色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

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Part28 じょうだんだよ?

 

 緊迫した空気の中、葵が少しふざけたような事を言い出しました。そのおかげ、ちょっと落ち着いたんです。それで気が付きました。僕って、人の宝箱を勝手に開けたのは悪いですけど、中身に関しては葵が悪いだけなのでは?

 

 事故とはいえ箱を開けた僕にも非はありますけど、中身を考えたら葵の方が悪いんじゃないかって思うんです。間違えて開けちゃっても、普通のお宝だったらごめんなさい』いいよ』で終わることでしたし…

 

 …というか、葵はあれをどこで手に入れたんですかね。茜の部屋に勝手に入ったら普通にバレて怒られそうです。欲しいって言ったら貰えるっていう物でもないですよね。もしかしたら、他にも隠してることがあるかもしれないですね。

 

まぁ、あかり君がどうしても欲しいって言うなら、 お姉ちゃんのじゃなくて、私のをあげてもいいけどね」

 

 僕、からかわれてるんですよね? 少し前からですけど、弄ばれてる気がするんですよね。う〜ん、真剣な空気を葵に壊されたわけですし、僕もそのおふざけに乗ってみましょうか。

 

わかった。欲しいな、どうすればくれる?」

ふぇあ?」

 

 葵ってこんなにふにゃってした声出すんだ… まぁいいや、冗談だって言わないとね。結局、箱の中身の話を全然してないし、話を戻さないと。

 

い、今すぐ、なの?」

え〜? 冗談だよ」

えっ、うえ? 流石にそれは、ちょっと… いや、私が言い出した事だもんね。ちょっと待ってて」

…うん?」

 

 小走りで葵が部屋を出ていってしまいました。冗談って言ったんだけど、もしかして聞こえてなかったのかな。僕も少し葵に反撃したかっただけで、別に欲しいわけじゃないし…

 

 顔真っ赤にして出てっちゃったし、多分、渡されるよね。それは困るなぁ… 貰ってもどうすればいいかわからないし、気まずい空気になっちゃう。よし、追いかけて冗談だってもう1回伝えましょう。リビング… には居ないし、脱衣所かな。開けたら見ちゃいそうだし、扉越しに話しかけましょう。

 

 ゆかりねぇがリビングに来るかもしれませんし、蕾の口調で話しかけますか。

 

あの、葵? 冗談、冗談だからね!」

言われなくてもわかってるよぉ! じょうだんでしょ、わかってるから!」

うん、冗談だよ。渡さないでいいからね?」

え? じょうだんなんでしょ?」

うん、冗談。だから、要らないよ」

…あぁ、冗談(じょうだん)か。なるほどね…」

ずっと冗談って言ってたんだけど、滑舌悪かったかな?」

いや、上段(じょうだん)かと思ってた」

上段? …そんなこと言うわけないでしょー!」

 

 上段、上段かぁ… なーるほど、納得しちゃった。確かに箱に入ってたのは下側だし、上側が欲しいって言われたらそりゃあ焦るよね。いや、言ってないけどさ。欲しいとも思ってないよ、本当だよ。

 

 …というか上段って思ってたなら、葵は僕に渡すことに抵抗感とかないのかな。恥ずかしがってはいたけど、普通は嫌だけど』って断るんじゃないの? ちょっと葵が心配だよ、頼み込んだら普通にくれそうだったしさ。下だとしても断ってほしいけどさ。

 

 どうやって葵が宝物を手に入れたのか聞きたかったけど、いいや。疲れちゃったし寝よう。知っても良い事はないし。

 

私はもう寝るね。おやすみ、葵」

あ、おやすみ」

 

 僕は部屋に戻ってベッドに入る。明日も遊ぼう、勉強は明後日でいいし。おやすみなさい。

 

ーーー

 

朝だよ、あかり君。ほら起きて」

んぅ… 後2時間寝かせてぇ…」

2時間寝たらお昼だよ。朝ご飯抜きになるよ?」

おはよう、葵。朝ご飯は何なの?」

ほんと、欲望に忠実だね…」

 

 葵に言われたくはないなぁ。スマホを見たら朝の10時、昨日は夜更(よふ)かししたわけじゃないんだけど、寝過ぎちゃったかな。(みんな)でゲームする予定だったのに、3人で始めちゃったかな。

 

(さば)の味噌煮と(さけ)の西京焼き、どっちにする?」

どっちもってあり?」

お姉ちゃんの分が無くなっちゃうからだめ」

茜もまだ寝てるの?」

うん、寝てるよ」

 

 遊びたがってた僕と茜が寝坊って、葵とゆかり(ねぇ)に申し訳ないです。でも、鯖と鮭の2つって珍しい気がします。どっちも魚料理ですし、皆で同じの食べれば良かったんじゃないのかな? 取り合いになっちゃいますよね、似た料理ですし。

 

 僕はどっちも食べれるし、茜が食べなさそうなのを食べましょう。鮭って赤いし、茜が食べるかな? ようし、僕は鯖の味噌煮を食べましょう。

 

 リビングではゆかり(ねぇ)が1人でゲームをしてました。今日やろうと思ってた、ミニゲームが沢山できるパーティーゲームをやってたんです。コソ練ってやつですね、コッソリではないですけど。

 

 それに、ゲームの初回起動時のチュートリアルを終わらせてくれてるみたいです。ルールはわかってるので、終わらせてくれて助かりました。僕らが寝ている間にやってくれるなんて優しいなぁ、ゆかり(ねぇ)は。

 

 鯖の味噌煮を食べてたら、今葵に起こされたであろう眠そうな茜がリビングに来ました。瞼こすって、本当に眠そうです。ちょっと遅れて葵もリビングに来ました… そうか、今の間なら茜の部屋に忍び込めるんだ。そこでクローゼットから茜の下着を盗んで、箱に入れて宝物ってしてたのか… なるほど。

 

 知ったところでしませんけどね? 本当にしませんからね!

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