何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

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あの、あの、ランキングが……あの、すっごく嬉しいんですけど、嬉しいんですけど、同時に手が震えてきてます。

スマホで見た時に落っことしそうになりました。
幻覚かな?ってマジで思いました。


こ、今後も思いついたら続けて行こうと思います。

頑張ります。


第8話

 

ドーザーにも勢力ってのがあってですね。

 

べリウス地方だけでもほんと色んなのが居てさ。

ちょっとその辺の面子で徒党を組んでみましたとか、解放戦線からドロップアウトした集団とか、細々生きてたコミュニティがやっていけなくなって、纏めて賊に転職しました、これからよろしくお願いいたしますとかさ。

 

本当にバリエーション豊かなんだよ。

何をどうやってるのか、ACやMTの製品開発なんかしてる、RaDとかもドーザーであることには変わりないし。

 

共通点はどっから手に入れてるのか知らないけど、コーラルをキメキメしたバカが多いことかな。

コーラルは生でイくのが良いんだぜ!とか、本当にバカだと思う。

 

そんな、ある意味ではコーラルの戦士でいらっしゃる解放戦線よりも、本当に何処にでも湧いてくるドーザーの中の最大勢力。

それがジャンカー・コヨーテスです。

 

あ、RaDというか頭目のカーラに強烈に嫌われてるっていうのが、最近分かった追加情報ね。

理由?そんなのは知りたくもないです。

 

だってほら、あんまり深入りすると、余計な厄介ごとがスムーズに運ばれてきちゃうかもしれないじゃない?

ドーザー同士の揉め事とか、絶対にNOな案件だからね。

 

 

 

 

って思ってた時が自分にもありました。

いやあのね、今でも切実にそう思ってるんですけどね。

 

そんな自分は今、グリッド086、そうRaDの本拠地に来ていまして。

来ていましてっていうか、RaDの拠点の中に居まして。

 

一ヶ月くらいかけてあっちこっちで残骸、データ漁りしてたんだけども、あんまり収穫が無かったからさ。

せめて回収したデータストレージとか、ベイラム、アーキバス所属のMTの部品とか、撃墜された独立傭兵の戦闘ログとか、RaDに買い上げて貰おうかなと思ったんだよ。

 

独立傭兵の戦闘ログの一部はオールマインドが買い取るよ?って言ってくれたので、はい喜んでーって渡したけど、それ以外を持ってグリッド086にやってきたんだけどね。

 

 

いつものように垂直カタパルトで上がって、中に入ってコンテナの中身運び出してる最中にさ……来ちゃったんだよ、コヨーテスの連中が。

毎回、出入りの時に通信で相手してくれてる、前の回収騒ぎで久しぶりに顔を見たモラドとダベってたら、なんか急に慌ただしくなってさ。

 

 

「なぁなぁ、これ何の騒ぎ?事故でもあったの?」

『いやぁ……もっと面倒なヤツだな。

 まーたコヨーテスが来やがったらしい、懲りないヤツらだぜ、本当。』

「マジかよ、うへー。じゃあわらわら前通り過ぎて行ったMTはアレか、お出迎えにいったのかあ。」

『そういうコトだな。

 ぉーぉー、ラミーが張り切ってるぜ、チェーンソー鳴らして叫んでる。

 中継してやろうか?』

「嫌な記憶が蘇りそうだから、普通に要らない。

 ACを隅に移動させおくよ。

 

 邪魔にならないように待機してるから、終わったら教えてくれ。」

『あいよ、まぁ直ぐに終わるだろうさ。』

 

 

という感じで、今はACの中でダラーっとしながら、ベイラムとBAWSの武器カタログを見てたりしてる。

前に買ったBAWSのバーストライフル MA-J-200 RANSETSU-RF が結構、良い感じだったから、他のはどうなんだろうなーと思って。

 

そういえば、トレーニング終わったご褒美に貰ったレーザーハンドガンのVP-66LHって使ってないなあ。

ドックの壁にグレネードと一緒に飾ってあるわ……帰ったら掃除しようかな、貰ったものだし埃被るとオールマインドに申し訳ないし。

 

 

《ログハント・プログラム対象を検知しました。》

《スクリーンにマーカーを表示します。》

「えぉ……?」

 

 

唐突なCOMのメッセージに変な声が出た。

え、なになに、一体、何が居るの?どっからソレ出てきたの?

