ウマ娘に生まれ変わりまして   作:未確認大将ぬらりもん

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みなさん、どうもごきげんよう。
作者のぬらりです。

最近子供のころを思い返しているんですが、
すごい偏屈で生意気だった記憶ばかりで、
事実、親や周りにたくさん苦労を掛けました。
それでもちゃんと育ててくれたという事実があって、
私は今こうしてしっかりした語彙で
このシリーズを書き綴れています。

大人になってから気付くんですが、
それってすごく恵まれたことだったんだなあと
しみじみと思います。

皆さんにはこの気持ち、伝わるかな?伝わるといいな。

そんなぽわぽわとした気持ちで、
ライトちゃんの家族も書かせていただきました。
お楽しみください。


背中を押すヒト

朝のトレーニングの

熱が醒めてからだいぶ経ち、

3限目が始まろうとしている。

いつもより大人の多い教室。

私たちのクラスは、

国語の文学作品の音読の授業だ。

 

「ライト。」

 

穏やかな声で母が呼び、

顔を向けた私に小さく手を振る。

すこし頬が緩んで、手を振り返してしまう。

それと同時に、授業の鐘が鳴った。

 

「ライト、授業が始まるよ」

「ありがとう、ナイトちゃん」

 

隣の席のナイトに言われ、

まだ何も書かれていない

正面の黒板に向き直る。

 

教科書の文字が一文ずつ、

まだ幼さの残る声に読み上げられていく。

 

そろそろ来ないかな。

 

そう思いながら、

句読点で句切りながら一文ずつというルールで

音読されていく場所を指でなぞる。

席が3つ前のところまで順番が来た頃、

教室の外からの音を長い耳が捉えた。

 

『ドタドタドタッ。』

 

廊下のほうから忙しく走る足音が

こっちに近付いてきている。

 

『すみません。』

 

誰かとぶつかりそうになったのかな。

お父さんはあわてんぼうだから。

 

相変わらず元気そうで、ほっとした。

 

 

「遅くなりました」

 

クラス担当の風見先生に

無理に落ち着きを装って挨拶し

静かに教室の後ろに回っていく、

真面目で穏やかな印象の、体格のいい男。

それが私の父。

出張で国内をあちらこちらと飛び回り、

ウマ娘の記事を書いている記者だ。

 

母とはとあるウマ娘のファン同士として出会い、

結ばれたと母から聞いている。

 

今更だが母の名前は「プラスホープ」。

希望を与えるという意味そのまま、

元気で素直な母を表していると思う。

重賞にたくさん勝ったわけではないらしいが、

自慢で今の目標でもある母だ。

 

父の名前は「加藤 正吉」。

正しく吉をもたらすという名前。

印象通り真面目な善人。

母が言うには、

裏切ることはまるで、一切できない人だとか。

記者としてもその点は変わらず、

ウマ娘の意思を第一に考えた記事を書くらしい。

 

父と母の名前をちゃんと知ったときは、

私たち姉妹の名前の理由が、

なんとなくわかった気がした。

 

だいぶ前に両親に、

前世の記憶と夢について少し話したこともある。

私は信じてもらえないと思っていたけれど、

二人はいつになく真剣な顔で聞いてくれた。

「ライトは私の子だから。大丈夫。

 それに、強くなる理由がもうあるって

 とってもすごいことじゃない!」

「そう。絶対に変わらない、大事な娘だ。

 お父さん、強くなるなら全力で応援するぞ。

 一緒に頑張ろうな!」

と言ってくれた二人の優しく力強い笑顔を、

忘れた日はない。

 

 

「ライトさん、あなたが読む番ですよ」

「は、はいっ!」

 

風見先生に呼ばれて我に返る。

いけない。順番が回ってきていた。

さっき注意してくれたのにごめんナイトちゃん。

 

「彼女は愛する存在を背負いながら、

 追いかける兵士を払いのけ、

 高い丘さえ深い川さえ駆け抜けたのだった。」

 

自分の番は終わった。

もともと読書は好きだったし、

登場人物の声や気持ちを想像することも好きだ。

そこから癖で音読も力を込めてしまう。

なんとなく、またふと振り返ると

父は母の隣にいて、

満面の笑みでこちらを見ていた。

なんとなく恥ずかしく、

視線を逸らしたくなって、

また正面を向いた。

 

嫌いではないけれど、

不思議な気持ち。

家ではそんなことはないのに。

 

そんなことを考えていると、

授業参観の保護者の人々は

別のクラスへと移りだした。

その時、ナイトがこっそり

両親と手を振り合っていたのを見た。

 

「ナイトちゃんも、

 お母さんたちが好きなんだね」

「…うん。優しくて、かっこいいから。」

 

この一見クールな幼馴染も、

素直で可愛い少女だなとこういう時に思う。

 

「ナイトちゃんはかわいい」

「ライト、授業中だから。もうおわり。」

 

気の置けない仲だからと遠慮なく、

つい私の口が動いてしまう。

ナイトの表情が時々変わるのが面白くて、

私はついなんでも言ってしまうのだ。

 

父と母は今頃、

ラッキーたち一つ下の学級を見ているだろうか。

そういえばラッキーの人付き合いはあまり知らない。

見かけたら観察してみよう。

 

授業が終わる鐘が鳴った。

短いが休憩の時間。

保護者の人々、父や母はもう帰ったらしい。

 

トイレを速やかに済まし、

次の授業の授業の教科書とノート、

それと国語のノートを机から出す。

次の授業は算数だが、

私は計算方法を知っているし、

公式と単語をノートに写し終わったら、

残った時間は文字の練習に充てている。

前世も今世も文字が下手なので、

今のうちにたくさん練習しておきたい。

 

他の授業でも同じように、

文字の練習をしている。

それが私の授業スタイル。

さすがに理科の実験の時間ではできないけれど。

 

 

その授業スタイルで次の授業も終え、

お腹と、お昼休憩の鐘が鳴った。




『無条件に、いつだって味方。』
そんな父と母。そしてその娘たち。
恵まれているといえばそうです。
平凡だけれど特別、そんな家庭です。

現在は主人公視点で物語が進んでいますが、
他の少女たちの視点でも
彼女たちを語っていきたいと思っています。
もちろん近いうちに。

授業パートについては、申し訳ないですが
今後ピックアップする予定は今のところほぼないです。
テスト、遠足、運動会、プールぐらいの
メジャーなイベント中心になりそうです。


次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。


プラスライトのヒミツ①

実は、真っ暗でないと眠れない。
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