何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

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感想ありがとうございます。
誤字報告もありがとうございます。


月末になってきたので、ちょっと更新間隔が空くと思います。


第6話

 

ベリウス南部って基本的に寒いというか、雪が降る事も珍しくないし、なんなら降らなくても積もったままになってることが多い。

解放戦線の重要拠点の「壁」もそうだけど、景色が白いせいか、ACやらMTやらが動いてると目立つんだよね。

 

解放戦線の人とちょっと喋った時に、肉眼でも目が良い人だと「あそこで何か動いてない?」って気が付くこともあるって言ってた。

まぁ寒過ぎるから生身で長時間、外に出る人なんか居ないけどな。

 

しっかり防寒用の装備を着込んでても、うっかりすると凍死しかねないし。

「壁」に荷物運んだ時、できるだけACから降りたくないのは寒いからって言うのもあるんだよね。

 

 

 

休暇中はオールマインドの中等傭兵支援プログラムをコンプリートしました。

プログラムの2は逆関節、3は4脚、5はタンクでの動き方を覚え直す内容だった、自分のACが2脚だから、他の足で動くのは新鮮な感じで楽しかった。

 

4脚のホバー移動とか面白くて、何回も申請して遊んでたらオールマインドから「そろそろ終わりにしたらどうですか?」ってメールが届く位には遊んでしまった。

ちなみに、初回終了の特典に

 

・レーザーハンドガンのVP-66LH

・手持ちグレネードのDF-GR-07 GOU-CHEN

・垂直ミサイルのBML-G1/P01VTC-0

 

を貰いました。

 

レーザーハンドガンと垂直ミサイルはともかく、グレネードはちょっと……普段から持ち歩かないかなあ。

ということで、ドックのガレージの横に飾ってある。

 

派手に戦うのが予想される依頼でもあったら、持っていくかもしれない。

 

新しい買い物は悩んだ結果、腕とか買い替えようかなあ?と思ったんだが、オールマインドに聞いてみたところ「まず頭を交換すべきでは?」と言われましてね。

一瞬、「操縦してるお前の頭をまずどうにかしろ」って言われたのかな?って、泣いちゃうかと思った。

 

確かに、今の頭ってRaDで不幸な事故の結果貰ったやつだもんな……

というわけで、アーキバスのカタログにあったVP-44Sというのを注文してみた。

ベイラムのHD-011 MELANDERと悩んだんだけど、こっちのがスキャン距離が長くてね。何か探しに行く時とか、地形確認したい時にこっちの方がいいなあって。

 

 

大豊のPVを入念に見た後にカタログを精査した結果、DF-AR-08 TIAN-QIANGっていうのゴツくてカッコいいんじゃないか?と思ったんですけども。

これまたオールマインドから「ログハントちょっと頑張れば報酬で腕パーツ貰えますよ?」って指摘されまして、うーーんってなって、保留になった。

 

ログハントって言われてもなあ、そんなのに早々出会わないだろうし。

出会ってもコンテナ背負ってる自分に何をどうしろと言うのかと……逆にハントされる未来になるんだよなあ。

 

ちなみに今、自分の持ちポイントは2点だそうで、あと6点溜めればいいらしい。

メーテルリンクとの戦闘ログが2点。同じことを後、3回もやれと?次は死ぬよ?自分が。

 

というわけで折角貰ったベイラム系列企業の購入割引コードも使えてないままだ。

 

 

 

ガッションガッション、ACの歩く音で我に返ったけど。

えー、自分は今、修理されてピカピカに……って程でもないけど……気持ち的に綺麗になったACに乗って、べリウス南部のガリアって呼ばれる山々に来ています。

 

休暇の後、次の仕事を何にしようか考えてたら、解放戦線から件名に【緊急】ってついた依頼が飛んできましてね。

何でも、ガリアで天候悪化による猛吹雪が発生していて、予定していた輸送ヘリが飛ばせなくなったって。

施設の機材とかは後でもいいけど、基地や施設に詰めてる人間が使うものは早急に届けたいから、運んでくれないかって。

 