 

慌ててシートに座り直してスクリーンの表示を確認する。

いきなり何が出てきてどこに居るんだと思ったら、目の前を歩いてました。

 

ガッシャガッシャ音をさせて目の前を横切っていくRaDの4脚MT、それがログハント・プログラムの対象らしい。

 

対象になるもののデータだけは貰ってたんで、それを参照したCOMが教えてくれた……んだと思う。

思わず、その4脚MTを目で追っちゃう……あ、こっちの頭のカメラが連動してたのかな?

 

こっちが見てるのに気付いた4脚MTが一瞬立ち止まって、こっちに脚を一本軽く上げて挨拶してくれたから、こっちも片手を上げて返しておいた。

いやあ、上に乗っけてるデカいミサイルがカッコいいですね、4脚MTサン……頑張ってね。

 

 

あーびっくりした。

 

オールマインドのログハント指定って、ACだけじゃないんだ。ドーザーのMTとかも入ってるんだ。

4脚MTは確かに強いけども…ああ、それか、RaD製だから注目してる感じなのかな?

 

何にしても、自分が戦おうとは思わないなあ。

RaDと敵対しようとは全然思わないし、するにしたって、RaDの本拠地の中でいきなり襲い掛かるとか、ありえないだろ。

 

 

「COM、ログハント・プログラムの対象の中に、RaD所属か製品になってるのって他にもある?」

《はい、複数存在します。》

「あるんだ。じゃあ、それグリッド086に居る間は表示しなくていいから、フィルタ掛けておいてくれ。」

《了解しました。》

 

 

コレだよコレ!って表示されてもさ、百歩譲ったとしても、ここでは無理だろ、ここでは。

だったら、最初から知らない方が気持ち的にも楽だから、非表示にしておく。

 

 

ACの中で一人で慌てちゃったけど、まぁね、まぁ何事も無かったってことでね。

カタログ見るか、それか気分を変えて傭兵コミュの記事でも読んでようかな。

 

 

『―――運び屋。ちょっと相談があるんだが。』

 

 

今度は何だよもう……

 

 

「なんだ?時間ならあるから、終わるまで待つからさ。こっちは気にしなくていいぞ。」

『いや、そういうわけじゃなくて……』

『―――時間があるなら良かったよ。

 それなら、その時間はこっちで貰おうじゃないか。』

「     ヒ」

 

 

ぎゃーー!

カーラだ、カーラが出た!

咄嗟に口を抑えた自分、えらい!変な声出すところだったよ!!

 

 

「  え、えーと?急ぎでどっかに何か運べっていうなら、すぐに出るけど?」

『代金も払わず追い出すような真似はしないさ。

 

 ただ、折角来てくれたのに、ほったらかしにしとくのも申し訳ない話だろう?

 待たせちまってる詫びも兼ねて、小遣い稼ぎでもどうだい?』

「内容によるんだけども、とりあえず聞かせてもらうよ。」

『表にコヨーテスのクズ共が来てるのは知ってるね?

 ラミーが張り切ってるが、今回はいつもとちょっと様子が違ってね。

 

 バラバラ別れて、グリッドの外周部の色んな所に散らばりやがったのさ。』

「うへえ、面倒そうな……」

『そう、面倒なのさ。

 

 それに、家に上がり込んだ害虫があっちこっち這い回ってるのは、気持ち悪いじゃないか。

 早く駆除できるなら、それが最善さ。

 玄関に溜まってるのはラミーに任せりゃいいが、アンタにゃ他をぐるっと回って貰いたい。』

 

 

どうしよう、カーラの声が冷え切ってて怖い。

断り辛い。

 

 

『そのAC、うちの頭からアーキバスのに取り替えてるようじゃないか。

 範囲の広がったスキャンの使いどころだよねえ?』

「おっしゃる通りでございます!

 コヨーテスのヤツらなんて、すぐ見つけ出してやりますよ!」

『そう言ってくれると思ってたよ。

 空いてる背中には……そうだねえ、何か、余ってるのをすぐに運ばせよう。それじゃ、頼んだよ。』

 

 

ほんと怖い、マジで怖い!

