マキSide1 カランカラーン
「カランカラーン。喫茶マキ、営業開始で〜す」
よ〜し、頑張るぞー。お父さんは数日、昔お母さんと行った場所に旅行に行くって言うから、その間は私がお店を切り盛りします。任せろー、しっかりこなしちゃうぞー!
って、意気込むけどさ。そんな人でごった返すような繁盛店じゃないし、そこそこ人は来るだろうけど平気でしょ。そう思ったけど… 開始早々、お客さんが来た。昔は毎日来てくれた、常連さん。最近また、毎日来てくれている。
「お、ゆかりちゃん。それと妹ちゃん? カウンター席空いてるから、座って座って」
「マキさん、コーヒーください。あと、従妹です」
「初めてきました、喫茶店! 何を頼めば良いんですか?」
「おすすめはコーヒーだよ。後は、ラザニア。美味しいよ〜」
「…朝からラザニアは重くないですか?」
「重くないよ〜?」
「重くないと思います。コーヒーとラザニアください!」
「はいよ〜」
コーヒー淹れて、ラザニア作って。ゆかりちゃんのいとこって、弟さんって聞いてたんだけど、女の子もいたんだねぇ。朝からラザニア、重いって言う人もいるけどさ、やっぱわかってくれる人もいるんだよね。
「出来たよ〜、どうぞ。苦かったら、ご自由に砂糖をどうぞ」
「…あちっ フー、フー。 …美味しいです!」
「それは良かった」
「ラザニアも、すっごく美味しいです!」
「やっぱり朝はマキさんのコーヒーですね。今日も頑張れそうです」
「それはよかった。そうだゆかりちゃん、勉強、だいじょぶそう?」
「ふっ、舐めないで下さい。全くだめですよ。でも、一夜漬けで転入試験には通ったんですから。やる気になればできますよ」
「昔みたいに、ここで勉強したら?」
「マスターに見張られてるみたいで、逃げられないんで勉強は進みましたけど、怖くてですね… あれ、今日はマスターいないんですね?」
「旅行だよ、旅行」
「ならここで勉強はありですね…」
悩むゆかりちゃんをよそ目に、蕾って呼ばれてた従妹ちゃんはガツガツと、ガンガンと沢山食べるねー。ラザニア、もう3個目だよ。流石に私も3個は重いと思う、心配だな。
「勉強道具取ってきます、走って帰ってくるので、席キープで!」
「は〜い、走ると怪我するから歩いてねー」
「あの、ラザニアもう一つ下さい」
「4つ目? よく食べるね、蕾ちゃん… でいいのかな?」
「はい、蕾です。美味しくて、幾らでも食べられちゃいます」
「嬉しいこと言ってくれるね、おまけに煮卵もつけよう」
「ありがとうございます!」
他にお客さんがいないから、楽だねー。ずっとラザニア作ってるから、流石に疲れてきたけどさ。話す余裕もあるし。やっぱ熱いと、お客さんも減るのかな。常連さんがお父さんと旅行に行ってるのもあるだろうけど。
「はい、ラザニアと煮卵。蕾ちゃんは勉強だいじょぶ? ゆかりちゃんはあんな感じだけど」
「だいじょぶじゃないですね… ゆかりさんよりは大丈夫だと思いますけど」
「わかんないとこあったら、私が教えてあげるよ」
「優しいんですね、マスター… ミストレスって言うんでしたっけ」
「まだミストレスってほどじゃないよ。マキさんって呼んで」
「マキさん、ですね。勉強は、お姉ちゃんが教えてくれるんです。ここに呼んでもいいですか? あと、ラザニアください」
「お姉ちゃん? 勉強教えてくれるって、優しいお姉ちゃんだね〜。呼んでいいよ」
ゆかりちゃんって実は従姉もいたのか。常連さんのことも、思ったよりも知らないんだな。5つ目のラザニアを作りながら、そんなことを思う。
「カラカラーン、教科書、持って、帰ってきました…」
「息整えて、スー、ハー。席はご自由に〜」
「おかえり〜。マキさん、私も電話して来ますね。お姉ちゃんに来てもらいます」
「ねぇ、ゆかりちゃん。蕾ちゃんのお姉ちゃんってどんな人なの?」
「ほんとの姉じゃないですよ。姉貴分って感じです。悔しいことに、私よりもその人に懐いちゃって」
「あ〜、そりゃ悔しいね」
それからゆかりちゃんはコーヒーを飲みつつ勉強して、蕾ちゃんはラザニアを食べながら姉貴さんが来るのを待っていた。
「はい、ラザニア8個目。こんなに食べて大丈夫? 食べ過ぎで倒れないでね?」
「だいじょぶです!」
「蕾ちゃん、本当によく食べるんですよ。この前、焼き肉の食べ放題に行ったんですけどね? 食べ過ぎてお店のお肉がなくなっちゃったんですよ」
「もしかして、なくなるまでラザニア食べるの?」
「さ、流石に8個でやめますよ。食べ過ぎると他のお客さんに悪いですから」
「優しいねー、蕾ちゃん。 っと、お客さんが来た。扉の前に立ってるけど、開けないのかな?」
「あ、お姉ちゃんです!」
扉の前で、お店を間違えてないか確認してそうだね。よし、私が中から扉を開けましょう!
「お客様〜、中、空いてますよ〜」
「あ、はい。失礼します」
「お一人ですか?」
「2人です。蕾ちゃん、いますか?」
「いますよ〜、席にご案内しますね」
「ありがとうございます」
「もう一人のお客様は…」
「部長、私だよ」
え、まさか蕾ちゃんにも『ミコトお姉ちゃん』って呼ばせたの…?
どのキャラの話が気になりますか
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あかり(黄色)
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あおい(水色)
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あかね(赤色)
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マキ(黄土色)
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ミコト(青色)
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ヒメ(ピンク)
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ゆかり(紫色)