色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

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Part50 言い知れぬ不安感

 

 ……おはよう、ございます。眠い、まだ寝ようかな。今何時だろ、このあたりにスマホが、あったあった。8時か… 結構な時間じゃん、二度寝はやめとこう。でも起き上がるのも面倒くさい、ふかふかの布団でもう少しだけ…

 

 あんまり、ふかふかじゃないな。そういえば床に布団敷いて寝てるんだった、お母さんのベッドで寝ればよかったな。ゴロゴロしようには床が硬いし、布団も動きやすくないし、壁も近い。起きよ、寝てても何にもならないや。葵が朝ご飯作ってくれてるといいなー。

 

おはよー」

 

 …リビングが真っ暗、まだ起きてないのかな。仕方ない、電気点けて僕が作ろう。目玉焼きとベーコンにしようかな、軽く済ませちゃいましょう。葵は寝起きで揚げ物とか嫌いそうですし、僕もお腹空いてるので。早く作って食べようっと。

 

「ピンポーン」

 

 え、この時間に誰だろ。朝8時だよ、宅配とかも頼んでないはずだし、見当もつかないや。とりあえず扉少しだけ開けてみますか。

 

どなたですか?」

ゆかりです、お邪魔していいですか?」

どうぞ! 入ってください!」

 

 知り合いでちょっと安心ですけど、こんな時間にゆかり(ねぇ)っていうのも少し不気味… 年末年始ですし、面白いゲームが安くなってるので朝から晩までゲームしてるのかなぁって思ってたんですが、違ったみたいです。それに朝早い時間に外を出歩くなんて、滅多にない人ですからね。

 

お邪魔します、まだ起きたばかりですか?」

えっ、はい。まだ起きたばかりですけど…」

寝癖がついてるので、直してきたほうがいいですよ。朝ごはんは私が作りましょうか?」

お願いします! 何でも使っていいですけど、軽めのでお願いしますね!」

はい、任せてください」

 

 洗面所で顔洗って髪()かしてリビングに戻ってゆかり(ねぇ)と仲良く話しました。特に何を話したってほどではないですけど、あかりはこのクッションによだれを垂らした』とか、この棚は私が作った』とか、そういう話です。勿論ですけど、当時僕もいたので全部知ってる話です。

 

はい、目玉焼きとベーコンにしてみました」

えっ」

嫌い、でした?」

そんな、大好きですよ! ちょうど食べたかったんです、朝も作ろうと思ってました」

それならよかったです、必要ならもう1(ワン)セット作りましょうか?」

私は大丈夫ですけど、葵の分もお願いしていいですか?」

はーい、作っときますね」

 

 …葵、まだ起きてこないのかな。確かに寝るのは早くなかったけど、特別遅いわけでもなかったはず。日付変わる頃だったかな、いつもよりは遅いけどね。それに今って、朝が弱いゆかり(ねぇ)が普通に活動してる時間だよ。葵、起きるの遅すぎないかな。

 

 ちょっと起こしに行こう、女性の部屋に勝手に入ると怒られるかもだけど、今まで同じ部屋で寝てたんだし大丈夫だと思う。それに今葵が寝てるのって元は僕が使ってた部屋だし、癖で入っちゃったって言えば許される、はず。

 

 

 …寝てる、お疲れだったのかな? 寝息を立てて気持ちよさそうに眠ってますし、起こすのはやめときますか。ゆかり(ねぇ)に作ってもらった朝ごはんも、ラップしておけば大丈夫なはずなので。音立てないように、そろ〜っと部屋を出ましょう。

 

ゆかりさん、葵はまだ寝てるみたいです。起きてきたら食べると思います」

わかりました、もう出来てるのでフライパンに蓋しときますね。多分、これでいけるので」

…余熱で焼けすぎないんですか?」

柔らかめに焼いてるので、ちょっと固くなるかもですけど大丈夫、だと思います」

なら、それでお願いします」

 

