ONE PIECE パイレーツ・オブ・UTA   作:肘神さま

25 / 40
できました!!漸くできた…

今回はウタの歌披露!



第20話 『孤独』

集会場 裏口

 

ピエロ1「も…戻りました…!!」

 

ピエロ2「遅かったな…いや、その傷を見ればわかる。手酷くやられたな…」

 

セイヤを襲った海賊達が集会場へと戻ってきた。その1人は瓶に入れられたシラワタを抱えている。

 

ピエロ1「こいつが例の生物か…よし、俺が渡しておこう。お前達は医務室へ行ってこい」

 

ピエロ2「は、はい!…どうぞ…」

 

瓶を渡し、そそくさと中に入っていく。暫く、廊下を歩いていると空き部屋を発見し、周りを確認すると隠れるように入っていった。

 

ピエロ2「……よし、いいだろう」

 

人の気配がないことを確認すると、ピエロ達の顔が砂が風で吹き飛ばされるように変わり、セイヤ達の姿になった。

 

ケイ「相変わらずすごいな!兄貴の変装術は!」

 

レイ「リュシリュシの応用…相変わらず見事ね…おかげでスムーズに侵入できた」

 

セイヤ「だが気を抜くな…ここからだ」

 

侵入は成功したが次はどうヘスカノールに接触するかが問題…部屋の中を見回すと使い古された作業着とモップがあった。

 

これを見てピンときたのか、指を鳴らすと作業着が粒子となってセイヤ達の周りに纏わりつくと、一瞬で作業員に変身した。

 

セイヤ「作業員として清掃しながら探すぞ」

 

そう言い、部屋を出てモップがけをしながら進む。

 

ピエロ「あ!おいお前らっ!!」

 

その時、偶々通りかかった海賊が声をかけてきて一瞬ドキッとなる。

 

レイ(え!?なんでくるのよ!)

 

ケイ(俺達はただの作業員だぞ〜!?)

 

セイヤ「(落ち着け…普通に対応しろ!)…は、はい…なんでしょうか?」

 

ピエロ「丁度いい!掃除はいいからお前達も手伝え!」

 

そう言われ着いていくと、大量の宝が入った箱や袋がどっさりと積まれたカートがあった。どうやらこれを会場ステージに運ぶそうだ。

 

セイヤ(これはチャンスが巡ってきた…!)

 

セイヤ達はチャンスと踏み、カートを押してステージまで運ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

一方ラフエルは…

 

ラフ「ハァ…ハァ…!」

 

ヘス「驚いたな…思ってたより、弱くなったか?」

 

変身したヘスカノールに手も足も出なく、全身血まみれでありながら立っていた。しかもまだ意識がある。常人であれば死んでいるか気を失ってもおかしくないだろう。

 

だがラフエルは意識があり、戦闘を続ける気でいる。その証拠に目の奥の闘志は死んでいない。

 

ヘスカノールはそんなラフエルをつまらなそうに見ていた。もう身体もボロボロで死にかけているのに絶望せず、弱いというのに戦い続けようとするその姿勢が気に入らなかった。

 

ヘス「はぁ…つまらん……趣向を変えるか…」

 

そう言い、元の姿に戻ると後ろに控える司会者を指で呼んだ。

 

司会「は、はい…!」

 

ヘス「ゲーム内容の変更だ。こいつを全員でやらせろ」

 

司会「っ!…わかりました!」

 

司会者にゲーム内容の変更と伝えると、少し驚いたが了承し、進行する。

 

司会「野朗共ォ〜!ここでゲームの時間だ!!ルールは簡単!ここにいるゴウガイの首を取れ!!そうすれば…!」

 

するとステージ裏からカートに乗せられた大量の金銀財宝の山が現れた。

 

司会「この宝を全て与える〜!!しかも軍団の幹部の椅子もくれるとのことだっ!!」

 

『ウォオオオオオオオオオオッ…!!!』

 

宝の山を前に客席の者達のボルテージが上がる。

 

ベリ「あれだけの宝石をくれるの…!!?いいわやってやるわ!!」

 

ボジョ「ガハハハッ!!財宝は興味ないが幹部の椅子は魅力的だな!!」

 

