カリムが隠し事下手くそすぎて、ジャミルには監督生が女だとバレてます
「アーシェングロット先輩」
聞き覚えのある声に顔を上げ、しかし自分がいる場所と声の主が結びつかなくてアズールは首を傾げた。
疑問には思いつつとりあえず声の方向を振り返ると、教室の出入り口のところにやはり思った通りの人物が所在なさげに立っている。
「どうしました、監督生さん」
急いで立ち上がってドアに向かうと、監督生は少しホッとしたように息を吐いた。ほとんど表情が変わらないのでわかりにくいが、慣れない上級生のクラスに来るのは少し緊張していたのだろう。まぁ、最近監督生と過ごす時間が増えたアズールには、監督生の緊張を察することが出来たわけだけれど。
そんな誰にでもない優越感は億尾にも出さず、廊下に出て監督生を教室から少しでも遠ざけた。
これにはちゃんと理由があって、最近以前よりも多少表情が柔らかくなった監督生に興味を持つ生徒がちらほらと出てきたのである。
嫌な感じのちょっかいの掛け方はしないけれど、隙あらば話しかけよう、近くにいるならちらちら見てしまおう、という地味且つ鬱陶しい感じに距離感が縮められて気疲れしている、とアズールは監督生から軽く零されていた。もちろん監督生は天然なだけで悪女ではないので、その相談を以って『自分を守って』と伝えたわけではない。完全にアズールの判断だ。自分のお気に入りを無遠慮に見られて黙っている性格ではない。
そんなわけで外野から監督生を遠ざけたアズールの思惑など知らない監督生は、早速本題に入る。
「イデア先輩から伝言です。今日の部活は遅れる、或いは行けないと」
「……あの人、あなたに使い走りみたいなことをさせてるんですか?」
何をしているんだ、とアズールは呆れて息を吐く。
根暗で面倒くさいオタクキャラだけれど、後輩に対してこんな真似をする人だとは思っていなかったのだが。
しかしアズールが何を考えているか察した監督生は、大人しく事情を説明した。
今日イデアは、珍しく生身で授業に出席していた。
今までごねまくって不参加していた飛行術の授業で、今日サボったら一か月間バルガス先生の放課後特別レッスンの刑だと宣告を受けていたのだ。どっちも死ぬほど嫌だが、一か月バルガスと顔を突き合わせるのはもっと嫌だ。
仕方なく一か月分のやる気を捻り出して飛行術に出席したのである。
しかしもしもの時のためにいつものタブレットは持ち歩いていた。何故かよくわからないが、イデアは外に出ると高確率でパリピ陽キャの誰かに遭遇するから、その時のための対策でもあった。
イデアのタブレットは、精密機械でありながらも強固だ。水没対策はもちろん、ちょっとやそっと何かにぶつかったところでダメージは受けない。簡易的な保護魔法と対ショック性能を兼ね揃え、しかも有事の際には初級の雷魔法程度なら放てる優れもの。
だから何があっても大丈夫、とお守り代わりに持っていたのだが、その過信がいけなかった。
タブレットを持っていると知ったバルガスに、問答無用で取り上げられたのだ。
もちろん、バルガスもある程度イデアの事情を知っているので、取り上げて壊す、なんてことはしない。仮にも彼は教育者である。
しかし、健康を維持するために必要な体力育成の授業時にまであのタブレットに頼る精神は叩き直さねばならないとバルガスは心底思っていた。
というわけで一限目の飛行術でタブレットを取り上げられたイデアは、放課後バルガスのところに行ってタブレットを回収してこなければならない。それだけならいいが、アグレッシブ熱血男なバルガスが、タブレットを返却してはい終わり、になる可能性は限りなく低いだろう。
つまり、イデアは死ぬ。
二限目の錬金術でイデアと一緒になった監督生は、作業しながら話を聞いてすべてを察した。一限目に飛行術というだけですでに一日の気力を振り絞っているのに、その上放課後までタブレットなし、タブレットを取り返すにはバルガスに会わなければならない、ともなればイデアのその心中は推して知るべし。
「可哀想でみていられなくて」
だから進んで使い走りを引き受けた、ということだった。ちなみにイデア、タブレットがあるからとスマホは置いてきていたらしい。何もかもタイミングが悪い。
嘆かわしいと頬に手を当てて息を吐く様子から、監督生は本当にイデアを気の毒に思っているのだろう。アズールからしてみれば、完全にイデアの自業自得なのだが。
まぁ精神安定剤とも云えるタブレットを取り上げられたのは可哀想だが、そもそも普段からちゃんと生身で授業に出席していればよかっただけの話だと思う。監督生はちょっとイデアに甘すぎる。自分はどんなに嫌でもちゃんと飛行術の授業だって真面目に出ているのに。
とは思っても態度に出さないのがアズールだ。
