何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

33 / 46

作中でもちょくちょく書いてますが、解放戦線は頑張ってはいるものの、戦況その他は決して楽ではない状態がずっと続いているようです。

どうにかしようとしているようですが、先立つものというか、人と物が両方足りないと如何ともし難いのが現状ですね。

暑かったり寒かったりで、体調崩しやすいですが、皆さんもお気をつけください。


第32話

 

指定の座標、アーキバスのベース基地に指定時間に間に合うように到着すると、話は通ってたのかスムーズに簡易ガレージみたいなのに案内された。

 

アーキバスのACが立ち寄ったり、外部のって、そんなの独立傭兵の他には無いだろうが、そういうのが来た時に一時的に使うものらしい。

補給のための基地なら確かにそういう施設はありそうだって納得した。

 

事前の打ち合わせのとおり、コンテナは預けてというか、貸してになるのかな?

取り出した4連ミサイルとプラズマミサイルをガレージで肩に装備し直す。

 

動作チェックすると問題無さそうなので、一安心。

 

 

コンテナを確認したアーキバスの作業員が、こんな傷だらけで使い込まれてるコンテナは初めて見たって言ってた。

 

特にカバーとかも無い状態で、ACで直接担いで色んな所に行ってるからなあ。

輸送ヘリやトラックに乗せて運ぶよりも細かい傷がついたり、傷んだりしちゃうのもしょうがない。

 

その辺ってあんまり意識して無かったけど、改めて近くにある他のコンテナと見比べると、うーん、確かにボロく見える。

そろそろBAWSに新しいコンテナ売ってくれって言うべきかな。

 

この仕事終わったら相談してみるか。

確か、前に第一工廠に行った時にコンテナの改造はできないけど、売ること自体はできるって言ってたし。

 

MTに担がせて、自動操縦で自分に追従とかできないかなー。

 

でも、MTの大きさでこのコンテナのサイズは無理があるか?

4脚MTならいけるかな?

 

いやどこに乗せるんだ、上とか?バランス悪すぎるな。

 

あ、ACのタンクか4脚に乗せてって駄目だな、コアの胴体が無いと動かない気がする。

一番安い中古で一式揃えて自動追従をどうにかできれば、もしかすると行けるんだろうか。

 

COMというか、AIの自動操縦ってそんなに融通効くのかなあ。

簡単な移動くらいはやってくれるけど、限界ってどうなんだろう。

 

あと、タンクにしろ4脚にしろ、新品だと30万とかするんだよな、

BASHO一式が46万くらいだっけ?

 

それ考えると中古品漁るにしても、BASHOのが出回ってるだろうし、そっちの方が安くつきそう。

 

そんなもの連れて歩いて行って、無人の荷物運び専用って言ったら解放戦線にすごい目で見られそうだが。

 

 

と、夢みたいなこと考えてたら、事前のブリーフィングに呼ばれたわ。

顔合わせは大事だからな、前のベイラムの新人みたいのが居ないことを祈りつつ、参加してこよう。

 

 

 

 

うん、変なのは居ませんでした。

 

というか割と好意的な雰囲気で受け入れられた。

 

紹介される時に、前に山で墜落した輸送ヘリを見つけて、乗員をコンテナに入れて運んで救助したって話をされたせいかな。

事前に知ってる人間も居たっぽく、現場担当者の隊長の説明に軽い笑いが起きてたり、あれマジだったのかって言ってるのも居たな。

 

信じられないような話なのは、うん、自分もそう思う。

 

 

ブリーフィングでは前日に聞いてた話と違う所は特に無かったので、普通に終わった。

 

輸送ヘリに積み込んでる物資のチェックが終わったら直ぐに出発するので、ACに乗って待機する。

ああ、忘れない間にスキャンを自動で定期的にやるよう、COMに指示を出しておく。

 

最初は輸送ヘリと一緒に出て、ベース基地から少し離れたら自分が先行して偵察というか、索敵して安全確認を行うって流れ。

 

想定される敵は可能性の高いものから

 

1.ドーザーの小規模な集団

2.解放戦線の襲撃部隊

3.ベイラムの攻撃部隊

 

こんな感じ。

 

どれも想定上ではMTで構成されてる。

ACが混ざる可能性はゼロじゃないけど、特に1と2はACの保有自体が少ないからだと。

 

