色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

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3日店主の章
マキSide1 カランカラーン


 

カランカラーン。喫茶マキ、営業開始で〜す」

 

 よ〜し、頑張るぞー。お父さんは数日、昔お母さんと行った場所に旅行に行くって言うから、その間は私がお店を切り盛りします。任せろー、しっかりこなしちゃうぞー!

 

 って、意気込むけどさ。そんな人でごった返すような繁盛店じゃないし、そこそこ人は来るだろうけど平気でしょ。そう思ったけど… 開始早々、お客さんが来た。昔は毎日来てくれた、常連さん。最近また、毎日来てくれている。

 

お、ゆかりちゃん。それと妹ちゃん? カウンター席空いてるから、座って座って」

マキさん、コーヒーください。あと、従妹です」

初めてきました、喫茶店! 何を頼めば良いんですか?」

おすすめはコーヒーだよ。後は、ラザニア。美味しいよ〜」

…朝からラザニアは重くないですか?」

重くないよ〜?」

重くないと思います。コーヒーとラザニアください!」

はいよ〜」

 

 コーヒー淹れて、ラザニア作って。ゆかりちゃんのいとこって、弟さんって聞いてたんだけど、女の子もいたんだねぇ。朝からラザニア、重いって言う人もいるけどさ、やっぱわかってくれる人もいるんだよね。

 

出来たよ〜、どうぞ。苦かったら、ご自由に砂糖をどうぞ」

…あちっ フー、フー。 …美味しいです!」

それは良かった」

ラザニアも、すっごく美味しいです!」

やっぱり朝はマキさんのコーヒーですね。今日も頑張れそうです」

それはよかった。そうだゆかりちゃん、勉強、だいじょぶそう?」

ふっ、舐めないで下さい。全くだめですよ。でも、一夜漬けで転入試験には通ったんですから。やる気になればできますよ」

昔みたいに、ここで勉強したら?」

マスターに見張られてるみたいで、逃げられないんで勉強は進みましたけど、怖くてですね… あれ、今日はマスターいないんですね?」

旅行だよ、旅行」

ならここで勉強はありですね…」

 

 悩むゆかりちゃんをよそ目に、蕾って呼ばれてた従妹ちゃんはガツガツと、ガンガンと沢山食べるねー。ラザニア、もう3個目だよ。流石に私も3個は重いと思う、心配だな。

 

勉強道具取ってきます、走って帰ってくるので、席キープで!」

は〜い、走ると怪我するから歩いてねー」

あの、ラザニアもう一つ下さい」

4つ目? よく食べるね、蕾ちゃん… でいいのかな?」

はい、蕾です。美味しくて、幾らでも食べられちゃいます」

嬉しいこと言ってくれるね、おまけに煮卵もつけよう」

ありがとうございます!」

 

 他にお客さんがいないから、楽だねー。ずっとラザニア作ってるから、流石に疲れてきたけどさ。話す余裕もあるし。やっぱ熱いと、お客さんも減るのかな。常連さんがお父さんと旅行に行ってるのもあるだろうけど。

 

はい、ラザニアと煮卵。蕾ちゃんは勉強だいじょぶ? ゆかりちゃんはあんな感じだけど」

だいじょぶじゃないですね… ゆかりさんよりは大丈夫だと思いますけど」

わかんないとこあったら、私が教えてあげるよ」

優しいんですね、マスター… ミストレスって言うんでしたっけ」

まだミストレスってほどじゃないよ。マキさんって呼んで」

マキさん、ですね。勉強は、お姉ちゃんが教えてくれるんです。ここに呼んでもいいですか? あと、ラザニアください」

お姉ちゃん? 勉強教えてくれるって、優しいお姉ちゃんだね〜。呼んでいいよ」

 

 ゆかりちゃんって実は従姉もいたのか。常連さんのことも、思ったよりも知らないんだな。5つ目のラザニアを作りながら、そんなことを思う。

 

カラカラーン、教科書、持って、帰ってきました…」

息整えて、スー、ハー。席はご自由に〜」

おかえり〜。マキさん、私も電話して来ますね。お姉ちゃんに来てもらいます」

ねぇ、ゆかりちゃん。蕾ちゃんのお姉ちゃんってどんな人なの?」

ほんとの姉じゃないですよ。姉貴分って感じです。悔しいことに、私よりもその人に懐いちゃって」

あ〜、そりゃ悔しいね」

 

 それからゆかりちゃんはコーヒーを飲みつつ勉強して、蕾ちゃんはラザニアを食べながら姉貴さんが来るのを待っていた。

 

はい、ラザニア8個目。こんなに食べて大丈夫? 食べ過ぎで倒れないでね?」

だいじょぶです!」

蕾ちゃん、本当によく食べるんですよ。この前、焼き肉の食べ放題に行ったんですけどね? 食べ過ぎてお店のお肉がなくなっちゃったんですよ」

もしかして、なくなるまでラザニア食べるの?」

さ、流石に8個でやめますよ。食べ過ぎると他のお客さんに悪いですから」

優しいねー、蕾ちゃん。 っと、お客さんが来た。扉の前に立ってるけど、開けないのかな?」

あ、お姉ちゃんです!」

 

 扉の前で、お店を間違えてないか確認してそうだね。よし、私が中から扉を開けましょう!

 

お客様〜、中、空いてますよ〜」

あ、はい。失礼します」

お一人ですか?」

2人です。蕾ちゃん、いますか?」

いますよ〜、席にご案内しますね」

ありがとうございます」

もう一人のお客様は…」

部長、私だよ」

 

 

 

 え、まさか蕾ちゃんにもミコトお姉ちゃん』って呼ばせたの…?

 

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