パッと切り替えて笑顔を浮かべて云う。監督生を使い走りにしたイデアには後程痛い目をみせてやるとして、思わぬタイミングで監督生に会えたのは嬉しい。
「ああ、ついでになってしまって申し訳ないんですが、先日頼まれていた本を手に入れましたよ。丁度いいので持って行ってください」
「えっ、もう見つけたんですか?」
「探し物は得意なんです」
別に得意ではない。得意なのは人を使うことだ。
つまり、そういうこと。
しかし云わなければそんなことは監督生にはわからない。目当ての本が手に入ることに純粋に喜ぶ監督生は、当社比嬉しそうに笑ってアズールに続いて教室に足を踏み入れた。
独占欲の塊であるアズールは、監督生が不特定多数の見世物になることは不快だし許さないが、普段表情の動きが少ない監督生が自分にはよく柔らかい表情を浮かべるという事実は周囲の雑魚に見せつけたい。
この笑顔がお前たちに向けられたものではない現実に打ちのめされて死ね。
慣れない上級生のクラスでも、アズールがいれば別である。本を受け取れるということもあり上機嫌でアズールについていった監督生は、ふとアズールの隣で見知った顔を発見して足を止めた。
監督生は不愛想かもしれないが礼儀知らずではない。知り合いがいれば挨拶をするのは、監督生にとっては常識だった。
「こんにちは、バイパー先輩」
「こんにちは、監督生」
「おや、お二人はお知り合いでしたか?」
丁寧に挨拶を交わす二人を見、きょとんとアズールは首を傾げた。別に監督生の交友関係すべてを把握しているつもりは今のところ、今のところはないけれど、少なくとも無尽蔵に知人が増えるような生活はしていないはずである。
放課後はラウンジで働く日の方が多いし、そうでなければ図書室で勉強、もしくは先生方の特別講習と、監督生には意外と暇がない。
それを知っているからこそのアズールの疑問に、監督生は若干遠い目になって答えた。
「ええ、先日フロイド先輩にバスケ部に連行……連れて行っていただいた時に、少し」
「君、割と根に持ってるな」
「気のせいです」
どうやら無理矢理連れていかれたらしい。フロイドの性格をよくわかっているアズールは、納得した。そして同情した。大方、ジャミルとはその時に知り合ったのだろう。フロイドに振り回されがちなバスケ部員として、同じく振り回されている様子の監督生は放っておけなかったに違いない。
実のところ、振り回しているのはお互いさまなのだけれど、それこそ二人とよく付き合っていなければ知らないことである。
何があったかは知らないが、その時のことを思い出して表情が死んだ監督生に、そういえば、とジャミルが思い出したように云う。
「俺も君に用があったんだった」
「なんです?」
「……どうしてアズールが入ってくる?」
「そんな寂しいことを云わないでください。僕たちお友達じゃないですか」
「えっ」
「ちょっと待ってください、何故監督生さんがそんな反応をするんです」
「いえ、イデア先輩以外に友人がいたんだな、と思って……失礼しました」
「素直にそんなこと云われると余計に傷付きますね」
監督生に本当に悪気がなさそうなのが性質が悪い。
思わず爆笑しそうになるのをなんとか堪え、ジャミルは気を取り直して続けた。
「まぁ……いい。この前云っていた調味料、予備があったからすぐにでも譲れるぞ。今度持ってくるから、都合のいい時間を教えてくれ」
「わっ、本当ですか? 嬉しいです。ありがとうございます」
途端、パッと監督生の表情が明るくなる。ただでさえ整っている顔面で普段は無表情に近い監督生が笑うと、ギャップがすごい。案の定、周りにいたその他大勢のクラスメイトが一瞬で色めき立った。全員今すぐ目を潰せ、とアズールは思った。
寛容に見えて実は東京都心の1Rよりも心が狭いアズールは、どういうことかと笑顔で迫った。あくまで笑顔で。あくまで自然を装って。
残念なことにジャミルに対する嫉妬の棘が出まくりだったが、監督生は気付かず嬉しそうに答える。
「欲しい調味料があったんですが、珍しく購買部に置いていないと云われまして。まぁ、メジャーなものじゃなかったので諦めていたら、バイパー先輩の故郷ではよく使われるものだと伺ったので、おすそ分けしていただけないかとお願いしてたんです」
監督生が料理好きなのは知っているので、漸くアズールは納得した。面白くはないけれど。
ラウンジではほとんどキッチンには入らないが、寮でなら監督生は料理をする。アズール自身も何度かご相伴に預かっている身で、監督生の腕前はよく知っていた。
が、それは所謂ご家庭の、もっと云うなら監督生の世界の料理がベースだった。
