何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

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熱は下がったものの、咳が止まらないのが難儀です。

あとちょっとだと思うので、温かくしたコーラルをスープに溶いて、健康的な食生活で幻覚を見ていきたいと思います。

感想いつもありがとうございます。
読ませてもらってると更に幻覚が浮かんでくるエンドレスです。


第19話

 

これは教えてもらったことなんだけど、ルビコンには昔、ルビコン調査技研っていうのがあったんだって。

コーラルを主に研究していた学術研究と技術開発の組織で、研究過程で色んなモンが生まれたんだそうな。

 

アイビスの火で何もかも吹っ飛ぶまでは、マジでルビコンの中心だったというか。

この組織があるからルビコンにグリッドだのなんだのとか、今も健在だったり、残骸でも残るものがポコジャカ建設されていったんだろうなあ。

 

研究成果の1つに、今じゃコーラル使わなくてもできるようになった強化人間手術とか、そういうのもあってさ。

人体改造から機械技術から、まぁ、マジでコーラルを骨の髄までしゃぶりつくすみたいにあらゆる研究をしてたとか。

 

通称はえーと、短く、技研って呼ばれてて……

その遺産や技術で作られたものは、残骸であっても何か見つかれば、そこから価値あるものが1つでも得られるなら、高い値段がつくんだって。

 

と、まぁ、そんなようなことをオールマインドが教えてくれました。

 

 

なんで教えてくれたかというと、仲介してくれた仕事の前知識として知っておいた方が良いだろうって判断だそうで。

 

リビングの大きなモニターに色々映しながら音声で説明してくれたのを、ノート取りながら真面目に聞いてましたよ。

 

 

要はACの操縦トレーニング講習みたいなもので、知識の講習っていう傭兵支援の一貫で、必要な相手にやってるんだってさ。

傭兵支援システムって本当に色んなことしてるんだなあって、新たな発見だった。

 

 

 

 

そういえば、メーテルリンクに送ったG7 ハークラーの短い戦闘映像のデータは思いの外、好評だったようだ。

 

アーキバスでもレッドガンの、特にGナンバー持ちの情報分析は進めているが、それに使えるデータは幾ら合っても困らないそうで。

 

特に、今回送ったのはG7と直接やりあってる視点のデータでは無いのが良いらしい。

後ろから、それも斜め上から戦闘を行ってるのが見えるので、他に集めている情報と合わせて行動パターンや操縦のクセなんかの分析に使えるってさ。

 

 

[これは私的なメールです。]

[今回は貴重なデータの提供に感謝します。]

[レッドガンの情報分析はアーキバス側でも重要な位置付けにあり、その一助になるデータは社内でも相応に扱われます。]

[それを私に送ってくれたことを嬉しく思います。]

[金銭的な報酬は出せないのですが、貢献度の高い独立傭兵であるとして、アーキバス製品の購入権限を幾つか申請しておきました。]

[また何かあれば、私にご連絡ください。]

 

 

ほら、お礼のメールこんな感じだった。

 

これでアレだ、ベイラム側でメーテルリンクの邪魔して失点つけちゃったのは、そろそろ帳消しでゼロにできたんじゃないかな!

めちゃくちゃ恨まれてて、マイナスだった評価をリセットしてゼロスタートにできたと思っていいんじゃないかな!

 

あ、ちゃんと、貴方の役に立てたなら嬉しい、購入権限もありがとう、大事に検討させてもらうって返事はしておいた。

木っ端な独立傭兵はメールの返事はちゃんと返しておかないとね、ゼロスタートにリセットした印象がすぐにマイナスになるからね。

 

今の仕事に出る前は、ショップのアーキバス製品のパーツとかは増えて無かったけど、帰ったら何か増えてる確認するのが楽しみだ。

まあ、今はリペアキット最優先だから、買うとしても結構、後だろうなあ。

 

 

 

 

じゃあ、今準備してる仕事は何か?というと。

 

オールマインドに仲介された仕事を受けて、ベリウス西部のボナ・デア砂丘に行く準備をしています。

 

何か拾ってこいとかではなくて、この砂丘の指定区域で地下施設がないかを調査して欲しいってことらしい。

 

