青空の少女   作:ミスターK

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かなり短いですが投稿です。
け、決してモンハン4Gに没頭してたわけじゃないんですからね?(汗)
............嘘ですごめんなさい。
執筆そっちのけであそんでました。

感想、意見等お待ちしています。


8

「凰?私も来て良かったのか?せっかくの再会だと言うのに」

 

「いいのいいの。たったの1年くらいだしどうってことないしね。てか、その名字呼びはやめて。鈴でいいわよ」

 

「そうか?なら私のことも箒でいい」

 

「おっけー。これからよろしく箒」

 

昼、チャイムが鳴ると待ってたと言わんばかりの鈴に、有無を言わせてもらえず拉致され連れてこられたのは学園の屋上。

突然何かやらかすのはこいつらしいのだか、大抵ロクでもないことに巻き込まれる。中学の時に嫌になるくらい経験したから間違いないのだ。......経験って大事だよな。

 

「喜べ一夏!友達ができたぞ!」

 

「なんで初めて出来たみたいに言ってんだ。もうたくさんいるだろ」

 

確かクラスメイトたちとはたったの2日くらいで普通に馴染んでいた気がする。

子供のように喜ぶのもいいけど、今更とも思うのだが。

 

「何を言っている。私の目標は友達を100人作ることだからな。それに友達は幾らいてもいいじゃないか。ほら、友達100人できるかな?という歌があるくらいだからな」

 

「どんだけ前の歌だよ......。時代遅れだろ」

 

「うわぁ、随分と懐かしいのを持ち出すわね....」

 

こればかりは鈴も感心したかのようにしみじみしていた。

何せ半世紀以上前くらいから幼児教育教育にすら使われなくなったものだ。今じゃこの歌を知っている人の方が少ない。

そういうことを考えると、鈴がこの歌を知っていること自体が驚きなのだけど。

俺だってこの歌を知ったのも押入れの中にしまってあったCDを見つけたからだし。

 

「あ、そういえば」

 

懐かしい名前を聞いて、今度家に帰ったら聞いてみるかなーと思ってると、鈴が唐突に声を上げる。

 

「いけないいけない、あたしとしたことがすっかり忘れてたわ。はいこれ。箒もはい」

 

強引に押し付けられるカタチで、なにかが入ったタッパーを押し付けられた。しかも特大サイズのタッパーである。

それは箒も同じらしい。

 

「お、おう」

 

「ありがとう。.......これは酢豚か?」

 

「ピンポーン、正解。いやー気合入れたらつくりすぎちゃってね。あたし1人でどうにかできる量じゃないから、手伝ったもらおうと思ったってワケ」

 

どこをどう気合を入れればここまで作るのか知りたいくらいなんだけどな。

鈴のカバンを見る限りじゃ渡された

やつと同じなのが5、6個あるように見えない。材料とかその他諸々はどうしたんだか。

 

「ふむ。それで私たちを屋上に。すまないなわざわざ」

 

「いいのいいの。言ったばかりだけどつくりすぎちゃっただけだしさ」

 

「鈴。なんか変なもの入れてないだろうな?」

 

酢豚。

その単語からして不吉な予感しかしない俺は、疑うような目で鈴に問いかけた。こいつの作る酢豚にいい思い出が一つもないため、箸にすら手をつける前に確認を取る。念には念を入れて。

 

「何よーあたしだって腕をあげたんだから少しは信用しなさいよ。1年前とは違うんだから」

 

「卵を割るようになったのを自慢するようじゃ、到底信用できないんだが....」

 

「ぐっ。り、料理本の通りに作ったから多分平気...............ダトオモウヨ?」

 

「目を逸らすなよ」

 

中学時代、病院送りの天災料理人と呼ばれていた鈴。その料理の犠牲になった者は数知れず。

そんなことがあったからか、片言になりながら目を逸らす事に不安を感じる。

心配しすぎと言われればそれまでなんだけど、俺も病院送りにされた経験がある為に素直に箸に手を伸ばせない。

あの時は弾に数馬と一緒に運ばれたっけな。俺は数時間気絶して胃やら腸が不調になっただけで済んだが、2人はしばらくの間固形物を受け付けなかったくらいだし。

 

「まぁ、一夏。折角作ってくれたのだからありがたくいただくとしよう。悠長なことをしていると冷めてしまうぞ?それに昼休みがおわってしまうしな」

 

「そ、そうよそうよ!お昼がタダで食べられる癖に偉そうなこと言ってんじゃないの!そんなに文句あるならあげないわよ!」

 

「いや、ここまで来て飯抜きもきついんだが..........」

 

かなり心配していたものの実際のところ、鈴がここまで自信ありげに言うというのは出来がいいというのは薄々分かっていた。理解しているのと身体が動く動かないは別だけど。

タダで食べられるのはいいのだが、鈴から直接言われると何だかありがたみがない。

 

「ふんっ!ならありがたく食べなさいよ」

 

「分かった、分かってるって」

 

殆んど投げられるように渡された割り箸を受け取りタッパーに手を伸ばす。食べる前にいただきますというのを忘れないで。

少しばかり中国料理は食べ飽きた(恐怖を抱いているとも言う)節があるけど久々だしいいのかもしれない(克服すると良い意味で)。

 