もちろんやる気になれば洋食だろうと何だろうと作れるけれど、あくまで監督生が得意とするのは少人数に振る舞う家庭料理。ラウンジのように大勢に向けて大量に作るのとは勝手が違うし、使う材料も調味料も違う。
あとは単純に監督生の手料理を他人が食べるのが我慢ならない、という完全なるアズールの私情により、監督生は基本ホール、時折バーカウンター担当となっている。
独占欲丸出しの嫉妬は醜いと双子に散々云われたが嫌なものは嫌だし、別にキッチンでも構わないという監督生には悪いがキッチン要員だけは常に潤沢に揃えようとアズールは決めていた。
とにかく、監督生の料理上手と料理好きについては知る人ぞ知ることであり、例え珍しいスパイスを手に入れるのが目的であっても、ジャミルに情報が漏れたのは誤算だった。
しかしそんなアズールの心境など知らない監督生は、嬉しさを抑えきれない様子でジャミルに云う。
「もしバイパー先輩がよろしければ、今日の放課後に受け取りに行かせてください」
「ああ、構わない。そっちまで持って行こうか?」
「いえ、それは申し訳ないですから、体育館で。実はフロイド先輩から差し入れを強要……お願いされているので、今日は元から伺う予定でしたから」
「君の怒り方、怖いな」
「怒っていません。ちょっと腹立たしいと思っているだけです」
「それを世間は怒っていると云うんだよな……」
ちなみに監督生が欲しがっていたのは、グリーンカルダモンに似たスパイスだ。果実の種で、甘い香りが特徴なもので、料理はもちろんお菓子や飲み物にも幅広く使えるスパイス。
この世界は基本的に洋食ベースなので、購買部でもモストロ・ラウンジで揃えているのも洋食に使うものがほとんどだ。ジャミルは普段からカリムのために食事を作っている関係上、母国から調味料や特別な具材などは送ってきてもらっている。
それを前回バスケ部に拉致されたときに耳にした監督生は、もしやと思って尋ねてみてビンゴだった。名前が同じかどうかはわからなかったので特徴を伝えると、その特徴に当てはまるスパイスならあると云われてすぐにジャミルと交渉した。
懐が寂しいので金銭は難しいが、代わりに監督生の世界の料理のレシピをいくつか教えることで無事交渉は成立したわけだ。
次に母国から荷物を取り寄せるときに、という話だったのが、思いのほか早くに手に入ることになったのは監督生にとって朗報だった。作ってみたいお菓子もあったし、ご機嫌にもなるのである。
今後もいろんなスパイスを融通しようか、本当ですか実はカレー作りをしてみたくて、それなら俺も手伝おう、嬉しいです是非。
きゃっきゃと楽しそうに話す監督生を遮ることなどできやしないアズールが笑顔で歯ぎしりしていると、予鈴が鳴った。よし、と思ったのはアズールだけで、監督生は少し残念そうに話を切り上げる。
「それでは私はこれで失礼します。バイパー先輩、放課後に体育館で」
「ああ、わかったよ」
「アーシェングロット先輩、またあとで」
「……ええ、また」
頼んでいた本は受け取れたし、目当てのスパイスが手に入ることで監督生はご機嫌だった。いつもよりも少し嬉しそうに微笑んで頭を下げた監督生は、次の授業のために教室を去っていく。
一方監督生の姿が見えなくなるまで教室の出入り口を見送っていたアズールは、改めて机に向かった瞬間から不機嫌だった。面白いくらいの仏頂面で、普段は油断ならない笑みを浮かべている口元はへの字に曲がっている。
わかりやすい。
商人たる者易々と周囲に感情を悟らせるべきではないけれど、所詮彼も思春期真っただ中の男子なのだ。
幸いまだ担当教師も来ていないし、こんなアズールが珍しくて、しかもアズールがこんなふうになった心当たりがありまくりなジャミルは、ニヤリと意地悪く笑って云った。
「お前、妬いているのか」
「はい? 誰が? 誰に? どうして? 納得できる理由を教えて頂けますか?」
「うわ面倒くさい。監督生もよくこんな男と付き合えるな」
学年も寮も違うのに、モストロ・ラウンジという接点を持ってアズールと監督生の距離は急接近した。それは、二人のことをよく知らない誰から見ても明らかなことだった。
詳細なんて知らないけれど、あのアズールが監督生には妙に優しいし表情が柔らかく、大事にしているのがよくわかる。対する監督生も、無愛想なのは相変わらずでもアズールの傍では比較的表情が緩んでいるようにも見えるし、他の生徒に比べて気を許している雰囲気だ。
アズールと常に一緒にいるリーチ兄弟も監督生のことは丁重に扱っているようだし、オクタヴィネル寮生に至っては、あのトップ3をうまくコントロール出来て何かあったときには間に入ってくれる監督生を崇めている節もある。ラウンジの仕事も出来て上司との緩衝材にもなってくれる監督生という貴重な存在を、手放すものかという気概すら感じるのだ。