次々と席を立ち、ステージに向かう。

 

ラフ「いいわ…かかってきな…!俺が…全て相手してやる!!」

 

いつもの女性口調が消え、男性口調で話す。恐らくこれが本来の彼なのだろう。

 

ラフ(ゴメンね…ウタちゃん…セイヤちゃん…ムラサキちゃん…シラワタちゃん……アタシ、アナタ達と旅…続けられないかも…)

 

だが、心の中は普段皆と話す時の自分で謝罪していた。

 

ラフエルに襲いかかる海賊達。その時、作業員の3人がラフエルの前へ出て、吹き飛ばした。

 

セイヤ「おいおい、遺言にしてはカッコ良すぎるんじゃないか?ラフエル…!」

 

ラフ「っ!?セイヤ…!?」

 

セイヤ「手を貸すぜ。因みにこいつらは俺の弟分達だ」

 

ケイ「ケイトです!」

 

レイ「レイナよ!」

 

手短に自己紹介を済ませながら海賊を吹き飛ばす2人。突如現れたセイヤ達に驚き、動きを止める海賊達。

 

『ファルスブラザーズだ!?』

『なんであいつらがゴウガイを守ってるんだよ!?』

『いや、それよりもあの真ん中の奴…『霧雨』じゃねぇか!!』

 

西の海で有名な賞金稼ぎ達がいることに海賊達も慌て始める。

 

フィ「あの『霧雨』が来るとは……貴方に動いて貰うかもしれませんね?」

 

フィオーレが振り向くとそこにはムラサキと対峙しようとした着物の男がいた。

 

スズ「やっとかい?あまりに遅いから君の部下何人も斬っちゃったよ」

 

隻腕のスズラン

殺し屋

 

スズ「…相手はあの『霧雨』と『ファルスブラザーズ』…良いねぇ…どんな斬り心地なんだろう…内臓の中も気になるな〜…」

 

スズランが刀を抜くが、ヘスカノールに止められる。

 

ヘス「待て待て…あんたの出番はこの後だ。もう少し待ってろ」

 

そう言うとヘスカノールが前へ出て海賊達に告げた。

 

ヘス「諸君!またしても俺に刃向かう愚か者共が現れた!!そこでまずはこの俺が」

 

 

ウタ「うるさーーーーーーーーいッ…!!!!」

 

 

突如、財宝のカートから財宝が吹き飛び、ヘスカノールに直撃した。その光景に驚き、声が出なかった。

 

セイヤ「ウ…ウタ…?」

 

ケイ「ウタちゃん?」

 

ウタ「さっきからなんなのよ!?うるさくて全然曲がつくれないじゃないっ…!!」

 

ラフ「……色々とツッコミたいけど、ウタも来ていたのね」

 

ウタ「ん?あれ!ちょっとどうしたのラフエル…!?ボロボロじゃない!!」

 

作曲できなかった怒りも傷だらけの仲間の姿を見て忘れ、近づいて傷を癒す。

 

その光景に海賊達はもちろん、フィオーレも驚いていた。

 

フィ「今のは…」

 

ヘス「治したのか…?面白いな…」

 

吹き飛ばされたヘスカノールは服のシワを直しながらウタに近づく。

 

ヘス「お前、見たことがあるぞ…確か…ウタか?」

 

『ウタだと…?』『本当だ!!ウタちゃんだ!!』『なんでこんな所に!?』

『ウタだと!?丁度良い!!続きを』『黙れ!!』『ごめん…』

 

海賊達はウタと聞き、更に驚く。最近映像電伝虫でちょっとずつではあるが自分の歌はもちろん仲間との和気藹々とした風景が話題となっている。

 

ウタ「えっ!私のこと知ってるの?もしかしてファン!?嬉しいな〜!漸くファンできたよ!あ、サイン欲しい?」

 

セイヤ「相変わらずだな…」

 

ウタはファンだと勘違いして嬉しがり、色紙とサインペンを取り出す。どこから出したんだよ…

 

ヘス「…お前の歌は興味がなかったが…お前の力は興味が湧いた…お前、幹部にしてやろう」

 

ヘスカノールの誘い…しかも幹部という役所がつく。これは飛びつかない者はいないだろう。

 

