【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ 外伝 ~ホロライトシティの日常~ 作:お覇王
ある日の神羅城。キッチンでじゃがりこを自作し、みしろ達に食べさせていた。
玲二「どうだ? とこからレシピを教わって作ってみたんだが・・・」
エリー「うーん・・・美味しい、のですけど・・・やっぱり普通の味がしますね・・・」
みしろ「美味しいのは美味しいのです。ですが・・・」
ミナ「ふつーのおあじです」
メアリー「メアリーは好きですよ? 普通のお味ですが」
これに対して「やっぱりか」と落胆する玲二。みしろが同じレシピでやってみれば「美味い」と好評になるのに、何故か自分が作れば「普通の味なんだけど美味しい」、「美味しいけど普通」と、とにかく「普通の味」と評されてしまう事に悩んでいた。
玲二「レシピ通りに作っているだけなんだけどな・・・」
そう。玲二は別に変なアレンジをしている訳でもなく、火加減や調味料を入れる匙加減が大味にしている訳でもなく、レシピ通りに・・・適切にやっているだけなのだ。なのに「普通の味」という評価になってしまう。これは昔からで父である康晴に料理を基本を教えてもらい、色々と指導をしてもらっても何故か普通の味になってしまうのだ。父がやるアレンジを施してもダメで、何なら学校の調理実習をやった時もクラスメイトからは・・・
「佐々木君(玲二)の作った料理って、なんか普通だよね。美味しいんだけど・・・」
と評され、家庭科の先生ですら言葉を選びつつ「普通の味」と言われてしまうのだ。
玲二「なぁみしろ・・・何で『普通の味』ってなってしまうんだ? 普通という割には美味しいって言ってくれるんだが・・・正直貶されているのか、褒められているのか分からなくてなんとも言えなくなるんだが・・・」
みしろ「……」
それについて思案顔になるみしろ。何か思い当たる事があるのだろうか?
みしろ「……あくまでこれは、みしろの見解である事と、無礼を承知の上で発言させてください」
玲二「・・・分かった」
そういってみしろは、ゆっくりと見解を述べた。
みしろ「恐らくご主人様の作る料理って、『周囲から過大評価されている事』と『機械で作った料理と同じ』だから普通の味と評されるんだと思います」
玲二「……どういう事だ?」
これについて流石の玲二も分からなかった。いや、正確には「言っている事は分かるんだが、言いたいことが分からない」のだ。
みしろ「前者は多分ご主人様もわかっているんだと思いますが、敢えて言いますと・・・ご主人様は仕事も出来、スポーツも出来、身の回りの事も『教われば人並み以上』に出来るだけの才能と能力があります」
玲二「あー・・・よく言われる」
みしろ「実際その通りなんですよ。みしろも幼い頃からメイドとしての基礎を教わり、趣味もありますがガンプラ等のプラモのノウハウを教えてもらったお陰でビルダーとしての自信はあります。ゲームに関しては他のゲームでは及ばないかもしれませんが・・・ガンプラウォーズに関しては誰にも引けを取らないだけの自信もあります。ですがそれは、『全ては主に貢献する為』という気持ちがあるのですよ」
玲二「実際それだけ努力しているのもわかるし、何とかしようとしているのもわかる」
みしろ「料理に関しても上手な方だとは思います。が……料理に関しては
玲二「……料理漫画等で偶に聞く、『美味いだけの料理では駄目だ』という事か?」
頷くみしろ。
みしろ「美味いだけの料理は『己の腕を誇示し、『自分の料理は美味いだろう』と押し付けるだけの料理』であり、みしろ自身もそんな料理は美味しいとは思いません。ご主人様にはそんな邪な考えを持っている訳でもないのですが・・・かといって相手を思いやる心もなく、ただレシピ通りに・・・工夫やアレンジも『味を良くする為』という程度にしか考えてないようにも思えます」
玲二「あー……まぁ・・・そうだな」
