オーバー×フロンティア   作:牡羊様

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妹を守るため

「ちょ、ちょっ…!!…誤解だ…誤解!……」

 

「貴方、妹達に何をするつもりだったの?この変態っ!!」

 

「いや、待て!……な!一回落ち着いて話をだな……!!」

 

少女は今にもサンラクを殺そうと殺気を放っていた。

 

しかし、そんな殺伐とした空気の中素っ頓狂な声が響いた。

 

「お姉さま、変態じゃなくてサンラク!!りぴーとあふたーみー サンラク」

 

ウレイリカが言う。

 

「お姉さま、その変な人はサンラク!!りぴーとあふたーみー サンラク」

 

クーデリカが言う。

 

「サンラク……?」

 

少女は少し困った顔をして言う。

 

「そうそう、俺はサンラクってんだ!別に怪しい者じゃないって!依頼を受けに来たワーカーだ!」

 

サンラクは焦りながら言う。

 

「……!!……貴方が……?」

 

少女はもっと訳が分からないといった表情で言う。

 

「お庭で遊んで貰ったの〜!」

 

「泥だんご食べてもらった〜!」

 

双子が楽しそうに言う。

 

「……………………ウレイ……クーデ…もう暗くなってきたから先にお家に戻ってて……」

 

「「ハーイ!!」」

 

そして双子は家へと戻ったいった。

 

「…………貴方本当にワーカー?」

 

「……もちろんだ。ほら!ちゃんと依頼書もある!」

 

サンラクは依頼書を少女に見せる。

 

「…………確かに……これは…………。」

 

「な?不審な者ではないだろ?」

 

「……………………分かった……。私はアルシェ……」

 

……アルシェ……あぁコイツが依頼者だったのか…。

 

「今日はもう遅い……明日また来てくれる?」

 

ん?明日?…………ってもう居ないだと?!

 

アルシェと名乗った少女はサンラクにそれだけ言い、さっさと消えてしまった。

 

は?どゆこと?

 

――――――――――――――――

 

あれから次の日となりサンラクは困惑しながらも言われた通りにまたあの家へと向かった。

 

また来いというのはアレか……もしかして家の可愛い妹に手ぇ出しといてただで済むわけねぇだろォ状態か?

 

行ったら怖い顔した屈強な男達がドスもって待ち構えてたりしないだろうか……。有り得る……!!

 

サンラクは少しビクつきながらアルシェの家へと向かう。

 

サンラクの脳内には怖い顔の男数人とそれを従えるアルシェの図があったが、しかし実際そんなことはなかった。

 

サンラクは家の前にいるアルシェの姿を見つける。

 

その隣には誰も居ない。アルシェ1人のようだ。

 

相手もサンラクの姿を見つけたらしく、こちらを奇怪なものを見る目で見ていた。

 

「…………よ、昨日ぶり」

 

「…………?……あ、昨日のワーカー……」

 

え、今気づいたんすか……あぁ、そういえば今は鳥頭か……昨日は魚頭だったもんな

 

「ほれ、サーモン」

 

そう言ってサンラクは鳥から魚の覆面を被る。

 

「……それ被り物だったんだ……てっきり亜人かと……」

 

それいっつも言われるよな……まぁ慣れっこだが……

 

「で、何か俺にようか?」

 

「……用?」

 

アルシェはぽかんとしたような表情をする。

 

「は?いやいや……お前が昨日来いって言ったんだろ?」

 

「……それはそうだけど依頼内容は書いたはず」

 

ん?依頼って雑草抜きだけじゃなかったのか?

 

「……実は俺、文字が読めないんだが……雑草抜き以外にもなんかあったのか……?」

 

アルシェはジト目でこちらを見ていた。

 

――――――――――――――――

 

「なるほどな……借金ね……」

 

「貴方も見た通り、私の親はお金も無いのに物を買い続けている。しかも一般人では手に入らないような高い物を。このままじゃ借金は増えるばかり……」

 

話を聞いた限りコイツの家は元貴族。しかし鮮血帝と呼ばれる国のトップ様に無能と評され貴族位を剥奪。

 

両親はもう貴族ではないという事を分かっていながら「鮮血帝没後にフルト家が貴族として再興される際の投資」、「鮮血帝にこの家が屈していない事を見せつけるため」などと言い贅沢を続ける。

 

働き手が誰も居ない状態。どうしようもなく、借金返済のため通っていた学校を辞める事に、と。

 

……すんごい重い…………俺が兄妹だったらあの父親に一発 拳をぶち込んでる所だ……。

 

何かそう考えると、コイツが可哀想に思えてきた……家庭の問題で学校を辞め、働く事に……しかも親は働かず借金を増やすばかり。

 

「あれ?……よくよく考えると依頼内容は雑草抜きじゃなかったのか……?……まさかあのクソジジイ騙したか?!」

 

「いや、それは私がついでに依頼内容に書いておいたもの。」

 

サンラクはガクンと頭を落とす。

 

