色の変わった星とパステルカラーの姉妹   作:緑雨

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ー明日に向けてー

あかりSide

 

 全員がお風呂を済ませ、もうそろそろ眠る時間。結局あまり勉強していないけど、明日の朝にお客さんが来るから、夜更かしは厳禁。歯磨きを済ませ、葵の部屋に入る。

 

下のベッドを使って。私は、もう寝ちゃうから」

うん、おやすみ。僕も、もう寝るよ」

 

 そのまま、布団に潜り、目を閉じる。布団から、ミント系の、苦手な匂いがする。周りに適当に手を伸ばすと、ぬいぐるみがあった。サメのぬいぐるみ。葵が、置いておいてくれたんだろう。サメを抱きしめながら目を閉じる。

 

 明日は何をしようかな。遊びに来てくれる、茜の知り合いの人をもてなさないと。 …明日、僕は男としてその人に自己紹介をするのか。それとも、別の名前を名乗って、女の子として自己紹介するのか。

 

 悩んでいても仕方ない、か。明日にはもとに戻っていますように。そう願いながら、眠りに就いた。

 

 

葵Side

 

 2段ベッドの上で、私は考える。一応、下にあかり君がいる。多分、もう眠っている。ベッドで寝ながら、スマホを見る。

 

 ネットで軽い調べごと。『娘が恋人を連れてきた時の父親の対応』。これだ、こういうのだ。

 

 ただ、明確な結論は出なかった。話も聞かずに追い返したり、交際を禁止したり、制限をかけるのはよくない。そんな当然のこと。

 

 結局は、その相手次第。私は、お姉ちゃんに相応しい相手なのかを、1日かけて見極める。ただ、それだけ。そう、それだけなんだ。

 

 私なら出来る。あかり君は相手が女の人だと思うって言ってた。だけど、お姉ちゃんにもそういう素質があるのかもしれない。女だとしても、男だとしても。私は、その人を見定めないと。決意を胸に、眠りに就いた。

 

 

茜Side

 

う〜ん?」

 

 うちには、なんでこんなことになっているのかわからなかった。うちは、ミコト姉と電話しながらコーヒーを作った。そしたら、葵がうちに恋人が出来たと勘違いした?

 

 確かに、ミコト姉は声が低いなぁとは思う。でも、うちは葵さえいればええから恋人なんて作らんし、もし恋人を作ったとしても葵に隠したりせーへんけどなー?

 

 まぁ、ええか。明日、ミコト姉が来て説明してくれるんやろうし。あ、そういえばゆかりさんも来るんだっけ。2人にゆかりさんのことを伝え忘れたけど、別に大丈夫よな?

 

 明日は皆で遊ぶぞ〜! 勉強は嫌や〜! 楽しさに胸踊らせながら、眠りに就いた。

 

 

ミコトSide

 

 葵さんの勘違いのおかげで、私は茜の家を知る機会を得た。折角出来た妹分、大事にしないとね。別に、今の妹が嫌ってわけじゃないけどね?

 

ミコト、変な顔してる。なんかあったの?」

なんでもないよ。そうだヒメ、明日、朝からちょっと妹分の家に遊びに行ってくるね」

…え、他の人に妹になれって強要したの?」

少し頼んだら、お姉ちゃんって呼んでくれたんだよ。ヒメも、ミコトお姉ちゃんって呼んでくれてもいいんだよ?」

…その人に、謝らないとね。私もついて行っていい?」

わからないけど、学校で待ち合わせだから、そこまで来る?」

うん。菓子折り持って行くね」

 

 なんでヒメはそんなに茜に謝ろうとしてるんだろう? わからないけど、明日持っていく用の梅を用意してから、梅の香りに包まれながら眠りに就いた。

 

 

ヒメSide

 

 姉の尻拭いをする妹の気持ちがわかるか、姉よ。なんで私がお姉ちゃんと呼ばないのかわかるか、姉よ。鳴花ヒメの気持ちがわかるか、ミコトよ。

 

 別に、お姉ちゃんって呼ぶのが恥ずかしいとか、嫌とかってわけじゃない。でも、学校で〝梅星人の妹〟ってイメージをクラスメイトに持たれたくない。

 

 私も梅は好きだよ、大好きだよ? でも、頭で梅を育てようとは思わない。3食梅料理は流石に飽きる。飲み物まで梅味になったときは耐えられかった。

 

 あそこまで何かを大切に思えるのは才能だと思う。でも、もう少し抑えて欲しい。学校でもずっと梅の話をしているのは、流石に変。妹として恥ずかしい。

 

 私でさえそう思うのに、自分からミコトの妹になる人がいるとは思えない。きっと、なにか弱みを握られて無理矢理お姉ちゃんって呼ばされてるに違いない。

 

 そうでもなく普通にお姉ちゃんって呼んでるなら、その人も変な人なのか、ミコトのことを思ってくれたよっぽどのお人好しなのか。どちらにせよ、お礼と謝罪をしないとね。

 

 明日の準備を済ませて、梅以外のお詫びの品を用意して、寝た。

 

 

ゆかりSide

 

 あ〜した〜、あかりと〜、あおいちゃんに〜、あ〜える〜!

 

 私、結月ゆかり。勇気を出して、町を飛び出し頑張ったけど、(みんな)が恋しくなって帰ってきた。決して、寂しいとか、知らない人が怖かったとか、そんなことじゃない!

 

 明日は何を着ていこうかな? やっぱり紫の服と、お気に入りのパーカーかな? 明日持ってく物も確認しとかないと。町の外で買ったお土産と、皆で遊ぶ用のゲームでオッケーかな?

 

 よし、明日が楽しみですね。あかりも、葵ちゃんも、きっと私のことを待っていてくれているはず! 久し振りの再開だし、ワクワクするなぁ。

 

 

 

 ワクワクしすぎて、ちょっと寝るのが遅くなった。

 

 

 

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