Part6 大食い…食べたい…
「んう…」
「ごめん、起こしちゃった?」
「ん… だいじょぶ」
「そう。今はまだ6時だけど、ご飯は作ってあるから。それとも、2度寝する?」
「いや… 起きる」
「わかった」
目を覚ましたのは朝早く。夏だからか、空も明るくなってきている。もう一回寝たいけど、今日はちゃんと起きないと。
寝間着を脱いで、ちゃんとした服にする。今日は赤系にしよう。それから、顔も洗って、鏡を見る。うん、女の子のまんまだ。リビングで、3人で一緒に朝ご飯を食べた。
「昨日言い忘れてたんやけど、ゆかりさんも来るってよ」
「ゆかりちゃん、帰ってきたの?」
「2学期からは、うちらと同じ学校やって」
「ゆかり姉さん、外の学校で上手く行かなかったのかな」
「わから〜ん。うち、そろそろ学校に迎えに行ってくるで〜。ゲームの準備しといてな〜」
「…うん」
茜が連れてくる相手を知っている僕と、ゲームが楽しみな茜はテンションが高いけど、葵は威圧感を放っていた。そんなにしなくてもいいんだけど、相手が女性ってわかったら戻るかな。
茜が家を出てから、僕と葵は遊ぶ準備をした。何をするかわからないけど、取り敢えず、ボードゲームとテレビゲーム、それからスポーツで使うようのボールとか、色々用意した。茜にメールを送ってから、折を見て、葵に話しかける。
「葵。他の人には、僕は女の子ってことにして欲しい。茜にもメールで伝えたんだけど、初対面の人に性転換なんて言っても、わからないと思う。信じてくれるかもしれないけど、いつ戻れるかわからないしさ。初めっから女の子ってことにして、いつか、実は男でした〜って感じにしようかなって」
「…あかり君の体だし、あかり君が決めたことには従うよ。ただ、ゆかりちゃんにどうやって嘘をつくの? あかり君がこの家に来てること、多分お姉ちゃんが伝えてるでしょ」
「あ〜、まぁ、なんとかなるよ。葵は、上手く合わせて」
「わかった。疑われたら、素直に話すのよ?」
「うん」
僕は、私は。初めて会う人に、正直に話さないほうが良いと考えた。だから、琴葉姉妹以外の人がいるときは女の子として生きる。バレたら、まぁ、仕方ないってことで。
それから、2人で少しテーブルゲームをした。家の扉が開いた音がする。時計を見ると、7時を過ぎていた。多分、茜と、お客様だろう。
「帰ったで〜」
「お邪魔します。茜の妹さんは… あの子かな?」
「お邪魔します、鳴花ヒメです。こっちは、姉の鳴花ミコトです」
「…琴葉葵です、よろしくね」
「どうも、ヒメさん、ミコトさん。私は紲星
「謝らないで欲しい。君も、この家の人なんだろう? なら、私の妹みたいなものだからね。幾らでも頼ってほしい」
「こちらこそ、馬鹿な姉がすみません。これ、お詫びの品です」
濃い青髪のミコトさんが、昨日電話で話した人かな? それで、ピンク髪の人がヒメさん。 ミコトさんもヒメさんも女の人だけど、葵は… まだ疑るような目をしてる。
「それじゃあ、今日は朝から晩まで
「…入って、外で騒ぐと近所迷惑だから」
「色々用意したので、楽しんでください」
葵はすぐに踵を返して家に入り、茜は楽しげにルンルンで入っていった。
「あ、私はこれで。ミコトが迷惑かけたら、この番号に電話してください。すぐに回収に来ます」
「帰っちゃうんですか? もしかして、何かご用事が?」
「大した用じゃないですけど、少し」
「忙しい中、ありがとうございます」
「蕾ちゃん、もっと楽に喋っていいんだよ。ヒメ、ケーキとかの大食い食べにいくだけだから。本当に大した用じゃないから、ね?」
「なんで言うの」
「大食い…ケーキ…」
ちょっとお腹空いてきた。なんか、食べ物の話題になるとお腹すいちゃう。ケーキ、ショートかな、チョコかな、チーズかな。あぁ、食べたくなってきた。でも、ミコトさんをおもてなししないとだよね…
いや、ここで僕が外に出たら、家には茜と葵とミコトさんの3人だけ。葵とミコトさんはお互いに話したいだろうし、もしかしたら僕がいると邪魔になってしまうかも? …よし、決めた。
「あの、ヒメさん。良ければ、その大食いのお店を教えてもらえませんか?」
「…もしかして、蕾ちゃんも興味あるの?」
「はい、とても、とっても。沢山食べたくて」
「今すぐ食べたい感じ?」
「はい、行こうかなと」
「…ねぇ、ミコト。茜さん達に伝えといて。2人で食べてくる」
「ヒメに友達ができて、お姉ちゃんも嬉しいよ。ちゃんと伝えとくから、楽しんできて」
「うん! じゃあ、蕾ちゃん、一緒に行こ!」
「はい! ケーキ、沢山食べましょう!」
ミコトさんが家に入っていくのを見届けた後、ヒメさんと2人で歩き出した。お店の場所を知らない僕は、ヒメさんの後を歩く形で進む。
「あの、ヒメさん。その大食いって、どんなケーキが食べられるんですか?」
「60分で3kgなんだけど、色んな味のケーキが満遍なくあるらしいよ。蕾ちゃん、3kg食べ切れる? 無理なら、単品で頼んで食べたほうが良いと思うけど」
「いえ、食べ切れると思います!」
「よし、じゃあ2人とも食べ切ろうね!」
晴れやかな空の下、ケーキ屋さんに向かった。よっぽど変なケーキがなければ、どの味でも食べられるはず。問題は、このお腹がどこまで無尽蔵なのか。
…あ、ゆかりねぇ、家に来るんだっけ。まぁ、いっか。
どのキャラの話が気になりますか
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あかり(黄色)
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あおい(水色)
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あかね(赤色)
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マキ(黄土色)
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ミコト(青色)
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ヒメ(ピンク)
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ゆかり(紫色)