オーバー×フロンティア   作:牡羊様

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酔いどれパーティー

エ・ランテル共同墓地にて。

 

ここは立地などの関係からアンデッドが発生する場所。

 

市民が居住する地区からもそれ程遠くない為、墓地周辺は4メートルの外壁が作られており、また冒険者や衛兵隊が巡回してアンデッドを退治している。

 

そして今日もいつものように外壁からモンスターが出ないようにと外壁を守る衛兵が2人居た。

 

「静かな夜だな……」

 

1人があくびをして言う。

 

「最近はアンデッドも出ないもんな…」

 

もう1人もつまらなそうに言う。

 

いつもの不気味で何も無い夜。男達はそう思っていた。

 

いつものようにぼんやりと外壁の中を見つめていると、一人の衛兵が違和感に気付く。

 

「…なぁ?……なんか土の匂いがしないか?」

 

「……?…そうか?いつもこんなような……」

 

その時だった。バタバタと複数人が走るような音が聞こえた。

 

2人はそれに気付き、暗闇の墓地を見つめる。

 

うっすらと見える2つの影が門へと近付いてくる。そしてその姿が段々と見えてくる。

 

それは墓地に居るアンデッドを退治すべく巡回していたもう2人の衛兵。

 

「おいおい、あんなに必死になってどうしたんだ?」

 

「怖くなって帰ってきたんじゃねぇか?」

 

外壁に居る2人は少し笑い気味で言う。

 

しかし走ってくる2人はどこか余裕が無く、怯えていた。

 

2人の衛兵が門に付き、焦った声で外壁の衛兵へと喋る。

 

「お、おい!!門を……門を早く開けてくれ!!」

 

2人の必死な叫び声。その声によって外壁の衛兵は笑い事ではない気がして、何事かと言う通りに門を開ける。

 

中にいた衛兵は外へ出ると急いで門を閉め、息を整える事無く門の内側の暗闇を見つめていた。

 

外壁の衛兵は疑問符を浮かべ何があったかと聞こうとする。

 

「一体何が……」

 

そこで言葉が詰まった。逃げてきた衛兵が見つめる先を同様に見ると、暗闇の向こうから数人、いや数十、いやもっとそれ以上の数の人の影。しかしそれの形は人だが、明らかに動きが人のそれでは無い。

 

それらがゆっくりと、まるで体がひしゃげているような動きで門へと近付いてくる。

 

「アンデッド……?」

 

外壁に居た衛兵が呟く。

 

しかし誰も肯定する者は現れない。いや出来なかった。

 

目の前で迫ってきているアンデッド達。その異常な程の数。こんな4メートルの門など直ぐに越えられるのではないかと思えるほどのアンデッドの群れ。

 

その尋常ならざる光景に、衛兵達は足がすくみ、恐怖で体が震えていた。

 

気付けばアンデッド達は門の手前。衛兵達の目の前まで近付いていた。

 

門の近くに居た衛兵がアンデッドに体を掴まれる。

 

そしてそれが合図だったかのように他のアンデッドがその衛兵を掴みまた違うアンデッドが掴む。

 

1対1ならば衛兵は直ぐにアンデッドの腕を振りほどけただろう。しかし相手は多数。

 

一度掴まれば抵抗など無意味。

 

掴まれた衛兵は悲鳴を上げながらアンデッドの手によって体を引き裂かれ、骨を折られ、肉をえぐられ、体を喰われ、やがて悲鳴は途絶え、その衛兵の無惨な姿だけが残る。

 

残された衛兵達もあれが自分達の末路では無いのかと考え更に恐怖に蝕まれる。

 

衛兵達が怯え、動かなくなっている間も、アンデッド達は血肉を求め、外壁を登ろうと迫ってきている。

 

そして明らかに図体がデカく、他のアンデッドとは違う、上位のアンデッドが顔を外壁から覗かせる。

 

もう、ダメだ……と衛兵達が絶望の顔を浮かべると

 

後方からビュンッという音が響き、気付けば顔を覗かせていたアンデッドの額に大剣が刺さっていた。

 

衛兵は後ろを振り向くとそこには3人の黒い影。

 

一人は黒髪のポニーテールの女。そしてその横に大剣を投げたであろう勇ましい魔獣に乗った全身フルプレートの大男。そしてその横に背には合わない大剣を持ち喪服を着た女。

 

衛兵達は何が何だかという様子で疑問符が浮かんでいた。

 

そんな衛兵達を無視するように真ん中に居た大男が低い声で衛兵に言う。

 

「門を開けろ。」

 

――――――――――――――――――

 

時は遡りバレアレ薬品店。

 

「依頼報酬だが、君がくれた あの水晶 でどうだろう?」

 

モモンがミラクに提案する。

 

あぁなるほど。それがお目当てか…………。

 

「それなら……大丈夫です!」

 

「よし、交渉成立だな。」

 

モモンが満足そうに言う。

 

……まぁ珍しい素材っていうか結構レアモノで市場にもあんま出回らんモノだしな…。まぁ最近は俺が黄金の天秤商会に売りつけまくってちょくちょく見るようになったが…………。

 

なんかアレだな。カモにされてないか俺?

