何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

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時間が掛かりまして申し訳ありません。
仕事が忙しくて、中々、書くのが進まなくて。


第37話

 

オールマインドの巡回依頼は特に何事も無く終わった。

 

僻地って表現が正しいのか分からないけど、元々が注目されづらい区域を選んで設定された輸送ルートなのが大きいのかな。

本当に何も起きなくて、ただ見回りしてるだけで終わったので、報酬を満額で貰っていいのかって感じだった。

 

この巡回は入り込んだものの排除じゃないから。

何も居ない事の確認という意味合いが強いから、異常無しは一番いい成果だから問題無いって言われたけどさ。

 

ちょっと前に収まった騒ぎのように、複数区域に跨って輸送部隊を中心に狙い合うというパターンでも無ければ、何も居ないのが普通なんだと。

逆に巡回で頻繁に排除が発生するなら、それはルートの見直しが必要になる問題だってオールマインドは言ってたなあ。

 

なんというか結構な額だからさ、あんまり働いてないなあと思うと気になっちゃうよ、どうしても。

 

あと、何も居ないだろうって巡回を怠った結果、ドーザーに隠れて拠点でも作られては困るとも言ってた。

輸送してる物を奪われるなんて不始末を起こさないための予防は大事だと。

 

そんな理由で独立傭兵が発注した物が届きませんとかは、傭兵支援システムとしてあってはならない事ってさ。

 

 

例外があるとしたら、星外からの密輸の時に惑星封鎖機構に撃墜されるケース。

 

複数の手段で対策はしているものの、彼らに宇宙で検知されると衛星砲で撃たれるので、潜り抜けられなかった場合はロストになるんだって。

それを潜り抜けて運び込んだ品物なので、ちゃんと届けるための巡回協力は今後もお願いしますと言われた。

 

うん、できることは協力するよ。

 

自分がショップで買う物だって、こうして輸送ルートが確保されてるからちゃんと運ばれてくるわけだし。

 

ていうかさ、独立傭兵が適当に思いつきで、時間帯もバラバラで多種多様な物を注文するのにさ。

ACパーツから生活雑貨まで文句も言わずに取り寄せて、ドックまで運んでくれるオールマインドって凄くないか。

 

企業の補給担当にそんなの処理させたら発狂する気がするわ。

 

 

後は、ベリウス西部のボナ・デア砂丘を越えた辺りを中心にしてドーザーが騒がしいので、若干、流れてこないか懸念してたとも言ってたけど。

 

原因や状況については、オールマインドは余り把握できていないって言ってたが。

それは多分、RaDというかカーラの主催した花火大会のせいだと思う。

 

基本的に依頼の中身は漏らさないから、オールマインドには闇市に行くとは言ったけど、具体的な場所とかは言わなかったから、結び付けづらいのかも。

 

 

モラドから送られてきた映像データ見たけど

 

 

1.真っ暗な夜の中、高台みたいになった岩場で、塔みたいなミサイルを設置してるMT達が居る

2.MT達が離れるとカウントダウンの音声が入って、ミサイルが点火されて、遠くへ飛んでいく

3.少しすると、飛んで行ったミサイルの方向の地面で、でかい爆発が起きる

4.それを見たMT達が歓声をあげながら万歳する

 

 

こんな感じだったもん。

そりゃあドーザーも騒ぐよっていうか、パニックになるだろ。

 

壁掛けのモニターで見てたけど、口が途中から開きっ放しだったよ。アイツらやべーよ。

 

だって想像してみてくれ。

 

自分達が平和に略奪品を売り捌いてたとしてさ。

夜中にいきなりミサイルが降ってきて、主催っつうか仕切ってるヤツらの場所が吹き飛んだらどうする?

 

いや冷静に対処しますけど?ってヤツは強化され過ぎ人間くらいだろ。

 

 

オールマインドには今、実はさぁ……って言うわけにはいかないので。

解放戦線と企業とドーザーで盛り上がった騒ぎの後だし、揉めてるならそれ関連じゃねって言うのが限界だった。

 

 

巡回中にオールマインドと喋ったことはそんな感じの話だったかな。

 

あとは、スタンバトン注文したのでよろしくお願いしますって話をしたりとか。

 

 

ああ、お土産に渡したデータストレージのことも話したな。

 

入ってたファイルは非常に興味深いデータで、前に調査依頼を出してきた人にも連絡して、慎重に内容を精査してるそうな。

データストレージがあった場所も特定したいから、そういう情報が無いか?とかも含めて調査してるんだって。

 

