オーバー×フロンティア   作:牡羊様

14 / 64
最近小説を書く事のモチベがゴリゴリ減っているのを感じます……


おのれダー〇ィン!!

おのれダー〇ィン!!!

全身黒鎧の大男ととても顔が整った黒髪のポニテ。そして喪服を来て身長に合わない墓石のような大剣を持つ少女がカウンターの前に立っていた。

 

「すまない、仕事を探しているのだが?」

 

「でしたら、あちらの張り出されている羊皮紙からご依頼をお選びになってこちらまでお持ちください。」

 

受付嬢はモモンの問いに慣れたように返す。

 

俺は文字が読めねぇからここはモモンに任せるか……

 

サンラクはカウンターの前に残り、モモンは羊皮紙が貼られた掲示板の前へと立つ。手頃な依頼を見つけたのかカウンターへと羊皮紙を持ってくる。

 

「これを受けたい」

 

受付嬢はその紙を見てから少し困った顔で言う。

 

「……申し訳ありません。こちらはミスリルプレートの方々の依頼でして……」

 

ドンッ!!という音が響く。

 

うおっ、いきなりなんだ?

 

その音はモモンがカウンターを手で叩いた音であった。

 

「……私の後ろにいる連れ…彼女は第3位階魔法の使い手だ。そして私も彼女に匹敵するだけの戦士……それでもダメか?」

 

第3位階魔法?何だそれ……魔法に等級みたいなランクがあっただろうか?少なくとも旧大陸や新大陸では聞かなかったな……ここ、つまり新マップの新要素か?

 

サンラクは周りの冒険者がヒソヒソと喋っているのに耳を傾ける。

 

「あの若さで第3位階魔法が使えるのか……」

 

どうやら第3位階魔法というのは珍しいらしい。ポニテ……ポンコツだが実は凄い奴だったのか……?

 

そう思ってモモン達の方を向く。 

 

受付嬢は頭を下げてモモンに謝っていた。

 

「申し訳ありません、規則ですので……」

 

「…………仕方ない、わがままを言ったようで悪かった……では掲示に出ているもの以外に銅のプレートで一番難しい仕事を適当に見繕ってくれないか?」

 

「あ……はい、畏まりました。」

 

受付嬢は再度頭を下げて依頼を探している。

 

やけにあっさり引いたな……台パンするぐらいにはもう少し無理を通すと思っていたが……もしかして俺が寝坊したから不機嫌に…?!

 

ん、何かモモン。今ガッツポーズしなかったか?

 

そこで後ろから声を掛けられる。

 

「それなら…………」

 

「あん?」

 

「私達の仕事を手伝いませんか?」

 

おいモモン。明らかにドスの効いた声で反応をしたのを俺は見逃さなかったぞ。

 

――――――――――――――――――――

 

「私はこのパーティ、 漆黒の剣 のリーダー…ペテル・モークです。」

 

俺たち3人は漆黒の剣という冒険者パーティに声を掛けられ、場所を移動し話していた。

 

「あちらが野伏(レンジャー)のルクルット・ボルブ

彼は森祭司(ドルイド)のダイン・ウッド・ワンダー

そしてチームの頭脳であり魔法詠唱者(マジックキャスター)のニニャ……術師(スペルキャスター)

 

ペテルという男がチームメンバーを紹介していく。

 

ポニテと俺を見てさっきからウィンクを何回も飛ばしてくるチャラ男ことルクルット。

 

何か小さいときに見た自然を紹介する番組のキャラクター、確か……何だっけか…そう ダー〇ィン に似た大男 ダイン……名前も何か似てんな。

 

そして中性的な顔立ちで1人だけ紹介文が長かったニニャと呼ばれた男?

 

そしてその紹介が不服だったのかニニャはペテルをジト目で見ていた。

 

「ベテル……その恥ずかしい2つ名やめませんか?」

 

2つ名ってのは スペルキャスター ってやつか?

