【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ 外伝 ~ホロライトシティの日常~   作:お覇王

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後編です


フューチャーチルドレンのタイムトラベル3

昼食を終え、優斗お手製の食後のデザートを振る舞った後に茶を飲みながら改めて語る事となった玲二達。

 

玲二(さて・・・何から話すべきか)

 

思案し、まずどういう経緯で本土から引っ越したのかを話す事にした。

 

玲二「・・・まず聞きたいんだが、俺達がどうしてホロライトに・・・元となったホロライブタウンに引っ越す事になったのか知っているか?」

 

こゆき「確か精密検査してもらった際に神羅族である事が発覚したのと、それでお義兄さんである劉斗さんがパパ達が安心して暮らせる為にって事で街を開発したんだよね?」

 

ふゆき「そうしたのも、『そこまでしなきゃいけない位に大変な状況だった』って聞いたけど・・・」

 

玲二「そうだ。元々は義兄さんが新しく展開しようとして開発していた人工島を、俺達が住む街へと変更して開発したんだ。『俺に関わりがあって悪意のない者』という条件の元に咲達も移住する事になったしな」

 

ロゼリア「後々話す事にはなったけど、この時のお母様達には神羅族である事を伏せてたのは本当なのですか?」

 

玲二「ああ。信用してない訳じゃなかったんだが、それでも何処で情報が漏れるか分からなかったからな・・・」

 

ロゼリア「それはそうだけど、どうしてお母様達はついていく決断をしたの?」

 

ロゼリアが何故ついていく決断をしたのか・・・そう思い、子供達も同席していたリゼに対して視線を向ける。

 

リゼ「……勘が告げた、かな。誘いに乗らないと玲二さんと離れ離れになる気がしたし、兎に角断っちゃ駄目な気がしたのが大きかったと思う」

 

アンジュ「委員長達も同じ考えを持ってたみたいでね、皆即答したよ。『ついていく』って」

 

優斗「勘が告げたって言うけど、そもそも慣れた土地に離れる事に対する怖さは無かったのですか?」

 

リゼ「無い訳じゃなかったけど、それ以上に玲二さんに会えなくなるのが怖かったかな。それに、『何が起きても玲二さんと一緒なら大丈夫』という確信があったしね」

 

アンジュ「それはついていった人達全員同じ。色々と考えている事は違うかもしれないけど、少なくとも私達は『一緒にいたい』という気持ちが強かったからついていく事にしたんだ」

 

優斗「そうだったのか・・・」

 

玲二「あの時は本当に感謝している。新天地についていくという決断は簡単に出来る物じゃないし、何より大事な事を話してなかったのについてきてくれたし、後で俺が神羅族である事を知られたとしても受け入れてくれたからな・・・」

 

玲二の言う事も一理ある。普通なら『実は自分は伝説上の種族です』と打ち明けられても受け入れられる限らないし、仮に知ったとしたら気味悪がられてもおかしくない。それでも尚受け入れ、普通に接してくれるのも「信用を得ているから」というのもあるだろうが、何より「偏見を持たず、対等に接してくれる優しい人だから」というのも大きいだろう。現に自分達の祖父母は勿論、伯父や伯母達、知人や友人も両親は勿論、自分達が神羅族である事を知った上で偏見を持たずに普通に接してくれている。これがもし悪意ある人間だったり、偏見を持った人間であれば違っただろう。

 

玲二「平和・・・とは言い切れない物の、こうして俺達が平穏に暮らせているのも『周囲の支えがあるからこそ』なんだ。あの時の俺はまだ神羅族として覚醒してなかったのもあるし、義兄さんが『利用する』んじゃなく『守る』という選択をしてくれたのが大きいからな」

 

フブキ「事実、私達の家族や知人をホロライブタウンに招いたのも『万が一神羅族である事を世間にバレ、人質にされるリスクを防ぐため』ってのもありましたからね・・・すぐに引っ越せなかったとしても、劉斗さんが手を回していつでも保護できるように守ってくれてたとも聞きます」

 

こゆき「知らなかった・・・」

 

フブキ「下手に話して不安にさせる訳にもいかなかったからね・・・」

 

