【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ 外伝 ~ホロライトシティの日常~ 作:お覇王
とある日のホロライブ事務所
玲二「……なぁ井筒。もう一度説明してくれ、これは今年のエイプリルフール企画だよな?」
井筒「はい。その一環として、私と佐々木さん、神代さん、春先さんでそれぞれボイス販売する事になりました」
玲二「ガチで販売するのか?」
井筒「ガチで販売します」
拓哉「・・・思ったんだけど、何でまた自分等のボイス販売する事になったんだ?」
のどか「私も正直、今初めて聞かされたんですけど・・・」
井筒「それはですね、毎年社長をメインにした『YAGOOカレンダー』が販売されているんですけど・・・以前から『YAGOOグッズだけじゃなく、佐々木さんグッズを出してほしい』という声があったのは知っていますよね?」
拓哉「ああ・・・けど先輩は『特別な理由がない限りはやらない』と公言し、フブキさん達からもお願いされても断ってきてた筈ですけど・・・何でやる事に?」
井筒「その特別な理由として、エイプリルフール企画に合わせて出す事が決定したんです」
玲二「……井筒、そんな企画許可した覚えはないぞ」
井筒「社長が許可出したみたいです。勿論これには理由があり、イベントに合わせた企画として出さないとリスナーからは勿論、タレント達から不満が溜まって何が起きるか分からない・・・というのもあるから認めたみたいです」
玲二「そうは言うけどな・・・特別な理由があれば俺だってなぁ……」
井筒「具体的には?」
玲二「……さ、サプライズ企画とか・・・」
井筒「となれば問題ない筈ですし、ガス抜きも兼ねて引き受けましょうよ。というか佐々木さんだけでなく、私達もやる事になっているんですから・・・」
玲二「……すまない」
のどか「悪いと思っているなら引き受けてください。拓哉さんも、ですよ」
拓哉「あ、ああ・・・」
玲二「まぁ、もう決まった事だしやるしかないよな・・・」
ハァ・・・と溜息をつきつつ、企画書を見て収録日を確認していく玲二であった。
収録日
「皆さん台本は読んできましたね?」
「はい」と返事する玲二達。しかし、玲二はどこか割り切れてない顔をしていた。
「・・・やはり支部長的には、この企画は乗り気ではないですか?」
玲二「やらなきゃいけないとは分かってはいるが、台詞がな・・・」
「まぁ、『歯が浮くようなキザな台詞とか言いたくない』とか言って今まで避けてきましたからねぇ・・・タレントの皆さんや、たまきさんに頼まれても徹底して拒否してきましたし」
そう語るスタッフ。実際以前からたまきから「格安でサムネを作るから、ご主人様のイケボボイスを撮らせて!てか金なら払う!」とか言ってイケボ徴収をしたり、フブキ達ホロメンからは「ボイス販売をしてほしい」と何度も頼まれてきた過去があった。最近ではにじさんじ内での玲二LOVE勢(+ましろ)からも要望があったがそれを拒否してきた。その理由は「キザな女誑しみたいだし、歯の浮くような台詞を言いたくないから」だ。
ただでさえ周囲から異常にモテ、その度にフブキの機嫌が悪くなる為そのご機嫌取りをするのが大変だというのに、こんな事もやり始めたら間違いなく収拾がつかなくなるのだ。実際咲からイケボ依頼をされた時は暫く恥ずかしいプロポーズを要求される事となった事があった為、玲二としては避けたい所なのだ。*1その事をポロっとフブキに愚痴った所
フブキ「まぁ良いじゃないですか。他の女にも聞かれるのは癪ですが・・・こういうのは次があるか分かりませんし」
との事だった。
拓哉「まぁ俺の所も『頑張って』とは言われましたよ。イケボが他人に聞かれるのは嫌そうにしていましたが・・・」
井筒「そりゃ、独占したい気持ちがあるのは分かりますよ。そういうのはやっぱり誰これと聞かれたくないですし」
「まぁそういう事なんで支部長・・・覚悟を決めてください」
「分かったよ・・・」渋々ながらも収録に入っていく玲二達。まずは女性陣からだ。
のどか「お疲れ様です。進捗、どうですか?……そうですか、でも無理しないでね。あなたが倒れたら私が心配しちゃいますし・・・だからこの後、私と二人っきりで打ち合わせしませんか? 私の部屋で、ね?」(社内恋愛している彼女という役でボイス収録中)
のどか「もぅ・・・此処の所間違っていますよ? いくら君が慣れてないからと言って、忖度したりとかはしないわよ。けど・・・女として見るなら、ちょっと忖度しちゃう・・・かもね♪」(気のある指導役の女先輩という役でボイス収録中)
