主人公はヴァーリと同じく旧魔王の血を引き、神器を宿しています。
まだ、聖書の三大勢力が講和条約を結ぶよりも少し前にできた出来事ーーー
「見つけたぞ!逃がすな、殺せぇぇぇ!!」
「真なる魔王の恥晒しめ!!」
旧魔王の血族が住まう悪魔領と堕天使領の間にある大きな森の中で、旧魔王に仕える悪魔達が眼を赤く血走れさせながら、誰かを探していた。
「ーーーハァハァ。もう嗅ぎつけてきたか」
「そうですね、坊ちゃん。どうしますか?このまま、捕まりますか?」
悪魔達に見つからないよう、洞穴に隠れて、様子を伺う裕福そうな服を纏った少年とメイド服を着た少女の二人
彼らこそ、悪魔達が探している張本人である。
「ついに、クソ親父に、俺たちが
「シャルバ様は、聖書の神由来のものを嫌ってますからね。ただでさえ、私達は
そう言って、メイドの少女が、少年を庇うように立ち上がる。
「アカリ!何のつもりだ!!」
「クロト様ーーー幾ら戦闘に特化した
「巫山戯るな!!幾ら、お前が戦闘しかできない駄目メイドだからって、それこそ、多勢に無勢だ!」
「何故、ここでディスるかは置いておいてーーー理由は簡単です。私一人だけなら、何とか逃げ切れます。けど、貴方というお荷物がいると追いつかれます。貴方に死んでほしくないーーー例の人に会えれば、少なくとも無事に逃げられるでしょう。私も直ぐに追いつきます。だから、逃げなさいーーークロト」
そう言って、メイドの少女は自身に宿る
「早く、逃げろよーーー」
自身の従者である少女であるアカリ・M・ハルファスの無事を願いながら、少年、クロト・ベルゼブブは少女と反対方向の堕天使領へと走っていった。
それが、少年と少女の最後の別れだった。
それから、十年後ーーー
『貴様が、
「ーーーそうだと言ったら?」
とある国の廃病院で、二人の男が対峙していた。
一人は、白衣を纏った狂気じみた笑いを浮かべる中年の男
もう一人は、その男に黒い大型のリボルバー銃を突き付ける黒衣の青年
『フフフ。
「ノーコメント。今から、死ぬ奴に言う義理はないーーー」
そう言って、引き金を引く。引き金を引かれたリボルバーの銃口からは銀の弾丸が放たれる。
『舐めるな、小僧!!私の真の姿に恐れ、慄け!!!』
中年の男が独特のポーズをとると、男の体が光輝く。
思わず、青年は眩しさに眼を瞑る。
そして、眼を開けるとーーー
『見よ!!私が肉体を!!!貴様の弾丸など、いとも簡単に弾くわぁぁぁぁ!!!!』
全身が黒光りとなった牛のような化け物ーーーミノタウロスが現れた。ミノタウロスの身体に銀の弾丸が直撃するも、あまりの硬さに弾かれた。
「メンドクセェーーー」
間髪入れずに、何発も銃を放つもーーー黒光りの身体に弾かれ、別の場所に着弾する。
『無駄だ!!私の身体は総ての物理攻撃や魔法を弾く。あと、
そう言って、今度は青年に向かって殴り掛かってきた。
動きが単純なので避けるも、衝撃の余波で近くの壁に吹っ飛ばされる。
「グッ! 直撃すれば、骨の一本か、二本が折られて使い物にならなくなるーーーメンドクセェな!!」
青年は、手にした銃をミノタウロスに投げる。
『ハハ!!自棄になって、自身の武器をナゲルとはーーーこれで、オワリダァ!!!!』
ミノタウロスが、青年にトドメの一撃を入れようと迫る。
だがーーー
「
突然、大爆発が起きた。
その余波で迫ってきたミノタウロスが巻き込まれーーー
『グモモモォー!!!』
爆炎に飲まれていた。
「ーーー放り投げた銃は、特別性でね。俺の合図で爆発する仕組みとなっている」
そう言って、壁に吹っ飛ばされていた青年はゆっくりと立ち上がる。
『ロックマン』に登場するロックバスターような大きなバズーカを形成し、爆炎に苦しむミノタウロスに近づく。
バズーカに膨大な魔力が収束させながらーーー
そしてーーー
「じゃあな、はぐれ悪魔ーーー
ミノタウロスの顔面に、収束させた魔力を砲撃として放つ
砲撃をモロに受けたミノタウロスは、叫び声が挙げることなく、その魔力砲に巻き込まれて消滅した。