玲二「事実、俺が神羅族として覚醒してからは保護を強化してくれたし、引っ越し費用の援助や土地を安く提供する事で引っ越しを促してくれたからな。目に見える範囲内なら兎も角、見えない所で手を出されるとなれば流石にな・・・」

 

アリア「確かにいくら万能の力と言えど、見てない所で手を出されたら後手に回るわよね・・・」

 

玲二「ああ。一人二人なら兎も角、こう言う手合いとなればキリがないからな・・・それこそ、根本的に解決する為の手段を取らなければいけない程にな」

 

美衣「それが、ホロライト独立に繋がったって事?」

 

頷く玲二達。

 

玲二「2月辺りから俺が『神羅族かそれに近しい存在なのではないか?』と疑い始め、どうにか接点を作ろうとしてた所が出てきたからな。もっと言うと去年の8月辺りから俺が神羅族であるという事を嗅ぎつけた奴が出てきたし、何等かの手を打たないといけない状況にあったんだ」

 

アンジュ「新生神羅族の誰かが情報を流した可能性もあるけれど、正直未だに分かってないんだよね・・・何処で知ったのか、誰から聞いたのか調べているけど進展ないし・・・」

 

フブキ「事実レイ君、大会が終わってから一度もホロライトシティから出られていなかったからね・・・それこそ外に出た途端、誘拐される恐れもあった程ですし」

 

こゆき「そんな状況だったんだ・・・」

 

改めて驚くこゆき。こゆきも朧げながら覚えていた物の、当時は話が理解出来ず「何か思い悩んでた」程度にしか認識してなかったが、話を聞いて驚きを隠せないでいた。

 

しょこら「けど思ったんだけど・・・独立宣言した日って、丁度テレビやネットニュースで話題になってた時よね? どうしてあそこまで早くに動けたの?」

 

玲二「それに関しては義兄さんは勿論、お義父さん達が前もって手回ししてたのが大きかったな。前々から独立に向けての準備を整えていたし、後は『いつ独立宣言をするか』ってだけだったんだよな」

 

リゼ「お父様達も『義理の息子を守る為』という事で動いてくれたし、同盟締結する等して外交面でも力になってくれたからね。地上界でもリオン様のお父様達が手まわしてくれたお陰で支持する国も多く出たし、武力行使に出られる事もなければ外交で嫌がらせを受けずに済んでいるわ」

 

玲二「かなり前から計画してたお陰で滞りなく進み、無事に独立を勝ち取れたって訳だ。それでも日本から独立した事で不自由な暮らしをさせてしまっているのが申し訳なくあるが、それでも最終的には賛成してくれたから出来た訳だ」

 

フブキ「日頃から交流を深めてきたのも大きいですからねぇ」

 

フレイヤ「そっか……力を使えば確かに解決するかもしれないけど、長い目で見ればそれだけじゃ駄目だったんだね。しかもそれをするとなれば、神羅の力だけじゃ・・・いや、神羅の力を使って説得できたかもしれないけど、それを使わずに解決する事も大事って訳なんだね」

 

玲二「ああ。それに元より神羅の力は、別世界のフブキ達と俺の遺伝子を組み合わせて出来た『二度と断ち切れない絆』であり、それを元に生まれた奇跡の力だ。いうなれば神羅の力は絆の力、決して自分一人で起こせるような万能の力じゃない。()()()()()()()()()()()()()()()()()なんだ」

 

フレイヤ「色んな力が、混ざりあってこそ出来る力・・・」

 

玲二「未来の俺が『神羅の力以外に身に着ける事の大事さを教えて欲しい』って言ったのもそういう事なんだと思う。『神羅の力とは一人だけの力じゃなく、皆が居てこそ発揮する奇跡の力。だから神羅の力だけでは解決出来ない事もあるし、別の力を身に着ける事で解決する』って事を知ってほしかったんだと思う。事実こうして独立できたのも、総理になれたのも皆の支えがあってこそだからな」

 

優斗「じゃあ父さんが支部長に上がれ、栄母さんがトップマネージャーになれたのも、実力を認められたからだけじゃなく・・・皆の支えがあったから?」

 

