私は陰実の世界で生き延びたい!   作:ちんすこー

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救出とトラック

どうも今、僕はとある倉庫の前にいます。

 

倉庫の隣には白い車が、倉庫の中にも人の気配が・・・

あるはず!

 

僕の予想が正しければ、恐らくはここで合っているだろう。

 

 

素性を隠すために家にパーカーを取りにいったり、あと野暮用でちょっと遅れたけど・・・

 

アカネさん、まだ襲われてないよね?

 

余談だけど、家にパーカーを取りに行った時、母さんからどこに行くの?って聞かれて適当に友達と遊びに行くって言ったらガチ泣きされた。

 

解せぬ。

 

 

下準備はさっき終わらせてきたから、僕は中の様子を眺めていようかな。

 

倉庫の周りをぐるぐる移動して覗けそうな隙間を探す。

 

ちょうどいい穴発見!

 

早速。覗かせてもらおう。

 

 

ふむふむ。何か話しているな。

 

 

『なかなか起きねぇな、こいつ。無理やり起こすか?』

 

『やめておけ、証拠はない方が良い。こっちからしたら見聞きされるのは短ければ短いほどいい』

 

『チッ、うるっせぇな!雇ってんのはこっちなんだよ!黙ってろ!』

 

『・・・わかった。勝手にしろ』

 

『にしてもいい体してんな~、味わってもいいか~』

 

 

やっぱり、あのチンピラくずいな。

 

 

『うぅ・・・』

 

 

お、アカネさんが起きたみたい。

 

チンピラと大男も気づいたみたいだな。

 

たしか、ここから色々話してあのチンピラがアカネさんを襲おうとする。

そして、狙ったかのような(狙った)タイミングでスタイリッシュ暴漢スレイヤーが高窓を蹴り破って降ってくる。

 

しかし、ここには僕しかいない。

 

あいつらを倒す用意はできているけど時間がかかる。

果たして、間に合うか?

 

そんなことを考えていると。

もう、チンピラがアカネさんを襲う態勢になっていた。

 

アカネさんも逃げ出そうと捩るが手足が縄で結ばれているから、芋虫のようにうねうねと動くことしかできていない。

 

チンピラはそんなのお構いなしにアカネさんに近づき服をはだけさせる。

 

上着の隙間から下着が見えた。

 

うお、えッr・・・

 

 

おっと、いかんいかん。

自制心、自制心。

いくら、前世含め童貞をこじらせていたとは言え今の僕は正義の味方だ、救出対象に下心を持ってはいけない!キリッ

 

だけど、これは本格的にヤバくなってきたな。

 

チンピラは地面に転がっているアカネさんの前に膝をつくと、彼女の下の下着に指をかけた。

 

おおぉぉ・・・

 

関心してる場合じゃないどうする?

 

とりあえず、相手の気をこっちに逸らす!

 

 

ガタンッ

 

 

と倉庫の壁に体当たりして音を立てる。

 

穴から覗き込んでみると

チンピラが・・・大男の方がやって来たぁぁ!

 

そうか、そういやあいつ雇われてる側だった。

そりゃあ、先に来るわ。

 

ちょ、やばいやばい。

 

無理だから!

 

相手できんって!

 

ちょ、倉庫から出てきた!

 

目が合った!

 

終わった!

 

 

「おい、坊主。何者だ?」

 

何か聞かれたけど今それどころじゃないの!

 

「だんまりか・・・まぁ、無理やりにでも吐かせるがな」

 

って殴りこんできた~!

 

咄嗟に顔の前で腕をクロスさせたけど。

大男がその巨体に見合わない速度で詰めてきたから間に合わず。

クロスした腕ごと顔面にめりこんで後方に吹っ飛ばされた。

 

僕の太ももほどあるその腕から繰り出される威力は凄まじく。

 

腕も顔面、いや体全体が痛い。極めつけに脳震盪かどうかはわからないが、視界がぐらついてまともに歩くどころか立てすらしない。

 

大男はとどめと言わんばかりにナイフを取り出し、振りかざした。

 

僕は目を閉じた。

 

そして僕は・・・

 

 

僕は・・・

 

あれ?大丈夫?

 

瞼を開けると目の前にはぶっ倒れている大男と・・・

上下は黒いスウェットで固め、靴は黒いワークブーツ、頭には黒い目出し帽をかぶった黒づくめの男がいた。

その手にはパールを持っている。

 

ようやく来た!影野実。

 

 

 

時間はアカネさんがチンピラ達に誘拐される時までさか戻る。

 

僕は悩んでいた。

 

倉庫に単身で突っ込んでもタコ殴りにされる。

 

ここは、無難に110番しようかとも思ったがそれでは事態が表沙汰になる可能性が高く、これからのシナリオにどのような影響を与えるかが不透明だった。

 

やはり、影野実ことスタイリッシュ暴漢スレイヤーにやってもらうのが一番いいという結論にたどり着いた、が。

一つ、問題に着き当たった。

 

 

どうやって、影野実を呼ぶんすか?だ。

 

僕はそのスーパーコンピューター極に、勝るとも劣らない頭で考え一つの作戦を思いついた。

 

せや!果たし状書いて影野実の家に投げ込もう!

