帰還に失敗した堕ちた英雄がオラリオに行くのは間違っているだろうか?   作:匿名希望

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創設神

柊の愉快な仲間達を紹介するぜ!

 

騎士団長

剣の師匠だが剣以外にも様々な武器の使い方を教えた。自分達の世界のために平和に暮らしていた家族を連れてきたことに責任を感じ、何れ殺される前提で厳しく鍛えた。

巨人に踏み潰される際、柊を世界を託せてしまうほど強く鍛えたことを後悔していた。

なお、彼の副官は柊を無能だから気に入っていないと決めつけた。

 

 

戦士

山をぶった斬ったり湖の上を走ったりする身体能力の持ち主。技の騎士団長、力の戦士。筋肉があれば剣も強くなると技を学ぶことはない。

柊に弟達を頼むと柊を庇い大蛇に食われた。

弟を誘ったが弟は兄ちゃんが居ない間にこの街を守ると平和な街に引きこもった。

 

 

魔女

魔術塔と呼ばれる魔法研究機関所属のハーフエルフ。本人曰く純粋無垢な子供が好きと言っていたが最終的には年上の筋肉の塊みたいな戦士と付き合ってた。

海を凍らせて別の大陸に歩いて渡る道を作ったりしていた。

ちゃんとお姉ちゃんできたかな、と妹を思い出しながら波に飲まれ島に叩きつけられた。

父親違いの人間の妹がいて、一緒に世界を見て回ろうと提案したが妹は研究があるからと引きこもった。

 

 

聖女

本来同行命令が出ていたが色々言い訳をして同行しない父の代わりに自ら参戦した。死んで十分ぐらいなら蘇生可能。老人の延命も30年ぐらいは出来る。その老人達に色々言われたがこれから先を生きる者達を優先した。

過酷な旅の中、最期の瞬間に自分が未来永劫地獄に囚われても良いから何の義務もないのに仲間を失い何度も死にかけた柊を安全な世界に返してほしいと神に願った。

なお恋人には一緒に戦おうと誘ったが柊に任せておけばいいと言われ、聖女から振った。

 

 

作家

性格が捻くれている女。柊の恋人。

強化魔法を使い聖女が回復中仲間の支援を担当する。自分より誰かを優先する皆を変なの、と笑いながら実は気に入っていた。幼馴染みの話をされても孤児院の皆幼馴染みだからどの子? と首を傾げる。

 

 

義賊

厳密には仲間ではない。事あるごとに世界を救うのは俺だと柊に絡んでは喧嘩をふっかける。ただし怪物や神官との戦いでは邪魔せず共に戦う。

怪鳥の爪に引き裂かれ、柊が英雄になってしまうことを憂いながら亡くなった。

実は聖剣に適応する存在を人工的に作る実験の被害者。恋人には秘密だったが実は残りの寿命が少なかった。

 

 

結論

化け物だらけの世界で真っ先に死ぬのは自分の命より他人を助けようとする奴だよな。

しかも助けた連中が軒並み…………そりゃ柊も歪む。

 

 


 

 

 ガネーシャ。

 柊が調べた神のうち、自身の秘密の一端を打ち明けても問題ないだろうと判断した神の一柱。

 資料には民を笑顔にする明るい性格と書かれていたが…………あれは描写に気を使ったのだろうか?

 

「驚いているな? それもまた、ガネーシャ」

「何いってんだお前」

「お近づきの、ガネーシャだ!」

 

 「ガネーシャなりきりセット」を手に入れた。

 

「君には現在レベル虚偽報告疑惑がかかっている。大人しく同行してくれると、ガネーシャ安心!」

 

 周囲に複数の気配。ガネーシャの眷属だろう。別に彼等が纏めてかかってこようと問題はないが。

 

「解った」

「うむ、ではステイタスを見てしまう詫びとしてこの「等身大ガネーシャ像」を進呈する!」

「いらんし何処から出した」

「………………」

 

 落ち込むガネーシャ。すぐさま現れた仮面の男達が「等身大ガネーシャ像」を回収した。

 

「ロイマンは君がレベル詐称をしている前提で動いている。そのうえで、新興【ファミリア】だから時期を置くつもりだったようだ」

 

 移動しながら、ガネーシャは話す。

 ロイマンとやらは出来たばかりの【ヘスティア・ファミリア】からは、団員数もありどの道ランクがそこまで上げられないので期間を設け脱税していたことにしそちらの罰金も狙っていたらしい。

 

「同じ豚エルフでも随分な違いだなあ」

 

