「……ここは?」
そこは見渡す限り草原が広がっている場所。
草原か?シャンフロにこんなとこあったけか?新マップ?
そういえば亀裂に触れて気付いたらここに…。転移したのか?
そう考え込んでいると明らかに生物のソレであろう鳴き声が耳に届く。
「ゲヒャヒャ!」
何だ?
サンラクは鳴き声の主を見る。
なんだ?ゴブリン?それにしては肌の色が緑じゃない。黄色味のかかった少し濃い肌色?オーガ?
サンラクは今までの経験からモンスターの種類を予測するがどのモンスターにも微妙に当てはまらない。
つまり新種のモンスターか?まぁ、いい。新種ってことは新しい素材の予感!俺の物欲センサーが反応してやがる!!
サンラクは
1歩、2歩、3歩と加速。そして10mほど遠くにいた新種?のモンスターへと1秒もかからずにお互い触れられるぐらいの距離に。
「素材落としやがれぇぇ!!」
サンラクの剣がモンスターの首へと向けられ、切る。しかしサンラクの手に伝わってきた感覚は空を切るような感触。
否。剣はモンスターの首をしっかりと捕え切っていた。それは視覚情報から分かる。
うわっ、柔らかっ!!
完全に首を切ったとき、サンラクはあることに気付く。
ダメージエフェクトが、出ない?!何だ?…これは血…?
切り分けられた胴体と顔。その間からゆっくりと溢れ出す大量の血。それは真界観測眼のスキルによってよりはっきり、ゆっくりとサンラクの目に映る。
それが衝撃的だったのか自分が今、臨界速を発動してることを忘れ一瞬思考が止まり
サンラクは更に加速して制御しきれない程の速度に。足はコントロール出来ずそのまま転倒。
サンラクは地面に衝突して地面のシミとなった。
――――――――――――――――――――――
目が覚める。それはさっきの草原。そしてさっき居たであろうモンスターの顔と胴体が10mの距離にある。
は?何で、どういう事だ?血、だよな?え、アップデートが入った?にしてもR18になるぐらいにさっきは生々しかった。一体どういう事………ウィンドウが、開けねぇ?!
サンラクはアップデート内容を確認しようとするがウィンドウが開けない。
バグ…いや確かさっきは傑剣との憧焉終刃を取り出せたはず………どうやったんだ?
あの時のサンラクはウィンドウを操作して取り出した訳ではないことを思い出す。
確か傑剣との憧焉終刃を手に持つイメージして…出た!いやそうじゃねぇ!ウィンドウが開けない、ということはログアウトも出来ないということなのか?
いや、ログアウトをイメージ……できねぇのかよ!!
どうすれば、どうなってやがる…!運営へのメッセージは?くそダメだ!
本格的にバグなのか?これは……はぁ。いや、バグだとしてもVRマシンに備え付けられた強制ログアウトがあるはずだ…。だとしたら時間が経てば勝手にログアウトできる?
ん〜、だとしたらあんまし深刻的に考えなくても良くなってきた気がする。そう、素材だ。素材〜。
そう言ってサンラクはさっき切ったモンスターの近くへ歩き出す。
「うげッ!マジで生々しいな!これ。絶対R18案件だろ!」
そう言ってまじまじとモンスターを見る。
このサンラク。何故こんな冷静で居られるかと言うと他のゲームで経験済みだからだ。クソゲーの中にはグラフィックはいいモノの細すぎて生き物の中身も細すぎて不評という物もある。いわば蛇足。
そして本人は気付いていないが、というか当たり前すぎて忘れているが、スキルの中には精神を安定するスキルが何個かある。それは常時発動型でその補正も関係しているのだろう。
「ん〜、やっぱアイテムの説明も出ないか…」
サンラクは傑剣との憧焉終刃でモンスターの耳を採取。
雑魚モンスターっぽいけど素材もそんなレアでも無さそうだな…ま、新種のモンスターだし貰っとくだけ損はしないだろ…。
そう思い倒したモンスター事インベントリアにしまう。
さてどうしたものか、さっき居た場所には戻れないしこのマップの探索でもしてみるか?
サンラクはそう思い駆け出す。