オーバー×フロンティア   作:牡羊様

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チャイナババアと喪服少女と吸血幼女

周りが光に照らされ視界が白一色となる。

 

やがて光が止みおぼろげに視覚が戻ってくる。

 

「……ッ…何だったんだ…?」

 

サンラクは未だはっきりとしない目で自分の体に異常が無いか確かめる。

 

何にもなってねぇ…か……じゃぁさっきの光は何だったんだ…?

 

サンラクは光が飛んできた方向へと目を向ける。

 

そこには数十人の人間。数十人の内の大多数は同じような服装をしており、他数人はそれぞれ違った鎧や服を着ていた。

 

何だ?人間…だが……敵なのか?さっきは攻撃してきたし…。いや、あれは吸血幼女を狙って打ってた?

 

「…なッ!!……支配が…出来てない、じゃと…?!」

 

焦った顔で言うのは龍の刺繍がされたチャイナドレスを着た……ババア…ババア?!

 

サンラクはそれを目に入れた瞬間固まりまた2度見する。

 

…え……何、どゆこと?…。おばあちゃん絶対着るもの間違えてるよ?………。何だろう……とても言葉にしにくいというか……何と言うか…何だろう……何故か見てるだけで堪えるものがあるぞ…

 

てかこのババア……支配って言ったか?さっきの光はつまりそういう事?

 

危うくこのチャイナババアに精神支配されそうになったって事か……?……マジかよ…いやマジかよ!!…てか何で俺に効いてないんだ?

 

あぁ……リュカオーンの刻傷ね……今回ばかりは感謝かもしれないな……。いや、だとしてもリターンが見合ってなさすぎるわ!!チャイナババアから身を守れるとしてもそれだけじゃねぇか!!俺の装備を返しやがれこのションベン狼ぃ!!

 

心の中でリュカオーンへとヘイトを高めていると、何やら後ろから殺気を感じる。

 

……?!

 

サンラクは急いで振り返り後ろを見る。

 

うおッ!!……ぐッ……!!

 

数メートル先、自分に高速で迫る白銀の巨大な槍。サンラクは条件反射で永劫の眼を起動。

 

ゆっくりと動くスローの世界。その世界は頭で認知出来ても体はついてこない。

 

突然の出来事により自身の体重がかかった足は動かせず、迫る白銀の槍がサンラクへとゆっくり、しかし確実に近づいてくる。

 

サンラクは足は動かせないと一瞬で判断。上半身を何とか後ろへと持っていき背中を反る。

 

目の前をゆっくりと過ぎていく白銀の槍。その槍はサンラクの鼻の先数ミリという所にあるがサンラクの身体にかする事は無い。

 

ぐおぉぉ……!!っぶねぇ…!!危うく串刺しになる所だった!!

 

もう安全である事を確認し、永劫の眼を解除。近くにあった槍は思い出したかのように速度が戻り高速で体の上を通過する。

 

「なッ!!…私の槍を避けた……?!」

 

そう言ったのは飛んできた槍の先に立っていた吸血幼女。

 

やっぱお前か!やけに静かだと思っていたが後ろから不意打ちとか卑怯だろ?!正々堂々殺し合いをするべきだぜ?ほら、天もそう言ってるから………不意打ち天誅!!

 

「オラァァァ!!!」

 

サンラクは動揺した吸血幼女へと臨界速で一気に近付き、別離れなく死を憶ふを手に持ち吸血幼女の腹部目掛けて横に一閃。

 

「ぐっ、はッ……!!!」

 

吸血幼女はサンラクの走った方向へと吹っ飛び、森の木が次々と倒れる。

 

……?!…半分にする気で切ったはずなんだが……切れなかった……?…

 

サンラクは手をグーパーグーパーと開いては閉じ開いては閉じる。

 

俺に問題がある訳じゃないよな…?だったらつまり……

 

サンラクは黒いヴェールの中、口が裂けんばかりに笑みを浮かべる。

 

好敵手……!!

 

ハッハー!!やっと会えたぜレアエネミー!久しぶりに楽しい戦いになりそうだ!!

 

サンラクは内心ワクワクする。

 

あ、そういえばさっきのチャイナババア集団、どうなったんだ?

 

そう思ってまた振り返る。

 

そこにはチャイナババアと盾装備のタンク職であろう大男が血だらけになって倒れていた。その腹には大きな白銀の槍が突き刺さっていた。

 

うわぁ……吸血幼女、俺以外にもあの槍打ってたのか。まともに喰らったらやばそうだな。俺紙装甲だし……

 

サンラクは他人事のようにその光景を見守る。

 

リーダーっぽい黒髪ロングの男が撤退と命令を出している。

 

ん、何だ…俺とは戦わないのかい?とばっちりかは知らんが一応そっちから攻撃してきたんだろ?

