妹分の名前とか機体構成とかは一応、決まった感じがあり。
ギンもそうですが、大体は作っているのをどこかに纏めてみようかと思いつつ。
それより幻覚を書くのを優先しがちです。
BAWSの第一工廠から帰る時、またギンからメールが来てたよ。
狩ったACは特に足が新品に近いから、売り飛ばしたら良い値段になったそうで。
それにギンと妹分の貯金を足して、中古だけど大豊の足とベイラムの頭をつけるんだって。
後はボロボロだけど残ってた腕(これも大豊らしい)をつければどうにか動くACになるそうな。
武装は予備の分とか中古品を持たせれば形になるので、大事な妹分をMTで戦闘に出さずに仕事ができるって喜んでた。
暫くは2人で軽い仕事を受けて少しずつ整えていくので、よさげな仕事があったら呼んでくれってさ。
何にしても、おめでとう&戦闘のあった場所でパーツ漁りに行かずに済んで良かったねと返信しておいた。
というか仕事って言われてもなあ。
自分も含めてACが3機で出る必要がある仕事って、絶対に重たい案件じゃないかなあ。
結構な規模の戦闘があった後だから、暫くはどこも静かで、重たい仕事とか無さそうだし。
あっても大規模な戦闘とか自分がまず避けるしな。
超大事な荷物でも運ぶことがあったら、護衛に雇うとか?
その時に金を払うのは自分じゃなくて依頼人だけど。
ドックに戻ったら新品になったコンテナを下ろして、闇市で買ってきた小さいコンテナを取り出す。
中身は発掘品だとかいう、怪しげなデータストレージやパーツ。
期待できるとしたらデータストレージだけども。
まずは電源を繋がないといけないか。
ドックの電源からケーブル引っ張ってきて、えーとえーと。
ああ、先に帰ってきたので報告しとく方が良いかな。
ACを降りて、着替えてからリビングに入ってテーブルのPDAを手に取る。
オールマインドに 今、帰ってきたので巡回の仕事は明日からでも出れます。あと、買ってきたものでご相談があります。 て書いて送信っと。
って、うわぁ通信が来た。
早い早い、オールマインド早いよ、びっくりしてPDAを落としそうになったじゃないか。
「びっくりした。確認が早いよ、オールマインド。」
『独立傭兵 tr-227 Transporter。
お帰りなさい。
ですが、動作保証の無いものの購入は推奨しないとお伝えしたはずですが。』
「あ、ただいまと、うん、だからそういうのは買ってないんだけどさ。
どっかの技研の施設から持ち出された物かも?っていうの見つけたんだよ。
オールマインドも関心があるならお土産になるかなあって。
要らなければ、前にオールマインドが技研の地下施設を探す依頼を仲介してくれたじゃん。
その人がまだ探してたりするなら、中身次第だけど買わないかな、とか、うん。」
あれ、反応が無くなった。
あ、回線の状態が悪いのかな。
『 ―――失礼、システムチェックがありました。
確認ですが、主にオールマインドへの物であるということでしょうか。』
「あ、繋がってた、良かった。
そうそう、日頃から色々と助けてくれるし、凄く感謝してるからさ。
何か返せないかなーと思ってたから。
でも外れだったら申し訳ないから、中身を確認しなきゃとは思ってたんだけど。」
『 ――傭兵支援として、当然のことをしているだけです。
ですが、そういったお話であれば、中身の確認についてフォローさせていただければと。』
「おお、一緒にやってくれるなら、お願いしたいな。
データストレージはドックに出してあってさ。
電源とか繋ぐならどれがいいとか、指示貰えれると、とても助かる。
オールマインドと共同作業なら安心して物に手を出せる。」
『 ―――はい。
――では、PDAのカメラをONにしてドックに行くか、ACに乗ってスクリーンを共有してください。
データストレージの状態を確認して、どのように行うかを検討します。』
時々、ラグっぽいのがあるからPDAの調子でも悪いかもしれない。
それならACでやる方がいいかな。
ACに乗ってからまた通信し直すって伝えて、一回切断してドックに向かう。
データストレージ、中身に良いもの入ってるといいんだけどなあ。
ACに乗って、スクリーンをまるっとオールマインドに共有してから、データストレージを弄る。
このオールマインド製の腕というか、手が動かしやすいんだよな。
指示のとおりに持ち上げたり、角度を変えたりするのがめっちゃ楽だ。
「人体感覚の拡張」ってフレーズのとおりで、特に指を動かす時の追従といえば良いのかな。
他のACの腕じゃこうはいかない。
『おそらくですが、技研で用いられていたデータストレージの可能性が高いようです。
ドックのそちらにある電源からケーブルを繋いでください。