そりゃそうだ、特に解放戦線のACは前線で忙しいだろうしなあ。

あのガトリングとかパーツとか、諸々を配分されたAC、ツィイーっていうのが乗ってる奴とかは今回の前線になってる場所で結構、目撃されるらしいよ。

 

企業やドーザーのMTを蜂の巣にして、活躍してるんだってさ。

そんなに目立っていいのかって気がするが、解放戦線の士気を維持するには戦場で派手なアピールが必要なんだろうとも思う。

 

 

よし、出発後は連携は密に取ろうって最終確認だけして、出発した。

 

 

 

 

自分のACが輸送ヘリから先行する形で行う警戒シフトは、特に何事もないまま最初の1回目を終えた。

 

運び先の簡易基地に着陸して、持ってきたコンテナを下ろして、簡易基地にあった空のコンテナを積んで帰還する。

移動先の簡易基地や部隊の集まってるポイントでは、自分は即応体制で居て欲しいって要望があったので、周辺を気にしてたが特に何も無かった。

 

ベース基地に戻ってきて、何か気になったところや、連絡間隔なんかを軽く話しつつ休憩を取り、2回目の輸送に出る。

 

ああ、休憩の時に雑談レベルで話を聞いたが、アーキバスが引き気味になったことでベイラムも同じように一旦、落ち着き始めてるらしい。

正気に戻ったのか、それともキレた分は殴りまくって満足したのかは知らないけど。

 

前線では積極的な戦闘は減りつつあるらしいので、もう少しすれば今回の件は収まるのかな。

 

解放戦線側で考えると、補給に手を出して潤った事実というか、実績ができちゃったからなあ。

彼らは常に色んなものが不足して困ってるから、完全に手を出さなくなることは無いと思うけどもね。

 

 

2回目の輸送も問題なく終わり、特にこれっていう出来事も無かった。

 

ただ、全体の補給ラインの引き直しっていう計画で見ると、やっぱりドーザーや解放戦線がちょっかい掛けてきてはいるので、油断しないようにって通達はあった。

 

襲撃は主に前線付近らしいが、これは戦闘に必要なものが集まってくるから狙われやすいという話で、全体で戦闘が減るに従って分散する可能性もあるからと。

 

後はアーキバス、ベイラムが引き気味になったのに乗じて解放戦線が詰めてきたらしいが、まぁ大体は想定通りにあしらってるそうな。

 

負けが込んで撤退するんじゃなく、意図的に下がっていってるだけだしな。

元々、全体的に戦闘力に不安がある解放戦線だし、今回の件で多少改善されたACやMT部隊があったとしても、勢いで押し切られることは無いようだった。

 

少なくとも話をしてる輸送部隊というか、ベース基地の人間にネガティブな雰囲気は無かったな。

 

 

ああ、ドーザーってどこの?って聞いてみたけど、ドーザーはドーザーだろって顔された。

かろうじてRaDっていうのだけは聞いたことあるってのが数人居たくらい。

 

企業から見ると山賊みたいな集団にドコもドレも無いみたいだった。

 

そんな雑談してる間に次の輸送に行くかどうかって時間になったけど、他の区域とか含めた調整が出たから、今日はこのまま終わりになった。

偉い人達は明日以降のプランの再検討らしいが、下っ端どころか外様の自分には関係無いので、同じく暇になった現場の兵士と仲良くなっておくことにしたよ。

 

ヴェスパー部隊のアーキバス内の評判とかイメージとか聞けてちょっと面白かったよ。

 

代わりに、こっちは前に星になった奴の話をして笑いを取ったりして。

資料でしか見たことが無いっていうから、惑星封鎖機構の大型武装ヘリの動画を見せたりしてた。

前に遠くを飛んでるのを見て、慌てて隠れたやつな。

超望遠の動画だったけど、それでも自分達の輸送ヘリと比べて、大きさがおかしいのが分かるってびっくりしてたよ。

そりゃあ、輸送ヘリが出くわしたら死ぬわって納得してた。

 

 

 

 

そんなわけで次の日。

 

今日はベース基地と届け先の往復じゃなくて、昨日の状況を検討した結果、ちょっと変わってベース基地→「A」→「B」みたいな順番に回る移動をすることになった。

 

これは朝イチのブリーフィングで聞いたが、後から独立傭兵が真面目に参加してて驚いたって言われた。

 