 柊の知る金食い豚なら一先ず今の金を優先する。

 損はするが、その分を相手から稼がせる方法を作る。何時死ぬかも解らない相手に時間を作りあの世に持ち逃げされるのは堪ったものではないかららしい。

 

「ロイマン以外にもそんなあだ名のエルフが」

「自分で広めた名や他人につけられた二つ名、後は幾つもの偽名を持ってた」

 

 そういや結局、名前を聞くことはなかったな。

 「結婚式を我が商会で開かせていただけるのならお教えしますよ」と言われたが結局結婚式は行えなかったし。

 

「で、どの部屋で見せる?」

「うむ、こちらだ!」

 

 と、ガネーシャに先導されるままついていく。向こうから感じるのは、神の気配。それも、かなり高位の………。

 

「良く来た」

 

 広間の中央にざす2メドルはある長身の老神。ギルドの創始者にして、神時代の始まりに現れ好き勝手振る舞う神々の中で規律と秩序を重んじたオラリオの創設神ウラノスだ。

 後、姿を隠しているがここ数日柊を監視していた気配。

 

「で、どちらに背中を見せれば?」

「いや、いい………ランクアップをしたことがない、それが事実であることは解っている。そして、レベル詐称自体はしていることも」

「むぅ、俺は半信半疑だがな!」

 

 と、ガネーシャ。ランクアップをしておらず、しかしてLv.1でないなら………つまり、0。しかしこの街の常識に当てはめれば、神の恩恵を持たずして冒険者を圧倒するなど信じられない。

 

「だが事実だ」

「そのようだ! つまり、君はガネーシャだな?」

「……………………」

 

 何いってんだ此奴? とウラノスに視線を向ける柊。

 

「本題はそちらではない。彼方より迷いし者よ………先日お前は、人の言葉を発するモンスターに出会った筈だ」

 

 ガネーシャは無視して続けるらしい。柊も取り敢えず気にしないことにして、ウラノスの言葉について考える。

 

「………? ………………ああ」

「忘れていたのか」

「別段、どうでもいいし………」

 

 柊にとって、どうでも良いことだ。人の言葉を介し人の言葉を話すモンスター。知性を持ち、人に憧れるモンスター。その危険性をわからぬ柊ではない。

 嫌悪を抱く者もいれば、モンスターに剣を向けることにためらいを向ける者も現れるだろう。それらを理解したうえでどうでもいいと言う柊を、ガネーシャとウラノスは静かに見つめる。

 

「そも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。似ているだけで彼処まで殺意を向けられるとは、何をした?」

「……………閉じ込めた」

 

 それ故にダンジョンは神々を憎んでいる。そのうえで、この老神はダンジョンを落ち着かせているようだが………。

 

「どの道、俺には関係ない」

「………そうか」

「架け橋にでもなってもらいたかったか? 生憎だな、俺には無理だ。そんな異端の英雄になるつもりもなければ、器でもない」

「英雄?」

「? 英雄だろ、モンスターと人類の終わらぬ殺し合いに終止符を打つんだから」

 

 と、首を傾げる柊。ウラノスはそうか、と顎髭を撫でる。

 

「お前がダンジョンに潜る理由は?」

「金」

「そうか………であるなら、こちらから報酬を用意しよう。それならば、力を貸してもらえるか?」

「報酬次第だな」

「うむ、ならばあんずるな! この「ガネーシャトレーニングセット」を譲ろう! これで、君も筋肉(ガネーシャ)だ!」

「ガネーシャ、黙れ」

「いらん」

「……………」

 

 ガネーシャは落ち込んだ。

 

「で、俺は一応レベル詐称をしているわけだが、そちらについては?」

「不問だ。恩恵を持たず恩恵持ちを圧倒する者がいると知れば、余計な騒動を生む」

「Lv.1がLv.5を倒してでも十分だと思うが………」

「それでも、恩恵があるならレアスキルという言い訳も立つ」

 

 それはそれで興味を持たれるだろうが、少なくとも「恩恵を持たせずに俺等も第一級以上の強さ作れるかやってみよーぜ」とか言う神は現れない。

 恩恵をもたせておけば取り敢えず生存率は上がる。

 

「そういうものか?」

「ステイタスは下界の子の可能性を後押しする。少なくとも、恩恵を与えて可能性を引き出そうとするならマシだ」

 

 柊を恩恵無しと発表すれば、確実に恩恵を与えずに「出来る出来るお前なら出来るって、他に出来たやつがいるんだから諦めるなよ!」とか言い出す神々が現れる。

 神だからこそガネーシャとウラノスはそれが良く分かる。

 

