お待たせした人はすみません!!
それではどうぞ!
静けさが辺りを支配し、緊張が走る。いつでも始まる気配が漂うためお互いに攻撃できずにいた。
スズ「『フジ』」
『!?』
先に仕掛けたのはスズランだった。斬撃は無数に散り、セイヤ達に襲いかかるが、ムラサキの一振りで被害は受けなかった。
ムラ「相変わらずだな」
スズ「この魚人は僕が斬るからさぁ…他はあげるよ?」
Mr.6「フン、まぁ良い…有り難く貰っておく」
マー「ムカつく…」
そう言いながらも2人はセイヤ達の背後を瞬時に取り、爪を大きく振った。だがその攻撃は通ることなく、セイヤとレイナによって防がれた。
Mr.6「ほお!撃たせなくするとはな!」
セイヤ「悪いがあんたらがヤバいのはわかっている。早々にケリをつけさせてもらう!」
そして2人は技を放つ。
セイヤ「『粒子砲』!」
レイ「『零距離・波動砲』!」
『!?』
ズトオオオオオオオオオオオッ…!!
強力なエネルギー砲が放たれ、Mr.6とミス・マザーズデーは海側まで吹き飛んだ。
スズ「やっぱり…君達は面白いなぁ…!」
スズランが狂気に満ちた笑顔を向けてムラサキに斬りかかる。だがムラサキはそのまま刀で受け止める。
ムラ「お前、刀を変えたか…!」
スズランの刀はまるで黒みを帯びた血のような色をしている。
その刀の名は…『紅椿』。
スズ「そういう君も新しいの買ったんだ!良い刀だねぇ…ちょうだい?」
ムラ「無理だな!」
お互いに刀を変えたことに気づく。新調して更に刀の威力が上がり、防戦一方。
するとお互いに後ろへと下がる。
スズ「このままじゃ終わらないねぇ…そろそろ次の段階へ進もうか…?」
ムラ「…いいだろう…俺も始めようと思っていたところだ」
殺気を放ち、構える2人。今にも斬撃が放たれそうだ。
スズ「君を今度こそパッカーンしてあげるよ…!」
ムラ「上等だ。やれるものならやってみろ!」
スズ「ははっ…やはり君は面白い!…それと君達も」
いつの間にかスズランの周りを囲んでいたセイヤ達。だがその状況でも余裕そうな態度を取る。
スズ「あぁ…早く君達を斬りたい…!紅も斬りたくてうずうずしているよぉ…!!」
その姿はまさに狂気。スズランの斬りたいという行動は常軌を逸している。修羅場を潜り抜けてきたセイヤ達ですらそう思う。そのためか下手に動けず、様子を見ていた。
セイヤ(こいつは本当にやばい…今まであった奴らよりも狂気だ…早めに始末するしかない…!)
セイヤもやる気だ…
スズ「いいねぇ…いいねぇ…!さぁ、斬り合お」
ドンッ!!!
突如、大きくスズランが吹き飛ばされた。
ムラ「え?」
セイヤ「え?」
『え?』
何が起きたのか分からず、皆頭の中がハテナになる。後ろを振り返ると建物から誰かが出てきた。
ウタ「うるさいな〜…ヒック…」
レイ「ウタ、起きたのね!」
ケイ「ちょっと待った姉貴…様子が変だ…」
ウタ「ヒック!…せっかくルフィのゆめ見てたのに…じゃますんじゃないわよべらんめーっ!!」
ラフ「あれこれって…まさか…」
セイヤ「……酔ってるのか?」
そう酔っている…ウタはとんでもなく酒に弱く、酔いが覚めるのにも時間がかかる体質なのだ。
ウタ「なぁ〜にぃ〜…よってなんかないよ〜?ヒック!」
ラフ「いや酔ってるじゃないのっ!?完全に!!しょうがない…ちょっと待ってて!何かいいの作ってくるわ…!!」
酔っているウタに心配し、ラフエルが酔い醒ましの料理を持ってくると言って建物の奥へと入っていった。
それと同時に、大きな音と共に吹き飛んだスズランが現れた。
スズ「ハァ…漸く…会えたよぉ…ウタァ…!」
ウタ「ええ〜?だ〜れ〜?」
セイヤ「敵だ!!(まずい…ウタはこの状態だ…!戦えばどうなるか…!)」
酔っている者は感覚が鈍り、戦闘には向かない。そのため殆どの格闘家は酒を飲まない人が多いらしい。だがそれでも飲んで勝てる人はいる。曰く酒を支配してこそ本当の格闘家らしい。現に酒に呑まれない人達はいる。
ウタの場合は完全に呑まれている。非常にまずい。
ウタ「へぇ〜…敵ね…」
ウタがスズランを見て敵と認識するやいなや、敵に向かっていった。
セイヤ「よせウタッ!?」
こちらに向かってくるウタに対してスズランは笑みを浮かべながら刀を振る。
だがそれは通らない。
ガキンッ!
