お互い相手を睨み警戒する。
白銀の槍…必中効果が厄介すぎるんだよな。多分一発目の槍には必中効果が無かったからON/OFFの切り替えができるって感じか?
必中効果を乗せると何だかのデメリットがありそうだが……相手はシャンフロのエネミー。
理不尽は当たり前と考えていいだろうな。
分かってることは 空を飛べる 必中効果を乗せれる槍を撃てる ぐらい。
後は吸血鬼関連のスキルを持ってそうって感じだな。
浮遊と必中槍がウザイな……さっき吹っ飛ばした時に臨界速の勢いもあったが押し合いは勝っていた。正面からやれば確実に押せる。
だが浮遊と遠距離攻撃、更には必中ときた。
俺も遠距離から攻撃出来ない訳でもないが…大きいダメージを与えれる武器は少ない。
あるとしも
俺自体、空を歩けるが…地上より機動力に欠ける。相手がどんな戦闘スタイルなのか分からん以上、突っ込むのは悪手。
とりあえず相手は俺が使える手札を知らない。それは相手も同じなのだが……まぁ、遠距離が有効と悟られる前になるべくダメージを与えておきたい。
ならば相手の動きを待って攻撃してきた所をカウンターで刺す。
サンラクは手に持つ大剣を更に強く握りしめる。
風が吹き、森の葉や草木がザワザワと音を立てて揺れる。
やがて段々と風が小さくなり、草木の揺れも段々と収まる。
さっきまで騒がしく鳴いていた音が止み、途絶える。
来た……………!!!
数m浮いた吸血幼女がサンラクへと一気に距離を詰める。
まだ…まだ引き付けろ……もう少し……ここ…!!!
吸血幼女のスポイトランスがサンラクの顔に迫る。
ランスが顔の数センチときた所で顔を傾け避け、そのまま体を吸血幼女の横へともっていく。
明らかに攻撃を防げない体勢の吸血幼女へと全力で横なぎを振るう。
もらった……!!
「
サンラクの刃が吸血幼女を両断…する事はなく、サンラクが放った横なぎは空を切った。
……?!…消えた?!
サンラクは吸血幼女が突然消え、動揺しながらも辺りを見渡す。
吸血幼女はサンラクから数m離れた空中を飛んでいた。
どういう事だ?グレーターテレポーテーションだ?聞くからにテレポートだとは思うが…瞬間的に移動できる魔法とか聞いた事ないぞ!!
てかズルだろ!!んなもん使われたら攻撃が当たんねぇじゃねぇか……!!まぁ流石に何回も使えるって訳でもないと思うが…このゲームはそんな事が有り得そうだから恐い……
サンラクは宙に浮いている吸血幼女を睨む。
「クソ虫風情がッ……!!」
次近付いてきたらテレポートされる前に当ててやる!!
来る……!いや、あれは……
吸血幼女は腕を上へと上げ、手の中に白銀の槍が形成される。その槍を握りしめ、力を込めサンラクの方向へと投げる。
また槍か……!!
白銀の槍がサンラクに迫る。
どうせ必中だ!!なら早めにパリィして無効化を……?!
白銀の槍の後ろに見えるのはさっきまで宙へと浮いていた吸血幼女。
ッ……!!そういう事か!俺がパリィした隙に攻撃を当てる魂胆か!なら……!
サンラクは後ろへと1歩3歩と下がり、持っていた大剣を背中の後ろへと背負う。
喰らいやがれ!!晴天流「
サンラクは背負った大剣を瞬時に抜刀。その勢いのまま飛んでくる槍を縦に一閃。更にその威力故か、剣を抜き放った方向に常人なら吹っ飛んでいく程度の突風が巻き起こる。
晴天流 轟風 は素早さはイマイチだが威力に関してはピカイチ。更に剣に纏われる風によって相手を怯み状態に出来る!つまり……
今なら殴り放題ってワケだぁ!!
サンラクは傑剣との憧焉終刃を取り出し右手に、別離れなく死を憶ふを左手に構え、風で怯む吸血幼女へと臨界速を起動して肉薄。
地面へと叩きつける。
「ぐッ……!!」
サンラクは地面へと少しめり込んだ吸血幼女へと更に攻撃を当てる。
クリティカル・レイズ、
「ガハッ…!!」
サンラクは更に攻撃を当て続ける。
しかし途中で攻撃が空を斬る。
目の前の吸血幼女が赤い気体へと分解されていく。
?!……これは…テレポートじゃねぇな……体が赤い霧?みたいなのに……毒か?
