オーバー×フロンティア   作:牡羊様

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強く生きろポニテ

カウンターには複数人の受付嬢が立っていた。

 

俺は受付嬢に話しかけ、要件を話す。

 

「「冒険者登録をしたい」」

 

ん?ハモった?そう思い、俺は声が聞こえた方向を見る。

 

どうやら横にはさっき助けてくれたモモンという大男とポニテがいたらしい。

 

てかお前らもルーキーかよ!!

 

俺とモモンはお互いを見て目が合う。

 

「………あぁ…先程はウチのナーベがすまなかった。」

 

「あ、いえ。こちらこそ先程は助けていただきありがとうございます。」

 

「当然の事をしたまでだ。」

 

おぉ、やっぱカッケェなこいつ。そしてポニテ。そんなに俺を睨むでない。一体俺が何をしたんだ。

 

少し2人で会話していると横から声を掛けられる。

 

「あのぉ…お二方とも冒険者登録をしたい、という事でよろしいでしょうか?」

 

俺とモモンはコクリと頷く。

 

「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

 

先にモモンが喋る。

 

「私はモモン。こっちは仲間のナーベだ。」

 

「……。」

 

そして受付嬢は俺の方を向いて俺の言葉を待つ。

 

「サ……」

 

いや、ちょっと待てよ。ここでサンラクと名乗ってもよいものか?サンラク(男)の姿はカルネ村でサンラクと名乗った。つまりサンラク(男)=サンラク(女)に繋がるような事はなるだけ避けた方がいいのでは?

 

だって男が女になったぁぁ!!って知られたら色々面倒そうだし、少なくとも冒険者になって名前が知れたら男の姿での活動もややこしくなりそうだ。

 

ここが旧大陸や新大陸なら、もう性転換アイテムなんて知れてるから大丈夫だが、何やらこのマップは開拓者の名前さえあまり知られていない新マップ。もちろん聖杯なんてアイテムさえ知られていないだろう。

 

ならば…、うーむ………

 

「ミラクです!」

 

3ラクってな。まぁ、即興で付けたんだ。こんなもんだろ。

 

「モモン様にナーベ様。そしてミラク様ですね。」

 

受付嬢は確認するように3人の名を繰り返す。

 

「では冒険者登録の前に、冒険者ランク、依頼の受け方、報酬、その他 諸注意などの説明をさせていただきます。」

 

――――――――――――――――――――――

 

「……以上で説明は終わりです。何かご質問はありますか?」

 

説明を聞いていて分かったことがある。さっきの輩は自分の事をシルバーと名乗っていた。それは冒険者ランクの階級だったらしい。下からカッパー、アイアン、シルバー、ゴールド、プラチナ、ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト。

 

どれも鉱石の名前であり、更に上らへんはファンタジーじゃ定石の希少な鉱石。

 

だが俺の率直な感想としては 柔らかっ!!だ。

 

シャンフロの新マップと期待はしたが肩透かしだ。もっとあるだろ。もっと伝説級の鉱石とか!!クリスタル・スコーピオンとかゴールデン・スコーピオンとかアレクサンド・スコーピオンとか。

 

おい誰だ!俺のブラザーを素材扱いしたのは?俺が一発ぶん殴ってやらぁ!!だが生憎、今は過去に戻る手段を持ち合わせて無いため今回だけは見逃してやることにした。ん?これ前もやったか?

 

そんなしょうもないことを考えていると受付嬢が話しかける。

 

「では、こちらの紙に、お名前とチーム名をお書きください。」

 

俺はペンと紙をもらう。

 

あぁ、記述式ね。おけおけ、じゃ、早速…………ん?

 

「うッ!読めねぇし書けねぇ!!」

 

サンラクは顔をカウンターの机にバン!!と顔を伏せた。

 

その紙には明らかに日本語出ない文字の羅列が書かれていた。そして流石にそこに日本語を書くことは出来ないと一瞬で判断する。

 

おっとしまった。つい声に出して本音を言ってしまった。

 

サンラクは急いで取り繕う。

 

「うふふ……私、文字の読み書きが苦手でして…少しはしたない所を見してしまいましたわね。ごめんあそばせ☆」

 

ふぅ、ギリギリセーフだな。うん。

 

サンラクがそうやって何とか取り繕った感をだしているとモモンから声がかかる。

 

「……ミラク、といったか?読み書きが出来ないのならば読み書きができる者に書いてもらえばいいのでは無いか?」

 

あぁ、なるほど。ナイス提案だモモン!

 

「なるほど……!…では、そうさせてもらいます。」

 

先程の口調はどこへやら。サンラクは女子力を解放して受付嬢にペンと紙を返す。

 

「えっとぉ、お願いできますか?」

 

「はい、大丈夫ですよ。」

 

「私もついでに!! お願いする。この鎧のせいで細かい作業は苦手でな。」

 

「分かりました。」

 

あぁ、なるほどね。どうやら俺が読み書きが出来ないと言う前から考えは出ていたらしい。

 

「では、ミラク様。チーム名をお願いします。」

 

ん〜、チーム名チーム名。てか俺ってソロだよな?チーム名とかいるのか?まぁ、別にいいけど。

 

旅狼 でもいいがこっちはクラン名で使ってるからな…。

 

だったら

 

「仇討人 で」

 

「了解しました。仇討人 ですね。」

 

咄嗟に思い浮かばなかったのもあるが、サンラク(女)の姿で仇討人が定着してるからな。丁度いいだろ。

 

「では、モモン様。チーム名をお願いします。」

 

モモンは少し黙ってから喋る。

 

「…………モモンと愉快な仲間たち 」

 

モモンがボソッと呟く。

 

え?マジ?

 

「ではなぁく!!………ゴホン…すまない。そのだな…そう!ナーベがそう提案してくれたのだが私的にはもっと良い感じの名前がいいと思うのだがな。うむ。」

 

あ、なんだ。このポニテが考えたのか。

 

そう思いポニテを見ると目を見開いてモモンの方を見て口をあんぐりと開けていた。

 

どうした?笑えよ、ポニテ。

 

「……そうだ。ミラク。先程のような良い感じの名前を考えてくれないか?すまないが私も未だ思いつかないのでな。」

 

ん?俺?まさか俺に飛んでくるとは。てかこれって結構なキラーパスじゃね?俺のネーミングセンスが問われるってか。まぁ、幸いポニテのおかげでハードルは凄く低くなっているが。

 

サンラクは2人を見て名前を考える。

 

黒鎧…黒髪のポニテ…コイツら真っ黒だな………。あ、そうか。

 

「漆黒 っていうのはどうでしょうか?」

 

「漆黒 か…ふむ…なるほど、気に入った。ならばそれで頼む。」

 

おぉ、良かった。お気に召したらしい。

 

「分かりました。チーム名 漆黒 と 仇討人 ですね。」

 

お、やっと終わったか。

 

「では、登録の為の10銅貨をお願いします。」

 

え?お金いるの?

 

 




多分、来週からはこんな頻度で投稿出来なくなります。
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