ヘリは飛ばせないけど、ACなら行けるんじゃないかっていう話だったので、じゃあやってみるよって受けてみたわけです。

ちなみにとっても喜ばれました。

 

 

ACのチェックしてドックから出ようとしたら、オールマインドから「ログハントのできる仕事しないの?」ってメールが来てたけど、じ、人命救助だから、それは今度で!って返事して出ました。

ごめんね、ごめんね、オールマインド。

 

 

 

急いでガリアの山付近になる解放戦線の基地に行くと、到着の挨拶もそこそこに、凄い早さでコンテナに物資を詰め込まれました。

 

解放戦線の人らって仲間意識がすごいんだよな、撤退する時とかも極力、怪我人とかも連れて行こうとするし。

そのせいで怪我人と運ぼうとした人が纏めて吹き飛ばされたりもするんだけど、アレを見た時は流石にうわー可哀想って思いました、はい。

 

そんな人達だから、山で仲間が凍えてるかもってなったら、とても冷静じゃ居られないのかもしれないな。

 

 

コンテナに物資詰め込まれてる間に、運んで欲しいポイントがマークされたマップデータを共有されて説明を受ける。

凍った川のダム設備とかは分かりやすいけど、山の中にあるのは確かに、ちょっと大変だ。

 

雪で視界が悪いのもそうだけど、風が強いらしいので注意しろって言うので、それも踏まえて、この場で打ち合わせして進むルートを仮決めしておく。

最終的には現地での判断に任せるそうだが、行ってみて決めますじゃ相手も自分も不安だしな。

 

 

そんで、コンテナに物資が満載された後、頼むぞーって送り出されて今に至るってわけだ。

 

ガッションガッション、猛吹雪で視界最悪の中、ACで進むよドコまでも。

現在の進捗は60%くらい。ダム設備に駐屯してた人達と、そこから山に入って進んだ場所にある基地……基地未満っぽいのもあったが、そこを2つ回って更に山を進んでいるところ。

 

確かにこの吹雪だとヘリは飛べないだろうなあ。

方向とか飛んでる場所分からなくなって、山に激突するか崖に落ちるわ。

 

AC乗ってても不安になるから、定期的にスキャンして地形の確認と、貰ったマップデータと突き合せながら進んでるし。

 

 

《スキャンデータ照合、座標特定に成功。マップデータに更新した座標を再表示します。》

《外気温、環境は生物の生存に適さないため、外に出るのは非推奨です。》

 

 

ほら、COMも外に出たら死ぬよ?って言ってる。

解放戦線の拠点についても自分はACから降りない。コンテナ下ろして開けたら、運び出しは飛び出してきた解放戦線の人らが自分でやる。

 

運び出しが終わったら、責任者の隊長とかに電子証明サインを送って貰って、そのまま出て行く。

 

そんな対応でも凄く喜ばれるんだよな。

まさかこんな状況で来てくれるなんて!って。いやあ、この仕事受けて良かった。

 

視界真っ白でちょっと怖いけど、頑張って進もう。

あと2つ届ければ終わりだ。

 

帰ったら暖かい風呂に入ろう、そんでやっぱり、大豊のDF-AR-08 TIAN-QIANGって腕パーツを買おう。

ログハント?ははは、なにそれ?知らないなあ。

 

 

 

というわけで。

 

崖を迂回したりしつつ進んだら予定時間はオーバー気味だったけど、無事に配達作業は終わりました。

別に崖で滑ってもブースタ吹かせば良いんで、落下してドカーンみたいにはならないが……気持ち的にね。

 

最後の拠点について、届け物でーすって通信入れたら「この吹雪の中で!?でもありがとう!!」って超ビックリ&感謝されたわ。

必需品が枯渇するとかでは無かったらしいが、想像以上の吹雪で閉じ込められてるに等しくて、暖房用の燃料や食料の減りも早くなるから不安は大きかったらしい。

 

疲れただろうし、休んでいくならって誘われたけども、次の仕事があるからって気持ちだけ貰っておいた。

こんな吹雪の中でACから出るなんてとんでもない!

