【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ 外伝 ~ホロライトシティの日常~ 作:お覇王
ある日のホロライブ事務所
リオナ「ねぇすうちゃん」
枢「何? リーダー」
リオナ「料理の腕前ってどんな物?」
枢「え? 全然作れないし、家事も全然出来ないよ? 基本同居してるママに任せているし、ギリギリ味噌汁作れるレベル」
リオナ「・・・それさぁ、かなり不味いと思うよ」
枢「なんで?」
千速「まだ企画として提案しているレベルだけど、ホロ内で料理対決をする企画が上がっているんだよね・・・」
枢「へぇー」
千速「いや、他人事みたいにいっているけど、もしすうちゃん指名されたらどうするの?」
枢「その時はその時よ」
リオナ「すうちゃん・・・そういう安易な考えは良くないと思うよ。やっぱり多少は料理出来た方が良いと思うし・・・」
枢は周囲を見回すが千速達は頷く。
枢「……神代さんに相談してみようか」
そうして「料理を学びたい」という事で拓哉に相談し、次の日曜日に料理教室をやる事になった。尚、その際ヴィヴィとアンジュも参加する事に・・・
日曜日。神代家のキッチンに講師役として栄、アメリア、青を招き入れて料理教室を行う事となった。
栄「さて、メンバーも揃ったけど準備は良いかしら?」
アンジュ「今日は何を作るの?」
栄「ロコモコ丼を作るわ。アメリアの得意料理の一つでもあるし、外で修行しているたっくんと都々の為にもガツンとくる料理を作ってあげたいからね」
アメリア「それに、男の人って言うのはこういうのが好きだからね。まぁ・・・ダーリンは私達が作った物を何でも美味しく食べてくれるし、レイジもヴィヴィ達が作った物なら美味しく食べてくれるわ」
枢「とは言いつつ、はぁと先輩の料理はあまり食べたがらないけどね・・・」
アメリア「アレは当然ね・・・本人はしっかり完食しているけど、先輩以外が口するのは勇気がいるわ。まだリリカの限界飯の方がマシだし・・・」
枢「限界飯も大概だけどね・・・すうも食べた事があるけど、あれはあれで美味しいけど」
栄「まぁ兎に角、はぁとさんや莉々華さんはあの路線で受け入れられているから良いけど・・・やっぱり最低限料理は出来るに越した事はないわ。企画とかで料理対決とかあるかもしれないし」
枢「むぅ・・・確かに」
アメリア「ぶいすぽでもリモートビストロクイーン等の料理対決もやってたし、いずれホロ内でビストロ対決が行われるかもしれないわ。ダーリンも『いずれはやってみたい』と言ってたし、どうなっているかはなんとも言えないけど・・・やれるに越した事はないわ」
ヴィヴィ「うち等も歌に特化したグループにいるとはいえ、歌やダンスだけじゃ駄目だし、それだけでこの先は生き残れないと・・・」
アメリア「そういう事。新生アイドルは色々とやれるのが売りでもあるし、『既存のアイドルの常識を塗り替える』というのが売りでもあるわ。アンジュも、何時までも照り焼きチキン程度しか作れないじゃ話にならないわよ」
アンジュ「はい。仰る通りです・・・」
こうしてそれぞれエプロンを身に着け、料理していく事となった。
ヴィヴィ「しかしアンジュさん、何で手料理とか全然出来んの? 錬金術師だから結構器用そうなイメージがあるけど・・・」
玉葱をみじん切りにしつつ尋ねるヴィヴィ、過去に「照り焼きとかなら作った事がある」「普段は自炊しない」的な事を言ってた事が気になっていたのだ。
アンジュ「まぁ錬金術師としての仕事や、タレント活動で忙しい……ってのが主な理由・・・だけど、ぶっちゃけそんな器用じゃないってのが本音・・・ヘルエスタに居た頃だって専ら外食で済ませてたし」
青「天界や魔界とかって自炊するイメージがないけど・・・それもあったりするの?」