だからもうてっきり寮公認で囲んで逃げ場を失くして交際にこじつけたのだと思って、思わずジャミルは零したのだが。
ぶすっとしたままのアズールは、ぶすっとしたまま投げやりに云った。
「付き合っていませんけど」
たっぷり10秒ほど、ジャミルはぽかんと口を開けて固まった。
二人の会話どころか、監督生がいたころからずっと会話を盗み聞きしていたクラスメイト達も同じだった。
「――は?」
漸く絞り出したのは、たったそれだけ。
が、ハッとしたジャミルは思わず続けた。
「いや、いやいやいやお前、嘘を吐くにも隠すにしてももう少しあるだろう。あれだけ一緒にいて付き合っていない? そんな冗談、今日日エレメンタリースクールの子どもでも云わないぞ」
「一緒にいる時間で云うならジェイドやフロイドも似たようなものですし、なんならグリムさんの方が四六時中一緒じゃないですか」
「そうだけどそうじゃない。え、お前、本当に何を云ってるんだ?」
大変残念なことに、このタイミングで教師が来てしまい、話はいったんそこでストップしてしまった。
ジャミルには他人の恋愛事情なんてどうでもいい。そんなことより自分のことの方が大事だし、もう少し時間をかけてなすべきこともあるのだから、本来例えクラスメイトであろうがなんだろうが、他人の恋愛事情に口を出す暇なんてないのだ。
が、興味のあるなしではなく、あれで付き合っていないと云うのなら、アズールと監督生の関係は異常だとジャミルは思った。
世の中恋愛がすべてでないのはわかっている。
しかし現役高校生である彼らにとって、恋愛は重要な日常の一部だ。ここが男子校だろうが、相手が同性だろうが異性だろうが異種族だろうが、例え異世界人でも関係ない。
きっと自分の立場が今と違っていたら、自分だって恋の一つや二つはしてみたいとジャミル自身思う。今の自分には目的があるから恋愛に現を抜かせないだけで、まるっきり興味がないわけではないのだ。
それなのに、あの二人。
せっかくどう見ても両想いでお互い憎からず思っているくせに、あれだけ見せつけるように微笑ましい関係を築いているくせに、付き合っていない?
何の冗談だ。
相手も余裕もない自分たちへの嫌がらせか。
何度も云うが、ジャミルは他人の恋愛などどうでもいい。
しかし、仏頂面で授業を受ける隣のクラスメイトをちらりと見てから思う。
これはあまりにもひどいのではないか、と。
◇◆◇◆
「なぁ監督生。アズールと付き合ってないって本当か」
放課後、昼間に話していたように体育館にやってきた監督生を捕まえたジャミルは、差し入れに群がる部員からさりげなく距離を取りながらスパイスを渡すついでに小声で訊いた。
フロイドがこちらを見ていた気がしたけれど、やましいことはしていないのだから見逃せ、と思う。なんならお前の幼馴染のためでもあるのだから、大人しく差し入れのカップケーキを食べていればいい。
「本当ですよ」
スパイスを受け取りながらあっさりと首肯した監督生に対し、頭を抱えたのは当然の権利だとジャミルは思う。
「何故ッ?」
「何故、とは?」
監督生はきょとんと首を傾げている。
本当に何を云われているかわからない様子だった。
この状況でよくそんな顔が出来るなとジャミルが呆気に取られていると、監督生はにこやかに続けた。にこやかだが目が笑っていないことにジャミルが気付くのは、すぐ後の話である。
「私とアーシェングロット先輩がお付き合いしていないことで、バイパー先輩に何かご迷惑をおかけしていますか?」
「いや、そういうわけではないが」
「では、放っておいてください」
これならばいっそ、いつも通りの無愛想でいてくれた方がマシだったような気がする。
どこかジェイドの薄っぺらい表面だけの笑顔を彷彿とさせる監督生に、ジャミルは訊かずにはいられない。
「君はアズールが好きなわけではないのか?」
その瞬間、場の空気が一気に何度か下がったような気がした。
失言だった、と気付いたところでもう遅い。
思わず息を飲んだジャミルに、監督生は云う。
「何故」
一度言葉を切って、改めて、云う。
「何故私が、そんなことをバイパー先輩に云わなければならないのでしょう」
一体お前に何の関係があるのだ、と監督生の目が語っていた。
お前にどんな関係があるのだと、お前にどんな権利があるのだと、そう非難されている気分だったし、きっとそれは正しい。
確かにジャミルには関係ないと云えば関係ないけれど、だったらジャミルにも言い分はあった。
「俺はアズールの友達じゃないし、親しい知人というわけでもないただのクラスメイトだ」
「でしたら」
「でも」
切り捨てるように口を開いた監督生の言葉を、しかし遮った。
はっきりと不快そうに眉間にしわを寄せる監督生に、ジャミルは静かに続けた。