「もう一つ、これはあの時18階層にいた全ての冒険者に言っていることだが、あのモンスターについては口外を禁じる」

「ああ、分かった」

 

 

 

 柊が去り、その場に残るは二柱と()()

 

「第一級を凌ぐ力、味方になってくれれば心強かったのだが」

「仕方ないさガネーシャ。無理に誘えば、反感を買い我等は勿論リド達も危険に晒した」

 

 と、姿を現すのはローブを纏った人物。男か女かも判断の出来ないその人物こそ、ここ数日柊を監視していたウラノスの私兵。名をフェルズ。

 

「今は、未来に期待というところか…………」

「期待?」

「彼は………怪物と人の手を繋ぐ者を英雄と呼んだ。故に、今は未来に期待する」

「なるほど…………」

「しかし、異邦の地からの迷い人とは………」

「異邦の?」

 

 フェルズが首を傾げ、ガネーシャがピクリと反応する。

 

「ではいずれ、帰るのだろうか?」

「いいや、彼は自らの意思で境界を超えた………少なくとも自ら抜け出した世界に戻ることはすまい」

 

 もっとも、世界を渡った理由がこの世界に来ることでないのなら何時かは去るのかも知れないが。

 

「第一級以上の力を得るなど、随分過酷な世界なのだな?」

「ああ、少なくとも神を殺す力を手にする程度にはな」

「なんと、ガネーシャ驚愕!」

 

 神は人類には殺されない。零能の身は人の武器に傷つけられるだろうが、直に傷が癒える。尤も、その場合傷を癒やすことに神の力を使ったとして強制送還されるが。

 

「神の一部から生み出された武器。それがダンジョンの逆鱗に触れたのだろう………呪いの方は、ダンジョンでも気付けまい」

「呪い?」

「神の呪いだ」

「なんと!? 解けぬのか、ウラノス!?」

「相性や神格の差がある………解けぬものもいなくはないが………あれは、解く方法がある」

 

 その言葉にホッとするガネーシャ。異邦の世界とはいえ、自分達と同じ神に呪われた人間がいるのが彼にとっては許せなかったのだろう。

 

「それで、その方法とは?」

「愛だ」

「何故そこで愛」

 

 いや、呪いを解くならある意味では順当なのか?

 

 

◆◇○◇◆◇○◇◆◇○◇◆◇○◇◆

 

 

 ダンジョン37階層。

 深層と呼ばれる領域にて、【ロキ・ファミリア】が訪れていた。

 目的は資金集め。治療費や、壊された大双刃(ウルガ)の修理代。1代目大双刃(ウルガ)の時と違い二代目は破片を全て回収できたから新しく作るよりは安くなったが。

 

 特にやる気に満ち溢れているのは、アイズだ。

 彼女は強さを求めている。だが、負けた。赤髪の調教師(テイマー)──フィン曰くモンスターの襲撃のタイミングが良すぎる──に、その後現れた未知のモンスターに………。

 そのどちらも、見ていたのは柊………ロキ曰くランクアップを果たしていない冒険者。

 

 オラリオのあり方を否定する存在。強くなるためにステイタスをあげようとするアイズ達とは、まるで異なる存在。

 あの強さが欲しい。あの強さの秘密が知りたい。私は、強くならなくちゃ!!

 

 

 

 だからアイズはフィン達に無理を言って残る。目的はこの階層にある。

 

「あん? 先客か?」

 

 と、アイズとアイズを見守るために残ったリヴェリアだけのはずの空間に声が響く。振り返れば黒髪の、目元に朱を塗った人物………ダンジョン内だと言うのに臭いのする煙管を吸う男。

 

「柊さん………」

「名乗ったっけ?」

「酒場の人が、そう呼んでたから」

「ああ………」

 

 アイズはふと周りを見渡す。仲間は、見えない。なら、この人はソロで来たのだろうか?

