偉大なる航路・ある海域
海賊船が物凄いスピードで突き進む。それは目当ての宝を早く取りに行くのでも、船を襲いに行くのでもない。
逃げているのだ。
船長「まだ追ってくるか!?」
船員1「まだ来ます!!」
船員2「ちくしょー!!なんて速さだ…!!」
よっぽど怖い相手なのだろう。自分達の方がよっぽど怖い存在であるのは一目でわかるのに。
「あらあら〜逃げないでくださ〜い!捕まえれませんわ!」
船長「うわあああああッ!!!なんであいつの声が聞こえるんだ〜!!?」
海賊船を泳いで追いかける1人の女性。何故か声が聞こえてくることに恐怖する。
船員1「ああ!?もう近くに…!!」
ザッバアアアッ!!
水飛沫と共に海から人が飛び出し、船に着地した。
大柄の体型に銀髪の美少女の顔が乗ってるという非常にアンバランスな姿。ダイバースーツのようなピッタリフィットスーツの格好をしている。
「フゥ…ごきげんよう…海賊の皆様」
船長「き、来やがった…!!こうなったらやられる前にやってやる!!野郎どもォ!!」
『おおおおッ!!!!』
海賊達が襲いにかかる。
「失礼」
彼女はひょいっと軽い物を退かすかのように、海賊達を放り投げていく。
彼女が使用しているのは合気道、柔道などの投げ技。だが普通の投げ技じゃない。この技は魚人柔術の応用だ。
船長「大砲で吹き飛ばせッ!!」
船員が大砲を彼女へと向ける。
「あら、怖いですわね」
ドオオオオオオンッ!!
大砲が放たれた。しか彼女は避けようとはせず、拳を構える。
「えいっ」
拳が大砲に当たるとそれは砕け散った。
船長「ひいっ…!?」
「いやですわ。こんな物をレディに向けるなんて…おしおきがいりますわね」
ザブンッ!!
そう言うと海に飛び込んだ。
船員1「飛び込んだぞッ!!?」
船員2「逃げたのか!?」
船長「そんなことはどうでもいい!!兎に角船を進め」
ギギギギギギギギ…!!
すると船から軋む音が響き始めた。
船長「な、なんだ…?!」
「それでは…ごきげんよう」
海軍1「…また酷くやりやがった…」
数分後、海軍の船がやって来た。
その惨状は酷く、海賊船は真っ二つに折れていた。
海軍2「これも彼女の仕業ですか?」
海軍1「ああ…恐ろしい物だ。どこにこれだけの力があるのか」
「今日も収穫はありませんわね…」
泳ぎながら次の島を目指す彼女の名はムゥス・ティーク。賞金稼ぎでありながら『ムゥス商会』という大きな会社の商人をやっている。
『ドルフィン動気術』という運動技法を編み出した達人で、魚人に匹敵する水泳能力を持ち、身動きしなければ5日、フル活動で2時間以上もの長時間の無酸素活動が可能という人間の域を超えたまさに『超人』という存在。
ムゥ「ハァ…あなた様一体何処にいるのでしょうか…早く会いたいですわ…ルフィ様…」
ルフィの手配書を見て愛おしそうに呟く。更にその手配書には彼女の文字でこう書かれてある。
『未来のダンナ様』
ムゥス・ティークがルフィに惚れた理由。
・小さい頃迷子だった所を助けてくれた。
・笑顔が素敵で惚れた。
ウタ以外に幼馴染がいるのも、いいよね?
新たなウタの恋のライバル…お楽しみに!