僕の部屋に忍び込んだ葵を見つけた後、“交渉”を経て学校に行き、帰りに焼肉でお腹を満たして、琴葉家に帰ってきたのが午後1時半頃。リビングでは茜とゆかり
特に荷物はありませんが、部屋のハンガーに帽子をかけるために葵と部屋に入りました。葵は鍵を机においてすぐに出ていってしまいましたが、僕は帽子を取ったので髪飾りをつけてからリビングに戻りました。茜が慌てたように走って来たので何かあったのかとかと思いましたが、ゆかり
今は茜がいませんが偶数人なのでスポーツをしようかなと思ったのですが、断られてしまったので皆のゲームを見ながら勉強しようと思います。僕もゲームはしたいんですが、勉強もしないとなので。別に、提出期限の近い課題があるわけじゃないです。今のうちに勉強すれば来週に沢山遊べるかなって。自分がゲームをするのも楽しいですけど、
用が済んだのか、ゆっくり歩いて茜が戻ってきて、3人はアクションゲームを始めました。こういうゲームはプレイヤーになると中々気付けないんですが、傍から見てると味方の邪魔をしてる人がよくわかります。盛り上がってるなぁ、皆で邪魔しあって。初めのステージから楽しそうです、ゲームが用意した敵そっちのけですよ。
画面が見やすいように少しだけ移動して、僕は勉強を進めます。ずっと声が止まないので、集中は欠片もできません。それに、今勉強しているのは天文学なんですよね。専門じゃないので詳しい内容はやりませんが、面白くて好きです。まるで現実と離れているようで。でも、今はお昼ですから月も星も見えません。ですから、夜空を眺めて考えながら学ぶこともできず… はっきり言えば、今勉強するべきではない気がします。
それでも始めてしまった以上は1つの区切りまでは学んでおきたいので止めません。3人が少し画面を見づらかったようで移動したので、僕も動いて勉強再開です。声を聞きながら進めているのですが、時々、チラチラとゆかり
「蕾ちゃん、ちょっとだけ見ててください。今からゆかりさんがパーフェクトな神プレーで魅せるので」
「はい… … …あの、ミスしてませんか?」
「ま、まだです。この難しいところを一発で完璧に超えてみせま「おりゃ」
「…蕾ちゃんの前でこんなこと言いたくないんですが、葵ちゃん。覚悟しておいてくださ「うおー!」
「…もう許しませんよ2人共!」
…本当に楽しそうです。カッコつけようとしたゆかり
そうなんですよ、僕って今は小さいんですよね。なので、前の3人の体が横に動くとすぐに画面も見えなくなっちゃうんです。失ってから気付くってやつです、もう少し身長、いや座高を伸ばしたい。僕も椅子に座ってるので床に座るよりは高いんですけど、3人共ソファーに座ってるので大して高さも稼げてないんです。体が前に出てって、いつかは床に座るとは思いますけどね、あの3人は。近付いても上手くなるわけじゃないのにね。
ソファーの前にも机はあるんですけど、そこに行っちゃうと邪魔になっちゃいますから行きません。僕の頭が視界に映った程度で何か変わるほど真剣にはやってないと思いますけど、間に挟まると僕はきっとペンを捨ててコントローラーを手に取るでしょう。それに、楽しそうな皆が見えなくなっちゃいますから。
時折3人の背中を見ながら、僕は勉強を続ける。こんな状況で学んでも覚えられるかと言われたら否ですが、楽しさ1番ですから。ある程度勉強できたと思えたら、僕もゲームに混じろうっと。
そのままどんどんと時間は過ぎていって、時計を見たら午後3時。どんどんと過ぎた、というほどは経ってませんでしたか。疲れるほどには勉強できたので、ここからは僕もゲームに混ぜてもらうことにします。席は… 葵とゆかり
コントローラーを受け取って、さぁ頑張ろうと思ったら、葵が立ち上がって僕の前を通っていきました。僕に後ろを取られるのが嫌なのかな、なんて思ってしまったのですが、僕の隣に来たようです。変にスペース空いちゃったし、僕が床に座ろうかな。
「さぁやろう、足並み揃えていくよ」
「断る! くらえぇー!」
「うわっ、こわーい」
「私が守るから大丈夫だよ」
「私も守りますよぉ!」
「…急に仲良くなるやん、さっきまでは全員敵みたいな空気やったのに」
不思議ですよね、でもそれもまたゲームの楽しみ方ですから。争う必要のないゲームですから、平和にやればいいんですよ、僕がいなくても。元々ゲームが上手いわけじゃないんですから、普通にやっても大変なことになりますし。
「あっ! 葵ちゃん、今私のことを狙いましたよね!」
「いや〜? 蕾ちゃん、私は真面目にゲームクリアを目指してるよね? ね〜?」
「…はい、そう思いますよ」
「蕾を利用して悪事を隠そうとしとる、こすいなぁ」
それから、僕達は騒ぎながらゲームを進めていきます。ゆかり
「…そう、こうやって行けばいけるよ」
「葵、ありがとう。助かりました」
「こっちからも行けますよ、簡単ですからこっちのほうがおすすめです」
「うちは真ん中を突っ切るでー!」
「茜らしいですね。私は葵の方から行こうかな」
「やっぱり私について来てくれるよね、蕾ちゃんなら」
「ぐぐぐ…」
何の争いをしてるんだろうか、葵とゆかり
「さぁさぁ、ボスは私が倒しますよ」
「負けないよ、私がやる」
そんなこんなでボス戦まで来て、3人がキャラクターの命を散らしながら後1撃で倒せるというところまでダメージを与えてくれました。端っこでやられないように隠れてたんですけど、そろそろ行こうかな。
「トドメは貰ったでー!」
「ほいっと」
「つぼみー!?」
「…まぁ蕾ちゃんならいいか、楽しそうだし」
「どうやっても私は倒せなかったので…」
いいとこ取り成功です、イェーイ。
「…よしっ、いい一枚が撮れた」
「急にフラッシュたかないで下さいよ」
「ごめんごめん、いい笑顔だったから撮りたくって」
「後で送ってください、待ち受けにします」
「いいよ、送る」
むぅ… 減るものじゃないので幾ら撮られてもいいですけど、恥ずかしいなぁ。そんなに笑っちゃってたかな、引き締めないと。
…いや、引き締めるのも変か。笑ってたほうがいいですよね、遊んでるですから。よーし、もっと笑おう。
時計が4を過ぎても、僕達はゲームを続けていた。