ウタ「やだ」

 

だが、ウタがそんなことに飛びつくわけがない。

 

ヘス「ほう……俺の誘いを断るか…」

 

ウタ「だって私、まだ冒険の途中だもん。それに組織的なのって堅苦しくって嫌いなの!やっぱ自由にやらないとね!」

 

ヘス「俺の側にいれば海軍も寄ってくることはないぞ?」

 

ウタ「海賊が海軍を恐れてどうするの?恐れてたら楽しめないよ!」

 

ヘス「俺にはこれだけ部下達がいる!強大な力に多くの兵力!俺を敵に回すと厄介だぞ?」

 

ウタ「へぇ〜、回すとどうなるの?」

 

ヘス「お前の大切なものを消してやるっ!」

 

 

 

ドンッ!!!!!!!!!!

 

 

 

突如、会場全体が揺れると共に地面が砕ける音が響き渡る。音の正体は、ウタの足がステージの地面を踏みつけた。それにより10メートルほどの大きなクレーターができていた。

 

ウタ「消す?消すって言った…私の大切な……ルフィを消すって……?!」

 

ウタにとって大切なもの…ルフィを消すという発言に怒り、ヘスカノールを敵だと判断した。

 

そしてセイヤとラフエルはレイナ達を連れて急いでウタから離れる。これからヤバいことが起きるであろうと…

 

ヘス「だったら、どうする?」

 

ウタ「…いいわ…貴方は…貴方の仲間モ……ツブシテアゲル」

 

ヘス「そうか……やれ」

 

ヘスカノールの指示で会場の海賊はもちろん、部下達も武器を構える。

 

ケイ「ウタちゃんっ!!」

 

レイ「ちょっとセイヤ!どうして隠れるの!?」

 

セイヤ「黙って見ときな…俺達の船長がお怒りだ…」

 

すると1人の海賊がサーベルを振り上げ、叩っ斬ろうとした。だが、それはウタの影から出てきた黒い手が掴み、守った。

 

海賊1「なっ…なんだこりゃ!?」

 

 

 

「ひとりぼっちには飽き飽きなの
繋がっていたいの♪」

 

ウタの足元から黒い影が這い上がると、人の形になる。

 


「純真無垢な想いのまま Loud out♪」

 

それは黒い服と灰色の髪…青白い肌をして、不気味な笑みを浮かべる…ウタだった。

 

ウタ「『音楽創造 孤独』!」

 

黒ウタ「♫」

 

すると次々に何人もの黒いウタが影から這い出てきて、一斉に駆け出す。

 

「Listen up baby 消えない染みのようなハピネス 君の耳の奥へホーミング 逃げちゃダメよ浴びて♪」

 

海賊達に攻撃を仕掛ける。呆気に取られたがすぐに攻撃に入る。サーベルで切り裂き、銃で撃たれ、ハンマーで潰される。すぐに終わったと思ったが海賊達は違和感があった。

 

海賊1(なんだ今の感覚…?)

 

そうあまりにも手応えがなく、斬った感触がまるで泥を斬ったような感覚だった。

 

黒ウタ「……♫!!」

 

すると倒されたと思った黒ウタは起き上がり、傷が逆再生のように戻っていく。そして海賊達の武器を破壊しながら殴るわ蹴るわの大盤振る舞い。

 

海賊1「なぁ…?!!」

海賊 2「こ、この野郎…!!!」

 

海賊達は反撃するも攻撃が効かず、そのまま吹き飛び、地面や壁にめり込む。

 

ボジョ「この野郎がァ!!!」

 

ボジョムキンの海楼石でできた網により数体捕まえられ、そのまま振り回して地面に叩きつけ、砕ける。

 

ベリ「ダイヤモンドスラッシュ!!」

 

ベリドールのダイヤモンドで作られた剣で次々と斬り裂いていく。


「他の追随許さないウタの綴るサプライズ
リアルなんて要らないよね?♪」

 

黒ウタ「♫♫♫」

 

だが全て黒い液体になるとまた元に戻るどころか、破片から一体一体と増えていく。

 

ボジョ「こいつら不死身か!?」

 


「後で気付いたってもう遅い 入れてあげないんだから 手間取らせないで Be my good boys & girls♪」

 

