転生の特典に「あなたが欲しい」と選んだ女神様が激かわ過ぎる件   作:うどんそば

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共有財産

「それにしても、同じパーティーを組むというのは理解できたのだが、さっきの討伐報酬はどうするんだ?」

 

「ああ、あれは共有財産だよ。武器代、アイテム代、宿代なんかはここから出すといい」

 

 なるほど。共有財産を作って、パーティーとしての冒険に必要なものを出すというわけか。確かに、もし宿で複数部屋取ったとしても楽だ。

 

「ちなみに、今必要な人はいる?」

 

「俺だな。武器も防具もない」

 

 アストラは今着ている服がかなりいい防具になると言っていたし、武器……おそらく杖系統も、今のところ必要なさそうに感じる。

 大体、今になって思えば、なにもないのに魔物にあふれる外に出ること自体おかしかったのかもしれない。金欲しさに目がくらんでいたのか。

 

「ふうん……じゃあ明日は武器屋に行こう。初心者の二人は多分武器屋にも行ったことがないと思うし、どこを見ればいいかとか教えてあげる」

 

 ジョッキで運ばれてきた黄金色のエールを少しずつ飲みながら、エミーは言った。

 

「ありがとう」

 

「全然おっけー。おんなじパーティーなんだし、遠慮はなし。というわけで、早く二人もごはん食べよう」

 

 テーブルに無数に置かれた料理。鶏肉や、猪肉が中心の肉料理や、瑞々しいサラダ。パンが盛られたバスケットら好きにとって、主食代わりに、といった様子だ。

 俺たちはここに来て、まだ一度も飯を食べていない。昨日は午後にこちらに着いたとはいえ、今日一日ものすごく動いたこともあり、空腹は限界寸前。

 

「……じゃあ、頂きます」

 

「はい。これ肉切り取っといたよ」

 

 エミーが肉やサラダなどを小皿に上手く載せて、俺とアストラに渡してくれた。肉は運ばれてきて少したつが、未だに肉汁を出して、食欲を刺激する。

 中まで火が通っているが、でも焼き過ぎではない。……いわば、ミディアム程度の焼き加減。俺が一番好きな感じだ。

 

 一口食べてみる。じわっと出てくる肉汁。猪とは思えないジューシーさ。最初は少しくさみがあるのかと思ったが、そんなこともない。豚肉とは少し違う味がする気がするが、たしかに美味しい肉だった。

 

「美味しい……!」

 

「うん。やっぱり猪は最高。狩るのも楽だし、繁殖力もあるから、安定して手に入って安いし」

 

 女神様は綺麗に、所作よく食べているが、そしてフォークとナイフを置いて言った。

 

「素晴らしい美味しさです! お腹が減っていたということもありますが、本当に素晴らしい料理ですね!」

 

 ニコニコとして、心からの言葉なのだろうなと伝わってくる。女神の世界だし、少し味覚が違ったりするのかと思っていたけど、そんなことはないようだ。

 

 鶏肉も食べてみるが、こちらはほとんど味が変わらない。日本で食べたことがある物と同じ様な味で、同じような食感だ。おそらく、こちらにおける鶏も、地球の鶏と対して変わらないからか。

 サラダが一番違う。よくキャベツやレタスの入ったサラダを食べていたが、こっちのサラダはもっと別の野菜だ。ただ、野菜特有の、甘ったるくない甘みのようなものが、噛めば噛むほど溢れてくる。

 

「このあたりはもともとあまり食材が取れない土地だった。だから、色々な人がどうにかして食材を取ろうと品種改良をしたら、このあたりだけ異常に品種改良が上手な地域になって、野菜とかも甘くなってるんだって。本で読んだことある」

 

「へえ……そんな感じか。じゃあ、別の地域なら、もっと違う物が出てくるのか?」

 

「うん。王都に行けば、家畜化された猪とか、野菜ならキャベツとかもあるよ」

 

「キャベツ!?」

 

「うん。もしかして見たこと無い? このあたり出身なら食べたこと無いんだ。おいしいから、王都に行ったときは一緒に食べよう」

 

 いや、わかるけども……案外共通点が多い世界なのだろうか。まあ、正直そっちのほうが安心するけれども。

 

「その時はよろしく」

 

「ん。まあ絶対王都へは凱旋させてあげるから大丈夫。安心して」

 

 胸を張って、エミーは言う。こうしてみると、高ランク冒険者には見えないのが不思議だ。

 

「そうだ。武器屋に行く前に武器について聞くのを忘れてた。そもそもなにを扱いたいの?」

 

 そういえば、何が扱いたいかもわからない。どれがどんなのなのかもわからない。大きな剣は重くて扱いにくそうだな、位はあるけど。

 

「大剣はきついなと」

 

「ふむふむ……じゃあ片手剣?」

 

「それもありなんだけど、せっかくなら威力は片手剣以上ほしいんだ」

 

 そう言うと、エミーは下を向いて、顎に手を当てた。

 

「うーん、大剣以外で、威力が担保されてて、リョウに合いそうなもの……わかった。考えとくね」

 

「ありがとう」

 

「いいよ。私も刀剣を扱う者として、後輩におすすめするくらいはしてみたかった」

 

 それを見ながら、アストラは少し首を傾げた

 

「え? その条件なら刀でいいのでは?」

 

「刀?」

 

「……確かに、私も扱ってるけど、その辺りの片手剣よりスパッと切れるし、扱いやすい。……ただ」

 

 そこでよく溜めて言う。

 

「その代わり、上手く使うには、相当な鍛錬がいる。……まあ、明日までよくよく考えとくから」

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