それじゃあ、これからも大変だけど頑張ってねって激励して、手を振って拠点を後にしました。

 

今は身軽に歩きやすくなって、帰りのルートをゆっくり移動中。

いやあ、今回は人助けもできてお金も貰えて、いい仕事だったなあ。毎回こういうのなら良いのになあ。

 

ほんと、前回みたいにヴェスパー部隊が出てくる展開の方がおかしいんだよ、やっぱり。

なにあのパルスガンっていうの、連射し過ぎだろ。

 

アーキバスはホントに悪い企業だと思う。

あ、そろそろスキャンしとくか。

 

 

《スキャンデータ照合、座標特定に成功。マップデータに更新した座標を再表示します。》

《付近にマップデータにない構造体を検出。表示します。》

《対象についてデータを検索します。》

 

 

……はい?

なんだなんだ??って視線をそっちに向けると、右側で氷の壁みたいになってる部分の下に、何か白線の輪郭が表示されてる。

確かに自然物じゃないな。

 

というか、この形ってさ。斜めってるけども……

 

 

《データ検索完了、TH-E-012 輸送ヘリです。》

 

 

だよねー。

 

解放戦線のヘリかな?

飛ばせないって話だったが、依頼人とは別口で頑張って飛ばしたのが居たのかな?

 

気になったのでそちらに近づいていく。

解放戦線のだったら落ちた場所とマーキングして、帰ったらメールする位はやってあげてもいいし。

 

 

ガッションガッション、ACを近づけてもう一回スキャンしようとすると先に通信が来た。

 

 

『近づいてくる所属不明AC、こちらはアーキバス輸送部隊VES-0048所属の輸送ヘリだ。

 そちらの所属を確認したい。

 

 こちらに交戦の意図はないし、そんな状態ではない。』

 

 

げ、アーキバスかよ。

何でこんなトコに墜落してんの。

 

 

「こちらは独立傭兵 tr-227 Transporter……運び屋の方が分かりやすいかもだけど。

 交戦する気はないよ、こちらは仕事の帰りにスキャンしたら、ヘリが見えたんで確認に近寄っただけだ。」

 

 

今はちょっと後悔してるけどな。

スルーして帰れば良かったよ。

 

 

『独立傭兵?解放戦線ではなく?

 こちらは……正確な座標は言えないが、アーキバスの部隊への輸送中に小隊から逸れてしまってな。

 

 吹雪で周辺確認も上手く行かずに、岩壁に擦ってそのまま墜落するところを、どうにか不時着……いや、爆発しなかっただけで墜落だな、これは。』

「そりゃー災難だったな。

 こんな吹雪の中でヘリ飛ばすのは無茶だろ……」

『それについては正直、同感だが……

 企業の人間としては、上官からやれと言われれば、逆らうことは難しいことも多い。』

「……まぁ、企業の辛い所は良いけど。

 その状態でどうするんだ?言っちゃアレだけど、この辺って解放戦線の縄張りだろ。」

『……墜落前に救難要請は出したが……』

「そっかー、じゃあ、助けが来ること祈っててくれ。」

『待って欲しい。

 そちらが任務中でないのなら、私達の救助を頼みたい。

 

 ……状況的に解放戦線に先に見つかる可能性が高いし、捕虜になるのは避けたい。』

「それ仕事の依頼ってことか?

 だとしても、どうやって助けろと?」

『ACに乗り込めるようなスペースが無いのは理解している。

 そのコンテナ……には無理か。』

「人間入れて運ぶ想定してるもんじゃないからなあ……」

『少し待って欲しい、こちらで協議する。』

 

 

うーん、凄く面倒くさい。

まあねえ、解放戦線に捕まったらどんな目に合うかって考えればね、そりゃー強めの尋問(オブラートに包んだ表現)されるだろうしなあ。

死にたくないっていう気持ちは分かるんだけどな。

 

ヘリに乗ってた程度の人数、企業がわざわざ救助作戦なんかしてくれないだろうし。

 

 

『待たせて済まない。

 こちらの輸送ヘリのカーゴには小型コンテナが幾つか入っている。

 その中身を、大型の緩衝材だけ残して後を取り出し、我々を入れて運んで貰えないか。』

「本気か?というか正気か?