この地下施設っていうのが、必要な事前知識だからってオールマインド講習で受けた、えーと技研っていうのが作ったもの……かもしれないんだと。

というか、あるかどうかも未確定なのと、調査の指定区域もあってるか不明という曖昧な話なんだけどもさ。

 

最終的に指定区域で何も見つからなくても、まぁまぁ良い感じの報酬額が書いてあったし。

 

何か見つかれば、その技研っていうのの物じゃなくても、追加で買い取り報酬を出してくれるらしいので、宝探し気分でやってみるかと受けてみることにした。

最近は戦闘続きだったこともあるし、ちょっと気分も変えたかったし。

 

何より、オールマインドの仲介ならNOは無いんだよね。

普段からどんだけお世話になってると思っているのかと。

 

 

ああ、でも、なんで依頼人が自分で探しにいかないの?って聞いてみたんだけど。

 

ボナ・デア砂丘はドーザー、主にRaDが徘徊してたりするのが1つ。

今回の指定範囲はストライダーが普段歩いてる場所ではないものの、タイミングによっては近くを通る場合もあるのが1つ。

 

RaDにしても、ストライダー……まぁ解放戦線にしても、自分の足元近くを見知らぬ相手がウロウロしてたら、下手すると戦闘になるので、それは避けたい。

 

 

そういうわけで、どっちかだけでも話を通せそうな人が居ないか探してた依頼人に、オールマインドが自分を推薦してくれたんだそうで。

オールマインドがわざわざ推薦してくれたっていうのなら、じゃあちょっとやってみなければ!と思うじゃないか。

 

だってさ、普段から何かにつけてお世話になってる、オールマインドの顔を潰すわけにはいかないじゃないか。

 

 

早速、RaDと解放戦線のいつもの担当者に

 

 

「あの辺りで宝探しみたいに何か使えるもの無いか探したいから、ウロウロする。」

 

 

って連絡したら

 

 

「お前がしたいなら好きにしたら良いよ、でも、その辺に残ってる構造物って、もう何もないよ?」

「貴方がそういった部品や資材拾いをしているのは知っている。構わないが、その辺りの建物にはもう何も残っていないと思われるが……」

 

 

両方から、好きにしていいけど、何も無いよ?ってコメントが帰ってきた。

 

ま、まあ……今回は依頼人が調べろっていうから、行くだけだし。

無駄足になっても報酬は確保されてるから……

 

そういうわけで、オールマインドにRaDと解放戦線からOK出たのを伝えて、依頼人に連絡してもらうと、即、依頼を任せたの返事が来た。

 

この依頼人も返事が凄い早いなあ、もしかして、前のヘンテコMTを回収希望してきた人と同じ人なのかな?

自分としては払うものが払われるなら、誰でもいいのだけども。

 

 

範囲にある建物とか調べて回るなら一日じゃ終わらないので、コンテナには食料品だの飲料水だのを入れていく。

 

いちいちドックに戻るのも手間だしね。

 

え、RaDで買えばいい?

 

いやあ、RaDに行ってこの仕事に関係ないトラブルに巻き込まれても嫌だしさ。

 

前に拾った脚とか、逆さでコンテナから飛び出してるの見栄え悪いし、ドックにあるのも場所取るしさ。

さっさと買い取って貰おうって、データストレージとかと持っていったら……

 

RaDの皆さん、攻められるばっかりじゃアレだし、近くのコヨーテス勢力のドーザーを一回ボコっとくか?って物騒なこと相談してんだよね。

なんか新しく組み立ててるACの周りでワイワイやってたし、あれのカチコミに付き合わされるのとかはご勘弁願いたい。

 

ていうか、何で新しく組み立ててるACにも、左腕にチェーンソーついてたんだろう。

 

 

というわけで、暫く現地で過ごすことになるかもしれないから、久しぶりにキャンプ道具とかも持っていくことにする。

 

いやあ、依頼された仕事とはいえこういう宝探しみたいなのはワクワクするなあ。

なにか面白いもの見つかるといいんだけど。

 

 

 

 

というわけで、やってきましたベリウス西部のボナ・デア砂丘。

 

指定された範囲は川の近くで確かに、構造物が結構残ってる。

遠くからだと崩落したグリッドの一部が突き刺さってるように見えてたけど、違ったんだなあ、これ。

 