井筒「お疲れ様です。この後の予定って空いていますか?・・・え? 仕事絡み? うーん・・・仕事と言えば仕事かもしれませんね、男女の色恋という名のし・ご・と・・・ですけどね」(片思いしている女上司という役でボイス収録中)
井筒「お疲れ様、あなた。お風呂湧いているけどどうする? それとも食事済ませる? あ、でも・・・二人っきりの時間を過ごすのは、その二つを終えてからじゃないと……ね♪」(同棲している彼女という役でボイス収録中)
玲二「二人ともすげぇ・・・」
拓哉「ええ・・・なりきっていますよね」
二人の演技に驚く玲二と拓哉。普段はこういった事をしないだけに演技力は然程ではないと思っていたが、ナチュラルな演技が出来る事に意外性を感じた。のどか自身もMC等を勤めて経験値が上がって演技や雰囲気を理解し、「こうすれば良い」というのが分かって演技をしているんだが井筒も適性が高かったのは意外だった。
拓哉「井筒さん、ああいうのやらない人だと思ってただけに意外ッス・・・」
玲二「しかも春先に負けず劣らず演技力が高い……収録に入る前は『早い段階で終わらせよう』と意気込んでいたが、こりゃかなりのモンだぞ・・・」
拓哉「ですよね・・・それで先輩、覚悟は決めましたか?」
玲二「……何度か悶絶するとは思う。自宅で台本読んだけど、見てて何度も悶えたからな・・・」
元より歯の浮いた台詞を言う事に抵抗がある玲二にとって今回の企画はかなりの地獄だった。基本的に頼まれてもやる事はない上、あったとしても完全な罰ゲームとしてやる為精神的にキツイ物があった。実際自室で何度も練習する度に悶え、鳥肌が立ち、自分で自分を精神的に追い込んできた。最終的には神羅の力を使って感情抑制する事で何とか乗り切る事が出来た程だ。
拓哉「というか感情抑制の力を使ったら使ったで、演技に支障は出ませんか?」
玲二「大きく感情が出る演技後の後に使うから大丈夫だ・・・これはフブキ達からも問題ないと言われている。とはいえ、これを使うのは耐えきれない時だけに使うよ」
「なら問題ないですね・・・」そう話していると、のどかと井筒が収録室から出てきた。
井筒「終わりましたよ。いやー・・・こういうのも偶にやってみるのも良い物ですね」
のどか「恥ずかしかったですけど・・・楽しかったです」
拓哉「そりゃ良かったっスね。じゃあ先輩、俺達もそろそろ・・・」
「そうですね。次はお二人の番です」
玲二「ああ・・・じゃあ行こうか」
そうして収録に挑む二人だった。拓哉の方は問題なかった物の、問題は玲二だった。
玲二「お、お疲れ様・・・この後だが・・・その・・・」
「NGです。ハキハキ言ってください」
玲二「はい……お疲れ様。この後の予定は空いているか? 実はお前に話しておきたい事があるんだよな・・・俺との未来に向けての話を、な♪」
「OKです」
玲二「うわあああああああ!!こんなの俺じゃねぇぇえええええ!!」
「まあ次行きましょう」
玲二「はい……どうした? 可愛い顔して悩んだ顔しているけど・・・俺で良ければ、相談に乗って・・・や・る♪」
「OKです」
玲二「うわあああああああ!!」
「次。不破さんからのリクエストです」
玲二「えーと・・・? 『この先俺の隣でずっと寄り添ってくれる女性、募集中です』……言わなきゃダメか?」
「言わなきゃダメです」
玲二「はぁ……じゃあお願いします」
「はい。3・・・2・・・1・・・」
玲二「この先俺の隣でずっと寄り添ってくれる女性、募集中です」
「うーん・・・棒読み感がありますね。もう少し甘く、ホストみたいに言ってください」
玲二「いや、こればっかりは・・・」
「ではお願いします」
玲二「・・・この先、俺の隣でずっと寄り添ってくれる女性、募集中です♪」
「OKです」
玲二「湊ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
悪戦苦闘しながらも収録をしていき、無事に終えたのだが・・・
玲二「」
玲二は真っ白に燃えてしまった。
拓哉「・・・先輩だけボイス収録が多かったですよね」
井筒「此処でやらなきゃ次はいつ来るか分かりませんからね・・・」
のどか「えっと・・・お疲れ様でした」
こうして収録を終え、エイプリルフールに合わせて販売するように調整していった。余談だが4月1日に販売された裏方組のボイスは好評で、特に玲二のボイスは最も人気が高かった模様。それに伴って社内でも玲二に関するASMR企画やグッズ販売の提案が出たのだが・・・
玲二「認める訳ないだろ」
本人が拒否したため結局没となった。尚、玲二の嫁達からは非常に残念がられた模様。
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