色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

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Part51 チェックポイント

 

 ゆかり(ねぇ)が我が家に遊びに来た1日は、何事もなく終わりました。毎日何かあっても困りますから、皆で遊んでそれで終わりっていう日のほうが多いですし、そうであってほしいです。

 

 朝起きて、ご飯を食べて、遊んで、ご飯を食べて、お風呂に入って、ご飯を食べて、寝る。次の日も、そんな感じ。最初は2人旅みたいなことがしたい、なんて言って気張ってましたけど、元々住んでいた家に帰ってきただけですからね。葵と2人でのんびり冬休みを満喫してます。

 

 この冬休みで1つ驚いたのは、茜が思ったよりも遊びに来なかったことですね。初日から毎日のように来るものだと思っていたのですが、数日置きにふらっと来て、1日中遊んで帰る、そんな感じなんです。それに、あまり元気がないんですよね。やっぱり葵と離れて寂しいんですかね?

 

 ミコトさんも冬休み中に時々遊びに来ました。といっても、茜と違って数時間遊んで帰っていきましたけどね。ヒメさんも同じです、近くに寄った時に来て、ちょっと遊んだら帰っていきます。

 

 冬休みといっても、毎日遊ぶ必要はないですからね。気が向いた時に皆で遊んで、普段は家族と家でのんびり… 葵は家族じゃないですけどね、同じ家で暮らしてるってだけです。半年以上一緒に暮らしてますから、感覚的には家族みたいなものですけどね。でも恋人は家族じゃないか、同じ家で暮らしてても恋人を家族とはいいませんもんね。じゃあ葵は家族じゃないや。

 

ぼーっとして、どうしたの? 髪洗わないの?」

あらうよー」

私が洗おうか?」

んー、うん」

 

 そういえば、明日からは学校が始まります。まだ冬の真っ只中で、浴室の中でも普通に寒い季節ですから、制服を着て登校するのを考えると、まだ休みたかったなぁとも思ってしまいますが。カイロとかマフラーって着けていいのか、後で調べてみませんと。

 

 学校の話に戻りますが、もう明日には始まってしまうんです。結局僕の体が元に戻ることはなく、蕾としてまた通うことになります。別に不自由していないので問題はないんですが、1つだけ心配なことがあるんです。

 

 今は紲星蕾として通っているので、紲星あかりとしては全く通ってないんです。半年以上は登校してませんし、提出物も出してないですし、試験も受けてません。これ、留年しないか不安なんですよね。いつか体は元に戻ると思ってるので、あかりとして卒業はしたいんですよ…

 

 未来のことは何もわかりませんが、何か考えておいたほうがいいことだと思うんです。ミコトさんに頼んで何かをしてもらうというのは考えたのですが、僕の問題に無関係のミコトさんを巻き込むのも悪い気がして、何とか自分で解決したいとは思ってるんです。

 

 でも、実際問題として僕の力では難しいこともわかってます。だって僕は普通の人ですからね。例えるなら、(フナ)が滝登りに挑むようなものです。僕だって、やる前から無理だとわかることに挑むほど愚かじゃないですよ。

 

 なので結局はミコトさんに頼るしかないのかな、なんて思ってしまうんです。ミコトさんも忙しいと思うので、学期末にこの話を急にしたんじゃ迷惑でしょうし、明日学校であったら伝えるだけ伝えておかないとですかね…

 

はい、洗えたよ」

んー」

 

 色々ネガティブな話ばかりしてしまいましたけど、学校自体は凄く楽しみでもあります。やっぱり皆でワイワイ話せるのは学校ならではですからね。家で遊ぶにしても、学校で騒ぐのとは少し違うんです。どっちが上ってわけじゃないですけど、学校でまた皆と話したいんですよ。

 

 最近は葵と2人で暮らしてましたけど、それもまた違った楽しさがありました。2人だけだと落ち着いた空気感で、のんびりと休まれるんです。学校始まってからも、まったりと暮らしてたいなぁって。

 

何か悩んでるの?」

うん、まぁね… 葵? いつの間に?」

え、ずっと話してたじゃん。誰に髪を洗われてると思ってたの?」

そんな(はなし)したっけ… 全然気づかなかった」

えぇ…」

 

 葵、いつの間に…? 考え込んでたので、周りが見えてなかったんでしょうね。自分でも信じられないですけど、本当に気がつきませんでした。少し、葵が怖くなってきました。もしかしたら琴葉家は忍者の一族だったりするのかもしれません。名前もそれっぽさはありますから。

 

明日から学校だけど、楽しみ?」

楽しみでもあるし、不安でもあるかな」

…不安な時はなんでも話してくれていいからね。私にできることなら、なんだってするから」

大丈夫だよ、たいしたことじゃないから。葵こそ、何かあったら頼ってよ?」

わかったよ、なんでもしてくれる?」

できる範囲なら、なんでも」

ま、今は特に何もないよ。でも今の言葉、覚えとくから」

うん。思い詰めないで、僕を頼ってね」

 

 僕も覚えておきましょう。僕には、親身になって考えてくれる恋人がいるんだって。よし、明日からも頑張ろう。

 

 

 

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