何か思い当たる節があるようで、エリーに視線を向ける。
エリー「・・・エリーもみしろさんと同意見です。エリーが試行錯誤を繰り返して紅茶を入れる技術をご主人様はあっという間に習得しました。それは凄い事です。ですが・・・ご主人様の入れるお茶は正直、
玲二「・・・茶葉の味を良くしただけの味、という訳か?」
エリー「それもありますが、何より
最初の頃のメアリーが淹れた紅茶は誤魔化した物の、正直言って「メッチャクチャマズい』物だった。かなりの熱湯で長時間茶葉を淹れ、苦味と渋味だけが抽出されただけの失敗作だ。エリー自身もあまりの不味さに噴き出しそうになった物の、同時に「親に対して美味しいお茶を淹れてあげたい」という気持ちが伝わったのだ。
今ではエリーに師事を受けた結果、まだエリーには及ばない物の十分美味しい物が出来上がっている。
みしろ「受け売りではありますけど、料理は心。心の籠った料理は食べる人を感服させ、心から『美味しい』と言わせる事が出来ますが、心なき料理は美味いと……どんなに味が良くても心から『美味しい』と言わせる事は出来ません」
エリー「機械や魔法が作った料理ならばそれで良いかもしれませんけど、人が作る料理ではそれだけでは駄目なんです」
これについてはミナやメアリーも黙っていた。普段の二人ならば「でもお父様(ぱぱしゃま)の料理は好き」と言うのだろうが、幼いながらも思う所がありフォローしなかった。暫く沈黙した玲二は腕を組み、口を開いた。
玲二「……心の籠った料理は食べる人を感服させ、心から『美味しい』と言わせる事が出来る……か。確かに父さんも言ってたな、『料理は美味しく仕上げるだけでなく、愛情を持って作っていかなきゃ駄目だ』って。なんというか……今になって
みしろ「『ご主人様なら美味しい料理を振る舞ってくれる』と期待されているのも大きいでしょうが、やはり大本の原因はそれだと思っています」
それを聞いて溜息をついた。
玲二「……納得したよ。同時に、みしろ達の凄さを、父さんの凄さを俺はきちんと理解してなかったみたいだな」
みしろ「それを言うならみしろだってお義父様達料理人は敵いません。技量の面でも、他人や食材に対して思って作り上げる情熱と愛情の面でも……だからこそ、その道のプロと称賛されるのでしょう。ですが、ご主人様達を思う気持ちでは誰にも負けないつもりです」
エリー「ご主人様を喜ばせたい、沢山おもてなしをして笑顔になってもらいたい……そういう想いを込めて御給仕をしていますからね、それは料理でも同じです。ご主人様も、ガンプラ等のプラモに愛情を持って接するように、料理に対して相手を思う気持ちを持って接すれば普通の味を脱却できるようになりますよ」
玲二「……ああ。どうやら俺も、まだまだ精進が足りないみたいだな。ありがとうみしろ、エリー。俺、見直してみるよ」
みしろ「その意気です、ご主人様」
自分なりの答えを見つける事が出来、前へと進むことが出来た玲二に対して微笑むみしろ達。その後作り上げた料理にはみしろ達も満足し、「美味しい」と言わせる事が出来た。まだまだ「普通の味」から脱却できてない物の、そう言わせなくなる日が来るのもそう遠くない。
あくまで自分なりの玲二像だけど、「何でもそつなく出来るが、物事の本質を理解しなければそれなりに出来る程度になる」って印象。色んな問題に対してズバッと解決出来ているのも「きちんと物事の本質を理解し、相手を思いやって行動しているからこそ」問題解決出来ている気がする。逆に理解してないと玲二ですら解決できない気がする。玲二に限らず、こういうタイプはね・・・
というかこんな感じになったけど、大丈夫かな? 玲二って正直「言われなくとも気付くし、気付いたら即座に治せる」ようにも思えてならないから「コレジャナイ」評価を受けたらどうしよう・・・(汗)
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