嫌ですって言えるような流れじゃなかった!

 

 

はぁぁぁぁ……しょうがないなあ。

やるって言っちゃったし、頑張るしかない。

 

くそ、コヨーテスのヤツら本当に許せねえよ!

カーラの機嫌を悪くするなら、自分が居ない時にしてくれよ!!

 

あ、MTがなんか持って近づいてきた……

 

 

 

 

貸し出しされたのは普段から使ってる4連ミサイル(BML-G1/P20MLT-04)と、垂直4連ミサイル(BML-G1/P01VTC-04)でした。

どっちもファーロン・ダイナミクスってミサイル一杯作ってるところのヤツね。

 

BML-G1/P01VTC-04ってトレーニング終わらせたご褒美に貰ったやつじゃなかったっけ?

 

余ってるんだコレ……RaDでも余ってるって、在庫とか一杯あったりするのかな。

あれ、オールマインドさん……もしかして、あのご褒美って在庫処ぶ……いや、まさかね。

 

全ての傭兵のためにあるオールマインドがそんなことするわけない。

自分は親身になってくれるオールマインドを信じてる。

 

 

ミサイル借りたし、じゃあいってきまーすって正面じゃなくて、少し中を歩いて横側にある小さい、いや、それでも全然大きいんだけど、ゲートから外周部へ出て……

 

遠くから爆発音とかギュギャギャーみたいな音が聞こえるから、確かにラミーは絶好調らしい。

今日は朝にコーラルを一杯食ったのかもしれないな。

 

 

「COM、自動で定期スキャンを実施してくれ。

 識別がRAD所属じゃないのが居たら、近い順でマーカーつけて、スクリーンに出してくれ。」

《了解しました。スキャン開始します。》

 

 

キィンって音と共に、スキャンが始まるが……この近くには居ないらしい。

 

仕方ないので目視でも探すかっていうことで、ブースタ吹かせて高く飛び上がって外周部を一回りする事にする。

 

 

 

飛び回ってると、確かにMTが2-3機とか、そういうの集団がちょくちょく居るわ。

 

脚だけくっついた箱みたいな……なんか凄い勢いで飛び掛かってくるビックリメカみたいな変なのも居た。

最初に出くわしたヤツは、まだこっちが上に居るのにジャンプしてきて……距離が届かずに、そのまま外周部の更に外側まで飛び出して落っこちていったけども。

あれは操縦してるやつがコーラルでもキメてたのか、それか性能把握してないのか、どっちかだと思う。

 

幸い、それで動きは分かったから、見つけたら遠くからミサイルとかライフルで撃って処理することにしたけど。

 

あとは、できるだけ高い位置から探して見つけたら、遮蔽に隠れつつ垂直ミサイルを撃ち込んでる。

それか真上から降下してライフルとブレード叩き込んで、すぐ離れて遮蔽を取ってミサイルを以下略。

 

外周部の地形はマップデータ貰ってるから、コヨーテスどもの場所さえわかれば、地の利はこちらにあるのだ。

 

 

「うーん。

 ドーザーがバラバラ動いたって連携取れるとは思えないんだけど、何してるんだ?こいつら。」

 

 

正面ゲートで盛り上がってる連中と連絡とってるようでも無いし。

割と潰して回ったところで、ちょっと気になったので一旦、立ち止まる。

 

丁度、今ライフルで撃ち抜いたMTが割と原型留めてるので、データ取れないか試してみよう。

 

 

「COM、このMTからいつもみたいにデータ取れるか試してくれ。」

《了解しました。アクセスポート検索、データリンクのテストを行います。》

《データリンク成功しました。データログの検索と抽出データをスクリーンに表示します。》

 

 

お、データ取れそうかな?

えーとなになに……コイツらは最近、コヨーテスに合流しようとした連中なのか。

小規模だったり、企業とか解放戦線にボコられたから、規模の大きいコヨーテスにすり寄ったと。

 

へー……ドーザーも吸収合併とかするんだなあ。

それで、何でRaDに遊びに来てるんだ?

 

その辺の話とかないかな?

