オーバー×フロンティア   作:牡羊様

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敵と味方には背中を見せるな

ふぅ……まさか一発目は耐えるとはな…………少し焦った。だがしかし、やはり今回も雑魚には変わり無かったか…………。

 

「な、ななななにぃ……?!!…貴様……一体……なにもn……」

 

警告(しつこい):早く成仏してください。」

 

エルダーリッチの声が途中で途切れ、見ればサイナがエルダーリッチの首を切っていた。

 

「結局そんな強くなかったな」

 

「同意:力量を見誤りました。」

 

2人で会話するサンラクとサイナ。

 

そんな2人を見て話す4人。

 

「強くないって…………」

 

アルシェが呟く。

 

「本当にアイツら何者なんだよぉ…………」

 

とヘッケラン。

 

「伝説級のモンスターを軽々と倒せちゃうとか……やば……」

 

「逸脱者……恐らく人間の領域はとうに超えてますね」

 

イミーナとロバーが言う。

 

「いや…………もしかしたら逸脱者という範囲にも収まらないかもしれない……。」

 

「……そういえば、アルシェはやけに珍しいモンスターやそういう話に詳しいわね?」

 

「…………まだ言っていなかったけれど……実は私は帝国魔法学院に通っていた。そこで主席宮廷魔法使いの指導を受けていた。」

 

「主席宮廷魔法使いって……最強の魔法詠唱者とか言われるあのフールーダ・パラダインじゃねぇか?!」

 

「道理であんなに魔法に長けている訳ね……。」

 

「魔法だけでなく、知識も膨大ですよ。」

 

アルシェは自分の事を喋り過ぎたと少し後悔して、少し照れながらも話を切り替える。

 

「………………話を戻すけど、私は逸脱者であるフールーダ様の元で指導を受けていた。そしてそこでさっきのデスナイトの事も知った。あれはフールーダ様でも倒すのは困難……だと思う。少なくとも一度戦った時は弟子30人とフールーダ様でやっと捕縛できた。」

 

「ほ、捕縛……?…………まぁ、つまり……あのデスナイトってやつはあんな簡単にやられる様な奴では無かったって事だよな?」

 

「うん……。多分……サイナさんは分からないけど、サンラクは少なくともフールーダ様以上……人間なんていう物差しで測っていいものでは無いと思う。」

 

「ひえぇ…………それじゃあ、本当に人なのかも怪しくなってくるわね……」

 

「イミーナさん………失礼ですよ。」

 

そんなふうに4人が会話していると

 

「おぉい!お前ら!探索も終わったからさっさと帰るぞ!!」

 

いつの間にか甲板から降り、地面に居たサンラクが4人に声を掛ける。

 

そして4人は話が尽きぬまま甲板を降りた。

 

――――――――――――――

 

相変わらずに弱かったなぁ……いつになれば強いモンスターとエンカウント出来るのだろうか……ていうかそろそろログアウトさせろや。クソゲニウムが足りてねぇ……いや、よくよく考えればこれはこれでクソゲニウムを摂取していると言えばそうなのだが…………つまらん。

 

余りにもゲームとしてはそれは致命的すぎでは無いだろうか……俺が好きなのは癖になるクソゲーであり、こんな調子ではこのゲームは二度とやらないクソゲーへとグレードアップさせてしまう。

 

サンラクがそう考えながら歩いていると後ろからサイナに声を掛けられる。

 

確認(ところで):契約者(マスター)は八本指という組織を知っていますか?」

 

「……八本指?」

 

急にどうしたんだ?八本指とかいう組織?…………全然知らんな。

 

「知らん…………何かのネイルサロンかなんかか?」

 

「否定:インテリジェンスの不足を検知。インテリジェンスのイの字もない返しですね。クターニッドも海の底で嘲笑しているでしょう。」

 

お前も大概だと思うが…………

 

「分かったから八本指とかいう組織がなんなんだ?」

 

「詳細:調べたところ……リ・エスティーゼ王国の裏社会を支配する犯罪組織、と聞きました。」

 

「……犯罪組織………だからどうしたんだ?」

 

「やはり、インテリジェンスの欠如が伺えます。国をも裏で支配するような組織ですよ?その組織が持つ力はきっと強大でしょう。

 それにです。これは噂の域を出ませんが……六腕といわれる6人は別格。人の身を辞めた人外達の集まりである、と噂されているようです。」

 

サンラクはそれを聞いて耳をピクピクと動かす。

 