こういうミッションに参加すること自体が珍しいけど、決まった事だけ言えとかで参加しないヤツも居るんだってさ。

うーん、独立傭兵の印象よ。

 

 

それは良いとして、昨日の朝と同様にまずは一緒に飛んで、少ししたら自分が先行するのに変わりはない。

「A」までの道中に特に問題は無かったし、「A」についてからも、現地に居たMTとかがせっせと積み下ろししてる間は警戒してたけど、何もなかった。

 

 

で、今は「B」に向かって飛んでるわけだが。

ちょっと林の中の木とかが纏まって折れてる空間を見つけたから、気になって着地して確認してる。

 

今スキャンしても何も無いけど、地面にはACかMTの足跡っぽいようなものがあるし、折れた木も新しいっぽいから、結構怪しい。

 

 

「あーこちら運び屋。

 先行中にACかMTかは分からないが、最近、居たような痕跡を見つけた。

 

 専門家じゃないから断定はできないけど、アーキバスってこの辺を部隊の通り道にしてる?」

『いや、聞いていないな。

 偵察ヘリの巡回くらいのはずだが。』

「了解、ヘリは速度緩めて貰えるか。この辺回ってみる。

 何かあったら連絡するから、迂回なり引き返すなりの覚悟しといてくれ、以上だ。」

 

 

ACなら飛んでればいいから、居たのはMTか、ACとMTの混ざった集団と仮定して。

この辺のマップも見て、自分ならどうするかちょっと考える。

 

これが下見とか周辺確認だったとすると、だ。

自分が待ち伏せするなら?を基準にして、ACの行き先を決める。

 

何も居ないのが一番、居てもドーザーのMTくらいにしといて欲しいなあ。

でも、そもそも下見する辺りがそうじゃない可能性を上げてるんだよなあ。

 

 

 

少し飛んで、ちょっと山の陰になってる部分とか分かり辛い場所の手前でスキャンすること3回目。

明らかにMTとACの輪郭が見えたので、今、凄く嫌な顔をしている。

 

自分は飛んでたからなあ、あっちも見つけてる可能性が高い。

悩んでる間に時間も過ぎちゃうし、こっちから声かけちゃうか。

 

 

「そこの隠れてるACとMT、応答する気はある?

 輸送ヘリが来る前にバレた時点で、そっちはもうほぼ失敗だろ?

 

 いきなり攻撃しなかった意味を理解して、応答して欲しいな。」

 

 

返事が無かったら撃つしか無くなるんだけど、どうかなあ。

 

 

「不明な集団が居るなら輸送ヘリが来るわけない、だからここでやり合っても得る物はないぞ。」

『――――――

 ―――

 

 ――――ここで、運び屋に会うとは思わなかった。』

 

 

すっごい、もう本当に渋々って感じで陰からACだけ出てきた。

 

 

《ログハント・プログラム対象を検知しました。》

《データ照合に成功、スクリーンに表示します。》

《解放戦線 インデックス・ダナム、ランク:28/Eです。》

 

 

うわ、まじかー。

 

確かに前に見たカラーリングのACだわ、うーん。

面倒なのが出たなあ、あーでも、ある意味では話は出来るのかな。

 

ちょっと新しいベイラム製のバズーカ持ってるが、そんなので輸送ヘリ撃ったら全部無くなっちゃうぞ、おい。

 

 

「こっちも予想外で結構驚いてる。

アンタが居るってことは、解放戦線も企業の前線の動きを察して、横から狙おうって感じ?

 

 何にしてもこういう状況だ。 

 そっちに得るものは何もないから、今、帰ってくれれば丸く収まるよ。」

『―――ここで、そちらを倒して、輸送ヘリに向かう手もあるが。』

「自分が負けるとしても、アンタは兎も角、後ろのMTは全滅させるぞ?