アンジュ「そうだね。数年前に流行病の影響で自炊する人が増えてきたけど、料理は基本親が作るか外食で済ませるかが大半って感じ。ヘルエスタはそうでもなかったけど、国によっては『料理人でもない癖に、男が料理するなんて女々しい』という風潮も未だにあったりするからねぇ・・・」
枢「でも、アンジュさんやリゼさんが料理出来ない理由にはならないと思うよ?」
アンジュ「いや、ほら・・・地上界の近代化されたキッチンに慣れてないってのが大きいから……」
それに対して「あー・・・」と納得する一同。天界の文明レベルが中世レベルと言われており、ヘルエスタ王国やセブンティア、コーヴァス帝国やお菓子の国は地上界との交流(主に日本等)を気に文明レベルが上がり、近代化されてきている物のそれでも全体的に見れば「他国より進んでいる」程度だ。
リゼやアンジュが料理出来ないのもスキルや経験の問題もあるが、やはり「地上界の家電や設備に慣れてない」というのも大きな理由の一つだ。魔法や魔導技術に慣れている二人からしたら慣れない設備に四苦八苦し、知力の低さも相まって全く料理出来ないのだ。
青「そう考えたらとこさんやチャイカさん凄いよね・・・地力の差があるかもしれないけど」
アンジュ「あの人は地上界育ちだからね」
玉葱の千切りをしつつも食べる分の量を揃えていく。その間に栄とアメリアは家族の分を用意し、大量の刻んだ玉ねぎを業務用フライパンを数個使って炒めていく。
アンジュ「手馴れているなぁ・・・」
栄「ちょこ先生達もいつも家族の分を用意しているし、あの人達と比べたら少ないわよ?」
アンジュ「……改めてあの人達の凄さが分かった気がするよ」
栄「そうね。あ、アンジュさん力入れ過ぎ。玉ねぎが潰れるわよ」
アンジュ「う・・・こ、こうかな?」
栄「そう、力を込め過ぎてもダメ」
アメリア「スウ、強火じゃなくて中火にして。火を弱めないと焦げるわよ」
枢「え? でも火力ないと飴色にならないよ?」
アメリア「じっくり炒めて甘みを引き出すのも大事だし、中火にしないと焦げる恐れもあるわ」
枢「えー・・・火力高めれば行けると思ったのに・・・」
ヴィヴィ「青先輩、こんな感じでどう?」
青「良い感じ良い感じ。このままキツネ色になったら火を止めて粗熱を取るからね」
三人共玉葱がキツネ色になった所で火を止め、冷まして次の段階へと進んだ。
枢「パン粉や牛乳はいつ入れるの?」
ヴィヴィ「やっぱ混ぜる前にやるのがベストだろうけど・・・栄ちゃんどうなん?」
栄「混ぜる前に全て入れるわ。種を混ぜる時のコツは、握りと放すを繰り返す事よ」
ヴィヴィ「グーパーする感じか・・・こんな感じ?」
栄「良い感じ」
枢「何回やれば良い感じ?」
アメリア「こればっかりは感覚ね。空気抜きも同じく」
黙々をやっている中、枢が気付く。
枢「なんか大きいのあるけど、それは?」
アメリア「ん? ダーリン用に大きめにしているわ、仕事の合間に都々と一緒に鍛錬をしているからしっかり食べて元気になって貰わないとね」
枢「にしては大きいような・・・」
アメリアが拓哉と都々用に作っているハンバーグの種は大きかった。数量にして300gで二人の為に用意した器も大きく、全体的にアメリカンサイズである。
アメリア「都々とダーリンならぺろりと平らげてくれるから大丈夫♪ あ、そうそう余らせた肉だねは後日メンチカツにするから大量に作っても問題ないわ。これも良い女がする工夫の一環よ」
ヴィヴィ「成程なぁ♪」
アンジュ「こういうのって一人分で満足しちゃうけど、冷凍保管して揚げるのも一つの手か・・・」
ふむふむと納得するアンジュ。枢も内心、「そういえばお母さんもなんか保管してたなぁ・・・そういう事かぁ」と思っていた。形を整えて数を揃え、栄は必要な分だけを残して残りは冷凍保存する。そうして次の段階へと進んで行く。
栄「温めたフライパンを使って焼いていくわよ。弱火を少し強くした程度でじっくり片面を焼き、こんがり焼けるまで焼くわ」
アンジュ「その後に水を入れて蒸し焼き・・・だっけ?」