ほぅ……なるほどな…少し興味が出てきたな……

 

ていうか、いつの間にそんな情報を集めたのだろうか?てか俺が退屈と感じたタイミングでこの話を持ってくるとは…………もしかしてアップデートでサイナのインテリジェンスにインテリジェンス補正がかかったのか?!昔は使い物にならなかったぐらいインテリジェンス(鳴き声)を連呼するただのヘボノットインテリジェンスロボットだったというのn

 

サンラクの首に冷たい刃が右と左にサッと構えられる。

 

サイナは化粧箱(双剣)を使って今にも契約者であるサンラクの首を獲らんとするという勢いであった。

 

サンラクの後ろには見なくても分かるぐらい無機物の冷たい殺気がヒシヒシと伝わる。

 

「…………いやぁ……流石、超完璧スーパーウルトラアルティメット完全無欠パーフェクトインテリジェンスロボット、サイナさんだなぁ(早口)」

 

サンラクへと構えられていた両刃がスっと下ろされる。

 

こ、怖ぇ……サイナさん怖ぇパネェ……!!無言なのが余計に怖ぇ……!……なんだコイツ…………もしかして俺の心でも読んでんのか?余計に気が利いたのもそういう事なのか?アップデートで契約者の心を理解するパッチが導入されたのか?!

 

サンラクが1人焦る中、サイナは終始無言で無表情であった。

 

そんなやり取りをしていると、甲板から降りてきた4人と合流する。

 

「……?……どうかしたのサンラク?」

 

アルシェはサンラクが青い顔(なお、顔は鳥の顔なので雰囲気)をしている事に気付き追求するが

 

回答(いえ):何もありません。」

 

何故かサイナが答える。

 

「え、でm」

 

警告(いえ):何もありません。」

 

「…………………………そ、そう……なんだ。」

 

サイナによる圧によりその話題は宇宙の彼方へとぶっ飛んだ。ちなみに回答から警告へと変わったという事に内心、恐怖を覚えたサンラクとアルシェである。

 

――――――――――――――

 

サンラク達が素材の回収をしていると、サンラクがふと置いていた船の事を思い出す。

 

多分もう使わんだろうから、ブリュバスはしまっとくか……。

 

そう思ってサンラクはブリュバスの方へと行く。

 

その行動に気付いたヘッケランがサンラクに声を掛ける。

 

「どうしたんだ、サンラク?トイレか?」

 

「違ぇよ。ブリュバス……俺の船をしまっとこうと思ってな。」

 

「しまう……?……そういえば、そのでっかい船どこから引っ張り出してきたんだ?」

 

「ん?……それはインベントリアっていう格納空間に…………………………え?」

 

サンラクはブリュバスをしまおうとブリュバスを目視したとき、サンラクの視界に何か違和感のある物が写った。

 

それは白くてなんというか……ゴツゴツしていて…………それはセミのようにブリュバスの船体である側面にくっついていた。

 

「………………な、なぁ、ヘッケラン……」

 

サンラクの声が途中で途切れた事を不思議に思い、こちらへと近付いていたヘッケラン。サンラクはそのヘッケランに声を掛ける。

 

「あ?どうしたんだ?」

 

サンラクはブリュバスのその謎の物体がくっついている方向を指差し

 

「ここら辺は船にくっつく巨大ゼミとかがスポーンするのか?」

 

「は?何言って……………………え?」

 

ヘッケランがサンラクの指さす方向を辿っていくと見えるは船体の側面にくっついた白いゴツゴツした物。

 

サンラクとヘッケランが何やらブリュバス近くで騒いでいるのに気付いたサイナ達4人は訝しく思ってか2人の近くへと歩いてきた。

 

疑問(どうかしましたか?)

 

サイナが問い掛ける。

 

「ほら、あれ。もしかしてレアエネミーじゃないかとヘッケランと騒いでた所だ。」

 

サンラクはブリュバスの船体側面にくっついている白い何かを指さす。

 

サンラクとヘッケラン以外の4人はその方向を見る。

 

「……げっ……何あれ…………?」

 

とイミーナ。

 

「………暗くてよく見えませんね…………」

 

とロバー。

 

「何なんだろうな……あんな魔獣は見た事ないが……」

とヘッケラン。

 

一同が頭に疑問符を浮かべる中、冷静に分析し正体を確かめようとするロボットが一機。レアエネミーと攻撃を仕掛けようとするハシビロコウが一羽。その姿に思い当たりがある少女が一人。

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