データストレージを起動した後、ACの遠隔アクセスを使用して接続を行います。』
おお、まずは技研製ってことで良かった。
オールマインドってそういう鑑定もできるんだなあ。
これで違いますねって言われたら、あれだ、お土産失敗になっちゃうから。
スクリーンに表示された"ここです"って矢印に従って、電源のケーブルを引っ張ってきて、データストレージに繋ぐ。
この後の接続から中身の確認は、このAC経由でオールマインドが試してみてくれるらしい。
前の巡回の仕事のあと、仕事関連のデータをACから削除するためにって操作権限を一部許可したままだったから、そのままやるってさ。
『では、ACからアクセスを試します。
COMの権限を一旦こちらに、状況はスクリーンに映します。
データポートへリンク接続、アクセスを試行します。』
オールマインドが言った直後からスクリーンにウィンドウが浮かんで、文字列が高速でスクロールしていく。
最初だけはちょっと見えたけど、もう目で追える速度じゃないな。
ウィンドウが増えたり減ったりもしてるけど、そういうのの専門じゃないから、どれも分からないなあ。
『ファイル群のアクセス権限の一部を取得しました。
引き続き全体の管理権限の取得を行いますが、先に参照可能になったファイルを一覧にします。』
おっと、目の前に出たウィンドウが読めるようになったファイル達らしい。
どれどれっとファイル名を見て行く。
「テキストのファイル名は口述記録とかが多いな。
メモ帳代わりだったのかな。
義手?義体?とかの単語が多いけど、医療研究の人のメモだったのかな。」
レポートみたいに纏まった文章じゃないし。
そもそも、自分にそういう知識がないからふわっとしか分からないファイルが多い。
「シナプス?を行き来する神経伝達物質の代用?
物質によって発生する?精神現象のコントロールの?再現? うん、全然分からん。
強化人間の話なのかな、もっと他に分かりやすいの無いかなあ。
地図とか座標とか、機械系の話とか。」
『――全ての管理権限の取得が完了しました。』
とか言ってたら、ファイルの数がいきなりめちゃくちゃ増えた。
『内容についての詳細な精査は後ほどとなりますが、幾つかのファイルはこちらでも確認しました。
コーラルを用いた人体機能の再現や、代替についての研究のようです。』
「えーと、義手とかって書かれてたのは見たから、それのこと?」
『はい。
あとは、義体と表現されているようですが、人型の機械についての言及が多いようです。』
「ぎ、義体と、人型の機械?
あー、ACみたいなものなのかなあ。」
『詳細については不明です。
このデータストレージにどこまで研究成果が入っているかも確認が必要です。
―――これらを本当に引き取っても良いのですか?』
「え、いいよ。
オールマインドのために買ってきたんだし。
自分には価値の判断がイマイチだけどさ。
中身見て凄そうだからやっぱり無しとか、そんなカッコ悪いことは言わないって。
あ、オールマインドが売るなら、前の研究してる依頼人でも企業でも、それは好きにして構わないよ。』
『 ―――では、そのように。
―――いえ、売却ではありません、引き取りをさせていただくという意味です。
すぐに手配します。
――――Transporter、ありがとうございました。』
「こちらこそー、日頃は散々お世話になってるからさ。
いつもありがとうだし、今後ともお願いします。」
『 ――勿論。オールマインドは貴方を含め、全ての傭兵のためにあります。』
データストレージその他は急いで引き取りを手配するので、夜遅くなるが受け渡しをして欲しいっていうので、頷いておいた。
巡回は最短で明後日だそうなので、明日は休みってことにしようと思う。
ああ、カーラがRaD製品の売り物を増やしてやるよって言ってたので、その辺のデータでも見てようかな。
と、メールが来たから見てみると……なんだ、モラドか。
買っていった金属の塊の正体でも分かったのかな。
めっちゃ気にしてたもんな、あれ。
メールを開いてっと、えーと。
えー。
闇市は仕切りのコヨーテスの一派が居るスペースを中心に吹き飛ばすってことで、話が纏まったらしい。
持って帰ったアイデア商品、あの変形チェーンソーとかを見たカーラが、ちょっと笑ったそうで。
そういうの作ってるヤツが居るなら、全部は止めておこうって方向になったとか。
ちょっと離れた場所まで大型ミサイルを持って行って、絞った指定ポイント目掛けてドカーンとやるんだってさ。
今はその準備に大忙しだそうな。
で、撃ち込むのは夜にやるから、綺麗な花火見物に来ない?ってお誘いが最後に書いてあった。
こんな恐ろしい花火大会の招待とかある?
