【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ 外伝 ~ホロライトシティの日常~ 作:お覇王
月明りを照らす夜のキャリフォルニアベース、それが今回の戦場だ。
青(システムが僕を選んだのか見極めたい・・・か。確かにnitroEXAMは此処ぞという時しか・・・いや、
nitroEXAMを此処ぞという時しか使わない・・・それは、青が「nitroEXAMを使うのを恐れているから」だ。
ニュータイプに駆逐される事を恐れ、ニュータイプを裁く為に生まれ変わったEXAMシステム。
ニュータイプへの覚醒を促し、強制的に強化人間化して
「「THEBLUEDESTINY」と「アクロス・ザ・スカイ」の時間軸が同じだったらこういう機体が作られたかもしれないというif設定」という倫理観をドブに捨てたようなシステムが合体したような代物だが、これが生み出されたのも、当時の怜は
今の怜は奏と出会い、GEが「短命種の延命薬」の開発を推進した事で「自分も長く生きられるかもしれない」という希望を持てたから考えは変わり、このスキルを生み出した事に対して思う所があり「もし嫌なら、封印しても良いですよ」と気遣って言って来る程だ。これに対して青は
青「折角もらった機体だし、封印するのは申し訳ないよ。それに・・・この機体と怜君を元に、『運命に抗う少年と機械』というネタを考えてみたいのだけど、ダメかな?」
と返した事がある。これは冗談ではなく本気で、EXAMが・・・マリオン・ウェルチがユウ・カジマを認めて力を貸したように、n i t r oがブレイア・リュードを認めて適性を得たように、彼女もまたnitroEXAMに認められようと努力はしていた。
青(勇さんは多分それを促す為に、僕に挑んできたのかも・・・)
レーダーには映ってはいる物の、動きは緩やか・・・恐らくシステムはまだ使ってない。使うとしたら、自分に使わせるときだろう。
そう警戒して周囲を見回していたらキラリと光る何かを見つけた。
キュイーン…ダダダダダダダダ
青「ガトリングか!」
フィリップ「正解だぜ」ダダダダ
咄嗟に避けた所をフィリップのジェガンがマシンガンを放って襲ってきた!
青「くっ」
ジェガンシールドを構えてマシンガンを防ぐ。咄嗟の反応にフィリップは口笛を吹いた。
フィリップ「良い動きだ。襲撃からの二段構えに対して対応・・・グッドだ。ゴールドに上がってもこれに対応できず、被弾しちまう奴も未だにいるからな・・・」
青「貴方の事も警戒してたよ・・・堅実に立ち回り、かといってマニュアル通りになり過ぎない所も流石だよ」
フィリップ「そりゃどうも」
彼女が警戒するのも無理もない。対峙する日宇フィリップというバトラーは主に連邦系の量産型MSに乗り、「強いのは良いが、それじゃつまらない」という理由で「陸戦型ガンダムや局地型ガンダム、ジンクス等の一部のガンダムタイプを除いて使わない」「機体の力に甘えている内は二流」というポリシーを持つバトラーだ。彼は堅実に立ち回り、時にステージギミックを、時に設置型の武器を、時に相手の殺気を活かして立ち回って勝ってきた。派手さが無く、堅実な立ち回りを徹底してきたからこそ彼は量産型を使ってプラチナ4まで上り詰めたのが、彼の実力の高さを物語っており、青が警戒している理由でもあった。
青「勇さんのBD3だけでも厄介なのに、貴方も対峙するとなれば面倒だね・・・」
フィリップ「まぁ俺相手に臆するようじゃ、勇と対峙させずこのままキルを取ったけどな。臆さず立ち向かおうとする姿勢・・・立派だぜ。でなきゃアイツの使うEXAMにも、お前さんのシステムを使う事への恐怖を克服させる事も出来ないだろうしな」
青「!」
この男は見抜いていた・・・実力を測る為だけじゃない、システムを克服させれるかどうかを見極めようとしているのだ。だから彼は、同行を願ったのだろうと・・・
フィリップ「おっと、メインが来たようだな」
銃を構えつつも視線を左に向ける。蒼いガンダム・・・BD3がやって来た。
フィリップ「遅ぇぞ勇。もう始めちまったぜ」
勇「そう言いつつも律義に待っていたのも、お膳立てするつもりだったんだろう」
フィリップ「どうだかね。じゃあ、始めるとするか!」ボシュ!ボシュ!
ミサイルを二発撃って煙幕を発生させ、フィリップは何処かへと避難する。
青(レーダーには映っているのに、姿が見えない・・・何処に!?)
だがよそ見をしている場合じゃない。近くには勇が居て斬りかかろうとしていた。
バチィ!