場所が判明したら現地調査もしたいけど、ヘリアンサスが稼働してるとなると、安易には人手を出せない。

判明した後になるものの、やり方を考え中だってさ。

 

 

ヘリアンサスねえ。

 

前に自分が逃げ切れたのは場所がある意味で味方したというか。

狭い坑道でヘリアンサスが思うように動けないのに、自分だけ素早く横移動ができたのが大きいよ。

 

最後は頑丈な扉を下ろして閉じ込めてやれたし。

もうちょっと条件が違ったら、ACごと粉々にされてたと思う。

 

要するにあれ、運が良かっただけなんだよな。

 

 

どうしても倒すなら、回転突撃してくるので銃は……少なくともバーストライフルは無力だったから、爆発系でやるしかない?かな。

バズーカ撃ち込めば効くのかなあ。

 

気にしないで突っ込んでこられたら、もう打つ手が無さそう。

壁を背にして、当たる直前に横にすっ飛んで避けたら、壁に刺さらないかな?いやぁ、絶対試したくないな。

 

もし自分が調べに行くならバズーカに持ち替えるか、SONGBIRDS買うまで待って欲しいな。

 

 

 

 

後はあれだ、前に擦れ違ったカッコいいオールマインド製のコア、ハンタークラス5のあれ使ってる人と喋ったよ。

 

最後の巡回場所が近いそうで、それじゃあ途中まで一緒にって歩きながら、挨拶から始まって色々と話をした。

また巡回の仕事があるかもだし、何かあった時のために顔繫ぎというか、音声通信だけでもやっておく方が良いかと思ってさ。

 

 

通信が繋がったら、聞こえてきた声がオールマインドに凄い似てたのには、びっくりしたけども。

 

 

相手はケイトっていう名前だそうだが、事情があって自前の声を出せないそうで。

こうやって喋る必要がある時は、オールマインドの声をサンプルにしたものを使ってるんだと。

 

事情については多分、強化人間になる or された時の後遺症なんじゃないかって思ったんで、深くは聞かなかった。

傭兵登録がされてないのは、したいとは思ってるんだが、色々込み入った事情が……ってことなので、うん、それも聞かなかった。

 

初対面の人間に、しかも独立傭兵なんかにプライベートを何で何でとかされたくないだろうし。

 

オールマインドが仕事を任せてるってことは、信用できるってことなんだろうし、それで十分だし。

 

 

こっちから聞くことってあんまり無かったんだが、ケイトから仕事の話を振られたので、それについては結構話し込んだ気がする。

 

ケイトはこの巡回以外では、AC単体との戦闘が多かったらしい。

行って、倒して、帰るっていうシンプルだが難しいやつ。

 

ケイトのACにオールマインド製のパーツが多いのは、単体戦闘でログハントしまくった結果なのかもしれない。

あれだ、パイルバンカーの蛮族、ギンみたいに単体狙いの戦い方をする傭兵ならあり得る。

 

ということは戦闘自体は、相当強いんだろう。

 

なので、聞かれたことは戦闘以外というか。

巡回依頼とかで索敵するコツだったり、ACだけじゃなくてMTが混じってる時の戦い方とか、場所に応じた組み立てとか、そういうのを聞かれた。

 

ちょっと迷ったが、今後は一緒に戦うこともあるかもだし。

分かる範囲というか、自分のやり方で良いならって、言える範囲で話しておいた。

 

話してたことを思い出すと、えーとえーと。

 

 

「―――という感じで。

 

 ACとMTは移動速度が全然違うから、混ざってる時は大きく引くとか、移動すれば分断しやすい。

 その間に飛び出したACだけ相手にする or 釣ったACの相手をせず、戻りながらMTの方にミサイルとか撃つ。

 

 慎重な相手は速度を合わせて離れないけど、えーとACの間にMTを挟むように動くと、誤射を嫌ってACの射撃が止まったりするかも。

 ACもMT達もお互いを避ける動きをしてくれれば、その間に狙いやすくもなるし。」

『なるほど、敵勢力の行動を制限するのが大事だと。』

「大体そんな感じ。

 集団ならバラけさせる、バラけないなら全力を出せないようにするんだっていう話かな。

 