スズ「ッ!!?」
見えない何かに刀が弾かれた。それと同時に音符が現れスズランの身体に溶け込むように消えた。
スズ「なんだ…?」
ウタ「スピーカーって知ってる〜?あれって、音を大きくしてみ〜んなに聞かせてくれるんだよ〜?だから…あなたを〜スピーカーにしました〜!」
スズ「何…スピーカー?」
するとスズランの身体から徐々に音が聞こえてきた。
スズ「これは…!」
ウタ「今君の身体は〜大きな音で爆発しちゃうのよね〜!私の〜…歌を〜…身近で聴いてぇ〜!!アッハハハハハハハッ!!」
酔ったことでヤバい状態になっているウタ。普段よりも歯止めが効いていないのか相手に対して手加減ができていないようだ。
これに対してセイヤ達は本来のウタの力はセーブされていた物だと気がついた。
セイヤ(ウタ…お前…)
ズドンッ!!
すると突然大きな音と共に地面に衝撃が走った。そこにはなんと先ほど吹き飛ばしたMr.6とミス・マザーズデーがいた。
Mr.6「よくもやってくれたな…危うく骨が全部折れそうだった…!」
マザ「ずぶ濡れ…」
なんとあの攻撃を受けて倒れず、海から戻ってきた。微かにダメージはあるようだが殆ど無傷に近い。
ケイ(こいつらもう戻ってきた!?)
レイ(しかも海から…こいつら能力者じゃないの!?)
セイヤ(人狼…やはりあの種族か…!)
ウタ「ん〜?…あっははははは〜!!ま〜た誰かきた〜!!」
マザ「む、新たな敵……でも変…」
Mr.6「なんだこいつ…酔ってるのか?」
戻ってきた途端に酔っ払った女がいて驚いたが、消すべき対象が増えただけだと考え、まずは後ろの奴らから消す。
Mr.6「『ハウリンボイス』!」
上空へ飛ぶと口から衝撃波を放つ。
セイヤ「ぐおっ…!?(これは…ウタのと同じ、いやそれ以上の音ッ…!?)」
あまりにも強烈な音に耳を塞ぎ、動けないセイヤ達。普通ならば鼓膜が破れ、脳が揺れて意識が飛ぶほどの技だ。
そこをマーザーズデーが攻撃する。
マザ「先ずは…こいつ…!」
ミス・マザーズデーの爪がムラサキを襲う。
ムラ「ッ!?」
ムラサキも応戦しようとするが、腕が上手く動かないのか刀が振れずにいる。
そして爪が迫る時…
ジャキンッ…!!
セイヤ「!?」
ラフ「うそっ!?」
Mr.6「ああ?」
マザ「む」
ムラ「お前…!」
スズ「君達〜?…勝手に人の獲物取っちゃダメだよぉ?」
スズランが入り込み、爪の攻撃を止めた。
マザ「なんのつもり…?邪魔しないで」
スズ「君こそ邪魔だよ…僕の獲物を取ろうとしてさぁ…約束破ったねぇ?だから君達から先に頭パッカーンしてあげる!」
スズランの紅椿が赤い閃光と共に放たれ、マザーズデーの爪を切った。
マザ「ッ!?」
Mr.6「マザーズデー!?」
一瞬、ミス・マザーズデーが攻撃を受けたことに動揺したMr.6が技を少し緩めた。それに気づき、一斉に動き出すセイヤ達。
Mr.6「チッ…!!」
セイヤ、レイナ、ケイトはMr.6。ラフエルとムラサキはミス・マザーズデーをそれぞれ狙う。
ウタ「……」
それを見つめるウタ。
ウタ「…音楽創造『酒呑童子』」
するとウタの頭に捻れた2本の角が生え、後頭部には大きなリボン、白い服と紫色のスカートを履いた姿に変わり、手には瓢箪がある。
そして何処からか音楽が鳴り出し、皆が驚くが、察したセイヤ達は急いで離れる。
Mr.6「なんだ…?」
マー「嫌な予感…」
ウタはスズランに近づくと赤い音符を出した。そしてスズランの身体に入れた。
スズ「…何をしたのかなぁ…?」
ウタ「お侍さーん…手ぇ貸してあーげる!」
スズ「え…?」
ウタ「ムラちゃん助けてくれたでしょー?だから今吹き飛ばすのはなーし!!だから…一緒に戦おー!!」
ウタはムラサキを助けたスズランに好感を持った。酔ってるせいでもあるがスズランに対しての危機感が無い。
そしてスズランはというと、ウタ達を殺したいのだがこの2人が邪魔になった。
スズ「そうだねぇ…(あの2人は邪魔だからねぇ…協力するのはたまにいいか…その後で…ウタ、君をパッカーンしてあげる!)いいよ…協力してあげる」
ウタ「オーケー!!それじゃあ〜…始めよう!!」
そう言うと同時にウタとムラサキの身体から自分とそっくりな小さな分身体がいくつも現れた。
Mr.6「なんだ…!?」
ムラ「へぇ…かわいいねぇ…」
ウタ「いけぇ!!ミニ軍団!!」
分身体は一斉に動き出す。ウタの分身は一斉に『銃声音』を放ち、スズランの分身は斬撃を放つ。しかしMr.6達は笑みを浮かべ、腕を振ると爪から斬撃が放たれ、分身達が一瞬で消えた。
Mr.6「この程度か、マザーズデー!」
マー「ええ!」
ミス・マザーズデーが息を大きく吸い込み…
フッ…!!
