オーバー×フロンティア   作:牡羊様

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ヤバい!小説のストックが減っていってやがる……!!


どちらがモンスターといえばハシビロコウである。

帝国行きの道は、行き交う商人や冒険者、旅人に道を尋ねて帝国に辿り着いたからな。

 

正直、王国への道とかよく知らん。しかも今は深夜でもあるから人の気配がしないんだよなぁ。

 

恐らくこの街道に沿って行けば……あ、そうそう。確か森の奥に大きな山があって、その森がトブの大森林……だった気が…………

 

余談だがサンラクはプレイヤーの視界補正と正眼の鳥面(ハシビロコウの腹面)の資格補正によって、常人よりは夜目が効くようになっている。

 

…………折角だ……カルネ村に寄ってみるか……。また顔出すって言って結局あれから顔出してねぇもんなぁ……。

 

そういや、前髪はエンリさんと上手くいっているのだろうか……?…………ん?……そういや、俺いつからエンリさんの事をさん付けで呼ぶようになったんだ?NPCに対してそんな呼び方、よっぽどな事がない限りはしないんだがなぁ…………いい例としてはサミーちゃんさんだが……

 

そんな事を考えていると、何やらサンラクから見て森の奥からカンカンッ!と鉄が打ち付けられるような音が響く。

 

なんだ?

 

多分、モンスターの物じゃないよな?だとして人間。この森の先に人間が居るとしたらそこは恐らくカルネ村だろう。

 

…………まさか何かイベントが発生したか?……襲撃イベ?

 

まぁ、いいや。どうせカルネ村には寄る予定だったし、助けたついでに王都への道を教えて貰おうか……あと前髪の進捗も……!

 

サンラクはなるべく早く着くようにと、森を迂回せずにそのまま森の中へと入っていった。

 

――――――――――――――

 

お……やっとカルネ村が見えてきたな。

 

サンラクはほとんど光の無い暗い森から目を凝らして遠くを見る。

 

ん?……あの柵突破されてねぇか?……だとしたら不味いな……もう既にゾンビ村になってたら洒落になんねぇぞ。

 

サンラクはそう思って足を早める。

 

カルネ村に近付くにつれ、倒れているモンスターの数が増す。

 

ふむ…………どうやら応戦は出来てるっぽいな……おっと…………金属音?

 

サンラクは聞き耳を立てる。

 

モンスターによって破壊された柵の隙間から金属と金属がぶつかり合うような音がさている。

 

よく聞くとその合間合間に声が聞こえる。

 

恐らくそれはゴブリンであるジュゲムのもの、と人のそれではないおぞましい雄叫びのような声。

 

どうやら、まだ完全には壊滅していないようだ。だがまだ戦ってる最中って感じか……

 

――――――――――――――――

 

「クソッ!動けない奴は下がって回復しろッ!!」

 

リーダーであるジュゲムがゴブリン達に指示を促す。

 

チッ……大分不味い状況だな…………数の有利と回復ポーションを利用して、今はなんとか戦えているが……

 

相手はトロール……トロールに有効な攻撃を当てない限りはその再生能力で直ぐに回復しやがる。対して俺達は回復ポーションがあるものの、有限があり、それももうすぐ無くなりつつある。

 

長引けば長引くほど、俺達には不利……だとして直ぐに決定打を与えられる程の実力は俺達にはない……どうする……?

 

ジュゲムは目の前の強大な敵を睨みつける。

 

………………?……あれはさっき与えた傷?…………なんで回復してねぇんだ……?

 

ジュゲムはトロールの顔にある傷に目がいく。その傷を見たまま思考が巡る。

 

ジュゲムはその傷に気を取られ、トロールの動きが見えなくなる。

 

「ジュゲム!!来るぞッ!!」

 

仲間からの一喝。しかし気付いたときには既に遅く、トロールは右手に持つ大剣を上へと掲げ、その重力のまま大剣を振り落とそうとしていた。

 

仲間の声により体が反応するがそれよりもトロールの大剣がジュゲムへと迫る方が速い。

 

ジュゲムは受け身も取れぬまま、目をグッと閉じて死を覚悟する。

 

ッ……!!!!

 

………………………………なんだ?