斬っても叩いてもすぐに復活し、攻撃してくる。数の暴力とはまさにこのことだ。

「誤魔化して強がらないでもう ほら早くこっちおいで♪」

 

海賊1「や、やめて…!!」

 

海賊2「ゆ…ゆるし…!」

 

黒ウタ「♫♫♫…」

 

ピタッ…

 


「全てが楽しいこのステージ上 一緒に歌おうよ♪」

 

すると黒ウタ達が急に止まり、今度は横一列に並び出した。

 



「I wanna make your day, Do my thing 堂々と ねえ教えて何がいけないの?♪」

 


「この場はユートピア だって望み通りでしょ?♪」

 

すると今度はウタの歌に合わせて踊り出した。それは誰1人乱れず、歌に合わせて息ぴったりで誰もが自分達が襲われたことすら忘れてしまうほど。

 

だが、ウタの猛攻は終わっていない。

 


「突発的な泡沫なんて言わせない 慈悲深いがゆえ灼たかもう止まれない ないものねだりじゃないこの願い♪」

 

黒ウタ達がダンスを止めると一箇所に全員集まり出した。そして黒い液体となって全て溶け込み、膨れ上がり、形が作られていき、上半身だけの巨大な黒ウタが誕生した。

 

海賊1「うそだろ…」

 

巨人の黒ウタは両腕を上げ、握り拳を作る。

 


「この時代は悲鳴を奏で救いを求めていたの
誰も気付いてあげられなかったから わたしがやらなきゃ だから邪魔しないでお願い...
もう戻れないの だから永遠に一緒に歌おうよ♪」

 

下の海賊達を叩く。そしてまた叩き、次第に早くなっていく。



 

「直に脳を揺らすベース 鼓膜ぶち破るドラム 心の臓撫でるブラス ピアノ マカフェリ 五月雨な譜割りでShout out! Doo wop wop waaah!」

 

叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く。

 


「欺きや洗脳 お呼びじゃない ただ信じて願い歌うわたしから耳を離さないで それだけでいいHear my true voice♪」

 

歌が終わった途端、動きが止まり、黒い液体となってウタの影に戻った。

 

辺り一面、血まみれの海賊達が倒れ、静けさだけが残る。

 

その光景にレイナとケイトは口を開き、驚愕していた。

 

レイ「何よ…これ…」

 

ケイ「うっそ……ウタちゃん…何者…?」

 

普通ならば恐怖するだろうが、2人は元海軍であり現賞金稼ぎ。様々な修羅場を見てきたため耐性があり、恐怖を感じなかった。

 

そんな2人にセイヤが肩に手を当て、温かい笑みで安心しろと呟く。

 

セイヤ「ウタは俺達の船長で、俺の弟の嫁になる女だ…」

 

「「……え?弟の嫁?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

スズ「ああ……我慢できない……もう斬っちゃう!!」

 

我慢できなくなったスズランが等々刀を抜き、ウタに斬りかかろうとするが…

 

ガキンッ…!!

 

ムラ「言ったはずだぞ…次現れたら容赦しないと…!」

 

ムラサキが現れ、スズランの刃からウタを守った。

 

スズ「君かぁ…嬉しいよ…漸く君の内臓が見れそうだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘス「良いね…ウタ、君は実に良い…考え直す気はないか?」

 

ウタ「嫌だ…あんたなんかと一緒に行くわけないでしょ?それにまだあんたには痛い目見てもらわないと困るの…」

 

ウタのこの発言にまるで理由がわからないと首を傾げる。

 

ウタ「あんたでしょ?ラフエル傷つけたの」

 

それを聞き、ああ〜と納得したのか頷く。

 

ヘス「元仲間だからな…痛めつけて何が悪い?」

 

ウタ「今は、私の仲間なの……落とし前、つけさせてもらうわ」

 

指の骨を鳴らし、構える。ウタの表情はさっきとは違い真剣な顔つきだ。

 

ヘス「つけさせてみろ…小娘」

 




今回は『ウタカタララバイ』が登場!強すぎたかな?

次回はレイナとケイトの戦闘がメインとなります。

それでは次回!『ファルスブラザーズ』!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。