急激に恐ろしい早さで冷え込みましたね。
うっかり風邪引きそうなので、気をつけたいところです。
翌日、ドックから出る前にショップを見ると、買えるものが増えてた。
メーテルリンクが手配してくれた権限はさくさく処理されたみたいだなあ、早い。
例えば
・レーザーショットガン WUERGER/66
・拡散レーザーキャノン VP-60LCD
・4脚 VP-424
とかが新しく増えて、買えるようになってた。
あとは、FCSのVE-21Aとか他にもあったな。
自分で使うか?っていうと、うーん?だけども。
レーザーショットガンのWUERGER/66は面白い形してて、最初は突き刺して使う近接武器かと思ったよ。
チャージすると真っ直ぐ伸びるレーザーになるんだってさ。
一番、ありかも?って思ったのはVP-67EBっていう、スタンバトン。
すごい電撃打ち込んで、相手を強制放電させて動きを止めるらしい。
ACやMTを鹵獲するのには良いかもしれない。
お値段は94,000 COAM。
そんなに高くないので、1本買っても良いかなって気持ちになってる。
問題があるとすれば、使う時には超接近戦しないといけないことかな。
自分は別に、接近戦が得意ってわけじゃないからなあ。
ガッションガッション、久々にボナ・デア砂丘をACで歩いてる。
特に目新しいものは無い。
ずーっと遠くに移動していくストライダーとか、廃墟になった建造物のシルエットが見えるのも変化は無い。
ここはベイラムやアーキバスがほぼ進出してない区域なせいか、補給ラインを襲撃する騒動には関係しなかったようだ。
ここで地下の技研施設を探したのも、なんか懐かしい気がするな。
悪夢のヘリアンサスももう過去の……いや全然過去にできてないよ、今でも突っ込んでくるやつにズタズタにされる夢を見るわ。
アレってどうすれば倒せるんだろうなあ。
回転してる正面は弾を完全に弾くから、側面から撃つのかな。
でも側面は火炎放射とミサイルがなあ。
それとも、こっちもミサイルとか撃てばいいのかな。
ああ、正面からバズーカで撃てばバランス崩して転がったりしないかな?
でも自分は普段、バズーカを持ち歩いてないから難しいな。
居ると分かれば持って行くとか。
違うわ、そうじゃない。
居ると分かってるなら近づかないが正解なんだよ。
ここはACを自動操縦でグリッド086に向かって歩かせても、問題ないくらい平和だなあ。
ついつい、とりとめないこと考えちゃうよ。
ああ、補給ラインの襲撃騒動で激戦区になった辺りは想像していた通りらしい。
墜されたり捨て置かれたAC、MT目当てに、パーツ漁りが静かに盛り上がってるらしいよ。
困って必死の独立傭兵と、こういうの本業なんでってドーザーが入り乱れててさ。
でも、派手に殴り合うと肝心の探してるパーツその他が吹き飛ぶし、目立つと更に人が来るからって、静かな殴り合いをしてるらしい。
あ、そういう時にスタンバトンが役に立つのかもしれないな。
やっぱり1本買ってみようかな?
でも心情的にパルスブレードを外したくないんだよなあ、付け替えられるようにコンテナに入れていくか?
帰ったらショップで注文してみよう。
新しい買い物の予定が決まったので、カタログ開いてスタンバトンのチェックをつけてと。
そこでメールが来てるのに気付いたから、差出人を確認しつつ、ついでに開いてみる。
[元気に運んでるー?あ、ギンだけどさー。]
[ちょっとお願いがあるんだけどー、パーツ漁りのコツとかやり方とかって教えて貰えたりする?]
[私の妹分がちょっと撃墜されちゃってさ。]
[ちょっと怪我しただけで、本人は無事脱出はできたんだけど。]
[ACがね、残ったの腕くらいなのよ。それも相当ガタガタ。]
[私も儲かったとはいえ、ACまるっと奢れる程じゃないしさ。]
[MTぐらいならイケるけど、それに乗せて出すのもさ。速攻で死んじゃう気がしててね。]
[本人は頑張って何か探してくるって言ってるけど、心配でさー。]
[私が一緒に行っても、勝手が分かんないのが2人居るだけになるし。]
[そんで、そーいうの得意そうなの居たなーって思い出したわけよ。]
[連れてって教えてやってくれたら、ギンちゃん嬉しいなー?]