 

 アンタのACだけ傷だらけで残っても意味が無いって分かってるんじゃないか。

 あれだろ、成果無しで帰るのが辛いんだろ。」

 

 

輸送ヘリも来ないのに自分と戦っても、得るものがないどころか、マイナスしかない。

でも、解放戦線の台所も苦しいし、それも含めて自分らが成果無しで帰るのも苦しい。

 

そんな感じかなっていう推測だな。

 

 

『そこまで分かっているなら―――』

「そっちに手を貸すのは無しだ、依頼人への裏切りは信用に関わる。

 

 その上で、そっちの事情を汲んだから、いきなり撃たなかったんだ。

 ここで帰ってくれれば、アーキバスには解放戦線が居たけど追い返したって話で済む。

 

 そっちがこの後どうするかは自由だけど、ここで見つかった以上は、この辺の警戒は確実に強まる。

 目標変えてベイラム狙うか、ハイエナのドーザー潰しするか、どっちかを勧めるね。」

『―――それが譲歩というわけか。』

「他の傭兵なら、見つけ次第撃ってるよ。想像つくだろう。

 

 それに、前も部隊を率いてたアンタは、後のことも考えないといけない立場だろ?」

『―――口惜しいが、その通りか。

 ここで無駄に消耗するわけにはいかん。

 

 それに、運び屋には今後も解放戦線のために働いて貰いたい。

 次は、こうならないよう、先に依頼を出すことにしよう。』

「依頼は荷物運びなら歓迎するよ。

 アンタが話の分かる人間で良かったよ。」

 

 

ダナムのACが踵を返して、隠れていたMT達の方へ戻る。

そのまま速度を上げて、全員で撤収していくのを見送りつつ、ため息をつく。

 

それでも面識があって、しかも会話できる相手で良かった。

 

 

このままタダでは帰れないって、戦闘になることも考えてたけどな。

 

そうなったらダナムを一回無視してMTに近づくつもりだったよ。

解放戦線は味方を巻き込むかもって状況を作ったら、同士討ちを嫌がって撃てなくなると思うからな。

 

MTが巻き添えになるからってバズーカ撃てないようにして、そのままMT落としたら、山の陰つかって距離取ってさ。

 

それで遠くからダナムを撃って落とそうってところまでは考えてた。

 

後はリペアキットもあるし、戦うことになっても負けるとは考えてなかったけど……

ログハントのポイントはまた今度ってことで。

 

後は、解放戦線は今後も頑張って戦い続けて欲しいっていうのもある。

 

ここで落として貰える撃墜報酬よりも、今後も解放戦線と上手く付き合って、依頼で貰える報酬を積み重ねる方がいいかなって。

 

 

さて。

 

 

「こちら運び屋。

 やっぱり何か、というか解放戦線が居た、構成はACが1機、MTが3機。

 

 こっちが見つけて近づいたら逃げていったから、これが囮で別働隊が居るかもってことで、追わなかった。

 輸送ヘリの護衛の方が大事だしな。」

『解放戦線がこんなところまで……了解した。

 確かにAC込みで引くなら囮はありえる話かもしれない、こちらも警戒する。』

 

「向かった方向は共有するから、その先に部隊とか基地があるなら警戒するよう伝えてくれ。

 自分はこの辺をもうちょっと確認したら、急いで合流する。

 

 ヘリは速度は緩めたままか、もうちょっと安全な方に寄るかした方が良いかも。

 変更あれば教えてくれ。」

『分かった、ありがとう。

 ヘリだけだったら、間違いなく落とされて全滅していただろう。

 

 情報は他チームへも共有しよう、感謝する。

 先行偵察はするという方針は間違って居なかったようだ、引き続き頼んだぞ。』

 

 

よし、これでアーキバスへの義理も果たしてるだろう。

報告することに嘘は言ってないしな。

 

実際、別働隊が居る可能性も無くはない。

 

居てもアーキバスの警戒度レベルが上がったと分かった以上は、纏めてこの区域から撤収するだろうけど、でも、あれだ。

指示や話を聞かない人間ってのはどこにでも居るから。

 

 

周辺の確認はしっかりやってから合流しよう。

 

2回目を見つけたら警告しないで撃つけど、流石にそれは無いだろう。

 

 

 

 

幸いなことに、あれ以上は何もなく輸送ヘリと合流できた。

 

ダナムがどう判断するか分からないが、近くの区域で別の襲撃し始めないといいなあ。

手伝えって呼び出されたら、それはもう行かざるを得ないし。

 

どうしても襲撃するならベイラムの方に向かって頑張って欲しい。

 

そうしたらそうしたで、ギンに出くわしたら危なそうだけど。

いつだったかの写真に映ってたACみたいに、パイルバンカーに串刺しにされたら脱出とかする暇も無く死ぬと思う。

 

 

で、そのまま「B」に向かっていると焦ったような声の通信が入ってきた。

 

 

『こちらアーキバス ポイントB-8865 駐屯小隊!

