ARMORED CORE Ⅵ 迷い込んだ猟犬と交信者 作:荒潮提督
※作者はこの作品のアセンでオールマインドに勝てる気がしないので誰かやってくれ。
ー 貴方の役目は、もう終わりです ー
ー よう、待ってたぜ。・・・野良犬 ー
ー やっと、貴方と共に戦える ー
『テメェら・・・纏めてキエロォ!』
『イグアス・・・!?ナにヲ・・・!?』
『干渉・・・!?機体との同調が・・・!レイヴン、私が手伝えるのはここまでの様です・・・!』
アサルトアーマーのような攻撃から逃れる621。
自身の機体「ナイトフォール・ディブレイク」には異常は無い。
しかし技研製無人ACに乗り込み救援に来てくれたエア、オールマインドが何処からか持ってきたシースパイダーは機能不全を起こし活動を停止していた。
通信を聞く限り恐らくオールマインドにも予想外だったのであろう狼狽える声が聞こえて来ていた。
621は素早く機体の状態を確認する。
リペアキット・・・残数0
AA・・・残回数0
AP・・・6325
右腕・・・残弾200発
左腕・・・overheat。回復まで残り10秒
右肩部・・・残弾42発
左肩部・・・残弾14発
各部システム・・・異常無し
『耳鳴りも・・・鬱陶しい声も消えた・・・。透明だ、気分がいい』
「イグアス・・・」
『後は、俺たちだけだ・・・野良犬ゥ!!!』
叫ぶと同時に機体を加速させて急接近してくるイグアス。
もはや彼の目には621を、G13を、レイヴンを倒すことしか見えていない。
何度も辛酸を舐めさせられ続けた倒すべき敵。
対する621もイグアスが放ってくるパルス弾を避けつつミサイルとアサルトライフルで攻める。
ブレードを振るえばクイックブーストで避けられ、大出力のレーザーを放とうとすれば二連グレネードキャノンと六連装ミサイルに阻まれる。
コイツに勝つ為にレッドガンから離れ、オールマインドの話に乗り、ヒトである事を辞めた。
なのに、コイツは易々と自分の動きを読んでくる。
『テメェはいつも・・・俺の上を行った・・・』
「・・・」
『クソみてぇな旧世代型・・・』
《右手武器 残弾30%》
『テメェと俺で・・・ナニが違った・・・!?』
アサルトブーストで接近しブーストキックで体勢を崩された所にグレネードキャノンを叩き込まれる。
機体が徐々に限界を迎えつつある。
オールマインドが『イレギュラー・・・全てを破壊する異分子・・・』とほざいているがイグアスには関係ない。
『好機です・・・!レイヴン・・・!』
『まだだ・・・。まだ終わらねぇぞ野良犬ゥ!』
『っ!?敵機の出力が急激に上昇!?レイヴン!』
アサルトブーストのように突撃して来たイグアスに対処が遅れて右腕を押さえ込まれ叩きつけられる621。
衝撃でミサイルが外れ、右腕も握り潰されて機能が停止。
イグアスが勝ちを確信し自機の右腕からブレードを展開し621に突き立てようとする。
しかし、621はリロードが終わっていたグレネードキャノンをノーロックでイグアス機に発射、右腕部の武器ユニットに直撃し爆発する。
爆風により吹き飛ぶ両者、621側は右腕部が握り潰されて破損、ミサイルと爆発の衝撃でグレネードキャノンを失った。
対するイグアス機は右腕を失いコアにも決して軽くないダメージを負っている。
互いに満身創痍、次の一撃で決着が付く。
『レイヴン!損傷が!』
《AP 残り10%》
『好機ですイグアス』
『黙ってやがれテメェは・・・!オイ、野良犬。聞こえてんだろ』
「・・・」
『・・・チッ、相変わらずダンマリかよ。まあ、良い。次でケリをつけてやる・・・来い』
左腕からブレードを展開するイグアス機。
621もそれに応え左腕に残されたパイルバンカーを構える。
1秒が永遠にも感じるような錯覚を感じる空気の中、先に動いたのはイグアスだ。
続いて621もアサルトブーストを起動し動く。
イグアス機のブレードが621のACに届く・・・かと思われた。
フルチャージされたパイルバンカーがイグアス機の胴体に突き立てられる。
チャージされたその一撃はACですら簡単に葬り去る威力を誇る。
例え特殊兵器であっても例外ではない。
炸薬により発射された杭は装甲を貫通し、ジェネレーターまで届き、背中側まで貫いた。
動きを停止し、倒れ込むイグアス機。
薄れゆく意識の中、イグアスは最後の最期で本音を漏らした。
『俺は・・・テメェが妬ましかった・・・』
「ハッ・・・ハッ・・・」
『イラつくぜ・・・野良犬に・・・憧れたんだ・・・』
「イグアス」
『なんだよ・・・野良犬・・・』
「ミシガンに会ったら伝えて。・・・遠足は楽しかったって」
『ケッ・・・自分で・・・伝えやがれ・・・レイ・・・ヴ・・・ン・・・』
頭部カメラアイの光が消え沈黙する。
オールマインドが計画がめちゃくちゃになった事に狼狽している。
当然だ、彼女、C4-621はルビコンの解放者となる事を選んだ。
その結果が世話になった人を、友人となってくれたAIを、結果的に戦友を、そして恩人であり飼い主である彼を失う事になってしまう結果になったとしても彼女は後悔していない。
コーラルリリースなどという訳のわからない計画の為に全てを無かった物にする事など彼女は許さない。
だが。
『こうなれば・・・無理矢理にでもコーラルリリースを・・・』
『不味い!?レイヴン!オールマインドの機体を完全に破壊してください!』
『もう手遅れですよ、エア』
瞬間、圧力が掛かったかのように潰れていくバスキュラープラント。
完全に潰され、現れたのは全てを飲み込むブラックホール。
紅い閃光が辺りを包んだと思った刹那、ブラックホールが爆ぜた。
これは不味いと感じ火花を揚げ、スクラップ寸前のACを動かし必死に逃げる621。
しかし、光は彼女を飲み込んだ。
いつか、感じたコーラルの奔流。
飲み込まれていく感覚。
必死に自分を呼ぶ声が聞こえる。
声が聞こえる方に手を伸ばす。
伸ばした手を掴まれたような感覚を持った瞬間引っ張り上げられる感覚に襲われる。
段々と意識が覚醒してくる。
目が覚めるとそこは
「ーきてください!起きてくださいレイヴン!」
「・・・誰?」
目の前に毛先がコーラルのように紅い銀色に近い白髪でケモ耳と紅い球とそれを囲む様なリングを頭の上に浮かべた少女がいた。
ナイトフォール・ディブレイク
外観は真レイヴンのAC「ナイトフォール」そのままだがカラーリングと内装が変わっている。
今作品の621の愛機となっている。
本機はザイレム浮上の際、カーラ含むRaDの面々により摩耗した各部関節パーツなどを交換ついでに複製された真レイヴンの頭部パーツをつけられた他徹底的にチューニングされており外観こそ同じだが中身が別物になっている。
企業との決戦に備える為に行われた改装だったがエアと生きる事を選んだ621によりその力は自分達に向けられる事になる