玲二「ああ。拓哉や栄ちゃんにはそれが出来るだけの実力や人徳があったし、俺の後を継げると確信したから任せた訳だからな」

 

栄「まぁとはいえ、私自身もやっぱり仕事をしてないと落ち着かない身体になってた・・・というのもあるんだけどね。一度は専業主婦として支えていくと決めたんだけど・・・たっくんを支える為に、代わりにトップマネージャーを引き受けたんだけどね」

 

リゼ「でもお陰で玲二さんの時と変わらない位にやりやすく、皆助かっているわ」

 

玲二「こうして皆からの信頼や協力があったからこそ、俺達は色んな困難に立ち向かう事が出来たんだ。それが出来たのは神羅の力のお陰だけじゃない、皆の力のお陰でもあるんだ。だからこそ、何があっても乗り越えられるように神羅の力に甘えず、色んな力を取り入れていってほしい」

 

フブキ「他人と交流して信頼を得るのも力、武術や勉学を学んでいくのも力、考え・・・乗り越えていく策を練るのも力。神羅の力だって何でも出来るとは限らないし、何でも出来るようになれるのも()()()()()()()()()()()()()だからね」

 

玲二「俺達から言える事は以上だ。どんな力を得るか、どんな知恵を得るかはそれぞれ向き不向きがあるから口出しはしないが・・・自分にあった力を身に着け、糧にしていってほしい。神羅の力ばかりに頼って甘えるのなら、俺が直々に説教するからな?」

 

この言葉に頷くこゆき達。その後は夕食までは自由時間となったので街を散策する事となった。

 

フレイヤ「……ねぇ優斗」

 

優斗「ん?」

 

フレイヤ「優斗は武術を嗜んでいる女の子は嫌?」

 

優斗「嫌じゃないよ。俺だって家族を守る為に父さん達から武術を学んでいるし、アメリア母さん直伝のバリツだって使えたりするからな」

 

フレイヤ「そっか……あのね優斗。私、未来に帰ったら母さんにコーヴァス式剣術を本格的に学ぼうと思っているんだ。今までは『平和だったから良いじゃん、いざって時には力を使えば良いし』と軽く考えていたけど・・・父さんの話を聞いて考えが変わったんだ」

 

優斗「良い事だと思う。その気持ちを伝えればフレンさんもしっかりと教えてくれると思うし」

 

ロゼリア「私も同じく本格的に学ぶわ。運動とかそこまで得意じゃないし~・・・って思って逃げてたけど、お母様もお父様に助けられた事を機に、護身の一環として剣術を学んでヘルエスタセイバーを継いだと聞いたし。私もお母様の名を恥じぬよう、ヘルエスタセイバーの使い手に相応しくありたいと思ったわ」

 

アンナ「アンちゃんも何か学ぼうかなぁ・・・何か昔、錬成をスキルにして活躍したってのを聞いた事があるし、アンちゃんも『瞬間錬成』を活かして武器をマスターし、自分の身を守れる位にはなりたいねぇ・・・」

 

優斗「それが良いと思う。そうでなくともロゼもアンはホロライトでもヘルエスタでも有名人なだけに狙ってくる輩もいるからな・・・」

 

アンナ「今の国王である伯父さんの姪っ子だから狙われるのも分かるけど・・・私が狙われるほどなのかな? 私、一介の錬金術師でしかないのに」

 

優斗「……その一介の錬金術師殿はホロライトが誇る国家錬金術師の一人であり、母親以上の実力を持つし、何なら地上界どころか、天界や魔界の国家錬金術師の中でも上澄みレベルの実力を持っているんだが? 何ならアンジュさんも『地上界でも伸び悩んでいた魔法や妖術を科学と融合させた技術・・・『魔学』を飛躍的に発展させるきっかけを作った天才錬金術師』であり、『他惑星の技術を地球式に改良に成功した天才』と呼ばれるこよりさんやカズマさんと肩を並べられる人材だぞ。本人は自覚無いかもしれないけど、それだけの人材だからな?」

 

アンナ「そうかな? なんか昔、トリステイン王国のとある先生との交流を機に魔法と科学の融合の雛形を作ったって聞いたけど、そんなになのかな?」

 

