「ねぇねぇ、ニニャって言ったっけ?あの子も元気そう?」
笑いながら言うクレマンティーヌ
「あぁ、元気元気!今頃あの3人を看病してるぜ?」
サンラクは元気に言う
「…………は?3人って死んでるでしょ?……死体でも看病してんの?」
クレマンティーヌは少し真顔になる。
随分と顔に出やすい奴だな。
「ご想像はお任せするぜ?ただ、誰も死んでないって事は俺の口から言っとくわ。」
「ハッタリ噛ましても無駄だよぉ。急所は避けたけどあのケガじゃ助かる訳が無い。」
「想像は任せるっての。てか、人の心配してていいのか?随分とお優しいこった」
「あん?アンタさっきから私に勝つみたいなこと言ってるけどぉ、私に勝てると思ってんの?」
少し青筋を立てて言うクレマンティーヌ。
少し煽っただけでこれかよ……中々に煽りがいがあるなぁ!!
「さぁなー。お前が何者かも知んねぇしどんだけ強いのかもよく分かんねぇ。だがお前の台詞、一つ一つがすんごい小物っぽくて笑える!」
「……ぴゅ〜、言うねぇ……。だけど世間知らずのお嬢さんに言っとくとさぁ!この国で私に勝てるやつなんてろくに居ねぇんだよぉ!!
ガゼフ・ストロノーフ、青の薔薇のガガーラン、朱の雫のルイセンベルク・アルベリオン、ブレイン・アングラウス、そして引退したヴェスチャー・クロフ・ディ・ローファン……
人外領域に足を踏み入れたクレマンティーヌ様が負ける訳ねぇんだよォぉ!!」
おっとっと、プッツンしちゃったよもう。てか例に上げた5人の名前、誰も知らないんだが……
「ソウナンデスネェ……あ、お前合わせてこの国での人外(仮)6人……
「………………ふぅ…………。」
クレマンティーヌは何かを沈めるように一息吐いた後……
「……ぶっ殺す!!」
「やれんのか?拗らせ女ぁ!!」
ん〜、吸血幼女の時もこんな感じだった気ガス。
何で対面するといつも相手を怒らしてしまうのだろうか……全くわからんな。
おっと今はそんなどうでもいい事考えてる場合じゃねぇな……
サンラクは剣を構える。
「先手はくれてやるよ!自称人外さん!!」
「チッ!!後悔させてやんよォ!!」
クレマンティーヌは右足を後ろへ、左足を前に出し、まるで四足獣のような前傾姿勢でスティレットを構える。
……何かクラウチングスタートみたいな構えだな…。
クレマンティーヌはブツブツと何かを呟く。
「能力向上……能力超向上……」
左足に体重を乗せ、右足で踏ん張る。
そして左足をバネに地面を蹴ってロケットのように加速する。
そしてスティレットを前に出し、目の前に居るサンラクを貫こうと襲い掛かる。
遅いな!!
だがしかし、サンラクはこの程度のスピードなど容易に対応できる。
サンラクは別離れなく死を憶ふをスティレットの着地点であろう場所に構え直し相手を待つ。
そしてスティレットが別離れなく死を憶ふとぶつかる寸前……
「不落要塞……」
クレマンティーヌの呟きと同時、構えていた別離れなく死を憶ふが弾かれる。
何……?!
そしてクレマンティーヌは畳み掛けるように攻撃を当てようとする。
「流水加速……」
……!!…加速しやがった……!!
もう一方の手で構えられていたスティレットを使いサンラクの顔に向けて加速した突きを入れる。
しかしクレマンティーヌが加速しようとも所詮スピード特化のサンラクには及ばない。
サンラクは体ごと首を傾け、スティレットを避け、状態を立て直すため、一度クレマンティーヌから離れる……
何か妙だな……今まではその見た目と動き方から俺みたくスピード型の軽戦士と思っていたが……STRで上回ったのは相手。そしてAGIなら俺の方が速い……
つまりスピードを軸としたビルドではなく、パワーを軸としたパワー型の軽戦士ビルド……!