 

「2つ名持ちなんですか?」

 

モモンも疑問に思ったのかそう聞く。

 

「そ!タレント を持っていて天才って言われる有名なマジックキャスターなんだよ、こいつ。」

 

モモンの疑問にルクルットが答える。

 

「ほう。」

 

タレント?これまた初めて聞くな……モモンの反応を見るにモモンは知ってるっぽいな……ここは聞いてみるか?

 

サンラクはそう思って右手を上げて質問をする。

 

「あの、タレントってなんですか?」

 

俺のその言葉に場がシン…とする。

 

え、何?何で黙んの?

 

「……えっとぉ、何か変なこと言っちゃいました?」

 

俺は気まずそうに言う。

 

「あ、いや……そういう事じゃないですが、タレントを知らないっていう人は珍しいもので…」

 

どうやらタレントの意味は義務教育らしいな。

 

「すいません……遠くから来たもので…」

 

「そうでしたか……それはしょうがないですね。」

 

「えっと、タレントというのはですね……」

 

そこでペテルの言葉はルクルットに遮られる。

 

「タレントってのは、簡単に言っちゃえば 生まれながらの異能 って意味だよ。」

 

ふぅーん。言っちゃえば固有スキルみたいなもんかな?そんな凄いようには感じないけどな。

 

「例えばどんなものなんでしょうか?」

 

サンラクは更に問う。

 

「こういうのって言っちゃっていいんだっけか?」

 

チャラ男はニニャの方を見る。

 

ニニャは俺の方を向き直って喋る。

 

「わたしの生まれながらの異能(タレント)は 魔法適性……魔法の習熟が早まるタレントです。通常なら8年かかるところを4年でマスターすることが出来ます。」

 

へぇー……凄いのかがイマイチ分からん。魔法の習得に8年も掛かる時点でどうなんだ?エムルのときは本を買って覚えさせるだけで習得していたようにも感じたが……

 

ま、ここは空気を読んで話を合わせてた方が感じは良いだろ。

 

「それは凄いですね…!」

 

俺は目をキラキラさせながら言う。

 

「まぁ、私よりもずっと有名なタレント持ちがこの街には居ますからね」

 

俺の反応にむず痒さを覚えたのか俺から目を逸らしてニニャは言う。

 

「バレアレ氏であるな!」

 

ダー〇ィンが言う。

 

「バレアレ?」

 

モモンが言う。

 

「ンフィーレア・バレアレ 名の知れた薬師の孫に当たる人物で彼が持つタレントは ありとあらゆるマジックアイテムが使用可能という力です。使用制限で人間以外しか使えないアイテムでも使えるんですよ」

 

「ほう……」

 

え、それって結構エグくないか?つまりレベル制限の掛かってるアイテムも使う事ができる。それどころか制限を無視するって事は俺が着てるR.I.Pも男のままで装備できる?全世界のネカマプレイヤーが喜んじまうよ。

 

まぁ、冗談はさておき、そうだな……装備する時に一定のヴォーパル魂が必要な勇魚兎月もヘタレ魂で装備可能か。

 

タレント……固有スキルって言っても、もしかしてゲームの仕様を根本から砕く能力、みたいなものなのか?ヘタレエルフ族の何処でもセーブゾーンや聖女ちゃんの未来予知、みたいな物か…。結構エグいかもな。

 

サンラクがそう考えているとペテルが話し始めた。

 

「そういえばまだお名前を伺っていませんでしたね…お願いできますか?」

 

モモンはそれに頷き自己紹介を始める。

 

「私はモモン。こちらは仲間のナーベだ。チーム名は漆黒。」

 

そしてモモンはこちらを向き無言で合図を飛ばす。

 

「……私はミラクです。チーム名は仇討人。えっと…色々ありまして今はこちらの漆黒の紐をしています。」

 

「ヒモ?ですか。ミラクさんは違うパーティだったのですね」

 

「はい。」

 

「へぇー、つまりソロってこと?…良かったら俺と組まない?」

 

