色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

10 / 122
仲良しコンビと凸凹コンビの章
Part6 大食い…食べたい…


 

んう…」

ごめん、起こしちゃった?」

ん… だいじょぶ」

そう。今はまだ6時だけど、ご飯は作ってあるから。それとも、2度寝する?」

いや… 起きる」

わかった」

 

 目を覚ましたのは朝早く。夏だからか、空も明るくなってきている。もう一回寝たいけど、今日はちゃんと起きないと。

 

 寝間着を脱いで、ちゃんとした服にする。今日は赤系にしよう。それから、顔も洗って、鏡を見る。うん、女の子のまんまだ。リビングで、3人で一緒に朝ご飯を食べた。

 

昨日言い忘れてたんやけど、ゆかりさんも来るってよ」

ゆかりちゃん、帰ってきたの?」

2学期からは、うちらと同じ学校やって」

ゆかり姉さん、外の学校で上手く行かなかったのかな」

わから〜ん。うち、そろそろ学校に迎えに行ってくるで〜。ゲームの準備しといてな〜」

…うん」

 

 茜が連れてくる相手を知っている僕と、ゲームが楽しみな茜はテンションが高いけど、葵は威圧感を放っていた。そんなにしなくてもいいんだけど、相手が女性ってわかったら戻るかな。

 

 茜が家を出てから、僕と葵は遊ぶ準備をした。何をするかわからないけど、取り敢えず、ボードゲームとテレビゲーム、それからスポーツで使うようのボールとか、色々用意した。茜にメールを送ってから、折を見て、葵に話しかける。

 

葵。他の人には、僕は女の子ってことにして欲しい。茜にもメールで伝えたんだけど、初対面の人に性転換なんて言っても、わからないと思う。信じてくれるかもしれないけど、いつ戻れるかわからないしさ。初めっから女の子ってことにして、いつか、実は男でした〜って感じにしようかなって」

…あかり君の体だし、あかり君が決めたことには従うよ。ただ、ゆかりちゃんにどうやって嘘をつくの? あかり君がこの家に来てること、多分お姉ちゃんが伝えてるでしょ」

あ〜、まぁ、なんとかなるよ。葵は、上手く合わせて」

わかった。疑われたら、素直に話すのよ?」

うん」

 

 僕は、私は。初めて会う人に、正直に話さないほうが良いと考えた。だから、琴葉姉妹以外の人がいるときは女の子として生きる。バレたら、まぁ、仕方ないってことで。

 

 それから、2人で少しテーブルゲームをした。家の扉が開いた音がする。時計を見ると、7時を過ぎていた。多分、茜と、お客様だろう。

 

帰ったで〜」

お邪魔します。茜の妹さんは… あの子かな?」

お邪魔します、鳴花ヒメです。こっちは、姉の鳴花ミコトです」

…琴葉葵です、よろしくね」

どうも、ヒメさん、ミコトさん。私は紲星(つぼみ)です。急に来ていただいて、申し訳ありません」

謝らないで欲しい。君も、この家の人なんだろう? なら、私の妹みたいなものだからね。幾らでも頼ってほしい」

こちらこそ、馬鹿な姉がすみません。これ、お詫びの品です」

 

 濃い青髪のミコトさんが、昨日電話で話した人かな? それで、ピンク髪の人がヒメさん。 ミコトさんもヒメさんも女の人だけど、葵は… まだ疑るような目をしてる。

 

それじゃあ、今日は朝から晩まで(みんな)で遊ぶで〜!」

…入って、外で騒ぐと近所迷惑だから」

色々用意したので、楽しんでください」

 

 葵はすぐに踵を返して家に入り、茜は楽しげにルンルンで入っていった。

 

あ、私はこれで。ミコトが迷惑かけたら、この番号に電話してください。すぐに回収に来ます」

帰っちゃうんですか? もしかして、何かご用事が?」

大した用じゃないですけど、少し」

忙しい中、ありがとうございます」

蕾ちゃん、もっと楽に喋っていいんだよ。ヒメ、ケーキとかの大食い食べにいくだけだから。本当に大した用じゃないから、ね?」

なんで言うの」

大食い…ケーキ…」

 

 ちょっとお腹空いてきた。なんか、食べ物の話題になるとお腹すいちゃう。ケーキ、ショートかな、チョコかな、チーズかな。あぁ、食べたくなってきた。でも、ミコトさんをおもてなししないとだよね…

 

 いや、ここで僕が外に出たら、家には茜と葵とミコトさんの3人だけ。葵とミコトさんはお互いに話したいだろうし、もしかしたら僕がいると邪魔になってしまうかも? …よし、決めた。

 

あの、ヒメさん。良ければ、その大食いのお店を教えてもらえませんか?」

…もしかして、蕾ちゃんも興味あるの?」

はい、とても、とっても。沢山食べたくて」

今すぐ食べたい感じ?」

はい、行こうかなと」

…ねぇ、ミコト。茜さん達に伝えといて。2人で食べてくる」

ヒメに友達ができて、お姉ちゃんも嬉しいよ。ちゃんと伝えとくから、楽しんできて」

うん! じゃあ、蕾ちゃん、一緒に行こ!」

はい! ケーキ、沢山食べましょう!」

 

 ミコトさんが家に入っていくのを見届けた後、ヒメさんと2人で歩き出した。お店の場所を知らない僕は、ヒメさんの後を歩く形で進む。

 

あの、ヒメさん。その大食いって、どんなケーキが食べられるんですか?」

60分で3kgなんだけど、色んな味のケーキが満遍なくあるらしいよ。蕾ちゃん、3kg食べ切れる? 無理なら、単品で頼んで食べたほうが良いと思うけど」

いえ、食べ切れると思います!」

よし、じゃあ2人とも食べ切ろうね!」

 

 晴れやかな空の下、ケーキ屋さんに向かった。よっぽど変なケーキがなければ、どの味でも食べられるはず。問題は、このお腹がどこまで無尽蔵なのか。

 

 

 

 

 …あ、ゆかりねぇ、家に来るんだっけ。まぁ、いっか。

 

どのキャラの話が気になりますか

  • あかり(黄色)
  • あおい(水色)
  • あかね(赤色)
  • マキ(黄土色)
  • ミコト(青色)
  • ヒメ(ピンク)
  • ゆかり(紫色)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。