ロゼリア「ミュウ曰く、『学校の教科書に載ってた』とは言ってたけどね・・・ドジな所ある可愛げがある母なのに」

 

美衣「まぁ兎に角、何かを興味持つのは良い事だよ。しょこらちゃんだって真面目に料理を学ぼうって言ってたからね」

 

しょこら「ええ。正直どこまでママに近付けるか分からないけど・・・頑張ってみるわ。自分なりのやり方で玲二ちゃんのハートと胃袋を掴もうと思ったけど、今のままではだめだと知っちゃったからねぇ・・・」

 

こゆき「こゆも頑張ってみるよ。ママに負けたくないし」

 

ひより「ボクは研究位しか取り柄が無いけれど・・・いずれママを超える凄い学者になってみせるよ!」

 

邪な考えを持つ者が居る物の、それぞれ力を身に着けて強くなろうと決心したのであった。そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ホロライト 西側エリア

 

玲二「ついに帰るんだな・・・」

 

ふゆき「うん。出発してから数時間後の時間軸に戻れるようにはしているけど、何時までもここにいちゃ駄目だからね・・・何処かで折り合い付けないと、帰れなくなっちゃうから……」

 

こゆき「万が一に備えて数日空けているとはいえ、やっぱり未来のパパを置いておくわけにはいかないからね・・・その間にママ達に独占されるのは嫌だし」

 

フブキ「まぁ・・・うん。そうなりますよね・・・」

 

こゆき「……ねぇパパ、ママ。帰る前に我儘言っていい?」

 

フブキ「何?」

 

こゆき「帰る前にギュッと抱きしめて欲しいな・・・いっぱいいっぱい、匂いを感じたい」

 

玲二「……ああ、おいで二人とも」

 

こゆき・ふゆき『うん♪』

 

玲二はしっかりを我が子を抱きしめた。いくつになっても自分の子供は子供のまま・・・そう思いつつもしっかりと抱きしめ、愛情を注いでいった。しょこらやひより、ロゼリアやアンナ、フレイヤにも同様に。

 

美衣「ね、ねぇパパママ・・・私達も・・・」

 

栄「・・・うん。いらっしゃい」

 

美衣「えへへ♪」

 

美衣達も変わるように栄や拓哉を抱きしめた。彼女達もまた、両親の事が大好きなのだから・・・

 

優斗「母さん・・・帰る前に食べたジャーマンポテト、美味しかったよ」

 

とこ「そうか・・・」

 

優斗「もしまた未来からこの時代にやってきた場合、また作ってくれないかな? 俺、母さんの作るジャガイモ料理が特に好きだからさ」

 

とこ「うん、ええよ。その代わり約束して、元気でいる事・・・それだけ」

 

優斗「ああ、分かったよ」

 

アリア「母さん・・・私も未来に帰っても、アイドルとしても探偵としても頑張るからね。いつかは母さんを超える探偵系アイドルとして頑張るんだから」

 

アメリア「ええ、期待しているわ」

 

優斗やアリアもまた、それぞれの母親に抱きしめて甘えていた。とこやアメリアもまた、それを受け止めて愛を注いでいく。暫く経った後それぞれ離れ、未来へと帰還する。

 

こゆき「それじゃあパパ・・・()()()()()()

 

玲二「ああ、()()()()()()()()

 

こうしてこゆき達は未来へと帰っていった。玲二達は「時間を行き来する君」が消えて安定するのを待ち・・・静かに見送った。

 

玲二「・・・帰っていったな、皆」

 

拓哉「ええ・・・先輩、俺・・・皆が健やかに成長して安心しましたよ。皆、未来ではちゃんとしているんだなって」

 

玲二「ああ。だがその未来の築き上げる為にも、俺達は今を頑張らないとな」

 

フブキ「ですねぇ・・・私達も親として、安心して過ごせる環境を作っていきたい物です」

 

栄「その為にも頑張って結果を出さないとね」

 

玲二「ああ、そうだな」

 

子供達が安心して過ごせる未来を創り上げる為に、玲二達は今を頑張り、乗り越えていこうと思うのであった。




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