「その気もないのに思わせぶりな態度を取るのは、不快だと思う倫理観は持っているんだよ」
それとも君は悪女のつもりなのか、と。
言外に滲ませる。
アズールと友達でなくとも、親しい間柄でなくとも、微妙な距離感で自分たちはクラスメイトだ。
積極的に関わり合いになりたくないだけで、ジャミルはアズールが嫌いというわけではない。まぁ、普通に苦手、くらいだろう。
けれど、賢い知人が恋心を盾に取られて振り回されているのは、決して面白いものではなかった。それがドラマや映画の出来事だったら笑って観ていられたかもしれないけれど、残念ながらこれは現実なので。
これは普通の感覚だとジャミルは思う。
だから、監督生がただ面白がってアズールを振り回しているだけならば、止めさせたいと思った。
監督生がそんな性悪ではないことはわかるけれど、わかるからこそ、珍しく純粋に他人に好意を寄せている様子のクラスメイトには真摯に向き合ってほしい。
真っすぐにジャミルの視線を正面から受け止めた監督生は、ゆったりと首を傾げた。
それから、静かに口を開く。
穏やかに、たおやかに。
「ではバイパー先輩、教えて頂けます?」
そう云って、ふわりと浮かべた監督生の笑みは、ジャミルが知る限り最も美しい微笑みだった。
そっと細められた涼し気な目元と、いつもは真一文字に結ばれていることのほうが多い唇は今は緩やかに弧を描いている。
この学園で一番綺麗なのはヴィルだと当たり前のように思っていたけれど、どうやら認識を改める必要がありそうだ。
あどけなさの残る顔つきの中に、芯の通った大人の美貌が垣間見え、琥珀色の瞳には強い意志が感じ取れる。
間違いなく、今この瞬間、監督生は誰よりも美しかった。
思わず呆気に取られてしまいそうになったジャミルは、しかし次の瞬間、冷水を浴びせられたようにギョッとする羽目になった。
「どうやってこの世界に来たのかもわからない。帰り方もわからない。帰れるかどうかもわからない。もしかしたら来た時と同じように、唐突に何の前触れもなく元の世界に戻されてしまうかもしれない。そんな不安定な要素しかない私が、あの人の未来を望むに足る理由を」
怒っていると、ジャミルは思った。
監督生は怒っている。
監督生が懸念していることは、確かに間違ってはいないだろう。
異世界からの来訪者である監督生が、その手のことを心配する気持ちはわかる。
常日頃、自分はいつか元の世界に帰る身だと話していることも知っている。
帰らなければならない理由が、あるのだと。
そう話す監督生の寂しそうな横顔を、ジャミルは覚えている。
だけど。
誰かを好きになる気持ちの前に、そんな建前は野暮ではないだろうかとも思うのだ。
好きだ嫌いだなんて、些細なきっかけでどちらにも転ぶ。それが人という生き物だ。
明日をも知れない身だから、自分に好意を持つ相手を弄んでいい理由にはならない。
アズールの気持ちは100%監督生に向いているからいいとして、もしも監督生も、アズールと同じ分だけとは云わずとも、彼に特別な感情を持ち合わせているのなら、二人で手を取り合えばいいのだ。ジャミルは意外とロマンチストだった。
「そんなもの」
「必要ないですか? 本当に? 想いを告げて、仮に晴れて結ばれて。これから先、華やかで楽しい未来が待っているのだと期待に胸を膨らませたその瞬間、私がいなくなる可能性があるのに?」
ジャミルの言葉をばっさりと遮って、監督生は静かにまくしたてた。
怒りに任せて感情的になられるより、こっちの方がよほど恐ろしい。
余計なことを云うなと、はっきり云われるよりも拒絶されている気がする。
「今だけです、きっと」
途端に、監督生の声が優しくなった。
何かを忍ぶようにそっと目を閉じ、続ける。
「少なくとも、この世界にいられる間だけ、私はあの人の傍にいたい」
静かな声だった。
優しい声だった。
噛み締めるような、嚙み砕くような、――自分にそう云い聞かせるような、声だった。
「私はどうしようもなく臆病だから、あの人の恋人になんてなれない。なっちゃ、いけない」
それは、紛れもなく愛の言葉だった。
ジャミルは息を飲み、困ったように監督生は笑っていた。
この時になって漸くジャミルは、自分の発言の何もかもが失敗だったのだと気付く。
常に周囲を俯瞰して見つめ、当たり障りなく円滑に人間関係を築いてきたはずのジャミルにしては珍しい失敗だった。そして、取り返しのつかない大失態だった。
監督生は笑っていて、だけど涙を流さずに泣いていた。
こんなにも胸に突き刺さる種類の笑顔があるなんて、ジャミルは知らなかった。知りたくなかった。見たくなかった。
けれど、監督生にこんな痛々しい笑顔をさせたのは他ならぬジャミルなのだ。
