青空の少女   作:ミスターK

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なんやかんやあったものの、ようやく初日の授業が終わった。人がいなくなった教室で荷物をまとめていると、山田先生が慌ただしく駆け込んできた。

 

「織斑君、織斑く「ずべしっ!」ふみゃっ!?」

 

何も無いところですっ転んだよこの人....

入試の時から思ってたんだけど、この人って教師に向いていないような気がしなくもない。

 

「大丈夫ですか、先生....」

 

「え、あ、はい。先生なら平気ですよ?」

 

メガネはずれて所々擦りむいてるその姿は、どう見ても平気に見えない。

....いいや、この人が平気って言うなら平気なんだろ。

取り敢えず、立つために手を貸しておいた。

 

「えっとですね?織斑君の寮の部屋が決まりました。なので今日から寮で生活してください」

 

「部屋が確保できていないからって、一週間位は自宅からって話じゃ?」

 

結局寮に入るからそこまで抵抗はないが、それでも疑問は抱く。

 

「本来ならそうなんですが、無理やりにでも寮に入れろと通達が来ちゃったんです。通学途中に何かあったらいけないとかって、誘拐や他国からの勧誘とかを懸念して居るみたいです」

 

「....それくらいならどうって ことないし、いざって言う時は返り討ちにしてやりますが」

 

「それは私も思って言ったんですけど、用心することに越したことはないの一点張りで....」

 

できるだけ接触を避けたいと言うことか。

 

「はぁ....分かりました。でも荷物とかはどうすれば?全く準備なんてしてないんですけど?」

 

「それなら心配しなくていいぞ。私が用意しておいた」

 

いつの間にか姉さんが教室のドアに寄りかかって居た。

いるならいるって言えよ。心臓に悪い。

 

「取り敢えず数日分の衣類と、携帯の充電器は入れておいた。あとのものは買うなり、外出届を出して取りに行け」

 

「ありがとう、姉さ....っととと織斑先生」

 

「もう放課後だ。そこまでしなくていい」

 

「わかったよ姉さん。ところで俺の部屋ってどこ?部屋がないって聞いたのに大丈夫か?別に倉庫とかに寝泊まりでもいいんだけど」

 

「馬鹿か。生徒のお前をそんなところで寝泊まりさせるわけがないだろう?きちんと部屋はある。まぁ相部屋だかな」

 

「............」

 

薄々分かってたがやっぱりそうなるか。

女子と相部屋とか色々と問題ありすぎるだろ?

 

「上の連中が相部屋でもいいから入れろとな」

 

「....今からそいつらのところに殴り込みに行ってもいい?」

 

「気持ちはわかるがダメだ」

 

....頭おかしいだろ。本当頭に沸いてるに違いない。

 

「安心しろ。見ず知らずの奴と同じ部屋にはしてないさ」

 

「どこをどう安心しろと....!?」

 

「細かいことは気にするな。禿げるぞ?」

 

「禿げねぇよ....」

 

「ほら、さっさと行け。食堂が閉まるぞ」

 

「....はいはい」

 

追い出されるようにして教室を出ること多分30分。

予想以上に広い寮だったおかげで、しばらく迷ったものの、やっと割り当てられた部屋1025号室にたどり着くことができた。

 

「この年で迷子とか本気で笑えねぇ冗談をマジで忘れてぇ....」

 

いろんな意味で泣きたくなるのをおさえて、ドアの鍵をあけ....ん?あいてる?

ってそうだよなぁ。学園を出たのは最後の方だし、先に部屋に居てもおかしくないか。

ため息をつきながらドアノブを回した。

 

「おぉ....結構ひろーーー」

 

「む、同室になる者か?これからよろしく頼む。こんな格好で済まないが私は....」

 

先客とバッチリ目があってしまった....

しかも(多分)風呂上がりでバスタオル一枚と言う最悪の場面で。

....あれ?これって俺が全面的に悪くね?

 

「「............................」」

 

出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでる、バランスのとれたスタイル。

一言で言えばスゲーいい身体してる....って俺は何を考えてる!?

煩悩退散ッ!!

 

「....失礼!」

 

取り敢えず部屋の外に逃げたね。

どう謝ればいいか考えながら。

 

 

 

 

 

 

篠ノ之箒。

 

俺にとってどんな存在かと言われれば、迷い無くこう答えるだろうと思う。

 

俺の親友だと。

 

家が隣同士で、物心つくまえから仲良くして居たと記憶してる。

何をするにしても一緒だった。俺と箒とマドカと三人で。

剣道も3人で続けたし、遊ぶのもずっと一緒だった。それを嫌だと思うことは無かったし、むしろそれが俺たちにとって当たり前の事だったから変に思うことも無かった。

俺がルシにさせられるために誘拐されるあの日まで。

俺が普通の生活を送れるようになった3年前には、もう箒は隣の家にはいなくて要人保護法とかで引っ越して居た。

だから10年ぶりの再会だった。

 

「あの、なんだ?久しぶりだな一夏」

 

「....うん」

 

さっきのことがあってギクシャクして居るものの、純粋にこの再会が嬉しく思う。

 