消滅を確認後ーーー青年は転移魔術を起動し、その場を後にした。
その後、廃病院は大爆発を起こして崩壊した。
「クロトーーー何とかスマートに始末できなかったか?」
「弾頭が素直に通れば、俺だって、そうしたかったさ。ミノタウロスに変身するとか、正直無いわーーー」
「反省の色はゼロとーーーとりあえず、この事件を揉み消すのに掛かった費用は、お前の給料から引くからな」
「巫山戯んな、ブラック上司!!元はと言えば、アンタが部下の手綱を握ってなかったから、起きた事件だろう!!」
「其れはそれーーーとりあえず、この爆発事件で負傷者がいないことが救いだがなーーークロト」
「何だよ、アザゼル。こっちは、あんたの押し付ける仕事でしばらく休みを取ってねえんだ。休みを取らせろ!!」
アザゼルが、イヤらしい笑みを浮かべながら自分の名前を呼んできたことに嫌な予感を感じるクロトーーーこういう時のアザゼルは、碌な事を言わないためだ。
「まぁ、ある意味は休暇だろうーーー日本へ行け。場所は、ヴァーリ達が住んでいるマンションだ」
「ヴァーリが?何か事件が起きたのか?」
ヴァーリ・・・二年前にアザゼルが保護したクロトにとっては生意気なガキーーークロトと同じ魔王の血を引いており、
本部にいる筈のヴァーリが、日本へいることから、自分がいない間に何か事件が起きたのではないかとクロトは考えた。
「嗚呼。修学旅行に来ていたとある高校の生徒、先生達が乗っていた豪華客船の沈没事件に巻き込まれて、失踪した」
「失踪?遺体とかは何にも無かったのか?」
「嗚呼。表向きには、死んだという事で処理されている」
「裏は違う。異形関係かーーー日本って事は五大宗家が関わっている可能性が高いーーー」
「嗚呼。サタナエルの件もあるーーーそれに、その修学旅行に行かなかった生徒達はーーー全員、
「四凶だと?益々、きな臭さいなーーー」
「あと、
「完全に黒だなーーー俺は、そいつ等の護衛をしながら、今回の事件に関わっている関係者を調べればいいか?」
「嗚呼。あと、お前に見せたいものがあるーーー」
そう言って、アザゼルは一枚の写真をクロトに渡す。その写真を見たクロトは絶句した。
「・・・アカリ。間違いないのか?」
「嗚呼。お前さんのメイドだった嬢ちゃんは生きている。【妖刀姫】ていう二つ名を持っているという違いはあるがな」
「【妖刀姫】?確かに、アカリは俺に刀を使った戦闘術を教えてくれたけどーーーそんな、二つ名がつくほど目立った活躍はしてなかったぞ」
そう言って、自身にとっては姉とも呼べる大切な存在。確かに、強かったが、メイドのくせにサボり癖が酷く、逆に自分が家事をマスターしていった程にズボラだけど、それでも一人だった自分に寄り添ってくれた人ーーー
あの夜の時に死んだと聞かされていた筈だった。
「何で、アカリがーーー」
「分からん。だが、今回の事件を追っていた部下が、ある組織を調べていた時に、その組織の者と接触していたらしい。部下が気になって、その人物を調べてみたら、お前がいっていた子に当てはまる部分が多かった。写真も取れたから、お前に見せてみたが、案の定当たりだったか」
「今回の件にアカリも関わっている?」
「分からん。だが、今回の事件に関わっている以上ーーー」
「関係ねぇよ。アカリは、俺が助ける。もう、あの夜の未熟で非力だった俺じゃないーーーアカリ、待ってろよ。魔銃を統べし王がお前を迎えに行く」
そう言って、クロト・・・黒羽黎斗は自身の最愛の存在であるアカリを助ける事を決意するのであった。
これは、後に魔銃王と呼ばれる魔王の血を引く青年が、最愛の存在である妖刀姫を巡り、様々な勢力と戦っていく物語である。
黒羽黎斗ことクロト・ベルゼブブが最愛の存在であるアカリ・M・ハルファスを取り戻す為に奮闘します。
今作は堕天の狗神 -SLASHDØG-に、焦点を当てた作品です。ハイスクールD×Dまで行くか分かりませんが、行けるところまではいきます。現在、投稿している【七星の英雄龍と神獄の魔神】と違い、不定期投稿となります。
次回も、お楽しみに!