[勿論、報酬は出すよー。]
友達みたいなノリで書かれてるメールだなあ。
どういう距離感で書いてるメールなんだろうか、これ。
ていうか妹分なんか居たんだ。
うーん、身内を心配する心情は分かると言えば分かるし、そう言われると自分的に無下にし辛いなあ。
連れて行くのは良いとして。
RaD行って、BAWSに寄って帰って、オールマインドの依頼をこなした後なら、まぁ、うん。
とりあえず返事だけしておくか。
[今も元気にコンテナ担いでるよ。]
[妹分さんが無事で良かったな、怪我も早く治るといいな。]
[パーツ漁りを教えるのは構わないけど、探したいのってACのパーツだよな。]
[やれば分かるんだけどさ、あれで拾えるのって大体がMTのもので、使えそうなACが転がってることなんか、そうそう無いよ。]
[だから期待値高めで行くとガッカリして終わると思う。]
[そんなオチで良ければ連れてってもいいけど、早くて5-7日後くらいだぞ。]
[あと、無いーって現地で騒がれても困るから、その辺は言い含めておいてくれ。]
[どうしてもACを用立ててやりたいならさ。]
[ギンがアーキバスか解放戦線のAC見つけて、パイルバンカーで頭吹っ飛ばす方が早いんじゃないかな。]
[それで頭だけ新しいのつければ使えるじゃないか。]
こんなもんでいいかな、送信っと。
じゃあそろそろって、うわ、返信早い。
[天才の発想じゃん。]
[勢いで胴体ぶち抜いちゃったらコアだけ探してあげればいっか。]
[ちょっとAC狙いな依頼無いか、無くても探して行ってくるわ。]
[見つからなかったら、その時はまたお願いするー。]
[サンキュー☆]
え、ほんとに?
そんな買い物に行くみたいな感覚で行くの?
本気なのかなあ、本気なんだろうなあ。
どうしよう、もう、どうしようもないけど、凶悪な狩人を解き放っちゃったかもしれない。
頭だけ潰すって難易度高そうなんだけどなあ。
でもギンだとやっちゃいそうな雰囲気あるから怖いわ。
タイミング良く依頼が出てたら、狙われるACは可哀想だなあ。
どこかで頭を狙われるACが出たかもしれないが、それはそれとして。
RaDの本拠地、グリッド086についた。
いつもの相手に連絡しつつ、正面ゲートに行くと……なんだろう。
前よりコンテナとか置かれてる物が増えてる気がする。
誘導に従って、その色んなコンテナを蹴らないようにゆっくり歩いて、いつもの場所で担いでるコンテナを下ろす。
いつもの場所もなんかちょっと狭い?手狭になった?
あの吊ってあるバカでかいローラー?みたいなのは何の施設に使う物なんだろ。
金属板とか伸ばす施設でも作ってるのかな。
色んな物を持った人やMTが忙しく動き回ってるけど、受け渡ししてる時は自分は待ってるだけで暇なんで、そのまま聞いてみることにした。
「なんか物が増えてる感じがあるんだけど。」
『ああ、解放戦線と企業が楽しく遊んでた件のお陰だよ。
うちらは直接参加しちゃあ居ないが、コヨーテスのアホどもが勢い良く殴り込んでたのは知ってるからな。
アイツらが帰りに重そうな荷物を持ってやがったから、優しく引き取ってやってたのさ。』
「え、エグイことしてるなあ。」
直接、奪いに行くんじゃなくて、コヨーテスに働かせた後に美味しくいただいてたのか。
『散々迷惑掛けられた慰謝料みてーなもんだよ、お陰でうちらのお頭も最近は機嫌が良いぜ。』
「よし、コヨーテスのバカからはもっと奪えば良いと思う。」
『オレはオマエのそういう切り替えの早さ、好きだぜ。』
「だってコヨーテスって、他の仕事で出くわしても迷惑ばっかりだしさあ。」
カーラの機嫌が良くなるなら、どんどん奪えば良いと思う。
「あ、そうだ。
今回持ってきたコンテナ、そのまま引き取ってくれないかな。」
『お?良いけどなんだ、運び屋廃業すんの?』
「違うわ!新しいコンテナ買うんだよ、今のやつ、大分傷んでたからさ。」
『ほーん、それじゃあそのまま貰っていくわ。
ところでさ、この後って暇?』
おっと、だがしかし、今回は予定があるんだよ。
「あーいや、戻ったら次の仕事の予定あるんだよ。
だから渡したらすぐ帰ろうかな。」
『ありゃ、どうしよっかなあ。
ん-、ちょっと待っててくれ。あ、コーヒーかコーラル飲む?』
「……お構いなく。」
う、嫌な予感がしてきた。
この流れで待たされるってことは、モラドの判断を越える話があるってことだよなあ。
『なんだいなんだい、久々に来たのにもう帰るって?
随分と寂しいじゃないか。』
いやあぁぁぁ!
出たあぁぁぁぁぁ!