「それにしても、大きくなったな。昔はお前の方が小さかったのにな」

 

「....嫌味か」

 

「そんなことはないさ。小さいままだったらどうなのかなと、思っただけだ」

 

「....................」

 

今でこそ180ちょいある俺だが、小さい頃はとにかく小さかった。平均より10センチは低いほど。悲しいからあまり思い出したくないが、一つしたのマドカにすら身長で負けていた。

....本当ここまで伸びて良かったと思

う。

 

「うん。本当におおきくなった。私は嬉しいぞ?」

 

「....親かお前は」

 

「んー、どちらかと言うと姉だな。弟って感じがする」

 

「知るかァ!そりゃ箒の方が数ヶ月早いけどさぁ」

 

「ふふふ、ほら姉じゃないか。泣き虫一夏はどこに行ってしまったんだ?イジメられて泣きついてきたお前は」

 

「それを言うんじゃねぇぇぇぇっ!!」

 

畜生ぉ、本当こいつにかてる気がしない。昔からそうだ、こいつは口がうまいせいで何を言っても言いくるめられる。いやとかそう言うのはないけど、なんだか変な気分になる。

 

「そう言えば、マドカは元気か?マドカのことだから毒を吐いてるんじゃないか?」

 

「お察しの通りだよ、昔より毒がつよくなった。むしろ猛毒を吐いてる」

 

「例えば?」

 

「....数ヶ月前のことなんだけど、飯を食べるために屋上に行ったんだが、その時にマドカが告白される現場に遭遇しちまったんだが」

 

「うわぁ....複雑な心境だったろう?」

 

何かの冗談かと思ったくらいだったからな。

 

「それでな?

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「マドカさん!ずっと貴方のことが好きでした!!俺と付き合ってください!!」

 

「断る。お前と付き合う理由など微塵もない。とっとと私の前から失せろ。そして2度と目の前に現れるな」

 

「....え?」

 

「聞こえなかったのか?ゴミが。断ると言ったんだ」

 

「で、でも....!」

 

「自分はイケメンなのにどうしてとでもいいたいのか?馬鹿が、寝言は寝て言え。女どもにちやほやされて調子乗ったのか?ざんねんだったなぁ。私はお前みたいな見た目だけの中身がスカスカなやつは大っ嫌いなんだよ。運動なんかしたこともなさそうな、モヤシみたいな身体して、お前は女か?気持ち悪くて仕方ない。お前みたいなやつと居るくらいだったら兄さんといるさ。兄さんは違強くてかっこいいからな、中身のないお前と違って。兄さんを越えられたなら、まぁ、少しくらい見直してやってもいい。ここまで言われて悔しかったら強くなってみればいいんじゃないか?まぁ、根性無しのおまえのことさ、三日も続かないだろうがな。分かったならとっとと失せろ。泣いてる暇があったら歩け。気持ち悪い、吐き気がする。お前の声が聞こえるだけで気分が悪くなる」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

てな感じだ」

 

「容赦ないな。その男子に同情するよ」

 

「同情するのはいいんだけど、その後も数回あったみたいで、同じように潰したみたいなんだよなぁ」

 

「....同情は無しだ。なんなんだその男子どもは?馬鹿なのか」

 

「俺なら行けるとでも思ったんじゃん?」

 

「結果は察しの通りか」

 

まぁマドカは黙っていればかなり美人だって言われてるからなぁ。口を開くとアレだが。

 

「....一夏。お願いがあるんだが」

 

「何?」

 

何故か肩をガシッと掴まれる。

 

「私をお姉ちゃんと読んでくれないか(マジ顔)」

 

「....断る」

 

「うぅ....一夏が反抗期になってしまうなんて!あの頃の可愛い一夏はどこに行ってしまったんだ!」

 

「いや、俺いつまでもガキのままじゃ無いんだが....」

 

....束さんといい、お前といい、何なんだよ。どうしてそこまで言わせたがる?姉は姉さん1人で十分だって。

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ一夏。よく私だとすぐに分かったな」

 

「....だって全然変わってなかったからね。一目見てわかった」

 

「そうか」

 

部屋の電気を消して、お互いのベットに入ってる今、どんな顔をしてるかなんてわからないのに、箒が笑って居るような気がした。

 

「お前がな、いつ帰って来てもいいようにずっと変えないでいたんだ。まぁ、変える気もなかったんだかな」

 

「だからあのリボンを今も使ってるの?」

 

「初めてくれたものだからな。私の宝物さ」

 

「そんな大袈裟な。10年も立ってるんだから新しいのを使えばいいじゃないか」

 

「馬鹿言うな。そんなことしたら罰が当たってしまうぞ?いく古くなっても捨てる何て出来ないさ」

 

「そうか、じゃあ今年は新しいのでもプレゼントするかな」

 

「ふふ、楽しみにしてるよ。お休み」

 

「うん、お休み」

 

 

 

 




なんだかんだあっても一夏くんは年頃の男の子なんです。
箒さんはいい人なんです。
クラスではかっこいい頼れる姉御(決してお姉さんじゃない)なんです。

七夕の短冊
一夏を弟にくださいby篠ノ之箒
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