 

「丁度良かった」

「ん?」

「お前………いや、貴方に感謝を」

 

 と、リヴェリアが柊に頭を下げ、キョトンとしたアイズもハッと頭を下げる。

 

「あの、この前モンスターを倒してくれてありがとうございました」

「貴方が相手してくれなければ、最悪全滅もあり得た。本当に、助かった」

「あれは俺狙いで現れたから気にするな」

 

 巻き込んで悪かった、とは言わない。ダンジョンに潜る以上、わざと押し付けたわけじゃないなら謝罪は不要だろう。ここはそもそも何が起きるか解らぬ場所なのだ。

 

「貴方は、どうしてここに?」

「ヘファイストスからウダイオスの逆杭(パイル)を何本か持ってくるよう言われてなあ………まあ先着がいるなら帰る」

「ウダイオス………? ! アイズ、お前まさか!」

 

 リヴェリアがハッとアイズに向き直った瞬間、地面が揺れる。亀裂が走り、黒い影が現れる。

 ここは37階層。別名「白宮殿(ホワイトパレス)」……この宮殿には王がいる。

 漆黒の骨の体を持つ黒き骸王(がいおう)………迷宮の孤王(モンスターレックス)ウダイオス。

 

「2人とも、手を出さないで………ください」

「な!? アイズ!!」

「そうか、頑張れよ」

 

 慌てて止めようとするリヴェリアと、広間の端まで移動して壁に背を預ける柊。リヴェリアは一瞬柊に助力を求めようとして、やめた。

 他派閥の冒険者………それも借りばかりある相手に、どんな顔をして頼めばいいというのか。

 

「そうとも、ここにあのガキを救う英雄はいない。英雄に助けを求めるなら、分際をわきまえて助かったことを感謝すればいい………人の強さに嫉妬するガキを助ける気は毛頭ない」

「………そうか」

 

 それに、アイズを理解し、その上で傍観を決めた。ならば、彼に助力を乞うのは無意味。

 

「……………手を出すなだと、馬鹿娘」

 

 どれだけ心配していると思っている、どれだけ………それでも、今ここで手を出せばアイズは確実に誰の目もないところで無茶をする。

 

「…………モンスターのドロップアイテムの所有権は、倒したものにある」

「ん?」

「アイズが倒した後で構わない。それを報酬に、地上まで護衛を頼みたい」

「…………ま、俺も無駄足はゴメンだからな」

 

 

 

◆◇○◇◆◇○◇◆◇○◇◆◇○◇◆

 

 

 

 強さを求める。その姿は、何処までも愚直で、愚かしい。

 あれは失った者の目だ。失った者は戻ってこないというのに。

 

「前見た時とは違うな」

 

 怪物祭(モンスターフィリア)の際に少しだけ見た彼女の剣は、守るための剣だった。負けて失った時の事でも思い出したか?

 力を求めて、力に焦がれて、その力で何を殺す気なのか………いや、どうでもいいか。

 

「ああ、終わったか…………」

 

 激闘の末アイズが勝利する。剣のようなものはアイズ達に渡し、柊は必要な数の逆杭(パイル)を回収する。

 

 

 

 地上に戻る途中大剣はリヴィラでボールスという冒険者に渡し、あの日リヴィラにいなかった冒険者が美女二人を連れたサポーターだと思い絡んできたので手足を圧し折り地上に向かう。

 

「!」

「どうした、アイズ?」

「人が倒れてる」

 

 6階層で人が倒れていた。良く見るとベルだ。

 

「他派閥のお前達には関係ないだろ………」

 

 と、柊は横を通り過ぎようとして………不要なことではあるが心配させていたことを思い出す。ヘスティアがその思いは汲んでやるんだぜ、と言っていた。

 冒険者が己の実力も顧みず潜り気を失い死にかける。なら完全にベルの落ち度………と

 

「あの、私に……償いをさせてください」

「あん?」

「アイズ………?」

 

 アイズがそんな事を提案してきた。ミノタウロスの件か、酒場の件だろう。

 

「そうか………なら、膝枕でもしてやれ」

「「膝枕?」」

「お前なら喜ばない男はいないさ」

「そうなん、ですか?」

 

 と、アイズが柊に視線を向けてくる。

 

「まあ、ベルも悪い気はしないだろ…………」

 

 火が、消えていく。彼女にとって、ベルは………

 

「好きにしろ。俺は関与しない」

「ああ、後は頑張れ」

 

 柊はリヴェリアと共に地上に向かう。帰ってきたベルは、まあ上機嫌だろう………

 

 

 

 

「なんて失礼な態度を絶対嫌われたあああ僕の馬鹿馬鹿馬鹿!!」

「ベル君はどうしたんだい? 柊君、なにか知らない?」

「膝枕から逃げたらしい」

「え、なにそれ?」

 

 


 

 

ガネーシャなりきりセット

これで君もガネーシャだ!

 

 

等身大ガネーシャ像

これで家にもガネーシャだ!

 

 

ガネーシャトレーニングセット

君も今すぐガネーシャだ!

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