 正面から叩き潰せれば良いんだけど、そういうのは自分には無理だからなあ。」

『では、その正面から殲滅するのに必要なものは何でしょう。』

「そりゃあ、継続できる圧倒的な大火力とか、多数相手をものともしない操縦の腕とかじゃないか。

 どっちも持ってないから分かんないけど。」

『大火力を継続し、多数からの攻撃を回避できれば、相手は殲滅できる。

 確かに、納得はできます。』

 

 

思い出してると、ケイトってなんか傭兵っぽくない雰囲気あるな。

喋っててあんまりスレてないというか、経験が少なそうな感じがしてた。

 

強化人間でも企業の正規兵とか、そっち系だったのかも。

 

 

「場所の利用はあれだよ、建物で射線を切るとか、視界から外れて見失わせて、上からとか。

 不意打ちで殴る、殴ったらすぐ離れて隠れてを繰り返す。

 

 ああ、崩れそうな場所に誘い込んで落とす、埋めるとかもあるかな。」

『失礼なことを言ってしまいますが、そういう戦い方をする独立傭兵は多くないようですが?』

「さっきの話と一緒かなあ。

 正面から叩き潰す自信があれば、そうすればいい。

 

 AC乗りの傭兵は大体、腕自慢というか腕が良いです!が売りだからさ。そうするんじゃないか。

 自分はそうじゃ無いから、小細工で頑張る感じだよ。

 

 弱い奴が強い奴に勝つには、相手に力を出させない、出す前に殺す。

 そうすれば仕事は終わるし、金も貰えるって教えられてね。」

『―――その教えとは、誰のでしょう?』

「あー……大分前に死んだ、自分達を拾った傭兵の爺さん。

 さっき言ってたことをどう頑張っても、死ぬ時は死ぬってのが最後の教えかもな。」

『もういらっしゃらないと、承知しました。

 

 今後の参考になる、貴重なお話でした。感謝します。』

「ケイトとはあれだ、オールマインドの仕事でまた会うこともあるかもだし。

 自分のやり方を紹介しておくのもありかなと思ってな。」

 

 

こんな感じで、うん、思い出すと結構色々喋ってたわ。

 

連絡先は交換したので、また何かあったら連絡しよう。

といっても独立傭兵の登録してない状態だと、一緒に仕事に出るのは難しそうだけど。

 

 

あ、ちなみに自分がケイトと戦うことになったら、逃げ回って撃つを繰り返す所存です。

 

右手のでかいライフルは威力高そうだし、右肩に積んでるのは何か分からないけど、とりあえず近付きたくない。

できれば遮蔽物の多い場所でコソコソ隠れながら戦いたい。

 

 

 

 

そんな感じで無事に終わって、更に新しく知り合いが増えるという、得るものの多かったオールマインドの依頼の後。

 

自分が今、何をしてるかというと。

ガッションガッションとACを動かして、雪の残る山道を歩いてる。

 

要するに、解放戦線の依頼で新しくなったコンテナに届け物を満載にして歩いてる。

 

運び屋の本来の仕事だな。

ん?でも自分の本業は独立傭兵であって、荷物運びがメインでは……無いはず?

 

運び屋はあくまでも副業?になるのか?

 

いやまぁ、稼ぎになるならどっちでもいいんだが。

 

 

RaDが売ってくれるもの増えたからさ。

オールマインドの仕事の後、ドックのリビングで寝転がってカタログ見てたら、解放戦線の窓口やってるラコードから久しぶりに連絡があってさ。

 

今の脚パーツの2C-3000 WRECKERっていうのの胴体、コアのスペック見たりとか。

火炎放射器って前に解放戦線の食糧生産施設を焼いたヤツじゃね?とか考えてダラダラしてたら、すごい困った声が聞こえてきてびっくりしたよ。

 

 

そんなラコードが言うには、解放戦線が始めた例のあれ。

 

企業の補給を大掛かりに狙う作戦の結果、今、本当に困ってるんだってさ。

 

襲撃が成功した部隊は戦力強化に繋がったし、弾薬や食料その他も、ある程度は全体に回って改善されたのは良かったんだけど。

失敗して撃退された部隊や、企業の報復でボコボコにされた区域とかは、逆に前より悪い状態になってしまったそうで。

 

そういうバランスが崩れたのって、上層部が纏めて再編させなきゃいけないんだが……

 

再編する計画自体はできたものの。

いざ実行するとなると、輸送ヘリもトラックも足りなくてという状態。

 

ぶっちゃけると、ベイラムの怒りの逆襲で相当な数がぶっ壊された結果、輸送ラインの引き直しが上手くいってないんだって。

 

