色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

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Part29+葵Side9 君は君だよ

 

 (さば)を食べた後は4人でゲームをしました。葵がとても強くて1度も勝てなかったです。僕らが起きる前に練習でもしてたんですかね? 昨日は葵も疲れてそうだったので、ぐっすり寝てたとは思いますけど。朝ご飯だって作ってたんですから、練習する時間なんてなさそうですよね。となると実力か…

 

それじゃあ、私は帰りますね。また遊びましょうね!」

ばいばーい! また今度!」

いつでも()いてるからね」

 

 お昼過ぎ頃にゆかり(ねぇ)は帰ってしまいました。もっと遊びたかったんですけど、課題を終わらせないといけないらしいです。計画的で偉いなぁ、ゆかり(ねぇ)は。僕も計画的ですよ、期限までに終わらせる計画ですから。

 

 部屋に戻って僕も勉強しようと思います。茜が1人用のゲームをやるみたいなので、後で一緒ゲームする時のために今のうちに勉強するんです。葵にノートを見せてもらったらすぐ終わるんですけど、それじゃあ身につかない気がするので。

 

 葵は何か買いに行きました。チョコミントだと思いますけど、お肉とかだと良いなぁ。朝は魚料理でしたから、夜はお肉だと思うんですよね。食べ物じゃなかったら知りません。あ、お昼はゲームをしながら塩パンを食べてました。

 

 部屋で1人になると、色んなことを考えちゃいますよね。まだ性転換してから2ヶ月しか経ってないってこととか、これからの高校生活どうしようとか。蕾として頑張らなきゃではあるんですけど、いつかは戻ると思いますし。戻らなかったらどうしましょう? まぁ、そうしたら蕾として死ぬまで生きますか。

 

 出張で遠くにいる両親が帰ってきたらどうしましょう。それまでに治ってなかったら、僕が名前とか嘘をついてるって(みんな)にバレちゃいますよね。両親には話しておいたほうが良いのかな… いやでも、言ったら心配かけちゃいますし、やめときましょうか。

 

 秋って、高校で文化祭あるんですよね。何をするのか知りませんけど、文化祭までには治ってるといいなぁ。そしたら普通に楽しめますし。治ってなかったらそれはそれで蕾として楽しむだけですけど、途中で治ったりしたら困りますよね。授業中よりは誤魔化せますけど。

 

 文化祭ってクラス単位で何かするんですけど、部活でも何かするんですよね。家事で忙しかったので部活には入ってなかったんですけど、今は琴葉姉妹と一緒に暮らしてますし部活にも入ろうかな。料理部に入ったら美味しいもの沢山食べられそうですし。

 

 …今は琴葉姉妹と暮らしてますけど、ずっとお世話になるわけにもいきませんよね。近いうちに性転換が治るならいいですけど、年単位で続くんだったら2人に迷惑をかけちゃいますし。やっぱり両親には言ったほうがいいのかな…

 

 ん〜、考えてもどうせわからないですし、考えるのはやめましょう。1人だと変に悩みこんじゃいますから、リビングで勉強しましょうかね。茜と話しながらの方が進む気がします。両親に言うのかはいつか決めないとですし、忘れないようにメモだけ書いて鞄の横の壁にでも貼っときましょう。

 

 僕がリビングに戻って茜と話しながら勉強をしていると、葵が帰ってきました。話すのに夢中になって勉強は殆ど進んでません。葵は荷物を置きに部屋に向かっていきました。どうやら、食べ物は買ってないみたいです。残念。

 

 葵は部屋から戻ってきませんし、このまま茜のゲームを見てましょうかね。勉強なんて後回しでいいんですよ、後回しで。

 

ー葵Sideー

 

 1人で服を買いに行った。お姉ちゃんの服が減ってきたから、新しいの買いにきたんだ。 …別に私が盗んだんじゃないよ、汚れてたり穴が空いてたりしたから捨てただけ。

 

 帰ってきたらリビングでお姉ちゃんとあかり君が仲良く話してた。私も一緒に遊びたいけど、先に服をしまってこないとね。お姉ちゃんの部屋のクローゼットを補充してから、自分の部屋に戻って鞄を置いた。その時、視界の端に紙切れが見えた。

 

 壁に貼り付けられてる? 逆向きに貼られてるから見えないけど、上にセロハンテープが貼られてるだけだからめくれば見える。なになに、『しないといけないこと 両親に性転換のことを伝えるか決める』か。あかり君が書いたのかな、これ。ふ〜ん。

 

 その下にもちっちゃく何か書いてあるね。『ずっと琴葉姉妹にお世話になるわけにもいかない 両親と話し合う必要はあると思う』かぁ。まったく、裏返しにして隠したつもりかもしれないけど、見られたくないものならもっとしっかり隠しな? 私が言えたことじゃないけどさ。

 

 部屋のクローゼットを開けて、服を何着か買ってきたものに入れ替えながら考える。苦労したんだよ、この黒と白のワンピース。ゆかりちゃんがどこで買ったのか知らなかったから、ネットで調べてやっと見つけたんだ。でも…

 

 

 

 

 そっか

 

 

 そうなんだ

 

 

 あかり君はそんな

 

 

 

 

 

 

 

 ちっぽけなこと

 悩んでたんだ

 

 

 

 別に、あかり君のことなんだから幾ら悩んでもいいと思うよ? でもさ、心外だなあ。『ずっと琴葉姉妹のお世話になるわけにもいかない』だって? あかり君は私のことをなんだと思っているのか。

 

 迷惑なんて1つもかけられてないし、いつまでだって一緒に暮らせばいいよ。性転換が治ろうが治らなかろうがどうだって良いと思うんだけどな、私は。だってあかり君はあかり君なんだから。性転換したあかり君に初めて会った時から、私はずっと思ってるよ。今のままで良いって。治す必要はないって。

 

 あかり君のメモ、ちょっと貼り替えとこう。『してはいけないこと 両親に性転換のことを伝える ずっと琴葉姉妹のお世話になるから、両親に話す必要はない』ってね。さっきまで貼ってあった紙は破いて窓から捨てちゃおうか。要らないでしよ?

 

 

 

 ………落ち着こう、私。興奮して冷静じゃない。もっとしっかり考えてから行動しないと、大変なことをしちゃいそうだよ。昨日も勘違いして大変なことになったんだから。

 

 少しベッドで休もう… 最近は疲れることばかりだよ。

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