青(気配が薄くて気付くのが遅れた!?この人、ただ無口なだけじゃない・・・殺気を出さないように工夫しているんだ!)
殺気が感じず、寧ろ静止している水の如く静かな気配に戦慄する。そして次の手を打っていった事に対してまたもワンテンポ遅れる・・・後手に回ってばかりの事に焦りを感じるが、同時に鹿島勇の高い実力を知る事が出来て冷静さを取り戻しつつあった。
彼の恐ろしさはEXAMを使いこなすだけではない。殺気を抑え、確実にキルを狙っていく堅実さにあった。動きだけで言えば派手さが無い物の、その動きは鋭く、相手の弱い所をついてキルを狙っていく手堅さが勇の強みだ。そうした堅実さと静かさからも死神に例えられ、『蒼の死神』と呼ばれるようになったのだ。
青(サーベル振る時もしっかり間合いを取って斬ってくるし、射撃戦もビームと実弾を使い分けてくる……この人、ガンダリウムランカー・・・に匹敵する訳じゃないけど、かなり強い!主導権を握られたら間違いなく…やられる)
勇「・・・何故恐れる?」
青「え・・・」
勇「何に怯えているんだ? と聞いている」
青「……貴方の強さに、かな」
勇「そうか・・・」
フィリップに警戒しつつも動き、走りながらもマシンガンをばら撒いて牽制していく。射線も脚部を狙っている事から脚を被弾させて走れなくさせようという魂胆だろう。夜間という事で肉眼だと見えづらいがブーストとレーダーからハッキリと見える為分からない訳じゃないが、今の所仕掛けようとせず様子を伺っているようだ。
だが勇が殺気を感じ取って方向転換し、ガトリング弾を避ける。
キュイーン…ダダダダダダダダ
フィリップ「闇討ちしようと思ったが、そうもいかねぇか。というか勇、そろそろ品定めを終えて本気で行ったらどうだ?」
勇「……そうだな。巻き添え喰らっても、文句は言うなよ?」
静止し、システムを起動しようとする。
勇「お前の力を見せてもらうぞ!EXAM、リミッター解除!」
―EXAMsystem STAND BY―
青「いくよ、ニトロファイア!nitroEXAM!」
―nitroEXAMスタンバイ―
2機のガンダムのカメラアイが赤く光る。ニトロファイアに至っては蒼い炎を噴き出して力を開放する。そして開放した2機のガンダムは激突した。
ガキィン!ガキィン!ガキィン!
サーベルでの剣劇を繰り返す。青は胸部バルカンを放とうとするも拳打でバルカン砲を潰して使用不可にされる。
勇「そんな見え透いた動き、読めないとでも!?」
青「ならこうだ!」バシュ!
シールドの炸裂ボルトを放って左腕を損傷させ、そのまま意趣返しと言わんばかりに胸部バルカンを潰して使用不可にする。
青(僕は・・・僕は勝ちたい!ニトロファイア!僕の力となれ!)
その思いが届いたのか偏差でサーベルが勇のBD3を一閃し、そしてファンネルできっちりとどめを刺した。
青「僕は勝って・・・拓にぃに勝利を捧げるんだぁ!」
返す刃で後ろから狙っていたフィリップのジェガンの攻撃を回避し、反撃して倒す。この勝負、青の勝ちだ・・・
青「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・nitroEXAMを使ってなければ、負けてた……」
勇「……確かにそうかもしれない。だが・・・それはシステムを飼いならそうとしたから、得た勝利だ」
青「え・・・?」
勇「勝利の為に勝ちたいと思った気持ち、力を貸りようじゃなく・・・力をわが物にして慣らそうとしたからこそ、ニトロファイアは答えたんだろう」
フィリップ「ま、言ってしまえば壊そうという気持ちばかりを先行せず、ちゃんと力の一部として飼いならそうとしたからこそ、土壇場で力が発揮したんだろう。その気持ちを忘れなければ、システムに呑まれる事も、振り回される事もない筈だぜ」
勇「それを忘れるな。そうすれば、禁忌の力も禁忌じゃなくなる筈だ・・・」
青「……そうだね。僕は危険な力と思ってあまり使わないようにしてたけど・・・向き合ってみるよ、力とね」
勇「ああ、それで良い」
こうしてバトルを終えた勇達は約束のサインを貰い、ホロプラを去っていった。残った青は、真の意味で飼いならそうとニトロファイアの慣熟を一からやる事になった。
青「例え不穏な気持ちから生まれた物でも、正しく使えば良い機体になる……使いこなしてみせるよ、本当の意味で」
青の修練はまだまだ続く。
御意見、御感想をお待ちしております。