輸送ヘリもトラックもBAWSに発注してるものの、物が届いたら届いたで、今度は操縦する人が足りない。

特に輸送ヘリはミス=墜落だから、訓練無しでやらせるわけにいかないし、動かせる人員はフル稼働させてるが、過労死しそうだって。

 

要するに、しっかりした補給部門や人員を持ってるアーキバスやベイラムと違って、本当に人材不足なところがモロに出ちゃったみたいだな。

自転車操業だから一回フラつくと、持ち直すのが本当に難しいんだろうなあ。

 

 

そんなわけで、地獄のデスマーチに入ってる補給部隊を少しでもフォローしたいので、どうにか手伝って欲しいという………ラコードの声も死にそうだった。

 

なんて言えばいいんだろう。

今、解放戦線の仕事はどうかなあと思ったけど、別の星で零細企業の依頼を受けてた時のことを思い出して、断れなかった。

 

 

もうなんか、いつもみたいな事前の打ち合わせやってる余裕もないからさ。

行って欲しいポイントと物資の受け取り先のリストを渡すので、回る順番とか決まったら教えてくれ、何とか頼んだ!っていう丸投げ依頼を受けることになったわ。

 

ラコードが喋る度にごめん、申し訳ないって謝るのがいっそ可哀想だった。

 

 

 

あと、これは心の中で考えたことだが。

 

解放戦線には早く立ち直って貰わないと、独立傭兵としては困るんだよ。

運び屋でも戦闘でも、どっちの仕事でも、解放戦線が企業勢力と対立して殴り合ってくれないと仕事が無くなる。

 

仕事が無くなるってことは、つまり、金にならないってこと。

 

自分はルビコンに金を稼ぎにきた。

だから食い扶持が無くなると、居る意味が無くなる。

 

ACの維持、その他に掛かる経費って結構なもんなので、それ以上稼いで収支がプラスにならない場所には居られないんだ。

 

そういうことなので、解放戦線の立場や、飢える、困ってる人間には同情しつつ。

同情はするが、こっちとしてはできるだけ長く今の状態のまま、解放戦線VS企業、たまにドーザーって構図を維持して欲しいんだよ。

 

 

 

 

で、受けるよって言ったらすごい早さでリストとマップが送られてきた。

 

多分というか、こんな仕事を受けるのって自分くらいなんだろうなあ。

報酬が高いわけでもないのに、時間掛かるし。他の独立傭兵に持ち込んだら、それだけで怒るヤツ居そうだ。

 

ギンとか腹いせに解放戦線を余計に襲いそう。

これは偏見だけど。

 

 

自分が運んで欲しいって言われた場所は、補給ラインの引き直し対象にはなってないけど、輸送が滞りそうな場所みたい。

 

多分、修羅場の最中のところに外注先が混ざると、余計に混乱やトラブルが起きそうだから避けたんだろうな。

正解だと思うので、急いで回る順番考えて、仮スケジュールを決めてラコードに送ったよ。

 

ラコードが徹夜続きで忙しくても、事前連絡だけはやって貰った。

流石に、自分が荷物持って行くよって連絡だけはして貰わないと困るんで。

 

 

後はその予定通りに、新品のコンテナ担いだACでガッションガッション、歩き回ってた。

 

解放戦線の中継基地に物資を取りに行って、輸送トラックが行き辛い場所から順番に荷物運びの繰り返し。

 

 

ああ、リストの中には前にあの、アーキバスの輸送ヘリが墜落してるの見つけた場所とかもあった。

あそこってやっぱり、輸送に困る場所なんだな。

 

今日は吹雪いて無かったが、持っていったらやっぱり歓迎された。

あそこの人達、自分のこと覚えてたわ。

 

ふと思ったんだけどさ。

 

あそこって場所的に侵攻し辛いのか、あんまり企業勢力も来ないって言ってたのに戦力が配置されてるってことは。

もしかして、コーラルの掘れるええと、井戸って言うんだっけ?それがあるんじゃないだろうか。

 

勿論、確認する気はないし、企業にそういうネタを売る気は一切無いので、すぐに考えないようにして忘れるけど。

 

責任者っぽい人に

休憩していく?ミールワームの串焼き肉どう?って言われたけど、謹んで遠慮した。

 

まだ他に行く場所があって、ここと同じように困ってるだろうから早く運んでやりたいって言ったら凄く理解してくれたので……多分、角は立たなかったと思う。

 

