は〜、ラザニア美味しい。ゆかりねぇの行きつけの喫茶店、喫茶マキ。初めてきたんだけど、良い場所だね。料理も美味しいし、コーヒーも美味しい。他のお店でコーヒー飲んだことないけど、多分ここのがナンバーワン!
っと、そうそう。今はもう性転換した日からそこそこ経ってですね。ちょっとは体に慣れてきましたし、自分の胃の限界も理解しました。ずばり、1日でラザニア50はいけます。これ以上食べると、お腹を痛めます。食べれはしますけど。
女の子っぽい喋り方も、上手くなったと思います。他の人と居るときは、喋り方は気をつけないとですから。 …楽に喋れないのは疲れますが、慣れました。
「ミコトさん、これの答えって…」
「まずは自分で考えないと。本当にわからなかったら、教えるけど」
「は〜い」
「う〜ん、ねぇミコト」
「ヒメ? どうしたの?」
「蕾ちゃんが解いてる問題ってさ」
「どうしました?」
普通に夏休みの課題を進めてたんだけど、どうしたのかな。もしかして、余りにも間違えすぎてたり?
「蕾ちゃん、高校には行ってないんだよね?」
「はい、行ってないです」
「…あぁ、そういうことか。成程、それは気になる」
「あの、どうしたんですか?」
「高校に行ってないのに、なんで高校の課題を解いているのか疑問に思ったんだよ」
「来年高校に行くから予習してるにしては、表紙に〝課題〟って書いてあるからさ」
「ええっ!? え、えっと、その…」
そうだ、高校に行ってないのに課題やってるっておかしいじゃん! 塾には行ってないし、茜達が持ってるのと同じ課題だから、高校の課題ってわかるよね…
「あかりのじゃないですか?」
「そ、そうです! お兄ちゃんの課題を代わりに進めておこうと思って…」
「世界を旅しているお兄さんか。そう言えば茜の同級生だったね。どう、良い土はあった?」
「いや、妹に課題をさせて自分は世界を旅するって、中々に酷い気がするんだけど」
「させられてるわけじゃないです! 私が気になって、勝手にやってるだけなので」
「ほんと? 言わされてるとか…」
「あかりは人を頼ったり、命令するのが苦手ですから。蕾ちゃんにやらせるとは思えません。答えを写す位なら、課題を燃やすタイプです」
「自分からやってるなら、良いんだけどさ…」
はぁ、焦った。ヒメ姉、よく見てるんだな。自分のことを見てくれてるって、普段なら嬉しいけど、嘘をついてると辛いな。
「あの、マキさん。ラザニア1つ下さい」
「は〜い。12個目〜」
「蕾ちゃん、流石にそろそろ私の財布が限界なんですけど」
「あ、すみません。これでやめます」
「そうして下さい」
「私が払おうか?」
「甘やかさないで下さい」
「はーい、わかりました」
ちゃんと我慢しますよ。食べすぎて丸くなったら困りますし。今はまだです体型に自信ありますけど、この体が太らないってわけじゃないと思いますし。元に戻ったら食べた分太るって言われたらやばいし。
「適度に梅を食べれば太らないよ。だから蕾ちゃん、梅を食べよう」
「ラザニアには合わなくないですか?」
「梅は朝に食べることに意味があるんだよ。梅はその日の難逃れってね」
「もうお昼だけど。勉強始めて、結構経ってるしさ」
「午前中は朝だよ」
「このお店はもうランチメニューですよ。ここではお昼です」
「この話はやめよう。私に勝ち目がない」
ラザニア美味しかったです。勉強する時は糖分を取ると良いらしいですけど、僕は美味しいものならなんでもいいです。沢山食べると、幸せって感じで、勉強が進みます。
それから、
少しずつ日も暮れてきて、夕方。そろそろ帰ろうという事になって、お店を出て解散し、それぞれ家に向かいました。
あ、お昼ごはんとしてラザニア2つ、夕飯としてナポリタンを3ついただきました。美味しかったです。朝の分も含めて、4人分全てヒメ姉が払ってくれました。
「ただいま〜」
「遅かったね。昼前には帰ってくるのかと思ってた」
「連絡忘れてた、ごめん。ゆかり姉達と勉強してたんだ」
「そうなんだ。お姉ちゃんも勉強してるよ」
「あかりぃ… 助けてぇ…」
「…ごめん」
「謝らなくていいよ。この前お姉ちゃんがサボった、そのツケだから」
「残忍や…」
一日中、見張られながら勉強って辛いよね。可哀想だとは思うけど、自業自得だし… 葵に歯向かったら僕も勉強する事になりそうだし。
ごめんね、茜。僕は助けられないよ。光の消えた、影のかかった目で見つめられても、無理だよ。流石に、茜が悪いもん。
30個位置かれたチョコミントは、僕が食べておくから。
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