色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

39 / 126
作りたい人と食べたい人の章
ミコトSide4 好きなだけ食べてくれ


 

「ふむ… これは合わないか」

「これは合わないっていうかさ… どれも合ってないよ」

「お茶漬けには合っていたさ」

「別々で食べた方が美味しいで?」

「…世界的な料理を作るには、試行錯誤が大事なんだ。何回失敗しても、私は作り上げる」

「えぇ… このレベルの料理を後何回食べなきゃいけないの…?」

「次は美味しいかもしれない」

「焼き芋と梅干しとミントを合わせて美味しいイメージがわかないんやけど」

「試さなきゃわからないだろう?」

 

 季節は夏から秋へとかわり、ハロウィンやお月見など、様々な季節行事が近付いてきた。そんな中、私は猛烈に批判されている。ハロウィン用のお菓子や、月を見ながら食べる料理。食欲の秋とも言うし、人に料理を振る舞うことは多くなる。

 

 だからこそ私は、梅を使った至高の料理を生み出さなければならない。ハロウィンに向け、幼い子供でも喜んで食べられる梅のお菓子。お月見用の梅を使ったお団子。お腹をすかせたヒメの為の梅のフルコース。

 

 それに、これでも私は料理部の副部長なんだ。誰もが好むような至高の梅料理を作ってみせるさ。

 

「料理に精が出るのは良いことだけど、もう終わる時間だからね、ミコト」

「もう? そんなに作っていたのか」

「まだ2学期が始まったばかりだし、部活動も短めだよ。顧問も忙しいみたいだからね」

「あぁ、顧問か。茜のクラスの担任だろう? そんなに忙しいのかい?」

「忙しそうやで〜 今日は放課後に扉をちょっと改造するって言うとった。後は… 蕾が変なのに絡まれんようにずっと見とるから、授業の準備も遅れとるみたいやで」

「扉を改造…?」

「2学期になってから、毎日扉を乱暴に開ける人がおってな? 扉に傷が付いたり、うるさかったりするからなんとか対策するんやって」

「誰がそんな事を」

 

 そんな事をする人が、この高校にいるだなんてね。よっぽど急いでたのか、興奮していたのか。常習的に扉を一気にバンって開け閉めするなんて、気性が荒いのか。全く、うちの顧問を困らせないでほしいね。

 

 …そうか、もう帰らないと行けないのか。となると… 今私の頭を巡っているアイディアは家に帰ってからにしないと。ただ、今日はヒメ、外で食べてくるって言ってたはず。弱ったな、私はあんまり大食いじゃないんだ。

 

 しかし、このアイディアは完成させたい… 今から呼んで、私の家に来てくれる、大食いな人… あぁ、彼がいるか。

 

「それじゃあ、私は走って帰るよ。良いのを閃いたんだ」

「片付け… は、私がやっとく。ばいば〜い、ほんとに良いのが出来たら教えてよ〜」

「勿論、喫茶マキのメニューに加えていいよ」

「うちも、楽しみにしとるで〜!」

「完成したら、すぐに振る舞うよ」

 

 2人を置いて部屋を飛び出す。取り敢えず、彼に連絡をしないとね。もう午後4時だけど、来てくれるかな… スマホは…っと、あったあった。早く作りたいし、歩きながらかけるか。

 

「もしもし、ミコトです」

『あ、ミコトさん。あかりです、なにかありましたか?』

「今から私の家に来てもらってもいいかな」

『わかりました… あの、なにか怒らせたり…』

「あ〜、そういうわけじゃない。今から創作料理を作るんだ。沢山作ろうと思ってるんだけど、どうかな?」

『走って行きます!』

「準備があるから走らなくても… 切られちゃったか」

 

 私も走らないとね。あかり君が来た時には料理を作れるように準備をしておかないと。ご飯のことになると… 彼、凄い速度で走ってきそうだし。

 

「走らないで〜」

「明日は歩きます!」

「それ、もう3日目」

「じゃあ明日も走ります!」

「えぇ…」

 

 顧問、調理室に向かってた。マキ達と片付けして、部活動終わりって流れだったのかな? ま、1日位なら早めに帰ってもいいでしょ。

 

 

 

 …ふぅ、家に着いた。手を洗って、荷物を部屋に置いてっと。冷蔵庫は… うん、色々入ってる。庭の植物も見に行かないと。梅、よし。ミントも… よし、これを使おう。エプロンも着けて、これで準備完了だね。

 

『ピンポーン』

 

 お、来たみたいだ。

 

「ようこそ、あかり君」

「お邪魔します… あの、あかり呼びは、ヒメさんが…」

「居ないよ。私だけだから、安心していいよ、あかり君」

「そうなんですね。じゃあ、お願いします、ミコトさん」

「沢山作るから、好きなだけ食べておくれよ」

「はい!」

 

 腕によりをかけて、作らせていただこう。

 

どのキャラの話が気になりますか

  • あかり(黄色)
  • あおい(水色)
  • あかね(赤色)
  • マキ(黄土色)
  • ミコト(青色)
  • ヒメ(ピンク)
  • ゆかり(紫色)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。