ジャミルの無神経で不躾で無遠慮な発言が、監督生にこの笑顔をさせた。
監督生の気持ちなど、何も知らなかったくせに、訳知り顔で説教した自分を、ジャミルは恥じた。
何かを云わなければ。
少なくとも、謝らなければ。
そう思うのに、喉が引っ付いたように閉じていて息をするのもままならない。
例え失敗してもすぐにリカバリー出来る臨機応変さはあると自負していただけに、罪悪感一つで何も云えなくなってしまう自分の小ささにジャミルは絶望した。
「気を揉ませてしまってすみません。私はお邪魔になりそうなので、これで失礼します」
スパイス、ありがとうございました、と。
そう云って頭を下げて、監督生は体育館を去っていく。
その後ろ姿を、ジャミルはただ見送ることしか出来なかった。
声は、もうかけられなかった。
呆然としたままふらりと部員たちのもとに戻ると、フロイドにカップケーキを渡された。
彼は真顔だった。
怒っている様子はなかったけれど、茶化す様子でもなかった。
監督生とジャミルの会話が聞こえる距離ではなかったし、声だって随分抑えていたつもりだったけれど、何せフロイドは人魚だ。もしかすると、聴覚がものすごくいいかもしれない。
ただ、ジャミルにそれを確かめる気力はなかった。
無言でカップケーキを受け取ると、一口かじる。
優しい甘さの、しっとりとしたおいしいカップケーキだった。
なんだか、柄にもなくジャミルは泣きそうになった。
◇◆◇◆
「何か悩み事でも?」
その日の夜、ラウンジは調理場の点検のために休みだった。
久しぶりにゆっくり過ごせるとあって、アズールはオンボロ寮に来ていた。なのでグリムは、アズールが賄賂に持ってきた焼き菓子を持ってハーツラビュルに遊びに行っている。
「……そう見えましたか?」
「はい。というか、落ち込んでいるのかと」
ついさっきまで、二人は大人しく課題を片付けていた。
監督生は最近学力が漸く一般生徒に追いついてきたこともあり、特別講習でもらう課題のレベルが難しくなってきていたのでアズールに助けてもらいながらなんとかこなしていた。対価は監督生の手料理だというから、他の生徒が知ったら大ブーイングの嵐が巻き起こること間違いなしである。リア充爆発しろ。嫉妬はいつだって醜い。
理系の科目はまだしも、古代呪文語や動物言語学は監督生にとっては未だに未知すぎる。とてもじゃないが一人で調べるだけでは追いつけないので、そこは努力のプロであるアズールに大人しく頼っているのだ。
そんなわけでやっとレポートを仕上げてひと段落したところで、アズールの手を手持ち無沙汰に弄っていた監督生の様子がおかしいとアズールは指摘した。
グリムもリーチ兄弟もいない、二人きりのときでも監督生はあまりアズールにべったりはしない。隣に座っていても、きちんと姿勢を正していることのほうが多かった。
だというのに、今の監督生はいつもと違う。
二人並んでソファに座りながら、甘えるように腕を絡めて、肩に頭を預けていた。
当然アズールは嬉しい。
監督生がスキンシップ嫌いでないことは知っていても、なかなか監督生のほうからくっついてきてくれることはなかったから、内心ガッツポーズしながら大はしゃぎではある。
が、だからこそ気付いた。
課題中も時折ぼんやりしている様子だったし、何かがおかしい、と。
「アーシェングロット先輩には、お見通しなんですね」
ふふ、と困ったように監督生は笑った。
少なくとも、三限目の授業前に教室で顔を合わせた時はいつも通りに見えた。
四限は確かジェイドと合同授業で一緒だったと聞いているし、ジェイドも何も云っていなかった。
ということは、そのあとから放課後までの間に何かがあったということになる。
心当たりは、一つだった。
「……ジャミルさんと、何か、ありましたか」
「いいえ」
監督生を気遣うような、少しだけここにはいないクラスメイトに怒っているようなアズールの静かな声に、小さく首を横に振る。
「――いいえ、何も」
そう、何もない。
ジャミルとの会話は、特別嫌味を云われたとか、ひどいことを云われたとか、そういうことはなかった。いや、ある意味ひどいことではあったけれど、彼に悪意があったわけではないことくら監督生にはわかっている。
だからジャミルに対して怒るようなことは何もなかったのだ。
ただ、ちょっと痛かっただけ。
罪悪感と共に自覚していたことを、改めて目の前に突きつけられて、弱い自分の心が勝手に傷付いたというそれだけのこと。
本当かと疑うようなアズールの視線にへらりと笑うと、ふと監督生は無性にアズールに甘えたい気持ちが湧いてきたことに気付いた。
パッと身体を起こした監督生は、ねだるようにアズールを見上げて首を傾げる。アズールがこういう仕草に弱いことを監督生は知っているのである。