 現在、襲撃を受けている!』

 

 

いや嘘だろ。

今日、色々起きすぎじゃないか?解放戦線だったら凄く気まずいんだけど。

 

 

「えーと、どうする。

 行っても良いけど、離れることになるから指示次第になるんだけど。」

『それは……いや、行ってくれ。

 無視するわけにはいかない、それにどのみち行き先だ、向かって欲しい。』

「了解、じゃあゆっくり来てくれ。」

 

 

責任者が行けって言うなら、行くよ。

 

輸送ヘリの護衛は一旦、置いといて。

ブースタの出力を上げて、全速で襲撃されてるっていうポイントBに向かう。

 

もうかなり近くまで来てたこともあって、すぐに煙と小さい簡易設備みたいなものと、MTの集団も見えた。

 

確かに戦闘中らしいわ。

 

 

《ログハント・プログラム対象を検知しました。》

《MT-J-048 BAWS製 4脚MTです。》

《スクリーンにマーカーを表示します。》

 

攻め側が優勢なのは、COMが見つけた4脚MTが居るせいか。

マーカーで場所は分かるけど、上に何乗せてるか後ろからは判断し辛いな。色も錆び混じりで余計に判別できない、多分これはドーザーかな。

 

とりあえず数を減らすのに、先に撃っちゃうか。

 

プラズマミサイルは4脚MTに。

4連ミサイルはアーキバスのMT部隊から見て、遠いドーザーのMTと箱に足くっつけたような、型番なんだっけ?MT-T-026だっけ。

それに順番にロックして、撃つ。

 

 

「駐屯小隊のMT、聞こえてるか!

 こちら独立傭兵 tr-227 Transporter、アーキバスの依頼で救援に来てる!

 それドーザーか?撃てるのからやっていくから、もう少し頑張ってくれ!」

『聞こえている!

 ご覧の通りの状況だ、助かった!』

 

 

あ、返事はまだ元気そう。

ミサイルの当たったドーザーもなんか言ってるが、煩いだけだからそっちは無視。

 

近づいて残ったMTをバーストライフルで撃ちつつって、あれ、プラズマミサイル当たった4脚MTがつんのめったな?

 

前足が片方取れてる?

ドーザーにありがちな、修理とメンテが雑で劣化してる機体かな。

 

それなら予定は変更だ、今の間に殴らせて貰おう。

ブースタ全力で吹かして、アサルトブーストで3脚MTになったやつに突っ込んで蹴る。

 

 

「2脚になれ!もう1つ折れて2脚に転職しろ!」

 

 

蹴り自体は3脚MTに当たったし、吹っ飛んでさっきミサイルで落としたMT踏んづけたが、脚は折れなかった、残念。

近くで見ると乗せてるバズーカもこれ、ちゃんと撃てるのか怪しいくらいボロいな。

 

 

『テメェ!どっから出てきやがったこの傭兵!

 後がねえんだ邪魔すんじゃねええええ!』

「お前には先も無いよ!」

 

 

ここで死ぬんだから。

 

急加速で近づいて左腕のパルスブレードを振る。

2回とも綺麗に入ったけど、この3脚MT、動き自体が鈍い気がするな。

 

ブレードで切った部分から火花が散って、ガクンと力が抜けたみたいに姿勢が崩れたところをもう1回蹴り飛ばす。

 

後はバーストライフルを構えて、ぁ

 

 

『死ね、このゴロツキがーーー!』

 

 

アーキバスのMTが撃ったバズーカが綺麗に、ブレードで切った部分に当たってすごい音させて爆発した。

胴体部分がべっこり潰れてる、トドメ刺すの持ってかれちゃったわ。

 

 

《指定された戦闘ログを取得しました。》

 

 

ええっと、まぁよし。

 

後は残りのMTがって、見回したらそれも終わってた。

 

自分のACの被害はMTが撃ったサブマシンガンでちょっと被弾したくらいか。

大したことないな、うん。

 

 

『助かった、4脚MTの対処に困ってたんだ。』

 

 

この声はさっき返事してくれた人だな。

バズーカ持ってるMTが腕を上げてる。さっき、トドメ持っていったのこの人か。

 