「……お前なのかよ…………。」

 

「…………それで、ウレイやクーデの為にも私がなんとかしないと……」

 

「……まぁ、妹を思う気持ちは分かるぜ?」

 

「貴方にも妹が?」

 

「あぁ……まぁアイツは俺が居なくても一人で生きていくぐらいの力はあるし、なんなら俺よりあるかもしれない…………」

 

なおサンラクもとい楽郎の妹、瑠美目線では楽郎の事を廃棄されたスマホの中のレアメタルくらいには使い道のあるゴミだと思われている(wikiより抜粋)

 

何故だろう泣けてきた。強く生きてくれお兄ちゃん。

 

「それが一番。健康で普通に生きてくれてさえいればそれで充分。」

 

「まぁな……間違いねぇや」

 

サンラクとアルシェは少し笑いあう。

 

「妹達から聞いた……一緒に遊んでくれたんだって……ありがとう」

 

「別に横にいただけだ……そんな大層な事はしてねぇよ

 ……話を戻すが…同じ妹を持つ者としてなるべく協力するぜ…!………俺は何をすればいいんだ?」

 

「ありがとう……。私はワーカーになろうと思っている……だからワーカーの事を聞くにはワーカーが一番。私にワーカーの いろは を教えて欲しい……!」

 

手っ取り早く金が得られて尚且つ、なるだけなら誰でもなれる。それがワーカー。

 

「なるほどな…………」

 

さて、ここで一個問題が生じた訳なんだが……

 

「実はワーカーになって初めて受ける依頼がこれだとは思わんだろうよ…………」

 

またアルシェがこちらをジト目で睨んでいた。

 

やめろ……!その目!……惨めになるだろうが……!!

 

――――――――――――――――――

 

「……まさか貴方がまだワーカーに成って間もないなんて思わなかった……」

 

「どうする?ここで解散するか?」

 

「いや……正直 私も疎かだった……ここで別れるのも悪い……それにパーティも必要だった。しばらくは臨時パーティを組みたい。」

 

「了解……まぁ、こう見えても腕には結構自信あるぜ?」

 

アルシェはサンラクの姿を上から下まで見てから

 

「……………………信用出来ない」

 

おいコラ、何を見て判断した?

 

「……そもそも貴方………もしかしてマジックキャスター?」

 

マジックキャスター……?あぁ、魔法職の事ね。ん?普通俺の姿みて魔法職とか言うか?普通……

 

「何言ってんだ?このナリで魔法職なわけが無いだろ?」

 

「……てっきりマジックキャスターなのかと…」

 

「そう判断した理由は?」

 

「実は私、タレントを持っている。それは人の魔力量と最高位階魔法を見抜く事ができる。」

 

こいつもタレント持ちかい。なんか会うやつ全員、タレント持ってやがるから本当に珍しいものか怪しくなってきたぞ……

 

てか魔力、つまりMPを見抜けるって?最高位階ってのはよく分からんがまぁ魔法のレベルみたいなもんか……

 

俺のMPを見て魔法職って判断したのも中々におかしい話だよな。だってMPにはほとんど振ってないし……インベントリアエスケープ用と銃弾用とか困らない程度には振ってるが……

 

「貴方の魔力量……私と同じぐらいある……でも最高位階魔法が分からない……それに色も他の人と違う……初めて見たときは驚いた……」

 

いやいやご冗談を……多分アルシェは魔法職でありそんな自分とMPが同じと仰ってるので?いやいやご冗談を……

 

「目薬さした方いいんじゃねぇか?おもっくそスピード特化ビルドだぞ?」

 

「気が向いたら魔法の扱い方を学んでみてもいいのかも……」

 

「そういうお前はどうなんだ?」

 

「…………自分で言うのもなんだけど……学校では首席だったし……それに帝国一、いやこの世界で一番と言って良い程の魔法詠唱者、フールーダ・パラダインの弟子をしていた……並のマジックキャスターよりは腕が立つ自信がある…………」

 

「随分な自信がおありで……」

 

世界一の魔法使いね………大分興味をそそられるぜ……

 

「着いたぜ……って依頼出したから掲示板の存在は知ってたか……」

 

サンラクは古い掲示板に目を向ける。

 

「どんな依頼を受けるんだ?」

 

「…………お互いの実力を知る為にもモンスター討伐辺りが適切……何よりそっちの方が手っ取り早い……」

 

「お、いいね!俺もそっちの方が得意分野だ。あ、俺文字読めないから依頼はそっちで選んでくれ……!」

 

サンラクはサムズアップして言う。

 

「…………はぁ……本当に大丈夫……?……」

 

アルシェは掲示板にある依頼書を見渡し、依頼内容として適切なものを選ぶ。

 

そして丁度良いと思ったものを取りサンラクに見せる。

 

妖巨人(トロール)の討伐。」




昨日は投稿出来なくてすみません!

いつからフォーサイトが結成されたかは分かりませんがそういう設定でお願いします!

一応原作沿いには戻すので安心してください!
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