とりあえず、範囲指定されたマップの一番端っこにある構造物に近づいてみる。

 

砂嵐に頻繁に晒されてるせいか、表面はボロボロで……まぁ廃墟だな。

 

中に入れる部分を探してぐるっと回ってみるが、見つからないのでブースタ吹かせて上に登ってみる。

足場にできそうな場所まで飛んで、ジェネレータのエネルギーが回復したら更に上に飛んでを繰り返す。

 

途中、中途半端に開いたゲートみたいなものがあったので……

COMに何回かアクセス試して貰ったら、ギギギギってすごい不調な音を出しながらAC通れるスペースを空けてくれた。

 

 

「ああ、今思い出したけど……

 最近、頭返さないヤツに催促したら、ハッキングの簡易プログラムみたいなの貰ったな、そういえば。

 COM、次はそっち試してみてくれ。」

《はい、了解しました。》

《次回のアクセスより"white tree"を使用し、アクセスを試行します。》

 

 

使い道なんかないわ!と思ってたけど、今回のに上手く役に立ったら、もうちょっと頭を回収するのは待ってやっても良い。

 

構造物の中に入ると、通路の灯りもほぼ死んでるのか真っ暗に近い。

ACのライトを強めにして、時々スキャンしながら崩落した床の穴を飛び降りたり、動かないエレベーターのシャフトを通り抜けて下へ下へ降りていく。

 

うーん、特にこの中には何も無いなあ。

 

一発目で当たりを引けるとは全く思って無かったから、それはいいんだけど。

何の建物だったのか?とか、データ引き出せる端末とかアクセスポートとかが生きてれば良いんだけど、軒並み死んでる。

 

入ってくる時のゲートは電気が通ってたんだし、どこかしらに電源供給元とか、コントロールしてる場所があると思うんだけどなあ。

下じゃなくて上にあった可能性もあるし、この辺はまあ、運の問題か。

 

 

一旦、一番下まで降りて、何も無かったので上に戻る。

 

入ってきたゲートよりも上に登っていくが、ボロボロになった作業機械みたいなものとか、動かなくなった平べったい……変な虫みたいなロボットが転がってる程度だった。

 

 

途中で見つけたサーバの1つがまだ生きてたので、ハッキングツールでデータを引き出してみると、この建物は倉庫みたいなものだったらしい。

 

例のアイビスの火の後、残ったものは早々に持ち出されていったような記録が残ってた。

後は、この周辺の構造物は似たような使われ方してた倉庫だったというのも分かった。

 

今回の目的は倉庫の中に残ってるものじゃなくて、地下施設っていうのが有るのか無いのかだから、倉庫扱いの場所は一旦は外しても良さそうだ。

 

最上階まで辿り着くと、内側からなら屋上ゲートのロックが外せたので外に出て見る。

 

 

見える景色は……地面には砂、瓦礫、壊れたMTだのヘリだのの残骸、廃墟。

空にはグリッドとか何に使ってたんだか分からない巨大構造物とか。

 

まぁ、いつものボナ・デア砂丘だわ。

 

すっごく遠くをゆっくり横に移動していくのは多分、ストライダーなんだろうなあ。

あんなでっかいのにまだ動いてるものなんか、1つしかないものなあ。

 

 

企業がぶっ壊したいと思ってるらしいけど、いやあ、あんなの無理だろう。

近づいたらバカでかいレーザーでジュ!ってされるんだぞ、ジュ!って。

 

 

「よし、今日は後そうだなあ3つ4つ建物調べて野営にするか。」

 

 

遠くに消えていくストライダーを見てちょっとボーっとしちゃってたが、気を取り直して自分も仕事に戻る。

 

オールマインドが仲介してくれた仕事だからな。

見落としが無いよう、しっかり調査しないと申し訳が立たない。

 

マップを出して、倉庫扱いの場所にはチェックを入れて。

 

それ以外で一番近い構造物に向かっていくことして、ACのブースタを吹かせながら飛び上がった。

 

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

 

 





ちょっと終わらないので、体力ゲージ回復のためにも前後編になりそうです。

戦闘の跡を漁るだけじゃなくて、過去の研究施設とかを探したり、漁ったりするのも楽しそうですよね。
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