ミコトSide4 好きなだけ食べてくれ
「ふむ… これは合わないか」
「これは合わないっていうかさ… どれも合ってないよ」
「お茶漬けには合っていたさ」
「別々で食べた方が美味しいで?」
「…世界的な料理を作るには、試行錯誤が大事なんだ。何回失敗しても、私は作り上げる」
「えぇ… このレベルの料理を後何回食べなきゃいけないの…?」
「次は美味しいかもしれない」
「焼き芋と梅干しとミントを合わせて美味しいイメージがわかないんやけど」
「試さなきゃわからないだろう?」
季節は夏から秋へとかわり、ハロウィンやお月見など、様々な季節行事が近付いてきた。そんな中、私は猛烈に批判されている。ハロウィン用のお菓子や、月を見ながら食べる料理。食欲の秋とも言うし、人に料理を振る舞うことは多くなる。
だからこそ私は、梅を使った至高の料理を生み出さなければならない。ハロウィンに向け、幼い子供でも喜んで食べられる梅のお菓子。お月見用の梅を使ったお団子。お腹をすかせたヒメの為の梅のフルコース。
それに、これでも私は料理部の副部長なんだ。誰もが好むような至高の梅料理を作ってみせるさ。
「料理に精が出るのは良いことだけど、もう終わる時間だからね、ミコト」
「もう? そんなに作っていたのか」
「まだ2学期が始まったばかりだし、部活動も短めだよ。顧問も忙しいみたいだからね」
「あぁ、顧問か。茜のクラスの担任だろう? そんなに忙しいのかい?」
「忙しそうやで〜 今日は放課後に扉をちょっと改造するって言うとった。後は… 蕾が変なのに絡まれんようにずっと見とるから、授業の準備も遅れとるみたいやで」
「扉を改造…?」
「2学期になってから、毎日扉を乱暴に開ける人がおってな? 扉に傷が付いたり、うるさかったりするからなんとか対策するんやって」
「誰がそんな事を」
そんな事をする人が、この高校にいるだなんてね。よっぽど急いでたのか、興奮していたのか。常習的に扉を一気にバンって開け閉めするなんて、気性が荒いのか。全く、うちの顧問を困らせないでほしいね。
…そうか、もう帰らないと行けないのか。となると… 今私の頭を巡っているアイディアは家に帰ってからにしないと。ただ、今日はヒメ、外で食べてくるって言ってたはず。弱ったな、私はあんまり大食いじゃないんだ。
しかし、このアイディアは完成させたい… 今から呼んで、私の家に来てくれる、大食いな人… あぁ、彼がいるか。
「それじゃあ、私は走って帰るよ。良いのを閃いたんだ」
「片付け… は、私がやっとく。ばいば〜い、ほんとに良いのが出来たら教えてよ〜」
「勿論、喫茶マキのメニューに加えていいよ」
「うちも、楽しみにしとるで〜!」
「完成したら、すぐに振る舞うよ」
2人を置いて部屋を飛び出す。取り敢えず、彼に連絡をしないとね。もう午後4時だけど、来てくれるかな… スマホは…っと、あったあった。早く作りたいし、歩きながらかけるか。
「もしもし、ミコトです」
『あ、ミコトさん。あかりです、なにかありましたか?』
「今から私の家に来てもらってもいいかな」
『わかりました… あの、なにか怒らせたり…』
「あ〜、そういうわけじゃない。今から創作料理を作るんだ。沢山作ろうと思ってるんだけど、どうかな?」
『走って行きます!』
「準備があるから走らなくても… 切られちゃったか」
私も走らないとね。あかり君が来た時には料理を作れるように準備をしておかないと。ご飯のことになると… 彼、凄い速度で走ってきそうだし。
「走らないで〜」
「明日は歩きます!」
「それ、もう3日目」
「じゃあ明日も走ります!」
「えぇ…」
顧問、調理室に向かってた。マキ達と片付けして、部活動終わりって流れだったのかな? ま、1日位なら早めに帰ってもいいでしょ。
…ふぅ、家に着いた。手を洗って、荷物を部屋に置いてっと。冷蔵庫は… うん、色々入ってる。庭の植物も見に行かないと。梅、よし。ミントも… よし、これを使おう。エプロンも着けて、これで準備完了だね。
『ピンポーン』
お、来たみたいだ。
「ようこそ、あかり君」
「お邪魔します… あの、あかり呼びは、ヒメさんが…」
「居ないよ。私だけだから、安心していいよ、あかり君」
「そうなんですね。じゃあ、お願いします、ミコトさん」
「沢山作るから、好きなだけ食べておくれよ」
「はい!」
腕によりをかけて、作らせていただこう。
どのキャラの話が気になりますか
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あかり(黄色)
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あかね(赤色)
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マキ(黄土色)
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ミコト(青色)
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ヒメ(ピンク)
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ゆかり(紫色)