サンラクは一度霧から離れ目で追って、恐らく倒せてないであろう吸血幼女を探す。
やがてサンラクとの距離をある程度空けたぐらいで赤い霧が形を作る。それはやはり先程居た吸血幼女。
やっぱ状態変化系だったか。何かしらの攻撃系のスキルかとも思って一応警戒していたが違ったらしい。
だが、そうと分かれば話は早い。どうやら相手側もあの霧状態じゃ何も出来ないようだし、弱っている今の内に出てきた所を叩く。
そう思ってサンラクは傑剣との憧焉終刃をインベントリアにしまい、段々と形を取り戻していく霧に向かって走り出す。
ようやく形が戻った吸血幼女へと剣を振るう。
だが相手も同時、両手を前に出し空気を薙ぎ払うように両手を振るう。吸血幼女の目の前に赤黒い衝撃波が生まれ、サンラクの剣に的中。
サンラクの剣が何かに弾かれたように剣を振った勢いと逆方向のエネルギーがサンラクへと迫り、数m吹き飛ぶ。
「ぐおッ!!」
もしかしてパリィみたいなスキルか?だが直ぐに体勢を直せる!また近付いてやる……!!
サンラクは走り出し、吸血幼女は口を開いて魔法を詠唱する。
「
吸血幼女の周りに白い光が現れ、透明の水晶が吸血幼女を包み込む。
何だ?強化系?だとしても攻撃を止めない理由がない。
サンラクは吸血幼女へと切りかかる。
キンッ!金属に当たるような硬い音。
防御系の魔法かよ!!
サンラクの剣は水晶によって弾かれる。
吸血幼女はその隙に安全圏である上空へと上がる。
「おいコラぁ!!逃げてんじゃねぇぞ!!」
クソッ、空に逃げられると厄介だな。多分、近距離戦では分が悪いと気づかれたか……
攻撃を当てるか?いや、さっきのフォースサンクチュアリとかいう魔法がまだ残っている可能性があるな……
銃はあるが決定打にはかけるしMPが消費される。火力はまぁまぁのやつもあるが、充電出来ていない為、乱発はできない。
空を浮遊できる方法もあるにはあるが、時間制限付きだし俺は装備出来ないし、単体性能で空中で戦って貰うのもありだがこっちも温存しておきたいしな。
一度臨界速で空中に飛んでいくのもありだが空中戦になると戦いずらい。
それに見たところ相手は魔法剣士ってとこか?他に隠してるスキルや魔法がありそうだ。
もう少し相手の動きを見るか?
サンラクは空に浮かぶボロボロになった吸血幼女を見据えながら頭で考える。
その吸血幼女はというと、何やら目を瞑り深呼吸した後、体が光だし装備も体もボロボロだった吸血幼女が最初に見たときのような姿へと戻っていく。
?!……回復か?いや装備まで戻ってやがる?!
まじかよ、また振り出しってことか……?!んなもん有りか……!!
吸血幼女は目を開き、体の具合を試すように手をグーパーグーパーと動かす。
そしてサンラクを赤い瞳で睨みつけ
「妾とした事が、少し取り乱していたでありんす……何故このような下等生物如きに焦っていたのか……ほとほと恥ずかしい限りでありんす。」
何だ?口調が変わりやがった。
「どうした?その下等生物にタコ殴りにされたお前を俺は恥ずかしく思うでありんすぅ」
吸血幼女は顔に青筋を立てる。
「あらあら、下等生物がピーピーと……では清々虫みたく足掻きなんし……!!」
何も変わっちゃいない。ステータスでは俺が上回っている。チートじみたスキルも魔法も……!!鍛え抜かれた筋肉の前には勝てないって事を証明してやるよ!!
ハシビロコウって実は飛べるらしいですね!!
なるほど伏線か……(?)
補足説明です。
魔法とスキルを区別したかったので魔法は口に出して名前を言う必要があり、スキルは言う必要が無いという事にしています!
サンラクが途中、傑剣との憧焉終刃と別離れなく死を憶ふを両手に構えた理由はその後に使っていたスキルの使用条件に両手剣でなければならない という条件があったので無理矢理両手剣にしてます!
別離れなく死を憶ふは軽くなるので片手剣として扱える筈ですが、傑剣との憧焉終刃は剣なので………まぁ…ご愛嬌ということで!
シャルティアが使ったスキルです!
ミスト・フォーム 不浄衝撃盾 時間逆行
時間逆行に関しては、スキルの能力がアバウトだったので、その字の通り、装備もHPも一緒に時間を戻して綺麗な状態にした ということにしています!
で、その副作用というか、人間を殺して集めた血のストックや、浴びた血が無い状態に戻ったという事にしています。
なので終盤、落ち着いた様子で廓言葉が戻っています!
サンラクはチートチート言ってるけど、実は意外と魔法にもスキルにも使用制限があったり、メリットデメリットが存在しているんですよね……って書いてて思いました…!