 

 

 

最後に行く場所はベリウス南部のガリア。

 

いつ来ても凍ってる川の周りにある、ダム設備が最後の届け先だ。

このダムの一番の目的って水の貯蔵じゃなくて氷の下にある水を使った電気関連の施設らしいね。

 

このダム設備も怒りのベイラム部隊がちょっと来て砲撃していったり、調子に乗ったドーザーが来たりしたそうで。

防衛のMT部隊にも設備にもまぁまぁ被害が出たので、急いで復旧中なんだとさ。

 

絶賛、引き直してる最中の補給ラインも色々運び込んでるそうだけど……

届けられるものは早く届けたいから、頼んだ!って、最後にコンテナに部品だのなんだの詰め込まれて送り出された。

 

ここは解放戦線の大事なライフラインで、色んな場所に送電してる都合上、電気が無いのは不味いんだって。

 

 

「えーと、こちら運び屋。

 言われた荷物持ってきたから、このまま指定されてる場所に行くよ。

 

 そろそろつくから。」

 

 

忙しそうだし、到着少し前に連絡を入れておく。

 

直ぐに返事が来た。

 

 

『あ、ああ。

 聞いてるから何時でも来てくれ。

 

 済まないが立て込んでいてな、皆バタバタしているが気にしないでくれ。』

「大分きついっていうのは聞いてるから、大丈夫だ。

 届け物置いたら、すぐ帰るから。」

 

 

解放戦線の大きな拠点はいつも忙しい。

ここもそうだし、「壁」もそうだし。

 

そういえば「壁」は攻められて無かったのかなあ。

キレたベイラムとかが真正面から突撃してそうなイメージがあるけど。

 

立て込んでるのは分かってたし、忙しいだろうからさっさと置いて帰ろう。

 

指定された場所はダム設備の真ん中辺りなんで、ガッションガッション歩いてると小さいコンテナ持ったMTとすれ違う。

ほんとに忙しそうだ。

 

 

指定の場所には指示が出てたんだろう、MTが何機か待っていた。

 

コンテナ下ろしたら、邪魔にならないように端っこに……って、MT達が「ありがとう」って自分のコンテナごと持って行そうになったんで、慌てて止めた。

 

 

「待って、ごめん待って、それは、そのコンテナは自分のなので!

 中身だけ!中身だけ出して持っていって!」

『え!?

 え、でもこれ、BAWSのコンテナだし……え、ほんとに?

 

 コンテナを自前で!?あ、じゃあ運びの人……か!』

 

 

危なかった。

 

危うく、買ったばかりのコンテナ持っていかれるところだった。

あと、誰だ運びの人って。

 

変な妖怪みたいな扱いしないでくれ。

 

 

なんかちょっと心配になったので、ややコンテナの近くに居ることにしよう。

気付かない間にコンテナ持っていかれたら困る。

 

 

《ログハント・プログラム対象を検知しました。》

《データ照合に成功、スクリーンに表示します。》

 

 

って、なんだなんだ。

ああー、4脚MTでも通りかかったのかな。

 

どれだってスクリーンの表示に視線を

 

 

《解放戦線 インデックス・ダナム、ランク:28/Eです。》

 

 

え!?

 

 

スクリーンの表示というか。

 

見たらダナムが、ダナムのACが居るわ。

ログハント対象ですってマーカーがダナムのACの上についてるよ。

 

仕留めろって言わんばかりに点滅してるよ。

 

やんないよ!

どう考えても、そういう状況じゃないよ!

 

っていうかね。

ダナムのAC、こっちをすごい見てる。

 

いやこっちもダナムのACをすごい見てるけど。

 

 

「………………」

『………………』

 

 

前のことがあるから、なんだろう、気まずい。

 

 

『……荷物を持ってきてくれたのか。』

「ぁ、はい。」

『…………そうか。』

 

 

やばい、会話が思いつかない。

誰か、誰かこの間に入ってくれる誰か居ないかな!

 

それか、早く荷物全部出して欲しい。

すぐ帰る、すぐにお暇しますから。

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

 

 





年末に向けて仕事の多忙さが増してきておりまして。
更新間隔が伸びてしまいそうです。

空き時間に少しずつ書いていこうと思いますが、ご容赦いただければと思います。


既にやっていますが、小ネタというか、小説の中に出てこないような、友人やギンの機体構成とか、そういうのは活動報告にちまちま書いて行こうと思います。
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