色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

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Part39 コンジャンクション-AM8

 

 葵と遊園地で遊び明かした次の日、僕は朝7時に目を覚ました。夢を見ていたからなのか、目覚めたばかりなのに意識ははっきりとしていた。葵も既に起きていたようで、リビングに降りると茜と2人で朝ごはんを食べていた。ベーコンを乗せたトースト、とても美味しいそうで、茜に用意してもらって僕も食べた。朝から、幸せだった。

 

 朝食も済ませ、今日は何をしようかなと考えていた時、葵が部屋に戻っていった。テレビを見ながらぽけーっと暇をつぶしていると、葵がおしゃれをして降りてきた。肩を出した白いワンピースに、胸元を紐で飾った不思議な服。髪飾りも不思議な模様で… 矢絣(やがすり)模様、だったかな? 変な服だと思ったけど、前も着てたような、着てなかったような… あんまり、葵の服を真面目に見てなかったから覚えてないや。

 

 行ってきます、とだけ言ってすぐにいなくなってしまったから、どこに行くのか聞けなかった。おしゃれして、何かしに行ったんだと思うけど… 誰かと会う用事でもあったのかな? 暇だし、僕も今日は外に出ようっと。昨日着てた服を着ながらちょっと考える。 …同じ服が2着あるんだよ、全く同じ服を洗わずに着てるわけじゃないからね。

 

 喫茶マキに行くなら誰かと一緒に行きたいし、蕾としてじゃなくあかりとして自由にどっか行きたいな… そうだ、家に帰ろう。琴葉家じゃなくて、元々僕が暮らしてた家。鍵閉めたまま放置してるから、ご近所さんは不思議がってそう。ずっとベランダにいた植木鉢も持ってきちゃったから、夜逃げしたんじゃないかって思われてるかも。 …植木鉢、持ってきたけど水やりしてなかった。ちょっと見てこよ、庭においてたはず。

 

 …なんと、元気に育っていました。茜か葵が水やりしててくれたんだろうな、ありがたい。それにしても、後一月もせずに咲きそうな感じだし、秋の花なのかな。楽しみにしてよっと、いつも手入れを忘れちゃって中途半端にしか咲かないし。

 

 さぁ、庭に出たんだしそのまま行こう。玄関の扉を開けて、茜に行ってきまーすと叫んで、さぁレッツゴー。時間は8時、秋だけど寒くなく暑くもないいい気温だね、この時間は。日差しも気持ちいいよ。

 

 折角だからと、いつもと違う場所で曲がったり、好き勝手に歩きながら向かっていた時だった。真っ青な髪の人とすれ違ったけど、見たことある顔だった。ミコトさんだ、遊園地のオーナーさんに話をして僕達が周りやすくしてくれてた、みたいな話を聞いた気がするし、お礼しておこうかな。

 

 

 ………なんて思いながら話しかけたけど、挨拶して、ちょっと世間話をしたら忘れちゃった。思い出して、ありがとうって言わなきゃ! って思った時にはもう背中が見えないくらい離れてた。仕方ない、学校で会った時に伝えよう。

 

 その後も歩いて、家に着いたのは8時半。脇道にそれてそれてそれまくった割には早かったな、もしかしたら早歩きだったのかも。時々しか帰ってこないから、楽しみなんですよね。別に何かがあるわけではないんですけど、何だか帰省みたいで。おかえりと言ってくれる人もいなければ、変化も何も起きてないんですけどね…

 

 鍵をさして、回して… あれ? いつもはカチって音が鳴って扉が開けれるようになるんですけど、音が鳴らない… もしかして、鍵を閉め忘れてた? まずい、それは本当にまずい。一月くらい経ってるよ、盗みに入られたりしてるかも…

 

 落ち着こう、いや落ち着けないよ。家の鍵は僕と両親しか持ってないし… そうか、両親が帰ってきたのか? いや、帰ってきたなら僕に連絡が来てるはずだし、違うよね。となるとやっぱり、閉め忘れ… 考えても仕方ない、入ろう。

 

 …玄関に靴が多い。現在進行系で誰かいる? ちょっと待ってよ、警察に電話した方が良い系かな… でも、この靴、見たことある。葵と同じ靴、つまり小柄な女性が1人来ているだけ。それなら、何かあっても勝てるか?

 

 ゆっくり、ゆっくり行こう。相手も僕が入ってきたのに気づいてるはず、曲がり角には気をつけていこう。リビングには居ない、となるとどこかの部屋かな。両親には悪いけど、勝手に部屋を見させてもらおう。でも、玄関もリビングも何にも変わってる気がしないんだよね。もしかしたら、僕の杞憂(きゆう)… 靴が勝手に増えるわけないし、杞憂ではないか。

 

 お父さんの部屋、人影なし。ベッドの下には本だけ、クローゼットの中はちょっとの服だけ、窓も閉まってる。この部屋には居ない、お母さんの部屋に行こう。ベッドの下には何もなし、クローゼットは服たくさん、窓は閉まってる。この部屋にも人は居ない、となると僕の部屋かな…? 30分かけて他の部屋は見終わった、間違いない。よし、行くぞ。

 

うぉー! 誰かいるのかー!」

 

 返事はなし、でも絶対にこの部屋にいる。一目見たらわかったんだ、僕の部屋だからね。机の上に知らない袋が置いてある、中を見よう。 …何も入ってない、これから盗むところだったのかな。怖くなってきたけど、ここまで来たんだ。お父さんの部屋から持ってきた木刀もある、探そう。

 

 ベッドの下に木刀を伸ばしたけど、当たった感触はなし。覗き込むのは危ないかも、後ろから襲われるかもしれないし。先にクローゼットを開けよう、開けて入り口まで逃げるぞ。

 

 …いない、クローゼットでもない。他に隠れられる場所としたら… 布団かな、忘れてた。秋だから沢山の布団が重なって盛り上がってるのかと思ったけど、僕が最後に寝たのは夏だもんね。めくるぞ、うらぁ!

 

隠れてるのは誰じゃー!」

…やぁ」

…葵?」

…気まずいね、これ」

 

 布団をめくると、丸くなりながら葵が寝ていた。頭まで布団に入って、両手を胸の前で合わせてお祈りしてるみたいに。 …こういう時、なんて言えばいいのかな。自分の家に不審者がいると思ったら、幼馴染だった時って。目と目を合わせてるけど、逸らしたい。

 

……」

……」

 

 なんて、声をかけたらいいのかな。

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