 

痛みは感じなかった。それに意識も失わない。

 

そんな不可思議な状況を確認するため、力強く瞑っていた目をゆっくりと開ける。

 

「ギリギリセーフ……!」

 

「……?」

 

目の前の状況がよく分からなかった。

 

己へと向かっていた巨大な剛腕と大剣は地へと転がり、代わりにそこに目の前に立っていたのは見事な剣を持った鳥のモンスター?いや、頭は鳥だが、首から下は人間のもの。しかしその人間の姿もジュゲム達ゴブリンから見ても蛮族と言えるほど露出が多く、半裸で短パンであった。

 

しかしその姿は何処かで見た事がある。

 

――――――――――――――――――

 

ふぅ、中々にかっこいい登場をしてしまったようだ…。

 

絵面だけ見たらピンチに駆けつけたヒーローという感じだが、その実、サンラクは誰かがピンチになるまで物陰で潜み、丁度良い場面が来るまで待っていた、というのは秘密なのである。

 

腕を切ってみたは良いが相手はトロール……恐らく直ぐに再生…………してないな……。

 

もしかして個体によって再生能力の強さも変わってきたりするのか?ここら辺のモンスターの生態とか特に分からんからなぁ……。

 

サンラクがそう考えていると、トロールが動き出し、失った片手の仇と言わんばかりに左手でサンラクに殴りかかる。

 

しかし、それは空を切る。

 

トロールは手応えが無かった事を不思議に思い、標的であったサンラクを首を振って探す。

 

「……?」

 

トロールは標的を探す。首が勝手に動き、視界が低くなり、自分の体が俯瞰的に見えても、トロールは標的を探すことを止めず、そしてそのまま意識が遠のく。

 

「後ろの正面だァレだ、ってな!」

 

どうやらサンラクはあの一瞬でトロールの後ろへと回り込み、そしてその首を斬ったらしい。

 

サンラクは斬ったトロールの死体を見る。

 

………………やっぱ再生はしないな。ならモーマンタイ、だ!

 

「よォジュゲム!久しぶりだな!!」

 

サンラクは久しぶりに会う目の前のゴブリンに話しかける。

 

「…………あっちがジュゲムです……。」

 

話しかけられたゴブリンは苦笑いしてもう一体のゴブリンを指差す。

 

どうやら話しかけたゴブリンはジュゲムでは無かったらしい。

 

……………………

 

「よォ!ジュゲム!!」

 

ジュゲムは先程から唖然とした顔で固まっており、首を振って表情を取り戻す。

 

「あ、あんた…………いや、鳥の旦那………ひとまず命を救ってくれた事に感謝するぜ……。

 まさかそんなに強かったなんて……」

 

ジュゲムはサンラクの姿をジロジロ見ながら言う。

 

「あぁ、もう慣れてるからそういうの、早くこの村の状況を教えてくれや」

 

サンラクは半目で不機嫌そうに言う。

 

好きでこんな格好になった訳じゃねぇっつぅの!!あんのクソ犬がッ!!

 

サンラクから殺気が漏れ出す。

 

ジュゲムはその殺気に一瞬ビクつき、話を戻す。

 

――――――――――――――――

 

「モンスターの大群?」

 

「あぁ、今はほとんど倒したが、まだ周辺に…………?!」

 

ジュゲムの言葉の途中、突然村の東側から建物が壊れるような音がする。

 

「村に入ってきやがったかッ!」

 

ジュゲムはいち早くゴブリン達に指示を出す。

 

しかし、柵が壊れたこの場所をどうしたものか、と考え直す。

 

「おい、ジュゲム!あっちは俺が見てくるからお前はそこで防衛しとけ!!」

 

サンラクはジュゲムの様子を察してかそう提案する。

 

ジュゲムは少し考え、そして頷く。

 

「……鳥の旦那、恩に着るぜ!」

 

2人はそう言葉を交わし、サンラクは村の家の屋根を経由して音がした方向へと走っていく。




ジュゲムヒロイン説……

誰得って感じですが、もしそれがあるのならばその説を推してやらん事はある。

前書きで言った通り、ストックが少なくなってきているので、来週か再来週辺りは投稿出来ない日が出てくるかもです……すいません!
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