ちょっと迷ったが、明後日からオールマインドの仕事で巡回に出るかもしれないしなあ。
今回は言ってた通り、仕事の予定があるのでごめんって返事にしておいた。
ただ、どうなるのか興味はあるので、撮影するなら後で映像を送って欲しいとも書いておいた。
吹き飛ばすって話、闇市の中に爆弾でも仕掛けるのかと思ってたんだけどなあ。
そうか、大型ミサイルかあ。
RaDもやっぱり頭おかしいわって再認識する話だなあ。
はー、最後におそろしい話も見ちゃったし。
もう寝ようかなあ。
って、また通信だよ。
今後は誰だって思ってPDAを見たら、なんだ。
じゃあ適当でいいか、コーヒー入れながらにしよう。
片耳に掛けるヘッドセットに転送して、通信を受ける。
「頭やっと返したマンじゃないか、どうかしたの。」
『よぉ、次会った時にグーで殴っていい?
ちょっと聞きたいんだけどさ、今メールで送った北部の場所って詳しい?
お前って色んな所ほっつき歩いてるからさ。』
「ほっつき歩いてて悪かったな、余計なお世話だよ。
コーヒー淹れてるからちょっと待って、その場所に何かあるの?」
『それがさー、アーキバスのMT部隊で哨戒に出たっきり帰ってこないのが居るらしくて。
まぁ狩られたんじゃねって思うんだけどさ。
そのMT部隊ってACが随伴してたらしいのよ。
最近の戦力再編の一環で、新しくAC任された兵士が早く慣れるのにって同行申し出てさ。
んでまぁ、撃破されたとして、MTはどうでもいいが、ACはできれば回収したいから、軽くでいいから探して見てくんね?って言われてさあ。』
ACって高いからなあ。
諦める前に一応探したいけど、でも自前の兵隊を出すのも微妙だから、その辺に居た傭兵にやらせようってところか。
回収できるならしたいって気持ちと、回収できなかった時や更にトラブった時に掛かる経費を天秤にかけたっぽい。
コーヒー淹れたマグカップ持ってテーブルに戻ったら、PDAでメールを見てみる。
うーん、あんまり何か記憶に残ってるような場所じゃないなあ。
「今見たけど、何か記憶にある場所じゃないなー。
ベイラムか解放戦線の腕利きにでもぶつかったんじゃないの。
何も連絡する暇もないくらいサクっと殺られちゃったとか。」
『怖いこと言うなよ、そんなん居た場所に行きたくねえぞ。
おっかねえな。
まぁいいや、時間取らせて悪かったな。
アーキバスの再編終わったら、こんなんじゃなくて解放戦線を殴る仕事に行くからよ。
そん時にまた誘うわー。』
「はいよー、それまでにはシールドも返せよー。
それじゃ頑張れー。」
通信が切れたんで、耳に掛けてたヘッドセットは適当にテーブルに放り投げた。
なんというか、雑用みたいな仕事振られてすごいダルそうだったな。
あれだけやる気が無いってことは、見つけても大してボーナスも出ないんだろうなあ。
アーキバスのポイント稼ぎも大変なんだなと思いました、と。
コーヒー飲み終わったらシャワーでも浴びて寝ようかなあ。
あーヘリアンサス思い出したから夢に出そうだなあ、嫌だなあ。
夢に出てくるなら他のもんがいいよ。
あ。
ベッドに入って思い出したけど。
帰ってこないアーキバスのACってもしかして、ギンが頭飛ばしたやつ?
でもギンはもう持って帰ってるから、鉢合わせはしないか。
アイツが探しても見つからないだけなら、いいや。
寝よう寝よう。
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そういえば未だに頭を返さない友人は名前が出てきていない。
うっかりするとギンの妹分の方が先に出そうですね。