ドボッ…!
スズ「ッ!?…」
短く息を吐くとそれはまるで鉛玉のよう感覚で、スズランの腹に衝撃を与えた。謂わば、空気の弾だ。
マザ「まだまだいくよ…!」
そう言って飛び、連射による空気弾の雨を降らせる。
ウタ「うわー!雨が降ってきたねー!それじゃあ吹き消そー!!」
すると瓢箪の蓋を開け中の液体を口に含むと、口から霧として吹き出す。霧は降ってくる空気弾に当たるとお互いに弾けた。更に残った霧は弾丸となってミス・マザーズデーを襲う。謂わば、霧の散弾だ。
マザ「ぐっ…!!?」
Mr.6「『ハウリンボイス』!」
先ほど放った衝撃波を放つが、ウタとスズランは平気な顔をしていた。
ウタ「?」
スズ「?」
Mr.6(な…何故効かない…!?)
『ハウリンボイス』はどんな生物も脳が揺さぶられ、鼓膜が壊れるほどの技。効かないのはウタの能力で身体から音が流れているため、音による技は殆どかき消され、無効化され効かない。スズランも現在、ウタの能力の影響を受けているため効かない。
スズ「どうやらウタのおかげで君の攻撃は効かないみたいだねぇ…」
スズランが余裕の表情で煽る。
マザ「死ね…!」
ミス・マザーズデーが襲いにかかるが、ウタはそれをわかっていたのか身体を大きく仰け反り、躱す。
ウタ「次はー…ヒック!…こっちのばーんッ!!」
そう言うとウタは仰け反った状態で『大声波』を放つ。
ミス・マザーズデーは攻撃を受けたが余裕の表情であったが…
クラッ…
マザ「なっ…!?(立ちくらみ?馬鹿な…私が…!)」
急な立ちくらみに驚き、一瞬敵から目を逸らしてしまった。それを見逃さないスズラン。
スズ「『モクレン』!」
スズランの放つ斬撃で彼女の横腹が斬られた。
Mr.6「マザーズデーッ!!?」
スズ「ん〜…良い斬り心地だねぇ」
Mr.6「このクソザムライッ…!!!」
Mr.6が襲いにかかるが…
ガシッ!
Mr.6「なっ……なっ!!?」
Mr.6は驚いている。いや、驚かざるを得ない。
ウタ「次は〜…君のば〜ん!」
ウタが巨人となり、Mr.6を掴んでいた。
『ええええええええええええええええええっ〜…!!!!?』
遠くで見ていたセイヤ達は顎が外れそうなぐらい大きな口を開けて驚いた。
ウタ「ほら〜!お侍さんも〜!」
すると今度はスズランも大きくなった。
『ええええええええええええええええええっ〜…!!!!!?』
自身に起きた現象にスズランは驚きを隠せないが本人はあり得ない体験に興奮して笑みを浮かべた。
スズ(面白い…!!)