 恥ずかしながら、料理の保存法なんて詳しくないので、ゆかり(ねぇ)に任せることにします。作ったら食べる、作り過ぎたら冷蔵庫、っていうスタイルでやってきたので。親が家にいないことは多かったので料理はできるんですけど、お腹空いたら適当に作って食べるだけだったので… 最近は琴葉家で暮らしてたのでそこで学べばよかったんですけど、余ったら全部食べちゃってたので、ね。今度、調べてみましょうか。

 

 

 それからは、ゆかり(ねぇ)とテレビを見ながら世間話をしました。ニュースを見ながら適当なことを話したり、テレビと関係のない最近あった楽しいことを話したり、まぁよくある感じです。昔の僕についての話もされましたけど、それも適当に流してたのでたいした話はしてません。

 

 それでも時間はどんどんと過ぎていくもので、朝ごはんを食べてから1時間は経っていると思うのですが、葵が起きてこないのです。疲れてるだけなら寝かせてあげたいんですけど、流石に心配になります。

 

 もうすぐ10時ですよ、普段の葵を考えたらあまりにも遅いです。ただ疲れてるだけだったら悪いですけど、起こさせてもらいましょう。部屋の扉をノックしても反応はないので、直接声をかけて起こしましょうか。

 

あーおーいー! もう朝だよー、お昼近いよー!」

ん… なんじ…?」

10時前だよ、起きよー」

じゅうじ… 10時!? ごめん、寝すぎた!」

休みなんだから幾ら寝てもいいんだけど、生活リズムを乱すのはだめだよ」

わかってる、すぐ支度してリビング行くから、戻ってて」

はーい、じゃあね」

 

 葵はただ寝てただけっぽいので、安心… ですかね? 10時過ぎまで葵が寝てるなんてこと、僕が知る限りでは初めてなので不安ではあるんですよね。熱が出てたりしたら、それが原因なのかなぁって思えるんですけど、体調が悪そうには見えなかったですし…

 

 

ごめん、寝すぎちゃった。ゆかりちゃんも来てたんだ、何か待たせちゃった?」

何も待ってないですよ、勝手に私が遊びに来ただけですから、気にしないでください。ご飯も作っておきました」

あぁ、ありがとう。本当(ほんと)ごめんね」

それにしても、こんな時間まで寝てるなんて何があったんですか? 日付変わった頃に寝たはずですし、10時間も寝てますよ」

あー、気にしないで。あか… 蕾ちゃんが寝てから、ちょっと勉強してたら遅くなっちゃって」

勉強熱心なのはいいことですけど、体は壊さないように気をつけてくださいよ?」

 

 葵が朝ごはんを食べてる間はゆかり(ねぇ)とゲームの準備をしてました。ゆかり(ねぇ)が来たってことはそういうことだと思ってたので、テレビ見てた時にゲーム機は探しときました。昨日は結局ゲーム機の場所がわからないでモヤモヤしたまま寝たんですけど、普通にテレビの下にありました。埃が積もらないように律儀に布をかけてた昔の僕を褒めておきました、心の中で。

 

あ、蕾ちゃんってあかりと同じアカウント使ってるんですね」

あ、はい! そうです! 兄に使わせてもらってます」

パーティーゲームは良いですけど、RPGとかノベルゲームは困りません? 作っといたほうがいいですよ、今やります?」

今度やっとくから気にしないで、今やると時間かかるでしょ」

わかりました、お願いしますね」

 

 そういえば、僕が性転換してからこのゲーム機って一度も起動してないんだった… 蕾名義のセーブデータとか1つもないけど、ツッコまれませんように… それと、あかりが普段どんな名前でゲームしてるか気になるんですよね』とか言いだして、僕が1人でやってるゲームを起動されませんように…

 

あ、これ自由にキャラ作れるやつじゃないですか。あかりもやってたのかな、ちょっと見てみません?」

見てみません! だめです!」

わ、わかりました。すいません」

 

 ふぅ、これでよし。

 

…今度見よ」

見せない!」

 

 

 

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