「ここだよ〜。喫茶マキ!」
「部長の名前のまんまなんですね」
「ご両親が、部長のことが好きすぎてつけたらしいよ。梅喫茶とかの方が良いと思う」
「ツルマキッサ…」
「その2つよりは喫茶マキの方が良い」
あれ、渾身の一撃やと思ったんに。それにしても、高校の近くにこんな立派な喫茶店があったんやなぁ… 今度葵達も連れて飲みに来ようかな。店に入ろうかと思ったら店の前で副部長が話し始めた。
「そうだ部長、喫茶マキにも梅の木を植えたら? 梅の加護で頭も良くなって商売も繁盛するに違いない」
「…遠回しにバカって言ってる?」
「部長って頭いいんですか?」
「下から数えたほうが早いんじゃなかった?」
「真ん中のちょっとしたなのに、そう言うとバカに聞こえるからやめてよ」
真ん中のちょっとした… うちよりは上、葵とあかりと同じくらいやろか。副部長はどうなんやろ?
「副部長はどうなんですか?」
「『ミコトお姉ちゃん』って呼んでくれたら教えてあげるよ」
「もしかしてミコト、また妹に冷たい目で見られたの?」
「双子とは言え、一度くらいは姉と呼んでほしいんだよ。でも、頼んだら「バカなこと言ってないでちゃんとバイトしてよ、ミコトさん」って言われてさ」
「あ〜、呼び捨てよりも辛いね、さん付け」
「うん、だから、茜。ヒメの代わりに私のことをお姉ちゃんと呼んでほしい」
「えぇ…」
うちは普段から葵にお姉ちゃんって呼ばれとるけど、副部長は違うんやな〜。まぁ、変人だし妹さんに冷たい目で見られるのは当然な気もするけど。でも、妹の代わりくらいなら、幾らでもやるで〜?
「えっと… ミコトお姉ちゃん、うち、お姉ちゃんのこと、だぁいすきやで〜?」
「おぉう、やるんだ…」
「…………」
「ミコト?」
「お姉ちゃん?」
「…ねぇ、茜。今だけじゃなくて、ずっとそうやって話してくれないかな。ねぇ、頼むよ、茜… 私、凄い、凄い嬉しくて。ねぇ、頼むよぉ…」
「なんか、ヒメちゃんが冷たい視線を向ける理由がわかった気がする。ヒメちゃんに頼むときもこんな頼み方なのかな… 後、茜ちゃんって一人称うちなんだ」
「ええよ〜? ミコトお姉ちゃん、早うお店入ろ〜」
なんか、副部長が泣きそうな顔をしながら頼んできたからオーケーしてもうた。別にかまへんけど、葵とか妹さんがいる時にそうやって呼ぶとうちまで冷たい目で見られそうやけど、なるようになるやろ。うちらは3人で、喫茶店に入って一先ず奥の席に座った。
…そうや、副部長をお姉ちゃん呼びするのに慣れるために、頭の中でもミコト姉って呼ぼう。そしたら、自然とお姉ちゃん呼び出来るようになるやろ〜!
「ねぇ、茜ちゃんって恥ずかしくないの?」
「恥ずかしくないですよ?」
「でも、ミコトをお姉ちゃん呼びって… ねぇ? 私じゃできないな…」
「もしかして今、私のことバカにした? 学年でも10本の指に入るほどの秀才だよ?」
「茜ちゃんをお姉ちゃん呼びなら出来るかもだけど、ミコトをお姉ちゃん呼びはちょっと…」
「…後で殴る」
「お、お姉ちゃん? 暴力はだめやで〜?」
「わかった、やめる」
「茜ちゃんの方が姉みたい」
ミコト姉はすぐに決めたみたいで、うちが食べるのを一緒に考えてくれた。少し悩んだけど、ミントを載せたナポリタンと、紅茶を頼むことにした。ミコト姉が、「普通のナポリタンよりミント載せの方が良い」と熱心におすすめしてくれた。
注文をして、少し経って。ミコト姉がミントの健康への効果を丁寧に解説してくれているのを聞きながら、窓の外を眺めていた。すると、店の中から、聞き覚えがあるような、ないような声で話しかけられた。
「あの、もしかして茜さん?」
「ん、誰〜?」
「君、今私達は話してんだけど。なんのようです?」
「あぁ、昔の知り合いに似てる気がして思わず… 邪魔してすいません」
この声… 聞いたことあるけど、誰やったかな? うちの友人というより葵とかあかりの友人やった気がするんやけど… あ、そうや!
「もしかして… ゆかりさん?」
「あ、そうです」
「お〜、久しぶりやな〜! 会いたかったで〜 葵もあかりも、ここにはおらんけど、また遊びに来てやって〜な〜」
「はい。久し振りにこの町に帰ってきたので、明日挨拶に行こうかと。明日の朝、葵ちゃんに会いに行っても大丈夫ですか?」
「勿論やで〜」
「…茜のお友達さん、はじめまして。茜の姉貴分の鳴花ミコトです。よろしくね」
「は、はじめまして。結月、ゆかり、です。茜さんの、昔馴染、です」
「緊張しないで。ゆかりさん、茜と同学年?」
「いえ、年上で、高校2年です」
「あ、同い年…」
凄い丁寧な感じに話してくれていたのは、
緊張すると弱気になって、下から目線であわあわしながら喋ってしまうらしいんやけど、本当は気さくで明るくて、子供みたいな性格やって葵は言ってた。
確か、あかりの従姉で、あかりの両親が仕事の都合で家に帰れないときとか、ずっとお世話をしてたんやって。葵はその時にあったらしくて、すっかり仲良くなって公園なんかでよく遊んどったらしい。
…それと、ミコト姉、さらっとうちの姉貴分って自己紹介しとったな。しかも最初は年上の大人なオーラをだそうしてたのに、同い年って言われてしゅんとしとる。ミコト姉も、案外シャイなんかな?
それから、折角ということで3人で一緒に同じ席でお話した。それぞれ頼んだ物を食べながら、学校のこととか、趣味とか、自己紹介みたいなんをしとった。
食べ終わって、お店のお客さんが少なくなった頃に部長に呼ばれて、うちとミコト姉はカウンターの内側に入った。ゆかりさんは、学校の寮に向かったらしい。
そう、そうなんや! ゆかりさん、高校生になって県外に出とったんやけど、今年の二学期からうちらと同じ高校に転校してくるんやって! なんでって聞いたら、「知り合いのいない孤独感に耐えられなかった」んやって。それでも1年頑張ったの、凄いなぁ。
部長とミコト姉とうち、3人で新メニューの開発に没頭して、気付いたときにはもう帰らないと行けない時間になっとった。2人に別れを告げて、うちは家に帰る。
ミコト姉から、梅の隣で育てたコーヒー豆を貰ったけど、どうやってコーヒーって作るんやろか。部長に聞くと帰るのが遅れそうやからやめとこう…
主要キャラ(予定)が出揃ったので、アンケートを置いておきます。各キャラが何色で書かれているのか書いてあります。また、今後各キャラの話を掘り下げていく予定なのですが、どのキャラの話を読みたいのか、アンケートに答えてくださると幸いです。
どのキャラの話が気になりますか
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あかり(黄色)
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あおい(水色)
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あかね(赤色)
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マキ(黄土色)
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ミコト(青色)
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ヒメ(ピンク)
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ゆかり(紫色)