ウタ「いっくよ〜!!」
スズ「こういうのも…良いねぇ…!!!」
Mr.6「クソッ!離せ…!」
ウタ「いいよ?ほらっ!」
ウタはMr.6を上空へと軽く投げた。
Mr.6「うぉ…!?」
急に投げられたことに動揺するが、瞬時に体勢を変え、攻撃に移ろうとした。
だがもう遅い…
無数のミニ軍団がMr.6を囲んでいた。それと同時にミス・マザーズデーと目が合う。
マザ「兄さん…!」
Mr.6「…!!」
ウタ「『
スズ「『ツバキ』…いや、『ダイツバキ』!」
ミニ軍団全員の『大声波』と巨大化したスズランの一箇所集中斬撃の『ツバキ』。
数の暴力と高火力集中攻撃…頑丈なMr.6も流石に耐えきれず、またしても吹き飛んだ。
Mr.6「く……そぉ…!!」
歌が終わると同時に2人の姿が元に戻る。そしてスズランはウタを斬ろうとした。
それと同時にウタが振り返り…
ウタ「くかぁあああ……」
スズ「え…?」
寝た。
あまりに急なことに狂人のスズランも驚きを隠せない。
その隙にセイヤとムラサキが現れ、刀を首に突きつける。
セイヤ「確保ッ!!」
セイヤの合図と共に寝ているウタを抱えて撤退するラフエル達。
セイヤ「今日はここまでだ」
ムラ「追ってくるなよ…!」
そう言い残し、去っていくがスズランはただ呆然とするだけだった。そして次第に固まった表情が崩れ…
スズ「アーハハハハハハハーッ…!!!!」
大きく笑い出した。
スズ「アッハッハッハッハー!!…(面白いッ!!僕を目の前にして、敵の前で寝るなんて!!本当に面白い!!ああ、あの子の中身が気になる!!パッカーンしたいッ!!殺したいッ!!)アッハッハッハッハッハッハッハーッ…!!!!」
ここでスズランはウタを本当に気に入り、彼女を殺したいと思うようになった。それから彼の笑い声は朝まで続けた。
ディーバ・ラパン号
セイヤ「ハァ…疲れたー…」
ラフ「なんだったのよぉ!!もぅ〜!!」
ウタ一味は今回色々ありすぎて流石に疲れてへとへとだった。
ケイ「兄貴…急いで出たもんだから…食料が…」
レイ「おまけに調味料や小麦粉なんかは…」
シラ「ケセランッ!」
留守番のシラワタが全部食べちゃった。
『はぁ〜…』
全員ため息をつく。この先、次の島までもつのかどうか…
ムラ「ところで…こいつらどうするんだ?」
ガチャ…
ラテ「あ」
扉を開けると隠れて覗いていたラティスとニーニャがいた。
ラテ「あはははは…見つかちゃったー…」
ニー「見つかったー」
わざとらしく驚いた表情をする2人。
ラフ「アンタ達、いつのまに!?」
セイヤ「気配はしていたが、こいつらだったか…」
レイ「どうするの?元の場所に帰そうにも
もう過ぎてるわ…」
ケイ「海に放り出すわけにもいかないしな…」
ラテ「え!?あ、お…お願いです!!次の島まで乗せてください…!!」
ニー「乗せてー」
放り出すと言われ、土下座をしてお願いする2人。
ラテ「あと良ければこれも…!」
そう言って渡したのが大量の食料。
セイヤ「近くの島でいいな?」
ラフ「はやっ!?」
こうして密航者を乗せて次の島を名指す。
しかし彼らは知らなかった。彼女達がとてつもない存在であることを…
バーボンリース島・港
ザバッ…!
マザ「大丈夫兄さん?」
Mr.6「ああ…まさかまた…吹き飛ぶとは……」
ミス・マザーズデイにより引き上げられたMr.6。ぐったりとしていると、遠くの方で船が動き出した。
マザ「あいつら逃げるんだ…」
Mr.6「ほっとけ…それよりもあいつらだ。ここまでやられたんだ…!」
マザ「それなんだけど…もう行っちゃったよ」
Mr.6「何?…そうか…」
Mr.6「クソガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ…!!!!」
ドゴオオオオオオオオオオンッ…!!!!
Mr.6の怒りの咆哮が船を粉砕。木っ端微塵となり、船の残骸と船員が海に浮かぶ。
Mr.6「あいつらを消すぞ…!!」
マザ「うん…私も頭に来てた…!」
そしてまだ脅威が去ったわけでもなかった…
今回、『音楽創造』が出たのに歌詞がないと思っている人にお話です。
実は歌詞の許可を得ようとしたのですが、曲名を入れても出てこなかったのです。なので勝手に入れてどうなのか不安なので今回は歌詞無し。もし歌詞を入れる際に詳しい方がいれば教えてもらえると助かります。どうも説明を読んでもわからないので…
気になる方は動画で聴いてみてください。おすすめです。
『酔生夢死-Hedonism-』
それでは次回!『獣王島』