「いやぁ、少し油断してたぜ?まさかフィジカル負けするとはなぁ」
「……私がスピードで負けた……?いや、そんな筈は……たまたまだよきっと……そうに決まってる……いや、そうじゃないとおかしい……」
サンラクへの言葉の返事は無く、まるで自問自答するようにぶつぶつと喋っていた。
しかしクレマンティーヌのその声はサンラクには聞こえず、クレマンティーヌの独り言で終わった。
「……?」
こいつ……最初は舐めてたが俺のフィジカルを上回ったってことは結構強い……?
だとしたら舐めプは出来んな……
パワー型の軽戦士……あのパワーで先に俺に攻撃が当たったら恐らく紙装甲の俺じゃ、一撃でノックアウト……。
しかしそれは相手も同じ……見たところ相手も軽装備。
ほとんどVITが無かったペラッペラの装備を生贄に、R.I.Pを装備してもほとんど裸と変わらない防御力の俺よりはマシだろうが……スピードで上回っているならその長所を生かす他ない。
つまり……先手必勝!!
サンラクはほとんどノーモーションでクレマンティーヌへと肉薄し、その首を切ろうとする。
「……へ?」
無様な声。それはクレマンティーヌの最後の言葉。その声が発せられた時には既に顔と胴体は2つに分かれ、その断面からは血しぶきが吹いていた。
「……………………??????……」
え、柔らか……てか、え?ぐろ。
え、こんな呆気なく終わるもんなの?もしかして信じられない程の紙装甲だったの?
てか切り離されてから少し喋っていたよな?え、生々しい……グロ……。
サンラクはクレマンティーヌの切り離されて地面に落ちた2つの首と体を見る。
「………………まぁ、結果オーライ……だよな!!」
サンラクは人仕事終えたサラリーマンのように清々しい気持ちで死体を持ってモモン達がいる霊廟へと向かった。
サンラクは気付いてないようだが、実は喪服はクレマンティーヌの血で赤く汚れ、そして生首を持って胴体を引きづる姿。極めつけには夜の薄気味悪い墓地という、もう明らかに子供、いや、大人が見ても泣いて叫び散らかすぐらいのR18死神が出来上がっていた。
後々エ・ランテルの七不思議の一つとして伝説になるのも無理もない。
―――――――――――――――――
「お、居た居た」
サンラクは霊廟の前にいるモモン達を発見する。
ん?あれもしかしてパッツンか?
近くに行くとモモン達の姿がはっきり見えるようになり、そしてモモンの手にあるのは連れ去られていたンフィーレア・バレアレ。
モモンもサンラクに気付き声を掛ける。
「そっちは終わったか?」
「はい、この通り!」
サンラクは両手に持つ死体を見せる。
「…………そ、そうか……。」
モモンは引き気味で言う。
「そちらはどうでしたか?」
「あぁ、見ての通りバレアレ氏は無事奪還。そして……ナーベラル……!」
「はっ!」
モモンの声に気持ちのいい返事を返し持っていた袋を差し出す。
あれ?コイツらそんなに畏まった関係だったか?てか名前……
「これがカジット
モモンは袋に入った灰をサンラクに見せる。
…………え、俺の事引いてたけどコイツらも大概じゃね?
「そ、そうなんですねぇ……」
サンラクも引き気味で言う。
そして気まずい雰囲気が場に流れる。
「あの、さっきから気になっていたんですが、ハムスケさんの様子が変じゃないですか?」
サンラクは話を変えるべく先程から気になっていたハムスケを指さして言う。
見れば何やら誰もいないのにずっと虚空へと話しかけていた。
「………………思春期だ……」
「…………あぁ…なるほど……」
いや、そうはならんやろ……!
何か怪しいなぁ…………
「…………何か隠してません?さっきもナーベさんの事をナーベラルって…………」
「………………帰るぞ……!」
逃げたな?
クレマンティーヌ自分も好きだからワンチャン再登場あるかもですね!
あとモモンガさん、カジット1人相手にナザリックが意を示せをしたのか……そりゃあ、原型も残らないですね。