 

一見、ふざけているいるように見えるがしっかりとこれには理由がある。

 

まず、今の影野家には影野実と飼い犬のジョンしかいない。

また、影野実は素性をかくし前から暴走族を狩りまくっておりかなり不満を買っている。そのため不自然ではないのだ。

 

僕は早速、カバンからルーズリーフを取り出すとそれに果たし状と倉庫の住所を書き、石を包んだ。

 

影野家の前に着くと、助走をつけソフトボール投げ8mの見事な投げで、一つだけ明りのついている部屋にぶち込んだ。

 

 

 

 

多分に運の要素が絡んでいる作戦ではあったものの、僕の目の前にいる人物を見るに見事成功したようだ。

 

そう、安心していると

 

「お前が果たし状の人物か?」

 

影野実は普段よりも低く渋い声で話しかけてきた。

それに、笑いかけるが何とか我慢する。

 

「うん、そうだよ」

 

「そうか、じゃあ始末する」

 

て、えーー!

 

ちょ、たんまたんま!

 

「ちょ、たんまたんま」

 

影野実がパールを振りかぶり僕が咄嗟に止めた。

影野実がいくら頭がおかしくても人の言語は通じたらしい、渋々ながらもパールを降ろした影野実に事情を話した。

 

「・・・という訳だ、騙したようで悪かった!」

 

事情を話し謝る。

だが、影野実にはまだ気になることがあるようだ。

 

「事情はわかった。だが、なぜ俺に頼った・・・そして、なぜ俺の家の場所が分かった?」

 

その瞬間、周りの空気が凍り付いた。

よくわからないが恐らくこれが殺気という奴なのだろう。

 

もし、間違ったら殺す。今の影野実からはそんな気配を感じた。

ここで間違ってはいけない。だが、この僕!

何も考えていないわけがない。

 

影野家に石を投げつけた時から言い訳は考えていたのだー!

 

刮目せよ、我が言い訳術を

 

 

「ああ、それね。簡単なことだよ・・・君、影野君だよね?」

 

「そ、そ、そんな訳ないじゃないか!俺はスタイリッシュ暴漢スレイヤーだ、そんな影が薄そうな、モブAみたいな名前ではない」

 

めっちゃ、焦ってるやん。

 

「大丈夫だよ。影野君」

 

「だから・・・」

 

「僕も憧れてるんだ」

 

そういって僕はパーカーのフードから顔を出した。

 

「たしか、君は・・・ええと・・・」

 

「名前はいいよ。とにかく僕も陰の実力者に憧れていた()()。だから、分かったんだよ」

 

「・・・!、そうか。仲間か・・・」

 

「そう!なかま!陰の実力者には協力者も必要だろ?僕がその役、引き受けるよ!これからよろしく!」

 

僕は手を差し出す。

 

「ああ、これからよろしく」

 

影野実はその手を握った。

 

 

ふんッ、ちょろいな。

 

本編のプロローグで影野実は自分だけが小さい頃の夢に憧れ、他の人はそれを忘れていく。

そんな、状況をセンチに思っていたらしい。

 

だから、僕はそこに付け込んだ。

そしたら、見事に大成功!

 

やったね!

 

 

ちなみに事件の顛末は、その後異変を感じたチンピラが出てきたけど暴漢スレイヤーにボコされ、アカネさんは拘束を外し解放。

その後は皆さんご存じのようにアカネさんのお父様がその事実を隠蔽して幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

それから、一週間。僕は今日も影野実を尾行していた。

 

今いるのは山中。

日はとっくに沈み、普通だったら山中にいていい時間帯じゃない。

 

影野実は普通じゃないからいるんだけどね。

 

なぜ、僕がいるのか?だって

そりゃあ、影野実と一緒に転生トラックに轢かれるためだけど?

 

 

今日の修行メニューはいつも通りのようだ

 

全裸になり頭を大木や岩に打ち付ける。

そして、素手のまま大木を殴り続ける。

それが、ひと段落したらまた頭を打ち付ける。

 

この繰り返し。

 

普通にあたオカだ。

 

双眼鏡から観察し続ける。

 

かなりの時間がたったあと影野実は頭を打ち付けるのをやめた。

 

今日はもう帰るようだ。

 

だが、まだ服に着替えない、彼の目はある一点に向いていた。

 

その目線の先には・・・

 

 

トラックのヘッドライト!

 

 

それを視認した瞬間、僕はそれに向かって走り出した。

 

険しい山道を転がりながらも帰宅部の維持で駆け抜ける。

後ろを振り返って見ると影野実が凄まじい形相で『魔力、魔力、魔力、魔力・・・』と叫びながらとてつもない速度で追いかけてきていた。

 

思ったよりもずっと長い道なき道を走る。

道路が見えてきた。

 

それと同時に走馬灯のように今世の思い出を思い出してく。

 

僕の足は止まった。

 

無意識に涙が出てくる。

 

 

今世も悪くないとおもった。

 

カバンの中にはまだ課題が残っていた。

 

母さんに親孝行してないことを思い出した。

 

魔獣がきても何とかなるのではと思った。

 

 

そして・・・

 

 

やっぱり、この世界に残ろうかと思った。

 

あぁ、帰ろう・・・

 

 

 

「まりょくッ~!」

 

 

 

忘れてた!影野実がいた!

 

咄嗟にどけようとする・・・

 

 

 

左半身に衝撃が走る・・・

 

突然襲ってくる、浮遊感・・・

 

 

目の前にはトラックのヘッドライト・・・

 

 

 

 

 

僕の意識は途絶えた。




というわけで転生です。


今更ですが、この世界はアニメ版と書籍版、あとはその他諸々混ざっています。
そのため、混乱する方もいると思いますがその方は感想でご質問ください(自然な感想への誘致)。

カゲマスのオリジナルストーリー、つまりは陰実の本編では絵描かれていないゲームのストーリーの分も書く?書かない?。※作者はカゲマスをやっていません。

  • やれ、これは命令だ。(困る)
  • やんなくてもいいよー(うれしい)
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