会話ログとか無いか探して見る、えーとえーと……

 

 

 

 

おそるおそる通信をONにする。

 

 

「えー、ぁー……こちら運び屋。

 外周部の8割は見て回った……それで、潰したMTからデータ吸ってみたんだけどもさ。」

『―へぇ、聞こうじゃないか。』

 

 

やだもう、カーラさんずっと機嫌悪いじゃないですかーーー。

これ言うの嫌だなあ、でも黙っておく方が怖い気がするしなあ……

 

 

「要約すると、コヨーテスは新しく入りたいって言ってきた弱小集団を纏めて、RaDに向かわせたみたいだ。

 

 それぞれで別れて、グリッド086の一番奥まで進めた奴らから、良い待遇でコヨーテスに迎えるっていう話だったらしい。

 コイツらはマーカー装置も持たされてて、それを貼り付けて戻るまでが……その、ゲームなんだって……」

『――――』

「それでその……

カーラも楽しんでくれるといいですねって、あの……コヨーテスの誰か知らんけど、コイツらに楽しそうに喋ってる音声ログが……」

『――――――――バキッ』

「      ヒェ」

 

 

こわぁああああい!

なんかへし折られた音がした、今、バキッって音がしたよ!!

 

 

『―――運び屋、見回りの続きを頼むよ。その後は―――』

「ヘンテコなマーカーがくっつけられてないか、外周部を調べるのも手伝おうかなって思ってました!」

『話が早いねぇ。

 そのマーカーってのはそこにもあるんだろう?

 場所は分かった、ウチのを向かわせて回収するから、とっとと残りの片づけも頼んだよ。』

「勿論、すぐに片づけてやりますよ!」

 

 

もうね、音声だけなのに怖過ぎる。

 

冷たいっていうのかな、自分のACの中なのに空気が凍り付くっていうか、イライラなんかとっくの昔に通り越して殺意になってるよね、あれ。

気持ち的にメーテルリンクのメール見た時より怖かったかもしれない。

 

 

おっと、こうしちゃいられない。

超特急で残りも片づけよう。

 

隠れてどうこうとか、一旦忘れよう。

時間掛かってカーラに「まだ終わらないのかい?」とか言われたら、自分は恐怖で気絶するかもしれない。

 

見つけたらアサルトブーストで近付いて、蹴り飛ばす。

その後、お前らのせいで、自分がどんだけ怖い思いをしたか教えてやる。

 

 

 

 

えー。

 

というわけで、コヨーテスのバカどもは全滅しました。

正面玄関はラミーのACと、盾一杯くっつけた4脚MTを中心にしたRaDのMT達でボコボコにしたらしい。

 

周りに散らばったのも自分だけじゃなくて、RaDのMT達も総出で探し出して、隠れてたのも引き摺りだしてリンチにしたそうです。

 

その後は、数は多く無かったけど、取り付けられてシグナル出してるマーカーを探して、潰して回る仕事を皆で一生懸命やりました。

スキャン装置壊れるんじゃないかってくらい使ったよ、買ったばっかりの頭パーツなのに……

 

 

コンテナ置いてた場所に戻って、流石にAC降りて休憩してたら、カーラからPDAへ通信入ってお礼を言われました。

 

でも、声が冷え切ったままでした。

怖過ぎたので「また何かあったら!」とかうっかり言っちゃった。あれって今思うと痛恨の発言ミスなんじゃないだろうか?

 

 

最終的に、その後の残骸撤去とかもちょいちょい手伝って、ドックに帰りましたよ。

おかしいな、ちょっとデータとか売りに行くだけのハズだったのに……とてつもなく疲れたんだけど。

 

どうしてこんなことに……報酬は一杯貰ったけど……嬉しくない……

 

でもでも疲れ切ってて頭回らないから、一回寝て、起きたら考えよう。

あーベッドが遠い……もうこの辺の床でいいかな……だる過ぎる。

 

もういいや、おやすみー。

 

 

 

 

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感想めっちゃ貰っていて、あわあわしています。
ずっとあわあわしていますけど、嬉しいです。

見ていただけただけでなく、感想をいただける嬉しさがすごいです。

誤字のご連絡とかも、感謝です。
見直しつつ、合わせて修正を考えていきます。


つ、次はコーラルの追加が届いたら。
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