栄「そう、弱火でね。蒸し焼きにしている間に盛り付けのサラダとしてレタスをちぎり、ご飯をよそっていくわ。此処まで来たらもう少しよ」
アメリア「ああそうそう。焼いた後の肉汁や油は後でデミグラスソースにするから処分しないでね」
枢「此処から作れるの?」
ヴィヴィ「中濃ソースやケチャップ入れて作るのを見た事あるけど、そんな感じ?」
アメリア「それに加えて料理酒と砂糖、醬油をちょっと加えて弱火で煮たせるわ」
手際よく飯をよそい、野菜を入れて彩りをよくし、焼き上がったハンバーグにソースを作成。後は目玉焼きを作って完成だ。
アンジュ「久々に焼いたけど、失敗しなくて良かったぁ・・・」
栄「目玉焼きなんて火加減間違えなければ何とかなるわ。焦がしたり、失敗するなんて余程の事よ」
アンジュ「……その余程の人が佐々木家にはいるけどね、焦がす所が炭にする人が・・・私も上手じゃないからあまり他人の事言えないけど」
目玉焼きが焼き上がり、作ったデミグラスソースを掛けて完成だ。
栄「これで完成。中まで火が通っているし、味は問題ない筈よ」
枢「大丈夫・・・だよね?」
栄「それは実際に食べてから判断するべきね。青、二人を呼んできて」
蒼「分かったよ栄ちゃん」
拓哉達に昼ご飯が出来た事を伝え、実食を兼ねて昼飯となった。その感想は・・・
枢「・・・うん。我ながら美味く出来ていると思う」
ヴィヴィ「これなら文句無しやわ」
アンジュ「意外とやれるもんだね、私・・・」
アメリア「こういうのは経験積めば何とかなる物だし、これを機に積極的に料理を覚えてみたらどう?」
アンジュ「まぁ・・・今後企画とかでやるかもしれないし、簡単な料理位作れるようになるよ。みしろさん達のお陰で不衛生な食事せずに済んでいるけど、いなかったら絶対酷い事になってたと思う」
拓哉「俺が居た世界のアンジュさんも『不衛生過ぎて医者にブチ切れられた』って逸話もあるからな・・・」
都々「よくタレント活動続けられたね、アンジュさん・・・」
アンジュ「いや、だって……結婚する前から健康に意識してなかったし、何ならリゼからも凄い言われてた。『そんな生活続けていたらいつかは死ぬわよ!?』って。でも人はいつかは死ぬものだし、神羅族となった以上そんな心配はないと思うんだけどなぁ・・・」
栄「それでも何が起きるか分からないし、万が一の事があったら佐々木さんに叱られるわよ?」
アンジュ「分かっているよ栄さん。こんな事言ったら浩一さんに
拓哉「確かにな・・・師匠も常々『人を良くすると書いて食と言うし、食事は生きていく上で大事な事。武士は食わねど高楊枝だなんてナンセンスよ』って言ってたからな。お陰で、飯をたらふく食うようにはなって負担を掛けちゃうが・・・」
栄「良いのよ。美味しく楽しく食べているのは見てて嬉しいし、作り甲斐があるわ」
青「食いつくしとかしている訳じゃないし、節度を持って食べているから気にしなくて大丈夫だよ。拓にぃだってスタッフリーダーとしては勿論、DEVICEの責任者としての仕事もやっているんだから、食べて英気を養う事も大事。それに、食べないとやっていけない事だってあるだろうからね・・・」
拓哉「まぁな・・・」
ヴィヴィ「……今度玲二さんに好きな料理聞こうっと」
拓哉「え、そこは俺じゃないの?」
ヴィヴィ「神代さんは栄ちゃん達から美味いもん食うとるしええやろ。うちは、玲二さんに何かしたいんや♡」
「なんだかなぁ・・・」と思いつつも食事していく一同。余談だがこれがきっかけで佐々木家の中で手料理を振る舞い、玲二に振舞う妻が多く出るのであった。そして・・・
あくあ「あ、あてぃしだって料理が出来れば……」
ちょこ「あくたんはキッチン出入り禁止」
ルイ「ほんの数秒目を離したら料理が真っ黒焦げになる原因が分からない事には、ね・・・」
料理が全く出来ず、一人負けヒロインと化したあくあは静かに涙を流した・・・
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