「..............................」

 

あまり見た目は良くない酢豚に箸を突っ込んで豚肉を掴む。

あのことを思い出し手がプルプルと震えだし、拒絶反応を起こしかけるが気合で押さえ込む。

鈴がここまで言っているんだ、食えないものじゃないハズ!と自分に言い聞かせ、意を決して口の中に放り込む。

 

「どうよ?」

 

「.......うん、美味い」

 

「ふっふーん!これが実力ってもんよ!あたしだって腕を上げたのが嘘じゃなかったって認める?ん、ん?」

 

「あぁ、認めるよ。これじゃあ認めざるを得ないな。悪かったな、疑ったりして」

 

ドヤァと聞こえてきそうな勝ち誇った様に言われる。いつもなら軽く言い返すのだけど、今回ばかりは観念して参りましたと両手を上げる。

 

「認めてもらえたから良いわよ、気になくて」

 

余程嬉しいのか鈴はニヤけるのが抑えられないようだった。

確かに見た目は悪いが味の方は全くもって問題が無かった。中学時代を知ってる身からすれば良くここまで腕を上げたなと感心する。

余程教えた人が上手だったのだろうか。

.....もしそうなら相当苦労したに違いない。

 

「ほらな。そこまで疑う必要はなかっただろう?」

 

「本当にその通りだ。一本取られたよ」

 

「疑いすぎるのもいけないと分かったな」

 

ははは、と箒に笑いながら戒めのようなことを言われたが、全くもってその通りだと思う。

ただ、あれを知らないから言えるのかもしれはないけど。

 

「それじゃあ私もいただくよ」

 

「うん、遠慮しないで沢山食べて」

 

中国料理は食べ飽きたと思っていたのだけども箸が思った以上にすすむ。俺はグルメリポーターじゃないからうまく言えないがそこまでくどくないというのか。さっきまで疑っていた俺を殴りたいくらいだ。

空腹なのもあってどんどん酢豚がーーーー

 

「ぐふっ」

 

「箒ィィ!?」

 

突然箒がぶっ倒れた。

あまりにも急すぎて頭が一瞬付いて行かなかったが、すぐに箒の肩を揺さぶる。

 

「箒!大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

「あ、しまった。箒に渡したの失敗した奴だった」

 

「はぁ!?何で失敗したのを持って来るんだよ!?」

 

「いゃあ〜ね、だって失敗したのを捨てるのって勿体無いじゃない?だからタッパーに入れておいたんだけど間違えたみたい」

 

「アホーーーーッ!!」

 

ごがっ!

 

「おぉう..........千冬さんに殴られたみたいな痛みがっ!?」

 

失敗作を持って来ておきながら、テヘペロとかほざく鈴に拳骨を落とし黙らせる。今はそんなのに構っている暇はない。

 

「しっかりしろ、箒!」

 

相変わらず箒は気絶したままだ。

一口食べただけでここまでさせてしまうということは、まだ殺人料理は作れるということらしい。

箒には悪いがハズレを当てなくてよかった。

 

「...............ぅ」

 

「箒?意識があるならなんでもいいから反応してくれ」

 

 

「ウヘヘ、お姉ちゃんとそんなにキスがしたいかぁ〜いいぞ、好きなだけしてやろう〜」

 

「..............................」

 

取り敢えず箒にもさっき以上の力を込めた拳骨を問答無用で落とす。

つい、イラッと来てやってしまったが仕方ないことだろうと思う。

もはや、人から聞こえてはいけないようなヤバい音が響くが割とどうでもよくなった。

これは仕方ない...............ハズ。

 

 

 

 

 

結局、その後殺人料理SUBUTAを食べたために箒は保健室に連れて行き、鈴が作った酢豚は適切な処理を施して捨てた。

流石にでっかいタンコブをこさえた2人だったからかちょっとばかし驚かれた。うち片方が気絶していれば尚更だった。あんなもの放置できるわけがない。

そんなこんなで時間を食っていたら次の授業である世界史に遅れるという始末。世界史担当は姉さん。IS実習も担当していた気がするがそれは置いておいて。

結果は御察しの通りではあるものの、理由を説明したおかげで許してはもらえた。

ただ、一通り終わってから理由を聞くのは正直遅いと思う。

クラスメイトは同情してくれたが、同情する暇があったなら助けてほしかった。

はぁ、とため息をついても心配してくれる人はいない。

トボトボと窓の外を眺めながら人気のない廊下を歩いていたら、何かにぶつかった衝撃と短い悲鳴が聞こえた。

 

「わ、悪い。怪我とかしていないか?」

 

「大丈夫.....」

 

どうやらこの少女とぶつかったらしい。

小さな声で返事をして慌てて本を集めていた。散らばった本は到底一人で運べるような量ではなく、これじゃあ前に意識を裂けるとは思えない。

このまま放っておくことなんでできないので、足元にある本に手を伸ばして少女に手渡す。

 

「ありがと.........あ」

 

「うん?.........君は、あの時の」

 

その少女は倉持技研で出会った少女だった。

 

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