ろうと思う。]

[機体構成や装備などは、これでも確認できると思うので……何か、貴方の役に立つようなら嬉しい。]

 

 

こんなもんでいいか。

 

見直して……失礼なことは書いてないな、ヨシ。

 

メールも送信したし、シャワー浴びてこよう。

今回の仕事も上手く行ってよかったなあ。

 

「オールマインドのポスター張ってから調子いいかもしれない。

ありがてえ、ありがてえ。」

 

あのポスターは汚さないようにしよう。

 

そんなことを考えながら、ソファから起き上がってシャワー室に向かった。

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

 

 





ノーザークってこんな感じで、何か適当な屁理屈こねて戦闘への参加も拒否してバックレそうだなあと思ったので、こんな風になりました。

書いてて、何言ってるんだコイツ?とは作者も思いました。
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