 

「輸送ヘリの護衛なんだが、近くまで来てて良かったよ。

 にしても、襲ってきたMTって大分、動きが遅かった感じだったような。」

『今、検分をし始めてるが……メンテは相当されてないようだな。

 それでも4脚MTを前に出してこられるとな、蹴られるだけでも厳しいからな……』

「それはなあ、4脚は重量があるからなあ。

 

 あ、輸送ヘリにも連絡頼めるかな。

 自分は周りを見てこよう。」

『了解した。

 ここから追加は考え辛いが、ドーザーは何をするか分からないからな。』

「はは、それは同感だよ。

 あいつらは頭コーラルだからな。」

 

 

輸送ヘリも見える距離まで来てるから、この辺ちょっと見て回ればいいだろう。

ACのブースタを軽く吹かせて確認に出る。

 

これでまだ何か居たら、何かの陰謀だよきっと。

 

 

 

 

流石にね。

 

流石にもう、何も無かったよ。

 

輸送ヘリが到着して、積み荷を下ろして。

駐屯を続けなきゃいけない部隊のMTに頑張れよーって言って、ベース基地まで帰ったし。

 

 

後は解放戦線見つけた時と、ドーザーの襲撃に救援に向かった時の状況を簡単に報告したらその日が終わった。

 

解放戦線の方はもっと突っ込まれるかと思ったが、特に無かった。

 

独立傭兵にそこまで詳細な報告は期待してないのかもしれない。

詳細なレポート出せって言っても、ロクなもの出てこないから諦めたのかもしれない。

 

 

次の日の護衛は何も起きなくて、そんな連日何か起きたら、ここは前線かよって話なので、これが普通なんだけどさ。

依頼されてた3日間が終わったので、ベース基地に帰ったら軽く挨拶しておいた。

 

うまいこと連携してくれたり、気を利かせてくれて助かったとか言われたので、評価は悪く無さそうで良かった良かった。

 

メーテルリンクの紹介だからさ、評価が悪いとイコールでメーテルリンクの評価にも関わるから。

仕事振ってくれた相手の顔を潰すわけにはね。

 

最初の時みたいに殺すってメール来たら嫌だし、これで機嫌良くなってくれるといいなあ。

 

また仕事があったらよろしくーって言って、コンテナ担いでドックに帰ることにしたよ。

 

ちなみに、ドーザーのMTから回収されたデータから分かったことだけど。

借金塗れでどうにもならなくなって、コヨーテスに入ったものの。

 

それで借金が帳消しになるわけでもないし、劇的に稼ぎが増えるわけでもないし。

今回の件で拡大した前線で襲撃をしようとしたが、どうにも上手く行かずで、あの場所に来て……だったようだ。

 

迷惑なチンピラどもめってアーキバスの人たちは怒ってた。

 

 

 

 

あ、ドックに帰ってきたら、包みが届いてたから開けてみたんだけど。

 

本当に作ったエンブレムの失敗作というか、それがポスターとシールになったのが入ってた。

 

オールマインド、あれ冗談じゃなかったんだ。

オールマインドって冗談言うのかは知らないけど、本気だったんだなあ。

 

どうしようか少し悩んで、ポスターはオールマインドのエンブレムポスターの横に、シールも同じようにPDAに貼っておくことにした。

 

一応、両方とも写真を撮ることにして。

ログハント対象が居たので、いつものストレージに戦闘ログをアップロードするって報告メールに添付して、オールマインドに送っておいた。

 

そうしたら速攻で返信が来て、お帰りなさい。ログは確認するので、また連絡します、お疲れ様でしたって書いてあった。

 

相変わらずオールマインドの仕事は早いなあって尊敬する。

 

 

そんなことしてたら、連日働いたせいかな。

ドックっていう自分のスペースに戻ってきて気が抜けたのか、疲労感が出てきた気がするので、シャワーでも浴びてゆっくり休もう。

 

報酬が振り込まれたら、何か買おうか、またカタログ見ようっと。

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

 





段々、依頼を受ける→依頼を頑張る→その結果みたいな順番になっていますが、ゲームでもそんな感じだから良いかなと思ってます。

合間に出撃しない回というか、何か他のことして終わるみたいなのも挟まると思いますが、ガイドブック見ながらコーラル食べて、引き続き書いて行きたいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。