チャラ男が俺の手を掴んで言う。

 

そしてそのチャラ男の頭にチョップが突き刺さる。

 

「いでッ!」

 

「すいません。ミラクさん。」

 

「つてて…冗談だってのに」

 

ペテルが間に入って謝る。

 

「あ、いえ。大丈夫です。」

 

俺は苦笑いで答える。

 

ここに来てから口説く輩が多いな。俺は男だっつぅの。

 

そして話を変えようとペテルが喋る。

 

「それで…仕事内容なのですが、街周辺に出没するモンスターの討伐です。協力してくれますか?」

 

「問題ありません。ミラクは?」

 

「大丈夫です。」

 

俺たちがペテルの問に頷くとダインが喋る。

 

「モモン殿、ミラク殿…一時とはいえ共に旅をするのであるのなら顔を拝見してもよろしいか?」

 

サンラクはヴェールの中、露骨に嫌な顔をする。

 

人に顔見られんのかよ…別に良いけど何か嫌なんだよなぁ……。

 

ゲームの中って言ってもプライバシーは守られるべきだと俺は思うね。

 

そう考えているとモモンが了承したのか顔の鎧を取った。

 

「「……」」

 

へぇ、そんな顔してたのか……黒髪に黒目…なんて言うか……30から40ぐらいの普通のおっさん…って感じだな…。

 

「…意外と歳いってるな…」

 

チャラ男が言う。

 

「失礼ですよ。」

 

ニニャがチャラ男を注意。

 

そして次は俺の番、と言わんばかりに視線が俺の方へと向けられる。

 

やっぱ顔晒さないとダメ?そうですか、ダメっすか

 

俺の問いかけに答えるのは場の雰囲気。

 

はぁ……分かったよ。見せてやるからあんま変な事言うなよ?

 

――――――――――――――――――

 

喪服少女がヴェールに手をかけ顔を晒す。

 

ミラクがヴェールを上げると場がシンとなりミラクの顔に注目が集まる。

 

チラチラとは見えていたがこんな顔をしていたのか……ショート気味の赤毛に灰色の目……内のNPCみたいに整った顔だ……

 

ナーベラルやアルベドにも引けを取らないんじゃないか?

 

ミラクは気まずそうに目を背けている。

 

「あの…!…もういいですか?」

 

「……あぁ、かたじけない。」

 

言ったのはダイン。ダインの言葉で喪服少女はヴェールをまた下ろす。

 

――――――――――――――――――

 

ふぅ……やっと終わったか……。何故だか凄い汗をかいた。

 

やっぱり素顔を晒すとなると、何か俺の中の陰のものが凄い拒絶反応を催す。

 

ヴェール最高!覆面最高!!

 

「……普通に…凄く可愛かったな……。」

 

チャラ男が何やらこちらを指さしてニニャに話していた。

 

おぉい、聞こえてんぞ〜。可愛いって素直に喜んでも良いものか。

 

「……そうですね……でもあまり迷惑のならないように。」

 

ニニャがジト目でチャラ男を見ている。

 

「くっ……どうやら俺のハートはミラクちゃんとナーベちゃんに奪われちまったらしい……」

 

「それここにいる受付嬢にも言ってませんでしたか?」

 

「いや、あれは酔った勢いっていうか」

 

「シラフでしたよ?」

 

「ゴホン……顔合わせも出来たようですし、早速出立しましょう。」

 

チャラ男とニニャの会話をペテルが遮る。

 

そして全員が頷き立ち上がろうとした所で横から受付嬢が話しかけてきた。

 

「あ、あの、ご指名の依頼が入っています。」

 

それはモモンに向かって言っていることからモモンが指名されたのだろうか?

 

そして受付嬢でもないここにいなかった第三者の声がモモンに掛けられる。

 

「初めまして。僕が依頼させていただきました。ンフィーレア・バレアレです。」

 

噂をすれば何とやら、だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。