 緩衝材なんかあっても、ACが持って動いたら衝撃でどうなるか分からないぞ。」

『懸念は承知しているし、覚悟の上だ。

 全員で話したが、解放戦線に捕まるよりマシだ。』

「マジかー……ちゃんと報酬出るんなら……あと、どうなっても知らないからな。」

『……勿論だ、感謝する。』

 

 

とてつもなく受けたくないが……

このまま、じゃあねーって離れるのもちょっとだけ寝覚めが悪い。

 

しょうがないから、ヘリに近付いて指示を聞きながら作業を始めることにする。

何積んでたのかついでに見てやろ、ていうか、このカーゴの中だけ貰って帰れば、それだけで儲かっちゃうんだけどなあ。

 

まぁ、しょうがないかあ。

メーテルリンクに恨まれた分の、これで吊り合いが取れたりするのかなあ?

 

できないだろうなあ。

 

 

 

で、その後は。

 

もの凄く気を遣って、できるだけ揺れないような慎重に慎重な操縦で山を下りましたよ。

片手じゃやばそうだから、両手で人の入ったコンテナを大事に持って歩くACという、珍妙なスタイルでアーキバスの簡易拠点みたいなところまで運んだよ。

 

コンテナの中で必死にしがみついてたヘリの乗員はあちこちぶつけて、多少は怪我したみたいだけど、まぁ許容範囲内だろう。

 

アーキバスの拠点の奴ら、もの凄いビックリしてたな。

コンテナ担いだACが近付いてきたと思ったら、両手で持ってたコンテナから墜落したヘリの乗員が出てきたんだからな。

 

ヘリの機長だった人と一緒に経緯を説明したら、良くそんな事できたな/やったなって反応されたよ。

何でもいいから、金だけは振り込んでくれよなって言い残して、そそくさとアーキバスの拠点からは去りました。

 

 

 

そして……解放戦線に問い合わせて、まだ吹雪が続きそうだと分かった自分はですね。

超スーパー急いでヘリの墜落現場に戻って、残された物資をコンテナに詰めれるだけ詰めて、ドックに帰りましたよ。

 

これはオールマインド経由でどっかに売り捌く予定だ。

ついでにデータストレージも引っこ抜いてきたけど、これはRaDに行くときに売ろうかな?

 

あれ、オールマインドから悪天候における飛行状態やアクシデントについてのデータサンプルとして欲しいって、

良いよ良いよ、買ってくれるなら持ってってください。

 

毎度ありー。

 

 

よし、そんじゃあ、風呂に入ってこよう。

 

 

 

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――――――――

――――

 

 

 

 

 




感想ありがたやー、ありがたやー。


あれ、またRaDに恨まれてそうな人の声が聞こえるような、聞こえないような。


そうですね、G7やモンキーゴードはまだ生きてると思います。
絡むかどうかは思いつき次第ですが。

独立傭兵のオペレーターって、有名にならないと求人募集出しても来なさそうですね……不安定な仕事でしょうし。

主人公はアリーナではラミーとしか戦ってないので、今後、その上に挑戦するかどうかは謎ですね。
(スウィンバーンまで倒して止めたのは、試しにやってみた作者なので)


何でも自分でこなさないといけないのは、個人営業の辛い所ですね。

原作に入った後、621の苦労が増えるかもしれませんが、それは考えないこととします。
コンテナの改造は一旦諦め、有人シェルパもヤダーって逃げました。


メーテルリンクのメールは削除したので、もう忘れる事にすると主人公は申しております。


レッドガンからのメールとか、とても丁寧にお断りするでしょうね。
そういうのはもっと腕の立つ傭兵に言ってください!って。

コンテナの改造は、またRaDのところに行ったら思い出す   かも。
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