「抱き着いてもいいですか」
「はっ!?」
「駄目なら無理にとは」
「だ、駄目とは云ってません!!」
真っ赤な顔で叫んだアズールに、監督生は笑みを零す。本当にこの人は可愛らしい。
「では、失礼して」
一度絡めていた手も離し、監督生はアズールに向き直るために立ち上がった。それから頭にはてなを浮かべたアズールの脚の間に割り入って、ソファの上でアズールに横抱きにされるような形で座る。
そうしてまた茹ったタコのように真っ赤になって唖然とするアズールに、改めて抱き着いた。
「……ふふ、温かい」
少し体勢はきついけれど、これなら思う存分アズールに密着できる。
アズールの心拍数は面白いぐらいに跳ね上がり、もし今心電図を計ったらとんでもない数値を叩きだすんじゃないだろうかと監督生は他人事のように考えた。
けれどそれも少しすると落ち着いて、はぁぁぁ、と深い息を吐き出したアズールは、開き直ったように監督生の身体を抱き締め返してきた。苦しいくらいに抱き締められるこの感覚が、監督生の心を落ち着かせた。
触れた場所から伝わる体温が、溶けるように混じり合って心地よい。
アズールは人魚だからか、体温が比較的低い。監督生は平均的な人間の体温は保持しているので、寮の談話室でアズールに触れた時は心配になったくらいだった。ちなみに初めて手に触れた時は外だったし、寒さと緊張でお互いにあまり覚えていないということが発覚したので、寮で触れ合うようになってからを『初めて』とカウントすることにした。律儀というか、イデアあたりがこの話を聞いたら『リア充爆発しろ』と絶叫しそうである。
とにかく、この温度差が徐々になくなる感覚はくせになるのだ。
いきなりこんなふうに甘えてきた監督生に、アズールは多くは訊かなかった。
何もない、とはっきり云った彼女が、これ以上問い詰めたところで口を割らない性格なのはわかっているからだ。
気にはなる。
話してほしいと思う。
だけど同じくらい監督生を信じていて、尊重したいから。
だからせめて、監督生の望むように甘やかしてやろうとアズールは決めていた。
寮は先生たちが張り切って修繕したおかげで随分と住みやすくなった。
隙間風も雨漏りもなく、暖炉があるから温かい。
最新設備とはいかずとも、生活に必要なものは全部用意されたから、十分満足できる一人と一匹暮らしが出来ている。
が、自分の胸元にすりすりと甘えてくるこの可愛らしい監督生に理性を削り取られながら、監督生の部屋着は薄いことに気付いた。確かに暖炉があるから談話室も自室も温かいかもしれないけれど、薄手の長袖一枚ではさすがに人間は寒いのではないか。アズールだって、今は長袖シャツの上にカーディガンを羽織っている。
そういえば、と更に気付く。学校でも、制服の下にセーターを着こんだりマフラーは巻いていても、コートを着ているのは見たことがない。
もしや、と思う。
いくら先生方が有能でも、万能ではない。
オンボロすぎる寮の修繕は拍手喝采で褒め称えたいけれど、きっと監督生の服にまでは頭が回らなかったのだろう。何せ彼らは優秀な魔法士で教師だけれど、人間としてはそこそこ欠陥品である。主に常識とか倫理観的に何かしら欠けてる部分がある人たちだから、衣食住の衣をすっぱり忘れていた可能性は十分に考えられた。
アズールはこの瞬間決意した。
「今度、麓の街にコートを買いに行きましょうか」
「ああ、そうですね、ここの冬がどれくらいの寒さかわかりませんけど……冬服は買わないと」
「荷物持ちと財布は任せてください」
「そんなことさせられませんよ」
「頼られるのは男の甲斐性です」
「もう十分」
頼っていますよ、と。監督生は云う。
アズールの考えときっとずれていることを自覚しながら、笑った。
十分だ。
本当に十分、たくさんのものをもらっている。
もらいすぎなくらいに、与えられている。
優しい気持ち。
温かい気持ち。
柔らかな気持ち。
誰かを大切に思う、穏やかな気持ち。
きっとアズールに出会わなかったら、一つも持ちえなかっただろうと監督生は思う。
グリムやエース、デュースたちは大切だけれど、彼らに対する想いとアズールに対する想いは一線を画す。もちろん、リーチ兄弟に対しても。
いつかいなくなる身でありながら、もらいすぎだと思う。
どんな形でこの世界から弾き出されるかわからないのに、アズールは監督生にたくさんのものを与えた。
意図したものではないかもしれない。
だけど結果的に、監督生は満たされている。
幸福だと、感じている。
『その気もないのに思わせぶりな態度を取るのは、不快だと思う倫理観は持っているんだよ』
ジャミルに云われた言葉が脳裏によみがえり、目の奥が熱くなった。
