ウマ娘に生まれ変わりまして   作:未確認大将ぬらりもん

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作者です。
1話では、初登校、いえ初投稿ながら
それなりの評価をいただきました。
なのですこしゴキゲンです。
このまま続いたらいつか誰かが
ファンアートでも描いてくれるかなと
秘かに期待しつつまたキーボードを取りました。
ここから、主人公の第二の人生に
より深く触れていきます。


今を共に進む

5月になったばかりの、

ほんのり暖かい陽光の中。

開いた大きな門からまだ静かな学校へ、

金色と青色の2人がもつれるように飛び込んだ。

先頭は金のウマ娘。

 

「い…いち、ばーん!」

 

息を切らしているのに、

その言葉は私の喉の奥からはじけ出てきた。

 

走ることが、前世の記憶の中よりずっと好きだ。

大きかったヒトの体よりも今の自分のほうが、

ずっと自由で、ずっと速いからだろうか。

 

「また…負けた…やっぱり、強いね。ライト。」

 

そう悔しそうに言う後ろのは私の友人だ。

同学年の友人であり良きライバル、

鮮やかな群青の毛を持つ穏やかな少女。

名前は『スターナイト』。

なんだか運命的な繋がりを感じる名前だ。

家が近所で、小学校に入る前、

たまたま私がランニング中に

彼女が疲れてヘロヘロだったところを助けてから

一緒にいることが多くなった。

あだ名は「ナイトちゃん」だ。

 

「ナイトちゃんも、速かったよ…

 追い越されそう、だった。」

 

本当に僅差だった。

前はひどい息切れをしてだいぶ遅れていたのに、

今は並んできている。

油断したら、簡単に追い抜かれてしまうだろう。

 

そう話している間に、もう二人が駆け込んできた。

 

「お姉…ちゃん、速いよ…」

「うう…追い、つきたい!」

 

妹とその同級生だ。

同級生の名前は、『サニーフューチャー』。

紅色の毛をもつ、褐色のウマ娘だ。

あだ名は「フューちゃん」。

妹の友達で、時々家に遊びに来る。

マイペースな妹を助けてくれる、

空回りもするくらい元気な頼もしい子。

なんだか娘を見ているような、

不思議と応援したい気分になる。

前世で娘がいたわけではないけれど。

 

「お姉ちゃんだからね。もっと速くなるけれど、

 3人とも、油断できない相手になるって思ってる」

 

妹たちが私に比べて強いのも本当だ。

タイムを計って今日もノートに記録しているが、

去年の私のタイムより、

今年の妹たちのタイムのほうが少し速いのだ。

伸びしろも考えると、ライバルとして油断できない。

とはいえ、二人とも可愛くて好きなのだが。

 

「ウマ娘班の到着ですね。

 今日も早い。素晴らしいです。」

 

腕時計を見ながら出てきたのは、

ラフなカッターシャツにネクタイを締め、

いつも通り、透明なカバーのメモ帳と

黒いペンを両手に携えた男。

『風見 進之助』という名前で、

私とナイトのクラス担当の先生だ。

分析好きの残念なイケメンといった印象だが、

私たちの成長を面白がる協力者だ。

学校の備品から様々なものを貸してくれたり、

学校内でトレーニングを監督してくれる。

 

「おはようございます、風見先生!」

「「お、おはようございます!」」

 

「今日も元気ですね。嬉しい限り。

 名ウマ娘になるのがすごくすごく楽しみです。」

 

この変な男が毎日言っている口癖だ。

にっこりとした顔、落ち着いた声でも、目は真剣。

私がノートに書き込んだタイムを

手帳に書き込んでいく。

 

「タイムがより速くなっていますね。

 昼のトレーニング項目の参考になります。」

「ありがとうございます、風見先生。」

「これからも、速くなりましょう」

 

そう言い、書き終えた風見先生は

綺麗なフォームで走り去っていく。

客観的に見れば怪しい男だが、

私が1年の時から何かと面倒を見てくれている、

信頼できる人物だ。

…それにしても、風見先生は

ただのウマ娘ファンなのだろうか?

詳しく聞こうとしても、「ヒミツです」と

あまり教えてもらえなかった。

 

「…いこっか」

 

その後、私たちはそれぞれの教室に向かった。

ランドセルをしまってすぐにグラウンドへ行って、

4人で外周を雑談しながらまた少し走る。

これも日課といってもいい。

 

最初は私が1人でやっていたが、

3人は自然ときてくれた。

静かなグラウンドで、

勝ちたいレースの夢だったり、

憧れているウマ娘の話だったり、

かと思えば趣味の話だったりする。

この時間が、一番楽しい。

 

しかし、前世の記憶の中のウマ娘について

調べたことがあるが、出てこない。

ほかのウマ娘たちはまだ活躍前なのだろうか?

トレセン学園に進学したら、

競うことになるだろうか。

共に切磋琢磨できるとしたら、

どれほど嬉しいことだろうか。

 

「ライト、どうしたの?」

「なんだか、トレセン学園が楽しみで。」

「まだ先なのに?」

「うん。きっと、すごいウマ娘がたくさんいるから」

「そっか。私は、たくさん頑張って、ライトにも勝ちたいな。」

「すぐ負けちゃわないように、私はもっと頑張るよ」

 

ナイトは本気の目をしている。

すぐに私を超えて行ってしまうかもしれない。

それでも、簡単に負けたくない。

 

「私だってお姉ちゃんに勝つもん!」

「全員に勝てるくらい、強くなる!ラッちゃんにも!」

 

後輩たちもやる気十分だ。

その気迫に負けないように、

朝礼の時間が迫るまで全力で走った。

 

そして、それぞれ教室に戻る。

いつも皆、水筒とタオルを持ってきているので、

人が揃ってきた教室の中でクールダウン。

ウマ娘の匂いは気にならないらしい。

今日は参観日。

朝の母の顔が浮かび、気が引き締まる。

 

─お父さんは元気だろうか?

仕事で家を空けることが多い父だが、

家族のイベントの時は必ず来てくれる。

少しぶりに会うのがちょっとだけ楽しみだ。

 

朝の予鈴が鳴る。

今日も学校がはじまる。




昼の予定が夜になってしまいました。
申し訳ない。
主人公の周りの人物を軽く説明するつもりでしたが、
思ったより読みづらいかもしれません。

彼女たちにとって、プラスライトはどのような存在なのか。
プラスライトと周りの人物たちはどう影響しあっていくのか。

風見先生は怪しいですが善人です。
彼について深堀りの予定は今のところないですが、
余裕があればそのうち書きたいですね。

次の話はライトの家族について書きます。
しばらくお待ちください。
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