「ぉっと、どうも、お久しぶりです。
頼まれてる仕事もあるんで、あんまりゆっくりして居られずで申し訳無い。」
『いいさ、働き者なのは良い事さ。
じゃあ要件だけ話そう。
帰りにちょいと寄り道してって欲しいのさ。』
「ドコかに運ぶ物でもあるってことかな。」
『いいや、もっと面白い話さ。
ウチのグリッド086からはちょっと遠いんだけどね、ドーザーがやってる闇市ってのがあってね。
アンタにはその様子をちょいと見てきて欲しいのさ。』
「や、闇市?」
う、確かにちょっと面白そうって思っちゃった。
『元々、ドーザーが集めた盗品や発掘品を売り買いする場所ってのがあるのさ。
外でウチの製品を使ってるドーザーを見たことあるだろ?
あれは直接買う以外にも、そこで横流しされてるのもあるのさ。
例の解放戦線と企業がやり合った件、横から参加したドーザーは多いからね。
急遽、やることになったらしいのさ。』
「そんな場所があるんだ……様子を見てこいって言うのは?」
『今回の闇市、場所の仕切りはコヨーテスの一派でね。
掻っ攫うか吹き飛ばすかって考えてたんだが……どっちにしても一回、場所の下見はさせようと思ってたところでねえ。』
カチ込みにいけって話かと思ってビクビクしてたけど、うーん。
なんか物騒な話をしてはいるけど、それには関わらないで良いのか。
「えーと、大雑把なマップを作ってこいで合ってる?」
『相変わらず理解が早いねえ。
火薬の量を考えるにも、場所の具合は知りたいからね。
ついでに欲しいものでもあれば、アンタが買い物して帰るのは構わないよ。
多少は駄賃も出すさ。』
いや、もう吹き飛ばす気満々じゃないか。
でもなあー。
発掘品っていうワードに心惹かれなくも無い自分が居るのも確かなんだよなあ。
「場所的に独立傭兵がACで行って良いのか?囲まれて襲われないか?」
『今回は仕切ってるヤツらが張り切ってるそうでね。
機体を無くしちまった傭兵の客も見込んでるらしい。
それに闇市にだってルールはあるさ。
金を持ってきた客を囲んで殴るなんて揉め事は、仕切りの面子が丸潰れだよ。』
「な、なるほど。
闇市を仕切るってことは、ちゃんと仕切れる力があるって証明だから、逆にそういうトラブルはNGなのか。
あ、でもACから降りたくないなあ。」
『はん、安心しな。
ルビコンで身内のヤサでもないのに、生身で歩き回るヤツなんか居やしないよ。』
要するに、カーラは闇市をっていうより、大嫌いなコヨーテスの面子を命ごと吹き飛ばしたいのか。
盛大に発破して、トラブルを防ぐ力が無い無能集団だって笑ってやりたいと。
ルビコンの抗争は規模がでかいなあ、本当に。
AC乗ったままでいいなら、段々と拒否する要素も無くなってきたなあ。
「流儀とかが分かんないと不味い気がするな。
そうだなあ、モラドつけてくれるなら、行っても良いよ。」
『―は?』
『決まりだ、準備させるよ。』
『―え?』
よし、いざという時は変な声出してるモラドを囮にして逃げよう。
『ああ、そういえば。面白い頭乗っけてるじゃないか。』
「え?あぁ、解放戦線から仕事の報酬に貰ったんだよ、これ。」
『解放戦線も随分、気前がいいじゃないか。
そいつはベイラムの特別なカスタム品だ、普通には売られてないはずさ。』
「そんなレアなの?
あの、あのさ、もしかしてなんだけど。
これって独立傭兵が持ってたらおかしい?」
『そうだねえ。
ルビコンじゃあレッドガンくらいじゃないかい、そんなの使ってるのは。』
アウトーーーー!
うげ、そんなにレアなものだと思わなかった!
そんな頭使ってたらベイラムに因縁つけられるの不可避じゃないか。
解放戦線から貰ったとかで逃げられない気がする、ヤバイ、どうしよう。
あ、これ帰ったら売り飛ばそう。
他の頭を探そう、えーとえーと、カタログ、カタログ開こう。
『ところで。
コヨーテスから貰ってきた詫びの中に、アンタが前に使ってたアーキバスのVP-44Sってのがあるんだけどさ。』
「こ、交換!交換とかどうですかね!」
『あっはっは、話が早いってのは楽で良いねえ。
レアな物はバラしてみたくなるもんでねえ。
なぁに、一方的に損はさせないさ、他に欲しい物があればいつでも言いな。
これからも仲良くやろうじゃないか、運び屋。』
くそう、駄目だ。
話運びや切り方で勝てそうにない。
色んな意味で全然、自分より上手だ。
せめて闇市で何か面白いもの見つかって欲しいなあ。
お土産になりそうな発掘品とかさ。
早くドックに帰りたいなあ。
オールマインドと喋ってる方が100倍くらい気が楽だよ。
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カーラが闇市って言ってた気がするなあというので生まれた幻覚が。
あとで、頭を交換するハメになった運び屋の現在の状態をどこかに書いておきましょうかね。