 

別にまだまだいっぱいあるし、無くなったら取りに行けばいいんだが………。

 

そうやってサンラクがモモンをジト目で見つめていると

 

「すまないがミラク……ンフィーレア氏を探すにあたってンフィーレア氏が身につけてるようなアイテムの類に心当たりはないか?」

 

モモンが尋ねてくる。

 

…………アイテムか…パッツンがそんな目立つアイテムを持ってただろうか…………心当たりが全然しねぇ。

 

ん〜…………あ、そういえば……

 

サンラクはあることを思い出す。

 

「確かこれと同じ短剣を渡していた気がします。」

 

そう言って何処からか赤い刃を持つ独特の形の短剣を取り出す。

 

「なるほど……すまないが少し借りてもいいか?」

 

「どうぞ」

 

サンラクはモモンに致命の包丁(ヴォーパル・チョッパー)を渡す。

 

「感謝する。では私とナーベは奥の部屋でンフィーレア氏の行方を探す。少し待っていてくれ。」

 

「分かりました。」

 

サンラクの了承を得てモモンは奥の部屋へと歩いていった。

 

――――――――――――――――

 

と、いうことで来ましたエ・ランテル墓地。

 

モモンによるとここの奥にある霊廟にパッツンが居るらしい。

 

アンデッド達は今にも門を壊しそうなぐらいに押し寄せていた。

 

なんか既視感を覚えるな………アレだ、朝の満員電車!もしくは東京でよくあるハロウィンの仮装パレード!あの人口密度ぐあい…きっとあの中に入ったら二度と出ては来れねぇな。アンデッドのフラフラ具合が丁度酒飲んで酔ってるオッサンに似通ってやがる。

 

どうも苦手だな……あぁいう人口密度が高い場所は。

 

何ていうか落ち着かねぇ……一人暮らしするなら都会は都会でも、まだ人口密度が落ち着いている場所が良いよな。

 

ん?誰が陰キャだって?こちとら高校生でテレビに出演(顔出しNG)したり、プロ(ゲーマー)と(ゲームで)殴り合ったりしてんぞ?お?

 

え?何?恋愛?…………話を変えちゃァいけねぇよなぁ?まだ高校生だしこれからだぜこれから!そう、人生は長い!!困ったらピザ留学だ!(?)

 

で、話を戻すが今現在に真打登場と言わんばかりのド派手な登場をした訳だが(主にモモンが

 

モモンはノリノリなのか衛兵の怯える姿などなんのその。殺したデッカイゾンビから剣を引き抜き近付くゾンビをバッタバッタ。そして奥へ奥へと進んで行った。

 

次にナーベ。コイツはモモンの後を追っかけようと何かしらの魔法を唱えて浮いて……え?待ってお前飛べんの?

 

…………話を戻すが、宙に浮いたナーベであったがハムスケが涙目で

 

「ちょッ!!ナーベ殿ォ!置いていかないでほしいでござるぅ!!」

 

と叫ぶ。

 

ナーベは「……突っ込みなさい」と落ち着いて言う。

 

「いや、無茶を言わないでほしいでござる!流石のそれがしもあんなアンデッドの大群に突っ込んだら無事ではすまないでござるよ!!」

 

ハムスケが必死に訴える。

 

ナーベは少し考えた後、ため息を吐いて

 

軽々しくハムスケを背中に乗せた。

 

そしてそのまま飛んで行った。

 

へぇ、以外だな。超と超にドが着くほどのドSポニテがあのハムスケを抱えて行くなんていう面倒を背負うなんてな。

 

さて……俺はあの2人プラス1匹が進んで行った間、空気に徹していたんだが………流石に一人残された俺に気付いた衛兵の視線が辛い。

 

「えっと…………私達が何とかしとくんで後は任せてください!」

 

そうしてサンラクもアンデッドが蔓延る門の中へと足を踏み入れた。




あれ?ヴォーパルチョッパーって返ってきたっけ……?

もしかして…………

明日か明後日のどちらかに続きを投稿しようと思います!!
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