 

サンラクのその視線も虚しくそそくさと撤退していく人間集団。

 

ま、いいか……正直聞きたい事も無い訳ではないが、敵なのかもよく分からんし今は他に先約があるからな……。

 

そう思ってサンラクは木が倒れている方向を見る。

 

どうやら丁度帰ってきたらしい。

 

暗闇の中、うっすらと見える人影がサンラクへと近付いてくる。

 

あれ?何か浮いてね?

 

サンラクは明らかに宙に浮いているように見える人影をじっと睨む。

 

睨んだ場所から白い光が現れ、段々と大きくなっている。

 

何だ?光が段々と大きく……いや…近付いてきてやがる!?

 

気付いた時には白い光は数十メートルの近さ。

 

っ!!光だと思って見とれていたが、さっきも見た白い槍じゃねぇかぁぁっ!!

 

サンラクは槍の軌道を予測し、体を動かして横へと避ける。

 

ふぅ……何とか…ん?

 

なになに、俺の後ろへと凄い速さで飛んだ槍がぁ?ジェット機の様に上へと旋回しぃ?ブーメランの如く俺の元へと帰ってくる…

 

サンラクは次に臨界速を発動し、一直線に走る。

 

槍はサンラクのスピードに合わせるように加速し、ピッタリと距離を保つ……

 

ふむふむ、なるほどな……………うおぉぉぉぉ!!もしかしてこれ必中効果かぁぁぁっ!!

 

サンラクは槍から逃げ惑いながら仮説を立てる。

 

チッ!!必中ってんなら当たってやるよ!!

 

サンラクは別離れなく死を憶ふを手に装備。構えを取って永劫の眼でタイミングを測る。

 

ここだっ!!!

 

別離れなく死を憶ふと白銀の槍が衝突する。

 

バチンッ!と火花が散り、槍が慣性により進んでいた方向と逆に吹っ飛び、カランと地面へと落ちる。

 

どうやら必中効果は対象に当たった時点で消えるらしいな……だとしても厄介だな。避けタンクの俺が避けられないとするとパリィぐらいしか対処法が無い。

 

しかも臨界速を使ってでも追い付いてくるとか結構とち狂ってんだろ!あの槍が来た時は早めにパリィして対処しないと面倒だな。

 

そう考えているとサンラクへと近付いてくる殺気が混じった気配を感じる。

 

「よくも……人間如きが…!!この私に傷を…!!」

 

そこにはさっき吹っ飛ばした吸血幼女であろう声。

 

服装が変わっており、さっきの洋服のような姿から一変、真紅の全身鎧に身を包み、後ろには白鳥のような綺麗な羽が生えている。手には恐らく槍系の武器であろう先端が尖ったスポイト状のランス。

 

まるで天使みたいだな…どっかの蛮族が喜びそうだな。それに吸血鬼がスポイトね…?

 

まぁ、間違いなく戦闘態勢という事だろうな。

 

「よぉ、吸血幼女?…ご気分が優れないようですがどうかなさいましたか?」

 

「…ぶっ殺すッ!!!」




よってらっしゃい見てらっしゃい!

遂に始まった夢の対決!

頭は残念、しかし戦闘においてはガルガンチュアを除けばナザリック最強の守護者!廓言葉を使って話すから、セリフを言う度一々考えなければならない!なるべく廓言葉で喋らないでくれ!!

かたや現プレイヤー最高Lvで最大速度。男ならば鳥頭半裸の変態!女ならば喪服を着たネカマプレイヤー!作者の頭のキャパの事情で、原作のようなスキルを活用したアクロバティックな戦闘が出来ないという縛り持ち!!

さぁ、賭けて賭けて!!


はい……。

やらかした事を言います。

この場面を書いていた時は サンラクはスキルで飛べても、ずっと飛べる訳ではない!と思って書いていました。

なので無理矢理な理由を付けて、今回のサンラクは空を飛ぼうとしません。

修正を入れたは入れたけど、話をそのまま進めちゃってるから大きな改変が出来ず……!

すいません!!次からはちゃんと空を飛ばせるんで……!

よし、切り替えていきましょう!!

ご感想でエムルとパンドラが実況しているような場面を書いてくれた方が居て、それを見て え、めっちゃええやん!! と思ったもので……アニメのシャンフロ劇場みたく、後書きでエムルとパンドラが何処か違う次元で話し合ってる、みたいな事も書いてみようかな?と思っています!!
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