彼の云ったことは全部正しい。その通りだ。
けれどそれでも、一つだけ反論が許されるならば、その気もないのに、ということだけは違うと叫びたかった。
その気は、ある。
きっと自分が最初からこの世界に生まれている人間だったら、何の迷いもなく気持ちを伝えていただろう。
その場合、そもそもアズールとも誰とも出会えていなかった可能性の方が大きいけれど。
もっともらしいことを云ってジャミルを黙らせて、だけどその裏ではこうしてアズールの優しさに甘える自分は、もしかしたら稀代の悪女になれるのではないだろうか。
まるでおとぎ話の中に出てくる悪役のようだ。
その場合、きっと迎えるのはバッドエンド。
惨たらしく死ぬか、後味の悪い振られ方をしておしまいだ。
――その方が、この世界のためかもしれない。
自嘲気味に、そう考える。
そんなことを考えていると悟られない自分の硬い表情筋に感謝しつつ、次の休みには麓の街に出る約束を交わした。
どうやら監督生があまり多くの服を持っていない、持っていてもエースやデュースたちからもらった古着ばかりであることを知ったアズールが、物騒な笑顔を浮かべている。これは止めても無駄だと察したので、ある程度は好きにさせようと監督生は諦めた。念のためリーチ兄弟にも連絡はしておこう。
そんな話をしているうちにいつの間にか時間は過ぎて、そろそろ23時になるところだった。もうすぐグリムも戻ってくる時間だし、明日も授業が待っている。
名残惜しいけれど、今日のところはこれで解散だ。
片付けをして、帰るアズールを玄関まで見送る。
さっきまでくっついていたから、なんだか妙に寒い気がして腕をさすっていると、腕を引かれた。簡単に傾いた監督生は、次の瞬間にはアズールの腕の中。再び幸せな温かさに包まれ、嬉しくなってアズールの背中に手を回した。
本当は帰らないで欲しいし、ずっとこうしていたいけれど、それは現実的には不可能だ。
アズールもわかっているようで、しぶしぶと身体を離すと、一度だけ優しく口付けをする。
「おやすみなさい、監督生さん」
「おやすみなさい、先輩」
軽く最後に手を握って出て行ったアズールを見送ると、監督生はさっさと自室に戻ってベッドにもぐりこんだ。
談話室の片付けは明日起きてからでいいし、グリムは帰ってきたら勝手に眠るだろう。
今は、手に、頬に、唇に残るアズールの温もりを感じたまま眠りたかった。
手を繋ぐ。
抱き締める。
キスをする。
それ以上はまだだけれど、やぶさかでもないとお互いに思っている。
だけど、二人は付き合っていない。
少なくとも、好きだとか愛しているだとか、その類の言葉を使ったことは一度だってない。
監督生がその手の言葉を避けているのはアズールも察していたし、なんなら鋭い連中も気付いている。
監督生は、好きだと云わない。
好ましいとか、愛らしいだとか、素敵だとか、嫌いではないだとか、悪くないとか、そういう言葉に置き換えてものを云う。
それはアズールに対してだけではなく、例えば自分が好きな食べ物について訊かれたときであってもそう。好きな色も、好きな授業も、好きな本も、絶対に『好き』という言葉を使わない。
頑なに、意固地に。
言葉は大切だ。
監督生はよくわかっていた。
だからこそ、云えなかった。
何せ、魔法が存在するこの世界だ。安易に好意を口にしてしまったら、どんなことになるのかわからない。
ましてやいつかは消えるこの身で、惚れた腫れたと口にするのは呪いのように思えてしまう。
怖かった。
いつかいなくなる自分が好意を口にすることで、何かを縛り付けるのが、たまらなく怖い。
ズルいことも、傷付ける原因になっていることもわかっているけれど、どうしても口にしたくなかった。
結果として最悪な事態になったとしても、それはもう仕方のないことだと思う。
ただ、生半可な気持ちで覚悟しているわけではないことだけは、わかってほしいと思った。我が儘な自覚はある。
ジャミルは正しい。
そして優しい。
あの言葉は、ただのお節介ではなく、監督生のこともアズールのことも案じてくれたものだとわかっていた。きっと彼はそれを素直に認めたりはしないだろうけれど。
だけど、だからこそ受け入れるわけにはいかなかった。
だってジャミルの正しさを全面的に、認めてしまったら、監督生はアズールに胸の内を明かさなくてはならない。
好きだと、愛していると、そう伝えなければならない。
それが無理だから、ジャミルの言葉を否定した。
固く目を閉じ、歯を食いしばる。
零れそうになった涙と嗚咽を飲み込んで、監督生は眠った。
苦しさも胸の痛みも、明日になったらリセットしなければならない。
いつも通りにしなくてはならない。
大丈夫。
ちゃんと出来る。
きっと全部、大丈夫。